いちはら市民ネットワーク
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市議会レポート【代表質問】うわぶ玲子

1.平成18年度予算について

市長の口からは、これまで再三にわたって「お金がない」という言葉が発せられてきました。確かに財政の厳しさは年々度合いを増しています。一方では三位一体改革にしても財源の移譲が伴わないまま、地方に責任ばかりがまわされてきます。市政を預かる市長として現状の厳しさを、身をもって感じられてのお言葉とは思います。来年の見通しはさらに厳しいと予想されるわけですが、そのような状況の中で「元気な市原」を実現していくためには、どのようなことを考えた予算編成をされるのでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
財政白書によりますと、市税の17年度決算見込みは、昨年出された予測を20億円以上、下方修正となっております。さらに、18年度推計は31億円の下方修正ということで、市税の落ち込みがどこまでいくのか、予測もつかない状況ですが、18年度予算編成にあたって、市税収入の確保はどのようにお考えでしょうか。
市税収入の不足分は、他の収入の確保でまかなうわけですが、18年度は主にどのような財源確保を考えていらっしゃるでしょうか。お聞かせください。
また、財政白書によりますと、地方債も40億円から20億円増えて、18年度以降も60億円との推計が出されていますが、将来の債務負担残高への影響はどのようになるのでしょうか。ご見解をお聞かせください。
このように、あまりプラス要因のない中での予算編成は、なかなか大変な状況と思いますが、18年度は実施計画の中間年になります。実施計画と予算の一体性を確保し・・・ということですが、来年度予定の計画事業はすべて盛り込まれるのでしょうか。長期間に渡る大型建設事業や、新規事業、既存事業の拡充についても厳しい選択をするとありますが、実施予定事業のなかで具体的に見直しや見送り、凍結になる事業はあるのでしょうか。併せてご見解をお聞かせください。
予算編成と行政改革の関連についてですが、18年度はどのような行革を進め、どのような効果を挙げようとしているのでしょうか。お聞かせください。また、行政改革において職員の意識改革は重要な柱ですが、その意識改革と連動させる意味からも、「職員の給与」についての抜本的な改革が求められています。給与改革への取り組みについてはどのようにお考えですか。お聞かせください。

2.指定管理者制度について

地方自治法の改正で、公の施設は直営化か指定管理者制度にしなければならないということで、この間準備が進められた結果、それぞれの施設の指定管理者が選定され、今議会に提案されました。その選考結果を受けまして、いくつか質問させていただきます。
 指定管理者制度へ移行する24施設のうち、公募したものは18件となっていますが、そのうち5件は新しい管理者になりましたが、13件は従前の管理者、つまり外郭団体が引き続いて管理することになりました。
  1. 選考会議の評価点・講評を見ての疑問ですが、管理運営の安定や管理業務の実績という点では従前の管理者・外郭団体のほうが評価は高いのですが、市民サービスの向上や利用促進の計画、自主事業の実施計画といった今後への取り組みは、新規参入の民間の方が高い評価を得ています。サンプラザ、勤労会館など箱物施設でその傾向がありますが、このような評価では実績のある団体がかなり有利になるのではないでしょうか。また、管理運営経費の提案額は新規参入団体のほうが、一様に低い傾向が見られます。これはどのように評価されたのでしょうか。
    この制度の目的である「経費の節減」「市民サービスの向上」ということと評価結果が、納得のいかないものも一部感じられますが、評価点の配分の考え方について、改めて見解をお聞かせください。

  2. 「基準評価値」とは、現行の管理状況を評価し、これを基準評価値とするとなっています。今回、選考された管理者は当然ですが、全ての項目でこの基準評価値を上回っています。この結果から見ますと、この制度によってサービスの向上を中心に管理内容がかなりアップするものと期待されますが、今後の管理レベルのアップはどのように確保されるのでしょうか。お聞かせください。

