いちはら市民ネットワーク
 いちはら市民ネットワークは政治をする市民団体です

平成22年 市議会質疑応答一覧

【平成22年度 第4回市原市議会定例会】

 
 
 
代表質問     上符玲子
 
12月になり今年も残り少なくなりました。この1年を振り返ると景気の低迷、改善されない雇用などが市民生活にも深く影響をおよぼしています。そのような背景も重なってか、議会や議員の役割を問う市民の声が高くなっています。
真摯にこれら市民の声を受け止め、自ら改革をしていかなければと改めて思うわけです。
議員の声が市政にどれだけ反映されるのかということでは、昨日も質問がありましたが、これから私が取り上げる問題が少しでも活かされることを願って質問に入らせていただきます。

1、市長の政治姿勢について

(1)市原らしい「まちづくり」について

1回目の質問
この秋、常任委員会や特別委員会の視察で、いくつかの「まち」を訪れました。中心地にお城があり、歴史を感じさせる落ち着いた街並みがつくられているところ、役所やデパートがあり自然に人が集まってきている様子、路面電車も行き交う風景など、あれもこれも羨ましく感じて帰ってきました。しかしながらいろいろ参考になることはあっても、やはり「ウチはウチで」考えていかなければ仕方ないなーという結論にいたってしまいます。
いまさら「市原らしいまちづくり」というのも、おかしいのかも知れませんが、やはり自分のところの「長所・短所」も含めた特徴を知り、良いところをさらに磨き上げていくのが「まちづくり」には必要・・・と改めて思った次第です。佐久間市長は、ふるさと・市原には人一倍、特別な思いを持っていらっしゃるわけですが、「市原らしい、まちづくり」についてはどのように考え、どのように進めていきたいと思っていらっしゃるのでしょうか。お聞かせください。

1回目の答弁要旨
元気ないちはらを実現するには、活力ある産業振興や歴史、文化、自然などを活かした観光振興、快適な生活環境の創出、活気に満ちた人々の交流が生まれるまちづくりを推進していく必要がある。そのためには千葉県の縮図といわれる臨海部のコンビナート群、田園地帯、豊かな自然などの資源や財産を活かした、特色ある施策を選択・集中して展開し、オンリーワンのまちづくりを進めることが市原らしい、魅力あるまちにつながると考えている。


2回目の質問
市原市の特徴をあげてみますと面積の広さ、臨海部の工場、まだまだ残っている自然、温暖な気候、海岸部から山間部までの多様な地域性、のんびりした環境などでしょうか。
お城や賑やかな商店街や市内を走り回る路面電車など、新しいものをお金をかけてつくりだすのは無理であり無駄であると改めて思っています。もちろんこれらの具体的な計画があるわけではないのですが、そういう意味でも「都市交流拠点づくり」というのは無理があると、改めて思わざるをえません。
地域の資源を磨き上げ、地域の元気力を支援し、残された自然の保全と活用に本気で取り組むことが大事と考えますが、いかがでしょうか。

2回目の答弁要旨
都市交流拠点は(私は)無理と思っていないが、たとえ無理であっても私たちの持っている資源をより活かして、最小限の経費で、最大の魅力を創っていく考えをもちたい。これからのまちづくりについては、南部の自然や豊かな田園風景、環境、農業を活かして都市部の人が来るようなまちづくりを進めていくことで、結果として観光の振興に繋がっていくと思う。圏央道のオープンも期待できる。


(2)平成23年度の予算編成と実施計画について
1回目の質問
世界的な経済危機の後も、経済の復調が見られないまま円高も重なり、日本経済は依然として厳しい状況にあります。また雇用も一向に改善されない、特に若い人たちの就職状況は最悪という中で、国民生活はさらに厳しさを増してきているのを実感するわけです。
政府は「新成長戦略」のなかで「元気な日本を取り戻す」として方針を示ました。このような国の動向は見る必要はありますが、限られた財源の中で、どの事業に取り組むのか、自治体、つまり市長の考えが重要になってくるところです。予算編成にあたっての市長のお考え・力を入れているところをお聞かせください。

