「官から民へ」、「効果的・効率的な行政経営へ、小さな政府や自治体へ」の流れが進み、新自由主義という一見活力のある社会という光りの部分と、働いてもなかなか暮らしがよくならない「ワーキングプア」という言葉に象徴される影の部分の2極がはっきりとしてきました。一方では影の部分への見直しの声も出ています。本来、地方自治の自主・自立性や住民の参加は制度的に現行憲法や地方自治法のもとで保障されていましたが、実際には中央〜地方間の事務と権限や財政の再配分を始め多くの課題がありました。1995年に地方分権推進法が成立し、その後、地方分権一括法が2000年に施行されてから分権型社会の実現に向け変わりつつあります。そのような時代「地方自治体は競争の時代」と言われていますが、何のための競争なのか、手段が目的になってしまっているように感じられます。
今、私たちの生活は潤いのある豊かな生活になったでしょうか。毎年3万人以上の人が自ら命を絶つという現実は、悲しむべき不幸な社会になっているのではないでしょうか。
今、2つの地域再生のシナリオがあるように思います。
市場経済への対応、つまり成果主義・能力主義の徹底を図り、グローバル・ビジネスをめざすのか。あるいは、地域経済の再構築として、循環型社会・スローライフ、競争から共生へコミュニティ・ビジネスを目指すのか。これからの社会は地域住民が主体となり地域課題に取り組み、自分たちの生活の場をより良くするために活動をしていく。そこに行政と市民の協働が生まれるのではないでしょうか。
- 集中改革項目について
平成17年度で終了した第3次新行政改革大綱はその財政効果として18億7.700万円、改革・改善がなされた項目が154件とあり、一定の効果があったと評価しています。具体的には市民課窓口の日曜開設や市大型バス運行業務の民間委託などがあげられます。
今年度から第4次市原市新行政改革大綱によって、4年間で財政削減効果を20億円に設定しています。今回の柱は、何と言っても「市民との協働」ではないでしょうか。どの分野を行政が行い、どの分野を市民が担うのか、市民たちにとっても安く使われるものであってはならないと考えますが、基本的な考え方をお聞かせ下さい。
集中改革項目から3点お聞かせ下さい。
1点目、受益者負担の考えは必要ですが、弱い立場の人のサービスの低下は避けなければなりません。具体的にはタクシー利用助成協力金の見直しは利用者にとって大きなマイナスにはならないでしょうか、お聞かせ下さい。
2点目、具体的な集中改革項目があげられていますが、目標値が現行のものとたいして変わらない設定がしてあります。例えば市民体育祭参加者数や組織・機構の見直し、意思決定手続きの見直しや市民病院についての職員数などです。何もしないと減る傾向になるので、現状の数値が目標値になっているのか、どのような話し合いがなされたのかお聞かせ下さい。
3点目、市民との協働とあり、10月から市民活動センターも装いも新たにオープンするわけですが、NPO団体が市内には約50団体、ボランティア団体が約120登録していますが、実際に定期的に活動している団体は限られ、又、活動している団体であっても、活動を継続していくための財政的な運営基盤が厳しいと聞いています。「市民との協働」が「行革」にはかかせないと思いますが、具体的にどのように協働していくのか、そのためには何が必要か、安易に補助金を出す支援ではない方法が必要と考えますが、見解をお聞かせ下さい。
- 外郭団体について
外郭団体の活性化方策により、18年度以降土地開発公社の業務縮小、19年度市民会館と都市開発公社の統合、18年度に文化財センターの廃止が決定しています。指定管理者制度が始まり、5年後の見直し段階では外郭団体であっても民間と同じように競争があるわけですが、その緊張感が幸いしたのか、社会福祉協議会が運営しているアネッサ、その利用者に対する応対やサービスがよくなったとの声を聞いています。
外郭団体に関連して、まず観光協会について伺います。
観光協会は観光資源の開発など観光地づくりを促進することが目的で設立されましたが、サンプラザの中に事務所があります。あの場所は事情の分かる人しか知りません。あずの里にも分室があるわけですが、初めて五井駅に降り立った人にすぐ情報が見えるわけでもなく、あまりにも不親切です。市原の観光地に養老渓谷をあげるのであれば、小湊線の案内や沿線の見所などの案内も必要ですが、これまた不親切です。五井のお土産を買うにしても駅には置いてありません。観光地として売り込んでいく今後の展開など、どのように考えておられるのか、予定をお聞かせ下さい。
次に体育協会について伺います。
市原市体育協会が設立したのが平成9年で、事業内容が当初のまま固定化しつつあります。定年退職者の増加、若者のスポーツ競技に対する興味の変化など、今後は市民ニーズを踏まえた新規事業の開発が必要と考えますが、今後の計画をお聞かせ下さい。
3点目、市原市シルバー人材センターは高齢者社会を迎え、ますます期待が寄せられる団体になると考えられます。会員の拡大をはかる工夫、又、受託事業は草花植栽などの清掃事業が多いわけですが、これからいろいろな業務が必要と考えます。これからの予定をお聞かせ下さい。
都市公社が管理しているサンプラザを、ビルの調査を仕事としている人とこの夏休みに全館見て回りました。デザインは良く、ビルのメンテナンスもよくできていましたが、築10年以上経った現在、外壁には修理のあともありました。しかしながら、自家発電もできるような設備、天井は高く壁も厚く、温水プールは太陽熱を利用し、非常階段も安全のためか丁寧な作りになっていました。市の中心核づくりのシンボリックな建物として建設されたわけですが、活用できていないのが現状です。活用を考えるのは市ですが、指定管理者制度の見直しは2年後です。再度都市公社が管理するとなると、活かされずこのままなのか、今後の予定もお聞かせ下さい。