(1)都市交流拠点のまちづくりについて
五井の西口イトーヨーカドーの閉店が平成22年5月と示されました。
11月9日には市長と商工会議所の会頭はイトーヨーカドーに対し、閉店の撤回を求め要望書を提出しましたが、厳しい経済状況でよい返事はもらえそうにありません。又、東口開発の開業もままならない状況です。
先日(11月20日)の「都市交流拠点の整備に関する調査特別委員会」を傍聴しました。イトーヨーカドーからは、売り上げがピーク時の122億円から、昨年は41億円に落ち込み5年間で10億円を超える赤字を計上するようになったとのこと。衣類や住居に関する雑貨は売れば売るほど赤字になり、食品部門だけが儲けになるとの話でした。又東口開発の事業提案(プロポーザル)にあった専門店のショッピングモールも、複合映画館もできないとの説明でした。
さらに、「新規投資に回す資金がない」として単独での開発を断念し「一緒に事業に取り組めそうな数社と話を進めている」とのことでした。
企業は儲けがなければ撤退するのは当然です。
まちづくりは、そこに住んでいる人間が中心になって取り組む課題であり、人任せにしてはならない事を強く感じました。
そこで、3点、お聞かせください。
@ 1点目、これからの、五井駅西口と東口の一体としての都市交流拠点のまちづくりをどのように考えておられるのか、先日の代表質問でもありましたが、改めて市長の見解をお聞かせください。
(答弁)
都市交流拠点の基本的目標である「交流と賑わいのあるまちづくりの実現」これに向けて引き続き市民の皆様や関係機関などと連携を密にしながら、五井駅東口・西口での一体的なまちづくりに取り組んでまいりたいと思います。
A 2点目、 五井駅東口のヨーカドー出店の見通しは立っておりません。
今の状況は、地権者にとっても、大変厳しいものであろうと予想されます。何とかしてほしい、という声は組合側からも上がるのではないかと思われます。
市原市がお金を出すのは、総合公園の63億円のみと今まで説明を受けてきました。その方針に変わりがないのかどうかお聞かせください。
(注:計画上では63億円、予算書では58億円)
(答弁)
この区画整理事業区域内に置きましては、総合公園整備費63億円を超える市の支出は、現在のところ想定しておりません。
B 3点目、ヨーカドーは食品部門だけは黒字であり、その出店を望んでいるように見えますが、食品部門だけの出店を市は受け入れるのでしょうか。又、プロポーザルでヨーカドーは1位でしたが、提案内容が実現できなくなった今、パートナー企業として失格とはならないのでしょうか。
お聞かせください。
(答弁)
食品部門の出店は、東口の具体的、現実的な計画ではなく、ひとつの可能性としての説明と理解しています。又、イトーヨーカドーからプロポーザル提案どおりの内容は履行できないが、イトーヨーカドー自ら新たなパートナーを求め、できるだけ提案主旨に沿った形での店舗計画を実現していきたいとの説明がありました。
既に90億円を投資して、12.3haもの土地を購入し出店基盤を整えております。
このように、最大限の努力をしているパートナー企業としてのイトーヨーカドーの尽力に期待し、連携して、出店の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
C 1点目の回答で、これからも五井駅西口と東口の一体としてのまちづくりを続けられるとのことですが、住んでいる者が中心になって行なわなくてはならないことだと私も思います。
五井のラオックスの閉店に続いてのヨーカドーの閉店は、周辺の商店に影響が及ぶのを避けられません。先日、B級グルメの富士宮やきそばの現地を視察してきました。そしてB級グルメの火付け人の渡辺英彦さんのお話を伺ってきました。
B級とは、レコードのA面とB面のようなもの、手ごろで美味しいご当地の普段着のグルメという意味合いです。認知されてはじめてブランドになる。そこには人とお金が集まってくる。
メディア(報道機関)が取材をしたくなるような内容、ストーリーが大切だと話されました。
例えば、「ヤキソバスツアー」で「麺財符」をもってヤキソバ加盟店である「麺税店」で食事をとる。
免罪符は宗教改革のきっかけになった事柄、ここでは観光改革になったという、シャレを利かした物語をこじつけてあります。
メディアを使ってお金を使わず広告しようというわけです。市原でも、「ハバナイスディ」というネーミングで「市原はばのり研究所」を立ち上げるというおもしろい企画をまちづくりに活かそうと考えている若者がおります。11月24日には「いちはらうまいもの会」が発会しました。
来年は千葉国体です。市原にも市外からの多くの方々が訪れることになります。おもてなしの心でお迎えし、再び訪れたくなる市原市をつくっていくチャンスと考えます。
行政として、どんな役割を果たしていくのか、お聞かせください。
(答弁)
市観光協会、商工会議所、市物産協議会、「うまいもの会」などの商業者などと連携し情報発信に努めていきます。