  3. 指定管理者の指定期間はサンプラザを除いては5年となっています。実際にこのような選考結果が出てみますと、「5年は長い」という感じがします。それぞれの施設の抱えた問題、課題があるわけですがこの制度への移行によって、それがどう解決され、いわゆる「コスト削減」や「市民サービスの向上」につながるのか、現状でははっきりみえません。改めて施設ごとの課題ををきちんと出すべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
    また保健福祉の選定審査会にも意見が付されていましたが、事業年度ごとの執行状況や事業計画への評価が必要と考えますが、どのような対応がされるのでしょうか。お聞かせください。

  4. 指定管理者制度は、公共施設の管理運営に民間企業やNPOなどが参入する機会でもあります。選考の評価項目にも市民の雇用機会の拡大というのが、重要な項目にあがっています。しかし現状ではNPOなどは経験不足、資金不足等でなかなか対等な競争相手にはなれなく、結果として管理者になれないわけです。一部管理を分離するような形でNPOの参入を図るなどの対応を考えることはできないでしょうか。ご見解をお聞かせください。

3.都市交流拠点づくりについて

11月の調査特別委員会に財政計画が示されました。会議後に市民税の試算見直しがされるなど、数字の確実性に疑問を持たざるを得ません。また、大型ショッピングセンターの建設が近隣で相次いで計画されていることや、市内でも、ちはら台で同様の計画があるなど、集客面で本当に大丈夫なのかなど、不安要素も考慮したシビアな数字が求められます。中心市街地活性化計画の見直しがされますが、それらを含めた今後の財政検証についてお考えをお聞かせください。
この計画は50年後、100年後のまちづくりを考えての計画でもあると市長はおっしゃっています。何十年か後を目指してまちづくりを進めることも大事なことですが、現在、市民が求めている目の前の課題も多いわけです。限られた予算の中で、今、東口整備を中心とした交流核づくりを進める意味を、市長は市民に対して、どのように説明されますか。改めてお聞かせください。
とにかく財政難のおり、この整備計画及び交流拠点作りにどれだけ予算を必要とするのか、あるいは予算を使えるのかということが最大の問題です。整備構想区域の歳出は63億円以内に収めるということですが、少ない経費で最大の効果をだすために、また都市交流核と呼ぶにふさわしいものをつくりあげるためには、事業を実施していくうえで、重要なポイントは何だとお考えですか。お聞かせください。
次に五井駅から整備構想区域に至るまでのエリアですが、計画書では「生活中心誘導エリア」となっています。西口、五井駅、整備構想区域の連続性をつくりだすには、とても大きな役割を持つ地域ですが、ここをいつどんな方法で整備していくかが、大きな課題です。計画の見通しをお聞かせください。
次にやはり大きな課題のひとつが五井駅西口の問題です。11月2日の特別委員会には事業者であるイトーヨーカドーも出席し、交流というかたちで質問が持たれました。その際、西口のヨーカドーの存続については、かなり不確定だということが、事業者側からの発言ではっきりしたと思います。プロポーザルでヨーカドーに決定した決め手が「西口ヨーカドーは撤退しない」ということだったと思いますが、この点は今後どのように事業者と話をつけていくのですか。お聞かせください。
今後、「中心市街地活性化基本計画」の見直しがされるわけですが、計画の中ではこの西口ヨーカドーの問題をどのように位置づけていくのでしょうか。現在の計画書にも「長期的な視野にたった将来像を明確にし・・・」とありますが、よりいっそう長期的な視野と現実を見極める視点が求められると思いますが、ご見解をお聞かせください。
次に交流拠点整備についての市民との合意形成についてです。議会で議決されてはいますが、情報の伝わり方はまだまだ不十分です。より多くの市民に情報を伝えることや、今後作られる公園の内容について、市民意見を多く取り入れる機会をつくることなどが必要と考えます。広報で特集を組んだり、公園整備についてのシンポジウムなど企画してはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

