2000年(平成12年)に社会福祉法が改正され、福祉が措置から契約に大きく転換しました。そして、地域での生活を総合的に支援する「地域福祉の推進」が法的に位置づけられました。その年に介護保険がはじまり、平成18年には障害者自立支援法ができました。昨年、千葉県の9月議会で「障害がある人もない人も共に暮らす千葉県づくり条例」が制定されました。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続け、地域で支えあうことができる施策を子ども・障害者・高齢者と分けずに横断的に展開していく支援体制が求められています。
(1) 誰もが、(2)ありのままに・その人らしく(3)地域で暮らすことができるという「新たな福祉像」を実現するには3つの要素があります。@生活支援とA相談、そしてB権利擁護の要素です。この要素は、対象者が誰であっても必要な基本施策です。
@生活支援とA相談を受け持つ役目に支援センターがあります。例えば高齢者を対象とした在宅介護支援センター、子育て等を対象にした子育て支援センターがあります。
また、障害者を対象とした地域生活支援センターが市原では4月から開かれる予定です。しかし、一部の人しか知らないため、本来の機能が発揮できていません。保健所は社会福祉課と統合され、健康福祉センターと名称が改められ、保健・医療・福祉の行政分野の総合相談窓口と位置づけられましたが、このことを知っている人はごくわずかです。県では24時間365日対応の中核地域支援センターを各保健所圏域に1箇所ずつ作りました。市原市も五井駅東口近くに「市原福祉ネット」という名称で中核地域支援センターがあります。昨年12月には市民会館で高齢者部会が開かれ、市の介護保険課、地域包括支援センターなどと意見交換などが行われたと聞いておりますが、この県の機関と、他にどのような連携をとっているのか、お聞かせください。
さて、市原市でも施策の企画段階から当事者を含めた話し合いがなされ、昨年「いちはら 支えあい 福祉プラン」という地域福祉計画ができました。
こども・障がい者・高齢者という横断的な地域福祉をすすめるには、行政だけでは限界があります。地域に住む一人ひとりがお互いに支えあい、助け合って実現するものです。
誰もが地域で暮らすには、みんなで策定した地域福祉計画の実践にかかっています。各地の取り組み状況、又その中で出てきた課題をお聞かせください。
昨年11月から始まったファミリー・サポートセンターも地域福祉を支える、特に子育て家族を支援する大切な働きです。しかしながら、まだ市民に知られておらず、利用者、協力者の登録数はそれぞれ30数人と聞いています。
広報だけではないやり方で、周知する必要があります。今後の予定をお聞かせください。
今、「権利擁護」が福祉のキーワードになってきました。
地域社会で生活する権利、自己決定する権利、苦情や要望をいう権利、誰もがその人らしく生きる権利などが保障されるべきですが、「わがまま」「こだわり」「がんこ」は、評価されず、あきらめさせられてはいないでしょうか、検証が必要です。
各施設には、第3者委員会が設けられていますが、そのメンバーが施設の関係者で占められることが多く、形骸化して機能していないところが多いと聞いています。県では千葉県社会福祉協議会の中に「運営適正化委員会」を設け権利擁護の立場から、福祉サービスにおける苦情解決事業を行っています。
市原市ではどのような取り組みを行っているのかお聞かせください。
又、市原市では権利擁護が直接の目的ではありませんが、平成17年から介護保険施設に介護相談員を派遣して、結果的にはそれなりの効果をあげていることは評価いたします。
1年半の取り組みを踏まえた、これからのあるべき姿をお聞かせください。
又、障害者施策においては市民啓発や福祉教育を通して障害や障害者に対する市民の理解を深めていくことが、非常に重要と考えます。広報・啓発については具体的にどこが、何をしていくのか、今後の展望も含めてお聞かせください。