いちはら市民ネットワーク
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市議会レポート【個別質問】うわぶ玲子

1.水源地の水質保全について

平成2年に竣工された高滝ダムは、平成5年に水質が湖沼A類型に指定をうけていますが、残念ながらCOD(科学的酸素要求量)の数値は環境基準値のリッターあたり3mg以下を上回る6mg以上という数値になっています。つまり、環境基準値を達成できないでいるわけです。
特に夏場はあおこの発生等で、見た目にも汚れがわかるほどです。水深の浅い里ダムで光合成が進み、あおこも発生しやすいなど、立地条件によるところが大きいのは否めませんが、少しでも汚れの原因を取り除き、安心して飲めるための水質の保全に取り組むことが必要と考え、いくつかの視点からお伺いします。

  1. 負の遺産対策について
    市原市内に不法投棄された産業廃棄物がそのまま放置された、いわゆる負の遺産は70ヶ所近くに及び、その合計量は百数十トンにもなります。これをどうするのか、度々議会でも問題にされてきました。処理費用は1万立方メートルあたり1億円かかるともいわれている中で、すべて税金でというわけにはいきませんが、問題と思われる箇所については、解決方法を考えるべきではないでしょうか。
    具体的には高滝ダム上流域の「徳氏地先」と「石神地先」の不法投棄についてです。千葉県では不法投棄などで問題になっているところを11ヶ所選んで、平成13年に調査を行い、14年に報告書としてまとめました。市原市として、「徳氏地先」「石神地先」の2箇所を調査対象として申告したと聞いております。
    問題は調査はされたけれどその後の対応がされていないことです。そこでいくつかお聞きします。
    1. 産廃の総体積量は徳氏が45、000立方メートル,石神が310,000立方メートル、また 産廃の内容物は木屑のほかに、廃プラも多く含まれ,その他の有害物質も考えられること、また徳氏地先では毒性試験で、ヒメダカの9割が死亡したなど、気になる記述が見られます。また、この調査はいわゆる、成分調査のためのボーリング調査をしていないのでその点も疑問が残るのですが、当局として、調査方法も含めて、調査結果をどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。水源地上流という場所も考慮に入れた上で、特に水質への影響という面から、お考えをお聞かせください。
    2. 14年に調査結果が報告されましたが、その後は展開がみられません。現状はどうなっているのか、このあとはどのような展開が考えられるのか、果たして撤去がされるのか、県とはどのような確認がされているのかも含めて、状況をお聞かせください。

  2. 森林の保全について
    水源のかん養にとって森林の果たす役割はとても大きく、今後も安定的な 飲料水の確保、また水質の保全、改善を考えた時、高滝ダム上流域の森林を保全、育成していくことが大変重要と考えます。この地域の面積は約、4850ha、大半が個人の所有ということで、まとまった管理は難しいと思いますが、産業白書の中でも「流域公益保全林整備事業」として15,16年の事業実績が記載されているように、造林、下刈、除間伐などに補助金もだされているようです。そこでお伺いします。
    1. この地域の今後の森林の整備計画をどのように考えていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。
    2. 先日、森林組合にお邪魔する機会があり、組合長さんから市原市の林業の現状をお聞きすることができましたが、いわゆる木材の生産だけでは林業そのものがなかなかな経済的に成り立たないということがわかりました。
      森林の持つ多面的な機能を考え、現在は直接利益につながらなくても、環境的な面や災害防止的な利益を考えた整備事業にも力を入れるべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
    3. 保安林の指定を受けることで補助金の対象にもなります。地権者の方の同意も得ながら、涵養林として広域で保安林の指定を受けることも検討してはどうでしょうか。ご見解をお聞かせください。
    4. 水道水源ということでは、市民の多くにとって関心のあることであり、関わりのあることです。水道水源税、あるいはナショナルトラスト運動など、市民が直接関わる財源の確保などは考えられないでしょうか。ご見解をお聞かせください。