1回目の答弁要旨
増収が見込めない中で少子高齢化社会では、どうしても社会保障関連経費が増大していく。無駄を省き、そちらの方に予算を確保するかについて、協働と知恵が必要である。限られた財源の中で一層の選択と集中を図り、「子育て支援と責任ある教育の推進」「誰もが安心して住める地域環境づくり」「本市の特色を活かした地域経済の活性化」を3 つの戦略的な視点とし、成果重視の予算編成をしたい。


2回目の質問
前段で述べましたように社会経済情勢がかなり厳しさを増しています。当然市税収入にも影響し、一方、扶助費など社会保障関連費は増えていきます。
繰り返しになりますが、景気の悪化が長引き雇用も改善されず、市民の生活が本当に厳しさを増しているわけですが、これらへの対策は来年度予算では具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか。

2回目の答弁要旨
雇用や福祉、子育て支援、社会基盤整備に限定せず、一事業で多方面に効果のある事業を厳選していきたい。また国の補正予算の動向を注視し、適切な対応を図っていきたい。


3回目の質問
いずれにしても実施計画のもとで事業が進められていくわけですが、第一次・第二次の実施計画の成果をどのように評価するのか、また次の実施計画においては、さらに磨き上げ、新たなステージへ向かうため・・・とありますが、具体的にはどのようなことに重点をおくのかお聞かせください。

3回目の答弁要旨
総合計画審議会の外部評価では7割の指標について目標を上回っているが、残りの3割は目標に達していない。「ともに支えあうまち」「ともに育むまち」「ともに成長するまち」の分野でやや遅れている。現在策定中の新実施計画の中で遅延している施策については着実に取り組む。「子育て支援と責任ある教育の推進」「地域で支えあう福祉と安全・安心な生活の確保」「個性ある環境振興と地域経済の活性化」「快適な生活環境と生活を支える交通環境の整備」を施策の柱に据える。また平成25年二は市政施行50周年を迎えることから、次世代育成支援推進条例の制定など未来につながる事業に取り組む。


4回目の質問
実施計画は短期のことがらと共に、市政運営の中長期的な方向にも関係してくるものです。そういう意味で柱に据えている4項目の(子育て支援と責任ある教育、地域で支えあう福祉と安心安全な生活、観光振興と地域経済の活性化、交通環境の整備)は共感しますが、言葉だけでなく実質をともなう予算が付いてこそという思いもいたします。特に「地域」を元気にすることがあらゆる面で必要と感じます。予算的にも、より「地域」にシフトすることが必要と思いますが実施計画ではどのようになるのかお聞かせください。

4回目の答弁要旨
地域というと「市原らしい、まちづくり」ということと思う。具体的には資源を活かした観光振興、都市交流拠点の整備、広大な市域を結ぶ道路や公共交通の整備の推進をすることで、多様な地域特性を結びつけ、市原の持つ魅力を相乗的に高めていきたい。これらの取り組みはいずれも市民団体や企業など多くの人々との協働が必要で、それによって「市原らしさ」の創出が出来ると考える。



2、都市交流拠点づくりについて

1回目の質問
8月5日の特別委員会、またその後の9月議会においてイトーヨーカドーの食品部門と大型専門店の出店が報告されましたが、その後の動きはどうなったのか、現状についてお聞かせください。
また都市交流拠点づくりでは五井駅西口との一体的なまちづくりをあげています。西口のまちづくりの進捗状況についてもお聞かせください。

1回目の答弁要旨
大規模小売店舗立地法の届出に際して必要な交通量調査を、10月上旬に実施した。店舗そのものはテナントとの交渉など着実に進めている。西口のまちづくりは新実施計画の中で、サンプラザの利用促進や五井駅東西駅前広場の改修事業を展開することで交流と賑わいを実現させていきたい。地元でもまちづくりの担い手の裾野が拡大してる。西口区域では買い物施設や公共施設など、生活利便施設の集積を図って暮らしやすいまちを目指したい。


