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6/6蒲田孝代弁護士を講師に行われた学習会。
23名の参加。 |
裁判員制度について、推進側と反対する側の両方の識者からの意見を聞き、賛否の判断は参加者に委ねようというのがネットの基本的考えでしたが、これまで3回の学習会を経て制度への疑問や問題点が次々浮上してきました。
▼ドイツの司法改革は「なぜ裁判官は高い所に座るのか?」という市民の素朴な疑問に始まり、今日の「開かれた裁判所」となったそうです。確かにテレビでみるドイツの法廷は裁判官・被疑者席とも平場で、いかめしい雰囲気はありません。日本では、裁判員は裁判官とともに一段高い所から眼下に座る被疑者を裁きます。
今回の講師の蒲田弁護士も修習生のとき、裁判官席に座った時、不平等を実感して愕然としたそうです。
▼死刑宣告(多数決!)を含む公権力の行使への参加は市民にとって重荷です。「公判前整理手続き」により、あらかじめ「あらすじ」が決められ、新たな証拠提出も制限をうける中で、判断を迫られるのは無謀です。
「完全に有罪が立証されない限りは無罪」という推定無罪の原則も揺らぎます。そもそもこの制度に、「足利事件」のような冤罪を防ぐ機能はあるのでしょうか?また、評議内容を漏らすことは罰金50万、懲役6ヶ月という罰則により誰かに話すことは固く禁じられており、開かれた検証ができません。
▼「司法に市民参加」といいながら「ルール違反に対する効果的な制裁」という本音がちらついている気がします。あちらこちらから見直しを求める声が上がっています。何度か学習会を行い、市民が裁きあう社会でなく、困難であっても許しあうことをめざす社会の実現をこそ求めたい、と強く思うようになりました。
(高原)