D 2点目の質問に対し、その方針に変わりがないことを確認しました。
その方針を貫いてください。又、まち開きも予定通りに来年の春に行なうのかもお聞かせください。
(答弁)
来年4月にはまちづくりとしての供用開始を予定しています。
E 3点目の質問に対し市は口出しをしない、プロポーザルの内容に沿って努力しているから今となっては変えることはできないとの回答ですが、それでよいのでしょうか。
ここまで開発が出来たのは、市が農業振興地区をはずすのに協力し、開発に必要な調整池を修景池として引き受けた結果だと思いますが、4者の話し合いはどうなっているのか、お聞かせ下さい。
(答弁)
イトーヨーカドーの新規店の事業計画などが明らかになった段階で、適宜4者合同での会議を開催し意見を調整していきたいと考えています。
F ヨーカドーは既に90億円で土地は買っていますが、出店も事実上凍結となっています。
この地区がバラバラにならず、一体となったまちづくりがなされていくよう、これからも市は関与を続けていただきたいと思います。
(2)行政サービスの制度の周知について
@ 役所は申請主義です。受益者が申し出ないと福祉のサービスも受けられません。市原市では広報「いちはら」で市民に情報を提供しています。
しかしながら、高齢者や障がいを持っておられる方は、その情報を読むこともままならず、なかなか理解できない場合が多くあります。民生委員もいますが、周知できているとはいえないのではないでしょうか。その福祉サービスに関わる業者や市の職員は積極的に受けられるサービスについて対象者に知らせていく必要があります。
決算委員会の時も指摘しましたが、せっかくの制度があったとしても、周知されなければ、無いのと同じになってしまいます。例えば、成年後見制度利用支援事業も26件そのうち市長がかかわったものが7件となっています。又、徘徊高齢者位置探索システム利用者が9人、そして介護認定を受けながらも介護保険サービスを利用しないご家族に対して年間10万円の家族介護慰労金の支給がなされていますが、平成20年度の利用者は1名という数字になっています。
もっとも対象となる方は市民税非課税世帯で介護度が4または5という重度の方に限られていることが原因だと思いますが、それにしてもこれらの情報が広く市民に知られていません。それは高齢者だけでなく、障害者の福祉にも言えることです。
そこで伺いますが、今後、周知の方法で改善の余地があると思いますが、見解をお聞かせください。
(答弁)
福祉サービスについては、広報紙やホームページの掲載のほか、全世帯へ配布している暮らし便利帳等により、周知を図っているところです。今後、より多くの方々に情報を提供し、ご理解いだけるよう周知に努めていきます。
A 又、今回、前自民党政権の置き土産とも言うべき国の6月補正予算関連の数々の事業があります。正式名称は「地域活性化・経済危機対策臨時交付金活用事業」です。
この中の一つに「ひとり暮らし高齢者住宅火災警報器給付」事業があります。
この事業は、地域活性化事業として警報器を取り付けるシルバー人材センターで働かれる方へお金がいく事業です。
警報器を取り付ける対象者は、平成21年度市民税が非課税の高齢者のひとり暮らしで、約7,000人を見込んでいます。
火災警報器の設置は、平成20年6月から義務付けられていますが、罰則規定はありません。
そのことも影響してか、なかなか設置が進んでいません。そのこともあっての今回の事業だと認識していますが、この事業の対象者のなかには、既に設置された方もおられます。しかし、その方々には恩恵は一切なく「不公平だ」という声も上がっています。
今回の補助事業の前から65歳以上で、前年度所得税が非課税のひとり暮らしの人には無料で付けるという制度もあったのですが、知られていませんでした。「広報いちはら」や「高齢者のあらまし」に書いてあると行政サイドは言うのですが、何人かの民生委員さんに尋ねましたが、知らないという方がほとんどでした。周知の方法に課題があると考えます。又、制度を知らずに設置された人に対しても、後追いであっても何らかの補助がなされるべきと考えますが、見解をお聞かせください。
(答弁)
今回、国の経済対策を活用しまして、火災警報器の設置を緊急的措置として実施することにしました。対象者は、特に低所得の一人暮らし高齢者で、未だ寝室に火災警報器を設置していない方としていますので、既に設置している方への補助については難しいものと考えています。
B 不公平と思われる役所の行為は、行政への信頼感を損ないます。市民が納得できる説明が必要です。これからの事業運営にはいろいろなことを想定して対処してください。
今回のような取り付け工事などは、それを扱うお店の方へ情報を流し対応するような工夫が必要です。常に市民の目線を忘れないようにしてください。
(答弁)
周知の方法は、利用できる場合、出来ない場合もありますが、内容について広く周知できるよう工夫して、ひとりでも多くの方に利用していただけるようにしたいと考えています。