2回目の質問
組合の保留地処分が10月1日から始まったと聞いていますが、その状況についてお聞かせください。また「文化交流エリア」「複合型商業施設エリア」などの計画が示されていますが、これらの計画の実現がどのように図られていくのか、特に組合の解散予定が平成25年と聞いていますが、この地区の計画に示されている「まちなみの形成」はどこが責任をもって進めていくのかお聞かせください。

2回目の答弁要旨
組合の保留地は全部で約8ha、金額では56億円でこのうち、イトーヨーカドーに5.1ha、36億円を処分している。残りの2.9haについてはこれまで23件と売買に向けた話し合いが進んでいる。組合が解散するまでには処分が可能。
「文化交流エリア」「複合型商業施設エリア」については「地区計画」において計画の実現に向けて誘導を図ろうとしている。組合解散後も地区計画などの各種法令や関係者間との協議を引き続き行っていく。


3回目質問
経済的な影響とはいえ、当初のプロポーザルに示されたようなヨーカドーの出店はなくなり、市の整備基本計画や4 者会議で示された整備イメージも、時間の経過とともに霞んでいく状況です。カインズや総合公園の建設は進んでいますが「交流拠点」になるかどうか、ほんとうに西口も含めた市原市の「中心核づくり」ができるのか怪しいという空気が出て来ているのではないでしょうか。今後、どういう形でほんとうの「都市交流拠点づくり」「市原市の中心核づくり」に繋げていくのか、お考えをお聞かせくだい。

3回目の答弁要旨
社会情勢や事情が変化するのはやむを得ないが、市原市の顔として市民の誇りになる地区を創っていくという目的は変わっていない。今はこれを成功に導くことが最大の課題である。



3、高齢社会への対策について

国の高齢化率は21%を超え市原市においても同様であり、地域では一人暮らしや高齢者のみの世帯が急速に増えています。介護保険制度が実施されて10年が経ちましたが制度の見直しとともに、地域の見守りや助け合いも含めて多様な地域支援体制を作り上げていくことが、重要な課題となっています。現状をきちんと把握しながら、将来を見据えてのシステムづくりが求められています。
それを前提にいくつかの質問をさせていただきます。

(1)保健福祉サービスの現状と課題、今後の方向性について
1回目の質問
介護が必要になってもできるだけ在宅で、でも必要になったら施設にも入れるようにというのが多くの人の希望でもあります。そのような暮らしを支える多様なサービスがあるわけですが、本市においてはどのようなサービスが不足しているのか、また今後の方向性と対策についてお聞かせください。

1回目の答弁要旨
施設・居住系サービスでは、特別養護老人ホームの待機者が増加している。また地区によって、認知症高齢者グループホームの整備が進まない。今後は在宅介護が増える中で、介護予防や在宅介護支援の充実が必要。さらに、日常のみまもりなど地域全体で高齢者の生活を支える体制の構築が必要である。


(2)地域包括ケアシステムの構築について
前段でも述べましたが、介護が必要になった時、できるだけ家族に依存せず、あるいは家族や外部の介護サービスを組み合わせ、自宅で介護を受けたい(受けさせたい)と考えている高齢者や家族は7割に上るといわれています。
こうした希望を実現させるためには医療サービス・介護サービスだけでなく、見守り・配食などの生活支援サービスも含めた多様なサービスが包括的に提供できる、できれば30 分以内にかけつけられるシステムがつくられていくことが望ましいわけです。
具体的には次の5つの視点での取り組みが包括的、継続的に行われることが必須といわれています。

1、医療との連携強化
2、介護サービスの充実強化
3、予防の推進
4、見守り、配食、買い物など多様な生活支援サービスの確保や権利擁護
5、バリアフリーの高齢者住まいの整備です。


1回目の質問
まずは「地域包括ケアシステム」についてどのように認識されているのでしょうか。また市原市においてこのシステムを実現させていくためには、どのような課題があるのでしょうか。お聞かせください。