4.協働の推進について

行政だけでは多様化する市民ニーズに応えていくには、限界があります。また、市民にとっても受け身的にサービスを受けるだけでなく、自主的に地域の課題等に取り組むことにより、市民自らのまちづくりを実現していくことになります。
本市でも、市民事業の提案や地域福祉計画の策定など、事業計画作りへの市民参加がこのように進んだのは、大きく評価できます。
市民公益活動促進に関する基本指針が示され、市民と行政が対等の立場で事業を進める、協働のあり方が示されました。今後はこの考え方をどう具現化していくかが、課題なわけです。そこでいくつかお伺いします。
「協働のためのルールづくり」を進めているということですが、どのようなものなのか、内容についてお聞かせください。また、それを今後どのように活かしていくのかあわせてお聞かせください。
市内には多数のNPOやボランティア団体があります。これらの横の連携、また、行政とのパイプ役など、中間組織としてのNPOの存在が重要になってきますが、設立の見通しはどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
市民公益活動の拠点として市民活動センターが11月よりオープンしています。場所的にも恵まれ、今後の市民活動を推進する大きな力となることが期待されます。今後の運営方法についてお聞かせください。
またここにボランティアセンターも入居したわけですが、今後のボランティアセンターの役割はどのようになるのか、これまでと変化があるのかお聞かせください。
NPOや市民活動団体に属さないで、ボランティア活動をしている人、また将来何かボランティア活動に参加したいと思っている人はたくさんいます。一方で行政や法人等の事業活動には、ますますボランティアの参加が求められるようになってきました。ボランティアが関わることで経済面だけでなく、サービスの質も豊かになります。
10月の常任委員会視察で訪れた仙台の「子ども総合病院」では、ボランティアコーディネーターの配置、ボランティアの活動場所も確保され、病院運営にボランティアの存在が大きな役割をしているのがわかりました。
社会参加をしたいというひとり一人の力をいかに結集させていくか、そして「ボランティアは所詮ボランティア」のこれまでのマイナスイメージを脱却し、レベルアップを図っていくことが、「協働」を進める上でも大きな鍵となります。2007年問題もチャンスととらえ準備が必要ですが、行政としてどのような政策をお持ちなのかお聞かせください。
次にこれら市民活動推進に関しての担当部局ですが、現在は市民生活政策課、まちづくり課の双方で進めているという感じですが、今後はどのようになっていくのでしょうか。お聞かせください。

5.高齢者福祉と介護保険事業計画について

介護保険制度改革の全体像がほぼ示されました。改革の目的が「持続可能な介護保険制度の構築」であり、見直しの基本視点として「明るく活力ある超高齢化社会の構築」「制度の持続可能性」「社会保障の総合化」があげられています。
つまり超高齢化社会を迎える中で、介護保険制度を破綻させないためには、できるだけ要介護の状態にならないような予防や健康対策をはかること、また施設利用については住居費や食費は保険外で負担すること、身近な地域で地域の特性に応じた柔軟なサービスが受けられるような体制をつくること、将来、障害福祉との統合もありなどが主な内容です。
この改革の一番のねらいは給付費用の抑制をし、財政破綻を防ごうとする国の意図ははっきりしていますが、保険事業者である各自治体の政策如何によって、高齢者福祉の格差が広がるものと思われます。
そこでいくつかお伺いします。
この10月から施設給付の見直しが始まっていますが、食費、住居費はだいたいいくらのアップになったのでしょうか。また、低所得者への配慮は十分にいきわたっているのでしょうか。お聞かせください。
事業計画をつくるに当たって市原市内を11の日常生活圏域に分けたとお聞きしました。圏域ごとの計画がつくられるとお聞きしましたが、具体的にはどのような計画になるのでしょうか。お聞かせください。
施設入所希望の待機者が相変わらず多いわけです。今後は小規模特養などの施設建設はどの地域で、どれくらい必要と見込んでいますか。
今後も希望者が全員、施設に入れるような対応は無理のようです。今回の改革は高齢になってもできるだけ、住み慣れた我が家や地域で暮らし続けることができるよう、地域の介護サービスの基盤整備を進めるチャンスととらえ、積極的な政策展開をすべきです。今後はどれくらい整備していくのでしょうか。お聞かせください。

