9月議会においても質問しましたが、11月に経済環境常任委員会で現地視察をし、いくつかの疑問点も浮かんできたこともあり、また再度取り上げました。
そもそも石神畜産団地の何が問題なのかということを考えてみました。畜産にともなう糞尿の発生というのは避けられないことであり、それが適切に処理され環境等に悪影響を与えていないということが求められます。
まず問題の発端は畜産団地が高滝ダムの上流にあるということです。畜産団地とダムのどちらが速く計画されたのか・・・ということですが、畜産団地は昭和53年に事業を開始、56年には入居が開始されています。
一方の高滝ダムは昭和45年に調査を開始、54年に基本協定を結び、61年に本格工事に入っています。畜産団地の規模はもっと拡大する計画があったようですから、いったい問題をどう認識していたのかと問いたくなります。
行政の縦割りの弊害なのか、畜産団地の建設を見送ることもできたはずなのに後の祭りということでしょうか。
とにかく建設されてしまったわけですから、汚水処理に対してできるだけの対策をするしかないわけですが、これまでほんとうに適切な対策がとられてきたかということです。
これまでにかかった環境対策費は約5億4000万円強、このうち地元負担は約2億3000万円強、8戸の畜産農家1戸あたりにすると、2900万円強になっています。これは水源地なればこそ求められた部分も大きいと思いますので、個人の畜産農家に重い負担を背負わせてきたことは事実です。
また肝心の汚水処理がうまく機能してきたのかということですが、費用をかけた割にはどうなのかと疑問を抱かざるを得ません。
平成17年度の処理施設の合流地点での排水分析結果では高いほうの数値を見るとBOD190、COD350、SS170、大腸菌郡数2600、全窒素875、全リン34,2となって大腸菌以外は基準値を超えています。またこの基準値についても水質汚濁防止法の上乗せということも含めて見直すべきです。
各畜産農家で処理された処理水はパイプラインによって運ばれ、県の浄化施設で、SS,BOD,リンがある程度除去されますが、沈殿してろ過するだけですから、原水である畜産施設での処理水の汚れ具合によっては、高滝ダムに放流される水質も変わってくるわけです
そこでいくつか質問いたします。
- 各、畜産農家での処理対策はどうなのか、合流地点での数値は前段で述べたようにかなり問題があると思います。処理施設の運転にはこまめな専門的な対応が必要と思いますが日常的な指導も含めてされているのかお聞かせください。
- 県の浄化施設の役割、成果がはっきりしていません。放流水の基準値を定め浄化すべきと思いますが市としての見解をお聞かせください。
- この浄化方法がほんとうにベストな方法なのか、例えば以前、常任委員会でも視察した伊那中央衛生センターではバチルス菌による処理でBOD,SS,大腸菌などが一桁台の数値になったことや、費用もかなり下げることができたと聞いています。これらの方法について検討することも必要ではないでしょうか。見解をお聞かせください。