1回目の答弁要旨
この仕組みを実現していくためには、医療・介護・福祉サービスなどを適切にコーディネートし、状況に応じて必要なサービスを供給する体制が必要となる。この体制づくりの中心となるのが地域包括支援センターであり、現在、核センターではそれぞれの担当圏域において、医療・介護・福祉の関係機関のほか、民生委員や小域福祉ネットワークなどの連携を深める取り組みを進めている。


2回目の質問
先日、埼玉県の所沢市に行き高齢者支援課でお話を聞いてきました。所沢市については以前にも申し上げましたが、早くから「地域ケア」の体制づくりに取り組んでいます。
具体的には平成2年から民生委員さんが毎年、65歳以上の高齢者全員を訪問し、情報をデーターベース化していること。人口は34万人弱ですが、市内には14か所の地域包括支援センターがあり、各地域で定期的に高齢者支援に関わる関係者が集まり「地域ケア」会議を開いていること。また住民参加の地域支援事業を展開し、介護保険制度だけでない多様な支援の仕組みがあることなどです。
なぜ早くからこのような地域ケア体制づくりを行ってきたのか…それは全国一の加速度で高齢化が進んだこと、財源が豊かでないので市民の協力を求めたこと…というお話でした。つまり早くから先を見通し、所沢市に必要なビジョンを描いて進めてきたということでしょう。
市原市で同じことをするということではありませんが、学ぶべきことは多くあります。これら所沢の取り組みをご存じと思いますが、感想がありましたらお聞かせください。

2回目の答弁要旨
所沢市には介護保険制度創設前からの長い歴史があったと聞いている。市原市ではようやく地域包括支援センターが昨年の10月に整い、システムの構築はこれからが課題である。


3回目の質問
30分以内で必要な支援が届くように目指す「地域包括ケア」というのが今後の介護保険の目指すところとして議論になっているわけです。ちなみに「地域包括ケア」は広島県尾道市の公立みつぎ総合病院で始まったものと聞いています。
「地域包括ケア」を目指すために自治体としては何をしたらよいのか。地域の情報が集まってくるのをただ待っていればよいのか、事業者が参入してくるのを待っていればよいのか、また善意のお医者さんが訪問診療を積極的にやってくれるよう期待して待つのか、不足している看護師さんがそのうち増えるだろうと願うだけなのか…国の動向はあるでしょうが、何が必要か状況は大体見えて来ています。行政に必要なのは「うちではこうやっていくんだ」という積極的な一歩です。(これは福祉施策に限りませんが)
「地域の情報把握」「地域包括支援センターの環境整備」「地域支援事業の積極的な展開」など、現場との一体感を持ちながら政策を進めてほしいと思いますが見解をお聞かせください。
また「医療との連携」はほんとうに必要です。ハードルは高いと思いますがやはり行政からの積極的な働きかけが求められます。保健医療協議会でのテーマとしても取り上げたらと思いますがご見解をお聞かせください。

3回目の答弁要旨
状況把握ということでは次期の計画の策定に向けてアンケート調査を実施する。一体感ということでは地域包括支援センターを中心に連携を図っていく。
介護と医療との連携では介護保険制度でのサービスがあるが、全国的にも課題なので24年度に予定されている、介護保険制度改革の動向を見守って検討していきたい。



4、療育について

(1)発達支援センターの充実について
これまでも何度も質問に取り上げてきました。まずは前向きな答弁をを期待します。

1回目の質問
発達支援センターがマザーズ、言葉の教室に加えて相談機能の充実ということで「相談室」を設置し「発達支援センター」としてスタートしてから6年数か月が経ちました。子どもの発達に対する親の不安をきちんと受け止め、必要な支援の在り方を示してくれる「相談室」は「療育」の起点として、大変重要な部署です。スタート時に専門職の人材を確保し現在にいたっていますが「相談室」の利用者数は、年間120~130 名と聞いています。最近は0歳から2歳児の相談が増えてきているということで、早期発見、早期療育の意味からも良い傾向と思われます。
問題は相談支援体制が現状のままで足りているのかということです。現在は「相談」を申し込んでから、相談日の予約が取れるのは1カ月先と聞いています。せめて半分に短縮できないのか、また、初回の相談の後の支援体制は十分なのかも含めてお答えください。