6.障害者自立支援法について

今国会で成立した障害者自立支援は、本当の意味で障がい者の自立を支援し、地域で生きる権利を保障することになるのかということでも、多くの疑問点を抱えながらスタートしようとしています。細かい部分は政省令になるようですが、介護保険と同様、自治体の計画や基盤整備などへの取り組みが福祉のレベルを左右していくものと思います。
そこでいくつかお聞きします。
障害程度区分の二次判定をする、市町村審査会については委員の構成はどのように考えていらっしゃいますか。参院の答弁では「実情に詳しい者、福祉に実績があり中立・公正、また有識者なら障害者がふさわしい」などとしています。このような点は考慮されるのでしょうか。また介護保険の審査会委員とダブルことはないのでしょうか。お聞かせください。
支援費制度では、市町村との担当者との面接で、支援を受ける際利用者の意向も踏まえて支給量が決定されましたが、自立支援法ではどうなるのでしょうか。
応益負担ということで、利用者負担が発生するわけですが、所得や就労状況が改善されないまま、このような制度に転換することは大きな問題です。これによって障害者等の家計に与える影響はどの程度になると予測されますか。お聞かせください。
都道府県や市町村の実施するものとして「地域生活支援事業」があります。相談支援、手話通訳、日常生活用具の給付、移動支援、地域活動支援などですが、今後の提供体制はどのようにしていくのか、特に移動支援についてはどのような取り組みが必要なのかお聞かせください。

7.(仮称)循環型社会づくり構想について

循環型社会づくり構想の素案が示されました。この構想づくりの経過を考えますと、平成15年の6月議会での市長挨拶で「総合的リサイクル整備構想の策定」ということが示されています。また平成17年の3月議会での市長挨拶では資源循環型社会の構築と環境モデル都市を目指すとしております。そして今回の「循環型社会づくり構想」となったわけです。2年間の期間があったわけですが、当初の思惑というか、お考えがどのような経過を経て、今回の素案になったのかお聞かせください。
この構想の素案を読ませていただきました。気になったこと、疑問に思ったことなどお聞きします。
まずは循環型社会といったときに大きくは地球規模、国のレベルで考えていくことも必要ですが、やはり身近な暮らしや地域で具体的な計画を立て実践していくことが大切と考えます。そういうことでは市原市として循環型社会をめざすことは、必要であり重要なことです。
 市原市の特徴を考えたとき臨海部の工業地帯とともに農業も大きな位置を占めています。その他商業、そして人々の暮らしがあるわけですが、循環型社会とはこれら全てが関わってくるのではないでしょうか。
この素案では「3Rの推進と新エネルギーへの転換」という副題が示すように「ごみの問題」「新エネルギー問題」は書かれていますが、農業や商業については全く触れられていません。これはなぜなのでしょうか。お答えください。
なぜ、循環型社会を考えようという発想が出てきたのか。大量生産、大量消費型社会、そして石油エネルギー依存のもたらした、地球環境の危機という事態を救うには、これまでの経済至上主義から脱却し、農業や自然環境の保全を真剣に考え、それらを含めた循環の構築が必要であること。それも絵に描いた餅ではなく具体的な計画と、実行を伴うものとして進めていかなければならない・・・ということではないでしょうか。
前段で述べましたが市原市の循環型社会づくりということを考えたとき、農業・林業等を含めた循環型社会づくり構想であるべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
また「おわりに」<20年後、30年後の私たちの暮らしを覗くと>という文章はあまりに短絡的というか、失礼ですが漫画チック過ぎます。新エネルギーの面からだけとらえた社会描写はSF的で人間の営みを感じさせません。循環型社会というのは人間の営みや暮らしを根本に据えたものであるべきではないでしょうか。現在の市原市の抱える環境問題を中心としたさまざまな問題を、どのように解決していくのか。現状からの出発と道筋が描かれなければそれこそ「絵に描いた餅」ということになってしまいます。ご見解をお聞かせください。

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