いちはら市民ネットワーク
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いちはら市民ネット通信




「協働」の時代

「協働」ということばを初めて目にしたのは7、8年前だったか。奇妙な造語と感じたことを覚えています。
地方分権により、国は県に、県は市町村に仕事を委譲してスリム化しようとしています。たくさんの仕事を抱え込んだ市町村は、これまで行政が独占してきた「公共」の分野を、「市民への分権」「市民との協働」というかたちで、担っていかなければならなくなりました。こうして誕生した「協働」は市民参加の土俵をひろげ、お任せにしてき

た地方行政のあり方を市民が変える大きな一歩ともなりえます。

意識のズレ

しかしながら、「協働」ということばが、あいまいなまま使われ、行政と市民の間で意識がズレている気がします。「行政が安上がりの労力として市民団体やNPOを利用しているだけではないか」「市民が自らの責任と力で行うべきことを行政に依存して行っている場面もあるのではないか」という声も聞こえます。

「協働」は「自立」と「対等」

「協働」は行政と市民団体が、もたれあうのではなく、互いに「自立」し、「対等」な立場で共通の目標に向けて協力することです。そうはいっても市民団体にとっては活動資金確保が大きな課題です。事業継続のための基金や融資のしくみづくりも必要です。「協働」を担う市民団体を育てるのも、行政の役割です。

提言から実践へ

本市も平成16年の市民会議にはじまり、試行錯誤しつつ市民とのパートナーシップの関係を積み上げてきました。この春、「協働」の窓口が市民生活部に一元化され、今後は、市民参加でつくった「協働によるまちづくりルールの提言書」にそって、実践に移す時期です。
「協働」をルール化するまちづくり条例の制定も視野に入れてほしい!と、強く願っています。

教育こそ地方分権を!


昨年の教育三法の改定で、文部科学大臣が市町村の学校の問題に直接「是正指示」できることになりましたが、それこそ「教育における地方分権」の逆行です。
いじめや未履修問題が背景にあるといいますが、もちろんいじめ問題を隠蔽するような教育委員会の体質はそのままにしておけない。だからといって、文科省の権限を強化すれば、市町村教育委員会は今まで以上に国の意向を伺うことになりかねません。
市の役割は、市内の学校現場の声をきちんと県や国に反映していくことにあるのではないでしょうか?  
これからは、教員の採用も市町村単位になる日もやがてくるでしょう。そのためにも「子どもと接する現場がどこより強い」という自覚が大切です。子どもたちをとりまく教育を風通しのよい学校、ひらかれた学校で本音で論議しあい、国に対しても発信してほしいと思います。

環境自治体会議とは?

1996年から始まり、全国の61自治体が参加して、毎年開催されている(千葉県からは我孫子市のみ参加)。自治体が全ての政策に環境の視点を入れるために、相互に情報交換や交流をするネットワーク組織。今年は山形県遊佐町で5月28日〜30日の3日間開催された。

命を育む農業

私は生活クラブ生協の組合員として、遊佐をはじめ山形には思いが深い。20年程前、養豚牧場の方が千葉で講演会をした時、美しい響きの山形弁を初めて耳にして、山形に憧れた。遊佐のお米は、作る人も食べる人も安心できるよう田んぼの農薬を半分に減らして作られている。
生産者は「鳥海山の恵みの水でおいしい米ができ、日本海からの海風で虫がつかない。生産者と消費者による登録米は農業の未来であり、農業と農村の暮らしを守るシンボルである。トキが舞い降りる里を作りたい」と主張している。こんな人々が住む町だからこそ、環境自治体会議に参加し、全国からの訪問者に厚いもてなしができるのだろう。
(井上)
分科会報告

どうしたらいい?プラスチック処理


分科会は多岐にわたる12のテーマで話し合われた。私は「どうする?自治体プラスチック処理」に参加した。
プラスチックはごみの中で容積が6〜7割も占めている。市原では今は燃やしている。燃やせばただのゴミになるが、リサイクルすればお金がかかるのが悩みの種。八王子市と水俣市の事例が発表されたが、プラスチックごみは焼却炉や埋立地(最終処分場)の事情に左右されて、比較が難しい。
商品を作る事業者の責任強化をもとめる「容器包装リサイクル法」の改正は、今も実現していない。そんな中で、新庄市にある食品容器メーカーの取り組みはヒントになりそうだった。昼食のお弁当の容器は回収されたプラスチックから作られており、フィルムをはがすと汚れていない容器が現れて、それを再び回収するのだそうだ。プラスチック容器業界が、再生技術を自治体や市民に教えることで、リサイクルは進むという。

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いちはら市民ネットワーク通信(No59〜No97)
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