1回目の答弁要旨
期間の短縮については年度当初は2週間程度の設定が出来ているが、その後は状態を把握することに時間がかかる中で、1か月かかるケースも生じている。
今後はセンター内の専門職が関わることで状況の改善を図っていく。また、本年度からは児童の発達と良好な母子関係を保つグループワークを実施している。
今後も引き続き改善に努めていく。


2回目の質問
発達支援センターの充実については望むことがいくつかありますが、今回は特に「相談支援」の充実に絞ります。先日お聞きしましたところ内部でも「相談支援班の充実」について話し合ってきたということですが、その内容等についてお聞かせください。

2回目の答弁要旨
療育相談に作業療法士や言語聴覚士も関わっていき、発達検査を出来る限りやっていく。そして発達検査を出来る限りやっていき、児童の評価・支援の会議を発達支援センター内で設けて、どう継続相談に繋げていくかという協議をしてその流れの中で今後相談に応じていく。


3回目の質問
市内には児童デイサービスなどの民間療育機関もいくつかあります。民間の役割にも大いに期待しますし、保護者の方から頼りにもされています。
では公的な機関である「発達支援センター」には何が期待され、その期待に十分応えているのだろうかということも考えてみる必要があるはずです。
前にも提案しましたが民間の方も交えたプロジェクトを設置し、「市原市での療育の在り方」について検討したらいかがでしょうか。見解をお聞かせください。

3回目の答弁
国では「障害者制度改革推進会議」というものが設置されて検討がされている。そのなかに療育の相談という部門もあるので、そこも見極めながら研究していきたい。


(2)療育相談機能を持つ、子育て支援の場づくりについて
1回目の質問
核家族化が進む中で、子育てのさまざまな心配や不安について気軽に相談できたり、また子育て中の仲間同士と知り合える「子育て支援の場」は、とても必要になっています。
本市でも保育所に併設の子育て支援センターや児童館、集いの広場などが実施されています。また、地区住民の方による活動も大きな力を発揮しています。
これらの場に加えて、「療育相談機能を持つ子育て支援の場」の創設が考えられないでしょうか。
話は変わりますが先般、ある児童養護施設を訪問した時ですが、最近は虐待を受けた子どもたちの入所が多いこと、また発達に問題があることで虐待を受けたり、育児放棄の原因になることが多いことを聞きました。本市では児童虐待への対策はかなり頑張っていただいていますし評価するところです。そこで一歩進めて虐待を防ぐという観点からも「療育相談機能を持った子育て支援の場」を提案するものです。
「発達支援センター」との連携という面でも市内の社会資源を活用し、市原らしい子育て支援として考えていただきたいと思いますが、ご見解をお聞かせください。

1回目の答弁要旨
保育所の「子育て支援センター」からの相談を発達支援センターの療育相談に繋げている。また、現在、発達支援センターで行っている、発達が気になる親子のふれあいの場である「フレンズ」の活用や、子育て支援センターへの専門職の派遣などを検討していきたい。


2回目の質問
現在、子育て支援の場は公設民営のみというお話ですが、せっかく市内に場所や人材も揃っているわけですから、柔軟な取り組みを是非考えていただきたい。担当がどこになるにしても、千葉県としても必要性があるとの見解ですし、市原市の対応次第と聞いていますが、ご見解をお聞かせください。また、療育相談機能を持った子育て支援の場として鹿児島市の「親子集いの広場」があります。「子どもの発育・発達」は親にとって一番気になることですが、専門機関に足が運びづらいわけです。いつも遊びに来ているいつもの場所で、遊びのついでに相談に乗ってもらえる。敷居の低い相談機能を実現できたということです。(市原でも場所も人も、いまある社会資源を使うことで「ちょっと気になる」ケースへの対応ができるわけです。)

