(1)平成21年度予算編成について
市長におかれましては任期を2期8年と公約され、平成21年度は「ともに輝く元気なふるさといちはら」の実現に向けて最終段階となっております。市民が輝き希望の持てるふるさとづくりをめざし、特に「子育て一番のまち」「地域経済の活性化」を最重点施策として取り組まれるとのことですが、先ずは平成21年度予算編成にかける市長の思いをお聞かせください。
(答弁)
計画事業のさらなる推進に全力で取り組み、「市民生活向上の機運から実感」こういう言葉を使わせていただいておりますけれども、この実感のできる予算編成を目指しております。
この間の原油価格の高騰、食糧価格の上昇、資材の高騰、そしてアメリカの金融危機が経済におよぼす影響は大きく、とりわけ臨海部企業からの税収入の割合が大きい市原市ではその影響が心配されます。聞くところによりますと今年度の企業の法人市民税が約18億円の減収になり、70億円から52億円になる見込みであり、来年度はさらに減額が予想されると言うことですが、このような急激な景気の悪化、そしてそれが市の財政状況に与える影響の大きさは1年前、いや半年前にも想像できなかったものです。
このような厳しい経済状況の中での予算編成になり、36億円から40億円の財源不足が生じるとあります。財政調整基金の取り崩しもあろうと思いますが、財源の確保をどうされるのでしょうか。また実施計画事業への影響やその他の事業への影響があるのか、ないのか、についてもお聞かせください。
(答弁)
日本の経済状況は、世界的な金融不安の深刻化などを受け、本市を取り巻く財政環境も非常に厳しくなることは間違いないと思っております。そこで、計画事業の実施への影響を最小限にとどめるため、適正な管理に基づく市債発行や基金の活用を視野に入れ、対応してまいります。
厳しい財政事情の中では「引き締め」が必要であり、「じっと我慢」という状況もやむをえないのですが、「縮小感」があまり強すぎると職員の士気の低下や市全体の活力低下につながることも心配されます。このような状況下でも元気が出る予算編成と事業展開が必要ですが、その点はどのように対応していくのでしょうか。お聞かせください。
(答弁)
私と職員が一丸となって智恵を絞り、持てる力を出し切ることで、この厳しい難局を乗り越え、私の使命であります「市原の元気づくり」を実現できる予算編成を行ってまいります。
厳しい予算状況を市民に共有してもらい、共に考え「協働」の実践にもつなげていく意味でも、情報公開と情報の共有は是非進めていきたいことです。予算編成上の重要事項の中に、予算の透明性を高め、市民に本市の財政状況を理解してもらうため、市ホームページに予算編成過程の情報を公開すると聞いています。いつ頃、どんなカタチで行なわれるのかお聞かせください。
(答弁)
現在、市のホームページに「平成21年度予算編成方針」を掲載しており、今後は、公開内容を研究しながら、順次、ホームページでの公開を進めてまいります。
(2)経済状況が市民生活に及ぼす影響について
12月の補正予算で緊急地域経済対策をとり、中小企業の資金繰り円滑化と経営安定化を支援するため、新たな融資20億円の枠を創設し、雇用の推進を図られたことは評価するものです。
中小企業にさらなるきめ細かな支援が必要と考えます。昨日の代表質問の中でも工業振興課と、商工会議所が窓口になり相談を受けていると聞いていますが、商工会議所とどのような連携がなされているのかお聞かせください。
(答弁)
国、県、市の融資制度の周知と相談体制の充実です。具体的にはセーフティネット関連の情報提供を積極的に行うため、公共機関や商工会議所を通じて緊急融資制度PR用のチラシを配布すると共に、併せて市ホームページや商工会議所の会報に掲載するなど連携した対応を進めてまいります。
