(1)平成21年度予算と「子育て一番のまち」について
平成21年度予算案が示されました。法人市民税の大幅な減収、また少子高齢化の進行で年々高まる社会保障関係費の増加など厳しい財政事情となっています。
そのような中で第二次実施計画の2年目として、計画事業の9割を予算化された積極的な予算編成がされました。
そのなかでも「子育て一番のまち」推進の事業を最重点にとりあげておられます。市長の最も力を入れていらっしゃる政策ということで、82事業、84億7309万円と部門別の金額も大きくなっています。
認可外保育への新たな助成、学童保育や読書指導員の拡充など、私どももこれまで取り上げ要望してきたことが、また一歩前進ということで評価いたします。
最初の質問ですが「子育て一番のまち」をアピールする、つまり市原市の子育て自慢は何ですかと聞かれたら市長は何とお答えになられますか、お聞かせください。
評価の一方で、やはり「待機児童対策」については、どうなのだろうかという疑問が残ってしまいます。
なぜかというと今年の2月1日現在の待機児童数は339名です。ちなみに1年前の2月1日の待機児童数は273名で、それより66名増えています。
民間保育所整備として今年度予算は1億3000万円、来年度の2億円をいれて総額3,3億円を2ヶ所の新設分の補助としています。
ただしお聞きしますと、新しい保育所が完成するのは順調にいっても22年度の夏以降になるとのことです。また規模も当初予定よりは縮小の可能性もあるということです。つまり待機児童解消は時間的にも先になりますし、数的にも厳しいといわざるを得ません。
そこで質問ですが、新設だけの対策で本当に解消できるのでしょうか。既存の施設の拡充や幼稚園との連携など、並行して他に複数の対策も検討し待機児童ゼロを目指すべきではないでしょうか。この問題は市民の要望も高く、また「子育て一番のまち」という看板に沿うためにも「待機児童対策」は、思い切った施策が必要と考えますが市長のお考えをお聞かせください。
(答弁)
このまち市原では全ての子どもをみんなで守り育てる、ということをしっかり市民が認識し、行政と企業団体等、社会をあげてまちぐるみで子育てをしていく、と胸を張って言えること。
待機児童は新たな民間保育所を2ヶ所整備、認可外保育所への助成を計画した。
公立の責任において3歳未満児の受け入れを増やす努力をするべきである。保育士(臨時保育士)の確保など出、どの程度の受け入れ増が可能となるのか。
(答弁)
次年度は保育士を重点的に未満児に配置することを調整している。これにより全体で数十名の単位で増加させることができる。
保育所待機児童がいる一方で、市内の幼稚園では定員割れしている現状もある。幼保一元化や認定こども園の設置について、教育委員会との連携や検討はどのように進んでいるのか。
(答弁)
幼稚園の預かり保育やこども園化が一番短時間で進められると考える。国の2次補正の助成策も打ち出されているので、教育委員会と協議していく。
民間保育所の再公募の状況はどうか。市の補助体制をアップすることも必要ではないか。
(答弁)
説明会には10社以上きた。補助金は県負担がなくなり市が肩代わりもしているので、今のところは十分と考える。
(2)都市交流拠点について
@社会情勢の変化の中での東口開発の意味について
「都市交流拠点づくり」は佐久間市長にとって、政治生命もかけた政策であるわけです。しかし、開発を決めた当時の社会状況と現在とでは急激な変化がおこっております。先日の特別委員会ではイトーヨーカドーのテナント応募状況もゼロであること、また今後、他の商業施設の誘致も更に厳しい状況になるのは目に見えているわけです。
不景気の規模も期間も想像以上に深刻なわけです。またその状況は当然市民生活や行政運営にも影響を及ぼすわけで、そのような中で50年100年先を見据えてとはいっても、当面は不要不急の開発をなぜ行わなければならないのか?といった疑問が当然、市民の声としてあがってくるわけですし、現に私どものところにも届いています。
