子どもと言いましても就学前の幼児の教育について伺います。
総合計画の学校教育の項目には「一人ひとりの能力や状況に応じたきめ細やかな指導により、基礎学力の定着や障害児教育の充実を図ります。」とあります。
「誰もがありのままの姿で地域で暮らす」ことを可能にするのは小さい頃からお年寄りと接したり、障害がある子どもと共に生活する事だと思います。幼児では人とコミュニケーションをとるのが苦手な子や落ち着きがなく目が離せない子もいます。
昨日の教育長の話にもありましたが、幼児が室内でのゲームやテレビで一日の大半を使い、体を使っての外遊びの体験不足が影響して、上手くコミュニケーションを取れなくなっているのではないかとの説もあり、そういうお子さんもいますが、生まれもって発達障害のお子さんもおられます。その場合、お母さん方は回りの理解を得られず辛い思いをしておられます。一番始めに辛い思いをするのは幼稚園に入るときです。
市原市は市内に20箇ある保育所のうち各地区に1箇所、計7園で障害児を受け入れ今年度は41名の子どもに職員が25名配属されています。
一方、幼稚園は私立23園のうち6園で16名の子どもを受け入れています。
公立は6園のうち1園のみです。保育園のように受け入れの制度化がされていないので入園はあくまでも園長の裁量に任されています。
そのため「マザーズホームに通うような子は入園できません。」「うちの園で受け入れはしますが目は届きません。」「安全が保障できないので他の園に行ってください」等と断られ、親は受け入れ先を自分で探し回り、最終的には家から少々遠くても規模が小さい理解ある認可外の幼稚園に行く事になってしまうのです。母親同志の口コミで今年度、ある認可外幼稚園には園児49名中5名の障害児が通園しています。園長は「ここで断ったらこのお母さんは事件を起してしまうのではないかと思い受け入れています。」と語っておられました。
障害児を受け入れ、相談の窓口になっているのは三和の発達支援センター、以前のマザーズホームそして障害福祉課です。福祉機関では障害のある子どもたちを地域の教育機関と連携しながら発達の支援をいていく方向をとっています。
そこで4点お尋ねいたします。
1点目、障害を持った子どもの受け入れ機関を今のままで良いとお考えでしょうか。受け皿を作るべきと考えますが行政はどう対応していく予定なのかお聞かせ下さい。
2点目、各地区の保育園では障害児3人に保育士一人を付けて受け入れていますが、幼稚園では仕組みとして受け入れ態勢が出来ていません。幼稚園の障害児に対する受け入れを広げる考えはおありですか、特に公立幼稚園に対してですが、小学校で補助員を付けているわけですから、幼稚園でも仕組みとしてつけるように出来ないのか、見解をお聞かせ下さい。ちなみに障害児保育所は母親の就労が入園条件になっています。
幼保一元化の動きの中で、この就労規定が大きな支障となっていますが待機児童が約300名もいる市原市では、これを外す事は難しい課題です。来年3月には幼保一元化に対して市原の方針がまとまるようですのでその時また質問いたします。
3点目、私立幼稚園で障害児を受け入れている園に対し、国・県・市から補助が出ていますが、認可外だとゼロです。20数年にわたり障害児を受け入れ実績があるのにも拘わらず認可外幼稚園は補助を受けていません。総合計画の中で認可外保育所への補助が打ち出される時代ですが、認可外の幼稚園にたいしても、せめて障害児手当ての補助金あるいは補助員を付ける体制が取れるような支援が必要と考えますが、見解をお聞かせ下さい。
現在、幼稚園では一クラス35人の幼児を一人の教師が見ています。障害児受け入れ云々以前の問題です。
昨年12月臨時国会では発達障害者支援法が成立し、学校教育現場では平成19年度からは特別支援教育が始まります。
理念と掛け声は素晴らしいのですが、現実は地域で幼児を受け入れることも厳しい状況です。
市原市では昨年秋より念願の「発達支援センター」が発足しました。そして市内の保育園、幼稚園、小学校などへ「巡回相談」の機能を持ち、地域で情報発信をし、「療育の拠点」となるべくスタートが切られました。
障害を持つ子どもたちが近くにある幼稚園に安心して入れ「誰もがありのままの姿で地域で暮らす」ことができる「まちづくり」そのための支援体制に是非取り組んでほしいと思います。