障がいの有る無しにかかわらず、誰もが人格と個性を尊重し支えあい、共に生きる社会づくりが求められています。
障がいのある子どもの教育について「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が平成15年に3月に「今後の特別支援教育の在り方について」ということで、最終報告を出しています。
その内容は、現在の障がいの種類や程度に応じ特別の場で指導を行う「特殊教育」から、通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒も含め、障がいのある児童生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な支援を行う「特別支援教育」への転換を図るとともに、その推進体制を整備するということです。
わかりやすくいうと、いわゆる発達に問題がある子まで範囲を広めて、ひとり一人のニーズに合わせた教育を行う・・・ということなのかと解釈できます。
19年4月からの実施に向けて、準備がされているところですが、問題は国の予算措置がゼロということです。
ひとり一人のニーズに合わせた教育的支援という考え方は言葉で聞く限りはなるほど、もっともと思いますが、予算がゼロということを考えると、果たしてその真意は何かということを勘ぐりたくなるわけです。
そうはいっても教育委員会として粛々と進めていかなければならないことだけに、なかなか大変なことと思いますがいくつか質問させていただきます。
- 19年4月を視野に入れての政策と思いますが、特殊学級の数がかなり増設されています。学級数を見ますと知的が15学級、情緒4学級、言語14学級、難聴1学級と、毎年増えてきており、教育委員会の努力を評価するものです。もちろん児童の学籍の問題や分けて教育することへの是非など、考えなければならない問題はありますが、個々のニーズに合わせた教育的支援をめざす意味では、必要なことと理解します。これら特殊学級の設置についての基本的な考え方をお聞かせください。また、これら「特殊学級」への、先生の配置は子どもたちの人数に対して、十分な配置がされているのでしょうか。ある学級では10人に一人の先生と、無理な配置もあると聞いています。現状をお聞かせください。また、これらの特殊学級は今後どのような形になっていくのか、特別支援教育への移行にともなっての変化はあるのでしょうか。お聞かせください。
- 特別支援教育に移行する準備段階で特に問題となるものは何か、お聞かせください。LD,ADHDなど軽度発達障がいの子どもたちへの対応、また通級指導教室の立ち上げも、なかなか難しいと聞いていますが、現在の準備状況と、今後の見通しについて、お聞かせください。
- 福祉との連携は具体的にどのようなところで進んでいるのでしょうか。
特に一人の子どもをめぐって、「療育」と「教育」は情報の共有など、具体的な連携が必要です。現状と今後の計画をお聞かせください。
- 言語学級は14学級と、今年新設されたこともあり、増えています。就学前の児童は発達支援センターの「ことばの教室」が充実していますが、就学後は不十分だったことから、言語学級の設置はよかったと思います。福祉のことばの教室と十分に連携を図り、情報の共有、人的な協力体制も図っていくことが必要と思いますが、ご見解をお聞かせください。
また、言語学級の中学校への設置はゼロですが、今後の計画についてお聞かせください。