  3. 生活雑排水等の流入対策について
    汚染源のひとつである生活雑排水については、合併処理浄化槽の設置や転換、また農業集落排水の敷設などが進められてきました。今年3月末現在のこれらの普及率をみますと、高滝ダム上流全体の戸数は1,761戸で浄化槽等の設置数は958戸、普及率は61.8%となっています。つまりまだ、30数パーセントを超える家庭からの生活雑排水が流れ込んでいるということです。
    各家庭の高齢化が進み、今使用している単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換は費用面での負担が大きすぎるなどの話も聞いています。そういう意味では年を追うごとに、普及を図るのが難しいということにもなるわけです。
    なかなか課題が大きいわけですが、進めていかなければならないことでもあります。
    そこでいくつかお聞きします。
    1. 農集排水への接続率についての現状、また今後の見込みについてお聞かせください。
    2. 合併処理浄化槽への転換や新規設置について、どのような働きかけがされたのか、また今後の展開の仕方についてどのような計画を考えているのか、普及率の数値目標も含めてお聞かせください。
    他にも汚染源として、石神畜産団地の排水の流入があります。5,6年ほど前に常任委員会として現場を視察しましたが、そのときの状況はとてもひどいもので、早急な改善を図らないと、とんでもないことだというのが実感でした。
    その後かなりの改善がされたと聞いてはいますが、石神川へ流入する水質についての環境白書等の数値を見ますと、まだまだ問題と思われます。ちなみに環境白書の、BODの年平均値による中小河川の水質評価によると、石神川は「とても汚れている」という部類に入っており、実際、BODの数値は他の川の十倍近くになっています。
    そこでいくつかお伺いします。
    1. 廃水処理についての取り組み状況、及び改善がどのように図られているのか、現状についてお聞かせください。
    2. 今後の具体的な改善策、また見通しについてお聞かせください。
    3. 水質保全に関わる環境部と、畜産団地の担当である経済部との連携がどのように図られているのか、お聞かせください。

2.特別支援教育について

障がいの有る無しにかかわらず、誰もが人格と個性を尊重し支えあい、共に生きる社会づくりが求められています。
障がいのある子どもの教育について「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が平成15年に3月に「今後の特別支援教育の在り方について」ということで、最終報告を出しています。
その内容は、現在の障がいの種類や程度に応じ特別の場で指導を行う「特殊教育」から、通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒も含め、障がいのある児童生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な支援を行う「特別支援教育」への転換を図るとともに、その推進体制を整備するということです。
 わかりやすくいうと、いわゆる発達に問題がある子まで範囲を広めて、ひとり一人のニーズに合わせた教育を行う・・・ということなのかと解釈できます。
19年4月からの実施に向けて、準備がされているところですが、問題は国の予算措置がゼロということです。
ひとり一人のニーズに合わせた教育的支援という考え方は言葉で聞く限りはなるほど、もっともと思いますが、予算がゼロということを考えると、果たしてその真意は何かということを勘ぐりたくなるわけです。
そうはいっても教育委員会として粛々と進めていかなければならないことだけに、なかなか大変なことと思いますがいくつか質問させていただきます。

  1. 19年4月を視野に入れての政策と思いますが、特殊学級の数がかなり増設されています。学級数を見ますと知的が15学級、情緒4学級、言語14学級、難聴1学級と、毎年増えてきており、教育委員会の努力を評価するものです。もちろん児童の学籍の問題や分けて教育することへの是非など、考えなければならない問題はありますが、個々のニーズに合わせた教育的支援をめざす意味では、必要なことと理解します。これら特殊学級の設置についての基本的な考え方をお聞かせください。また、これら「特殊学級」への、先生の配置は子どもたちの人数に対して、十分な配置がされているのでしょうか。ある学級では10人に一人の先生と、無理な配置もあると聞いています。現状をお聞かせください。また、これらの特殊学級は今後どのような形になっていくのか、特別支援教育への移行にともなっての変化はあるのでしょうか。お聞かせください。
  2. 特別支援教育に移行する準備段階で特に問題となるものは何か、お聞かせください。LD,ADHDなど軽度発達障がいの子どもたちへの対応、また通級指導教室の立ち上げも、なかなか難しいと聞いていますが、現在の準備状況と、今後の見通しについて、お聞かせください。
  3. 福祉との連携は具体的にどのようなところで進んでいるのでしょうか。
    特に一人の子どもをめぐって、「療育」と「教育」は情報の共有など、具体的な連携が必要です。現状と今後の計画をお聞かせください。
  4. 言語学級は14学級と、今年新設されたこともあり、増えています。就学前の児童は発達支援センターの「ことばの教室」が充実していますが、就学後は不十分だったことから、言語学級の設置はよかったと思います。福祉のことばの教室と十分に連携を図り、情報の共有、人的な協力体制も図っていくことが必要と思いますが、ご見解をお聞かせください。
    また、言語学級の中学校への設置はゼロですが、今後の計画についてお聞かせください。

