少子高齢化は社会全体の課題ですが、市原市においても当然同じ流れのなかで、平成15年度の出生率は1.25と毎年下がり続けています。また、市民からのアンケートによりますと、子育てが楽しいと感じながらも、保育や教育内容に満足している人の率は3割以下になっています。
市原市の子育て支援に対する、市民の満足度はまだまだ低く、各分野に対して要望が高いのがわかります。
このたび、市原市次世代育成支援行動計画の素案が示され、パブリックコメントの募集中とうかがっております。この行動計画を中心にいくつか質問させていただきます。
まずは「基本的な考え方」の部分ですが、「ともに育てよう 元気な いちはらっこ」ということで、保護者とともに地域社会全体でともにそだてよう、という視点はその必要性も含めて賛成です。
ひとつ大きく気になるところは、支援の対象である「子ども」自身の視点、そして権利の立場から書かれた部分が、見当たらないということです。子どもは保護の対象ではありますが、一方で当然ながらひとりの人間として、別個の人格を持った存在でもあります。
「児童の権利に関する条約」いわゆる「子どもの権利条約」が日本でも平成6年に批准されました。また、増え続ける児童虐待の防止対策のため、平成12年には「児童虐待の防止に関する法律」が施行され、その後更なる改正が行われています。しかし社会環境の大きな変化のなかで、子どもの人権をめぐる問題は、複雑化、深刻化しており、更なる対策が必要とされています。このような問題の背景には、大人が子どもを未熟な存在として支配的な意識を持ったり、保護や教育の対象としてのみ見ることによって、子どもの主体性や、社会性の欠如を招いていることもひとつの要因であると考えられています。
「子ども」を一人称でとらえ、「子どもの権利・社会参画」を出発点にした施策展開が必要と考えますが、ご見解をお聞かせください。
次にこの「素案」には、「市原市の子育て支援に関する現状」ということで、アンケート調査結果と課題の整理がされ、とてもわかりやすく読ませていただきました。市原市の子育てにおける課題がほぼ、網羅されているとも思います。
この課題が実際の「施策と事業」のなかでどれだけ解決、達成されるのでしょうか。現段階では数値化されていませんが、今後どのように示されるのかお聞かせください。
次に、市民による検討会の必要は前から申し上げてきましたが、この素案作りにあたっては残念ながら「市民参画」があまりはかられなかったと認識しております。
確かにアンケート調査結果が生かされてはいますが、公募委員などを入れた会議をもち、議論をすべきだったと思います。パブリックコメントを出すについても長文にわたる資料を読みこなし、意見を述べるということじたいが、子育て中のお母さんたちにとっては、大変なことです。
広く市民の声を聞き、またこのような計画が作られるというのを知ってもらうという目的からも、パブリックコメントが集まった時点で、例えば「タウンミーティング」のような形の、意見交換会を開いてはいかがでしょうか。もちろん託児つきの会場にしてです。お考えをお聞かせください。