「ともに輝く 元気なふるさと いちはら」のまちづくりを目指しておられる市長は、この五井駅東口整備構想も大型商業施設で活性化させる、というだけでなく、長期的なまちづくりの一つとして、取り組んでおられることと思います。
財政白書の中では、まちづくりのために必要な財源は、経常収支比率85%以下でなくては厳しいと指摘しています。平成15年度決算では、市原市の経常収支比率は89.9%、平成16年度決算では、経常収支比率は89.7%と聞いています。非常に厳しい状況で、五井駅東口側の開発には少なくとも「70億円かかる」と聞いています。
市原市も厳しい財政状況が続いていますが、これから財源の確保は、どうしていかれるのでしょうか、考えをお聞かせください。
たとえば、長期的な事業計画の中で起債を組んでいくことになりますが、返済期間が長くなればなるほど、その借金は子どもや孫に残ります。それまでして開発しなくてはならないのか、はなはだ疑問であり、私たち市民ネットは反対しました。しかし、方針が開発の方向で決定した以上、せめて、より良いまちづくりを提案していきたいと思います。
市原市都市交流拠点整備基本計画の資料を読ませてもらい、その後、映像を用いパワーポイントを使った説明には、うっとりと見とれてしまいました。
しかし、現実に戻りますと、果たして実現可能なのか。次々に疑問が湧き起こってきました。
東京ディズニーランドの9割が再訪者(リピーター)と言われていますが、次回も訪れたくなる期待を持たせなくては、つまり情報量を常に増加させなくては、来場者は増えていきません。説明の中で五井駅東口を「非日常」と位置づけ、今まで市原になかったテーマパークのようなものを考えておられるようですが、私にはそのイメージが伝わってきません。市原には馴染まないのではないかと思いますが、今一度、はっきりしたイメージについてお聞かせください。
さて、この事業パートナーはイトーヨーカ堂です。蘇我に「ハーバーシティ蘇我」ができ、その中にイトーヨーカ堂が作った「アリオ」というモールができました。先日、実際に蘇我駅から歩いてみました。商業施設まで約30分から40分。歩いている人はほとんどいませんでした。
そこで、伺います。
1点目、広域から人を呼び込むと言われますが、わざわざ、五井駅を利用して東口の交流拠点に来られる人は何を目的に、どこから来られると思いますか?
2点目、五井駅と整備構想区域をつなぐ更級通り沿いの区域は「快適生活ゾーン」とありますが、残念ながら現状では歩くような雰囲気ではありません。そこを楽しんで歩くには、歩道を広げ、整備していかなくてはならないと思いますが、そうなった場合、いったいどこが費用を負担するのでしょうか。また、その区域に、店を出す商業を営んでいる方たちとの話し合いは、進んでいるのでしょうか。
3点目、イトーヨーカ堂に決めたのは、「西口のイトーヨーカドーは撤退しない」ということでした。西口が生き残るためには、そこの存在意味が必要と考えますが、どんな役割があるとお考えでしょうか? お聞かせください。
「都市交流核づくり」として構想区域の波及効果や相乗効果について、楽観して考えておられますが、長期の視点では、西口にイトーヨーカドーあり、東口に新しいイトーヨーカドーができれば、西口のイトーヨーカドーは、今は撤退しないと言っても、いつかは撤退を余儀なくするかもしれません。おりしも、9月1日の朝日新聞に、イトーヨーカ堂が採算の取れない30店舗を閉鎖するとの記事が載っていました。
その時は、その地をいかに生かしていくのか。
あるいは撤退してもしなくても、市が独自に生かす道を、考えておられるのであれば、お聞かせください。