3.発達支援センターについて

発達支援センターは療育相談室、マザーズホーム、ことばの教室の3部門からなり、発達に問題があると思われる児童への療育や、児童の発育に不安や悩みを抱える保護者の相談にあたっています。発達支援センターとしてスタートしてから2年余りが経ちました。
マザーズホーム、ことばの教室のみの時には、障がい児を持つ、多くの保護者の方から、マザーズホームのあり方に対する不満、そして身近な場所への療育部門の充実を願う、悲痛ともいえる声を聞いてきました。
佐久間市長の公約もあり、それらの保護者の声が少しではありますが、実った結果として今の「発達支援センター」の設置にいたったわけです。
前段の質問でも取り上げていますように、学校では「特別支援教育」も来年4月から始まります。いままでは「困った子」「問題のある子」「しつけの問題」として片付けられていたかもしれない子どもたちに対しても、その子の教育的ニーズに応じて支援をするということになります。前段の質問でも申し上げましたが、教育と療育の連携が欠かせないものであり、そういう意味からも今後、「発達支援センター」の役目は、ますます大きくなると思います。そこでいくつか質問させていただきます。

  1. マザーズホームの定員は50人ですが、入園を希望する子どもたちが待機しているとも聞きます。現状はどうなのか、待機児童がいるとしたらどのような対策を考えているのかお聞かせください。
  2. 相談室への相談希望者も日を追うごとに増えていると聞きます。保護者の悩みに答えて、専門的な分野からも適切なアドバイスがされることや、相談者の不安や悩みに共感し「受容」するということが、いかに大切かということを、いろいろな場面で実感しています。相談員の人数等は十分なのか、また今後の展開への備えは考慮されているのか、お聞かせください。
  3. 療育部門の核として、センター内での活動だけでなく、家庭訪問、幼稚園、保育園、学校訪問等への巡回相談、当人や家族のもとに出向いての地域支援も行うことが求められています。「発達支援センター」としての名前にふさわしいように、内容も充実させていくことが今後の大きな課題でもあります。今後の展開、また具体的な計画についてお聞かせください。
  4. 県内でも重要な「療育の核」としての「発達支援センター」を目指すということで、将来の「青写真」を描くことが必要と思いますが、見解をお聞かせください。

4.精神障がい者福祉について

法改正にともない市町村も精神障がいの福祉分野を施策として行うようになったのが、平成14年の4月でした。16年には障害者基本計画に精神障害者版が加えられ、障害福祉政策のひとつとして進められています。
このように遅れてスタートした福祉として、他の障がい分野とはどうしても差があるのが現状となっています。
今回、障害者自立支援法が施行され、精神障がいもその対象になるわけですが、「障害者の自立支援」という法の名前とは似つかない内容と批判の多いこの法律が適用されることで、精神障がい者が不利益になることはないのかなど、心配されます。
そこでいくつか質問いたします。

  1. 精神障がい者福祉の大きな課題はなんといっても社会的な偏見や無理解です。交流の場づくりや、啓発、広報活動があげられていますが、この2年間でどのような事業が行われ、どのような進展が見られたでしょうか、お聞かせください。
  2. 社会復帰するため、またそれを支援するための施設が絶対に必要です。地域生活支援センター、生活訓練施設等の社会復帰施設は計画にあるものの、まだ実現していません。早急に開設されるべきですが、進捗状況はどのようになっているのか、お聞かせください。
  3. 地域での「生活の場」としての「ふれあいホーム」「グループホーム」の数が圧倒的に不足しています。現状と対策をお聞かせください。
  4. 精神障がい者にとって自宅から一歩外に出て、作業所などに通うこと、外部の人と触れ合うことは大切です。しかし、なかなかその一歩が踏み出せず、自宅に引きこもっている方たちが多いとも聞いています。精神保健福祉士を増員し、訪問の派遣回数を増やすべきと考えますが、現状と対策についてお聞かせください。
  5. 現在、家族会や民間によって「共同作業所」が設置、運営されています。今後、補助金制度がどうなっていくのか、共同作業所のあり方も含めて今後の見通しについて、見解をお聞かせください。

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