又、12月補正予算で生活保護費が当初予算の49億から51億5千万円と2億5千万円増えた補正が組まれました。生活保護世帯は4月の2,255世帯から8月には2,300世帯へと、わずか4ヶ月で45世帯増えています。
予算編成のところでも述べましたが、世界的経済状況は「市民生活」にも深刻な影響を及ぼし始めています。
政府は緊急対策としての「生活対策」「経済対策」が必要としながらなかなか進んでおりません。「定額給付金」というようなバラ撒き施策はもちろん反対ですし、するべきではありません。まずは生活の現場である市町村にまで「経済状況の市民生活に及ぼしている影響」がどこまで深刻に及んでいるのかを把握することが必要と考えます。しかしながら、実際に影響が及んでくるのは、今というより、これからだと思います。
考えられるのは、失業・疾病によって住む家が無くなるなど、生活困窮者が増えることです。また、社会的弱者といわれる高齢者、障害者、母子家庭に大きな影響が及ぶのではないでしょうか。それに対する対策をどのように考えておられるのか、見解をお聞かせください。
(答弁)
失業したことだけでは、生活保護の受給要件には該当しませんが、複合的な要因で生活に困っている人には面接相談で、年金や各種手当ての受給や社会福祉協議会の生活福祉資金の貸付制度等も含め詳しく説明し、できる限り、それらの制度活用を図っているところです。それでも生活が困窮している方については、生活保護制度を活用してもらいます。
(3)市原の観光について市原市には、養老渓谷をはじめとした豊かな自然、国分尼寺や地域に点在する神社仏閣などの史跡、ゴルフ場、再び開園した千葉こどもの国キッズダム、そして市を縦断して走る旅情あふれる小湊鉄道などがあります。
この間ギャラリーマップの第3弾も出て、市民との協働による魅力ある観光地づくりが進められていることには敬意を表し、また大いに期待するものです。市原の特色といいますか魅力は、首都圏から約1時間で広い空と緑の風の吹く自然に出会えることだと思います。
そこでこの自然を活かした農業、陶芸、つり、工作などの体験型の観光メニューや、また様々な地域資源にさらに磨きをかけ、今はまだ点となっているエリアの連携を図るなど、さらに工夫した観光を進めるべき考えますが、市長の見解をお聞かせください。
(答弁)
市民との協働によるこれらの活動は、一方で地域活性化にも大きく貢献することから、現在、観光交流ゾーンとして位置づける南市原を中心に、体験型観光事業を含む様々な取り組みを実施しています。一例を挙げると、市民の森を会場に市原自然楽校を開校しチェンソーカービングの教室を開催しました。市民のギャラリー運営をはじめとする芸術活動や景観づくりを支援していますが、今後も市原の自然を活かした新たな観光資源の発掘を図り、更なる観光メニューの発信に努めます。
また市原の顔である駅、とりわけ都市交流拠点の中心である五井駅は観光の表玄関としてふさわしい「おもてなしの心」あふれる「駅づくり」が必要と考えます。
次に市原市の観光の中心である養老渓谷の観光について、大多喜との連携はどのように進んでいるのか、又、併せて近隣の市や町と連携し、「周年型観光地づくり」を行なうとした中房総観光ネットワークの現在の状況と見通しをお聞かせください。
(答弁)
大多喜との連携は、平成16年から、養老渓谷の観光振興に向け、それぞれの観光協会、商工会、地元住民団体などが連携するなか、「養老渓谷観光推進協議会」を組織し、春には鮎のつかみ取り、紅葉シーズンには、パーク&バスライド事業などを実施しています。
中房総観光推進ネットワーク協議会は9月に県よりブラッシュ&ブランティング事業の認定をもらい、県もこの枠組みに参加してもらうことになりました。具体的には県から観光振興にかかるアドバイザーを派遣してもらい、観光メニューなどの検討を進めると共に、広域連携による具体的な事業展開として、参加各市町の春のイベントや美術展などをめぐる「中房総アートでデート」の開催に向け準備作業を進めています。