これまでも質問の場でこの問いはしてきましたが、状況変化の中で改めて東口開発の意味を市民にどのように説明されるのか、お聞かせください。
(答弁)
厳しい時代だからこそ遅きに失することなく、早期に着手し、社会や経済の状況を捉えつつ、常に事業の点検、見直しを図りながら、成功を収められように備えることこそが「元気ないちはら」の実現につながるものと考えている。
A「まちびらき」の時期について
1月30日に議会の調査特別委員会が開かれたわけですが、この席上で事業者のイトーヨーカドーの役員の方から、テナント募集についても一件も確定していないなど、かなり状況が厳しいことから、22年4月に予定されている「まちびらき」にはイトーヨーカドーとしては間に合わないとの見解が示されました。このような状況を行政は事前に把握していたのでしょうか、「まちびらきの時期」に対しての状況判断についてお聞かせください。
(答弁)
事前に最新の情報の提示を求めたが得られなかった。会議の当日まで懸命な取り組みをされてきたと聞いている。
何故そのような大切な情報が共有化されていないのか。
(答弁)
直接には「市原市五井駅前東土地区画整理組合」と直接契約を結んでいるので、そちらとの調整が第一である。4者がパートナーシップ・紳士協定的に事業を進める形なので今後も連携を緊密にしていく。
B整備推進協議会の役割と現状について
区画整理組合、パートナー企業、行政、いちはらTMO、商工会議所から構成されている整備推進協議会は基本計画の実現に向けて関係者間の協議、調整を図る場として設置されたわけです。
エリアマネジメントの設立も未達成なわけですが、改めて協議会の役割と現状、またその課題についての見解をお持ちでしたらお聞かせください。
(答弁)
これまで16回の会議を開催し、本事業の根幹を成す重要な計画づくりに取り組んできている。その後もトータルコーディネーター業務の推進やガイドラインの作成も行っている。また、まちの維持管理の方策や、五井駅周辺の活性化策についても、協議、調整を行っていく。
都市交流拠点をつくるという基本的なビジョンそのものが各主体で一致しているのか疑問に感じている。特にイトーヨーカドーとカインズ以外の用地、これから組合が中心となって誘致を進めていかなければならないエリアは、本当のところどこがどのようにリードしていくのか。
(答弁)
基本的には組合がリーダーシップをとる。整備基本計画、トータルコーディネーターを使った報告書、ガイドラインに沿ったまちづくりが進むよう地権者に説明していく。
エリアマネジメントについて進展していないと聞いているが、実際はどうなのか。
(答弁)
会社方式、協議会方式でいくのか、またまちびらきをしてから更に必要ということは合意しているが・・・・(進んでいないということかも?)
C地区計画およびガイドラインの役割と効力について
「交流と賑わいのある市原市の顔づくり」を掲げるわけですから、少なくとも新しくまちづくりを進める整備構想区域は、統一性をもった品格のある街にしていかなければなりません。
しかしその指標ともいえる地区計画は風俗営業の禁止などにとどまり、ガイドラインは紳士協定ともいえるソフトなものと聞いております。改めて地区計画・ガイドラインの効力についてお聞かせください。
これらを補完する意味でも、4月から施行される景観条例にある景観形成重点地区への指定などが必要と考えますが、見解をお聞かせください。
(答弁)
関係各主体のまちづくりへの共通認識・・・いわゆる手引きとして運用していきたい。
ガイドラインは協働で策定されたものであり、地区計画は合意形成により、制度を導入したものであるから遵守をしてもらえるものと考える。
景観形成重点地区につては区画整理事業区域にかかる関係各主体の間で十分な協議をされることが望ましい。これらの動向を見極めた上で検討を考えていく。
ガイドラインに強制力を持たせる考えはないのか。
(答弁)
強制力は想定していない。関係する権利者との合意形成のもとに、強制力を発動できる制度について、今後検討していく余地がある。