このCAPプログラムについては平成16年3月議会で高槻議員、そして同じ平成16年6月議会で二田口議員が取り上げ、教育委員会の考えを聞いています。それに対し教育委員会はCAPプログラムの情報収集に努め、市教育センターの研修課題として取り組んでいきたいとの回答を出されたのですが、その後の進み具合をお聞かせ下さい。
「百聞は一見に如かず」と言いますが実際にCAPプログラムを体験してみて是非とも皆さんに体験し、知ってもらいたくて今回質問に取り上げました。
さて、毎日のように新聞紙上には犯罪被害者のニュースが出ています。
市原市は各小中学校に刺す又、催涙スプレー、捕獲器具ネットランチャーを配ばり、不審者から子どもを守るという気迫を見せています。今年の入学準備には防犯グッズをそろえる人が多かったと聞いています。
ある人が「いやな世の中になったものね。子どもに大人を信じたらダメと教えなくてはいけないなんて・・・」と言われていましたが、そうではなく正確には「信頼できる大人は大勢いるけど、そうでない大人もいるから気をつけようね」ということだと思います。
暴力は起こり得ることを前提に考えなくてはなりません。従来の対策では限界があるのではないでしょうか。自らの力で心と身を守る方法を考える時がきています。
防犯の教育では火災訓練もどきの「不審者が侵入する」という設定での訓練がありますが恐怖心だけをあおるようで子ども自身の力になっているのだろうか、との疑問を私はもっています。この類の訓練についての見解をお聞かせ下さい。
さてCAPはchild assault prevention の略で「子どもがあらゆる暴力から身を守るための教育プログラム」として今、全国各地で注目を浴びています。
いちはら市民ネットワーク主催で「CAPぽけっと」の皆さんに来てもらってYOUホールで講座を開きました。40人近くの大人が実際にロールプレイを含む劇を通して学びました。暴力とは心と身体を傷つけるものであり、人権を侵害するものです。暴力の中にはイジメ、誘拐、ちかん、虐待などがあります。
CAPでは義務を伴わない基本的人権として「安心して」「自信をもって」「自由に生きる」権利があると教えます。子どもたちは自分の権利について知っていれば、それに基づいた行動が出来、それは暴力防止に繋がっていきます。自分を大切に思い自分の存在はかけがえなく尊いと感じていれば、「イヤだ」「やめて」という意思表示をする事が出来、その場から逃げる事が出来ます。そして信頼できる大人に相談することで問題の解決をみることが出来ます。
市内の辰巳台東小学校が昨年PTAでこのCAPを取り入れ、小学6年生全員が学び好評だったと聞いています。そして、毎年の行事にしようとの計画があるとも聞いています。費用がかかるためバザーの収益金をあてたり、費用捻出のため色々な工夫をされているようです。東京葛飾区では教育委員会主導の事業が展開され、 四街道や船橋ではライオンズクラブが学校に助成していると聞いています。
このCAPは単なるマニュアルといわれる手引き書ではありません。
私たち一人一人が潜在的に持っている力や個性を引き出し生き生きと息吹かせることで(エンパワーメント)自分で判断し、自分で決定する力を持つようになるという考えです。
つまりCAPのプログラムは子どもたちを守るべき弱い存在としてみるのではなく、その内にある力を信じてそれを引き出し、自己肯定感を育てるプログラムです。
非行や様々な誘惑から子どもたちを守るにはこの自己肯定感、言い換えますと自己評価、これを高めるのが有効だと思います。
市原市でもこの暴力防止プログラムを取り入れて、子どもたち自身に「何が出来るか考える力」をつけこの時代を乗り越えてほしいと願うものですが、先ず教育の現場におられる先生方にこのCAPを知ってもらいたい、教師の研修にぜひCAPプログラムを取り入れていただきたいと思います。始めの質問と一部重複いたしますが教育委員会の見解をお聞かせ下さい。
これで1回目の質問を終わります。