2回目の答弁要旨
相談日の設定については今、短縮に取り組んでいるところ。鹿児島市の事例も十分調査して確認したい。身近な相談・療育についても国の検討を注視して情報を得ていきたい。



5.林業施策について

「市原らしいまちづくり」でも申し上げましたが、本市は広域な森林と里山を有しています。しかし山林を取り巻く状況は大変厳しく、手入れの行き届かない山林が増加し、産廃の不法投棄や残土処分場の林立などにも繋がっています。
山林の持つ機能は木材以外にも水の涵養やCO2の削減、景観保全など多くの機能をもっていますが、その山林が危機に瀕してます。市原市の貴重な資源である山林の保存・再生、そして有効利用することが必要という視点からいくつか質問いたします。

(1)森林・里山の保存と再生および有効利用について
1回目の質問
森林・里山が竹に浸食され竹林と化していく状況は市原市でも多く見られます。市内全体の山の手入れや保存はもちろん無理な話ですが、できるだけ何とかしたいと思うわけです。現在、いくつかの市民グループの方がいろいろな目的を持って、里山の手入れを活動としていらっしゃいます。これら手入れがされている里山は市原市所有や民間も含めてあるわけですが、何とか活動を継続させていただきたいと思うわけですが、これら里山に対する現状の対策と今後の方向性についてお聞かせください。
またこれら手入れのされた里山が子どもたちへの教育面でさらに活かされたら、市原らしい教育の特色になると思いますが、取り組みの現状と計画をお聞かせください。
もう一つは森林の涵養についてです。特に高滝ダム上流域の森林の手入れは水源を確保する上で、大変重要なことと思います。市民の森など手入れがされているところもあるようですが、全体的に現状はどうなのでしょうか。例えば県が所有している大福山などの手入れを県に働きかけることが必要と思いますが、ご見解をお聞かせください。

1回目の答弁要旨
現状の対策としては里山活動団体と連携したイベントを行うとともに、里山活動団体同士のネットワークの構築に取り組んでいる。2月には里山活動団体同士の交流会を予定しているので、その中で企業や市民団体とも連携できるような仕組みを検討していきたい。子どもたちへの取り組みは小学校5年生を対象に年2校、子どもたちの森林活動体験を実施している。今後は実施校を増やしたい。高滝ダム上流域の森林整備は市で特定間伐等促進計画を策定して森林組合市原支所が県の補助事業を活用して整備を実施している。大福山を含めた県有林は県に働きかけていきたい。


2回目の質問
里山の持ち主と活動団体の仲立ちは今後も大いに進めてください。特に子どもたちの里山体験は市原らしい教育としてアイデァのある取り組みを期待します。
また山林や里山の重要性は言われながらも、国、県の補助金は増えるどころか減ってきているのが実態というのも聞いています。
大福山については先の鴇田議員への答弁で県が遊歩道の整備を確約したとのことですが、森の手入れについてはどうなっているのでしょうか。一例ですが君津青葉高校ではCO2 関係の補助金を使って梅ヶ瀬渓谷近くの40ヘクタールの学校の所有林の手入れを30数年ぶりで行ったそうです。
森林の手入れも合わせて行えないかと思いますが、県の状況、市の考えも合わせてお聞かせください。

2回目の答弁要旨
遊歩道の整備は10 月4 日と11 月8 日に県と協議をした。森林整備の話までは県の整備方針が決まっていないので、今後協議を詰めていきたい。


(2)市内産木材の利用について
1回目の質問
本来は木材利用が進むことで森の手入れが促され、また植林がされることで循環がうまく進んでいくわけですが、現状は課題だらけで上手くいっていません。
今年の5月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律・公共建築物等木材利用促進法」が公布され10月1日に施行されたと聞いております。
公共建築物を建てる際に国が率先して木材利用に取り組み、同時に地方公共団体や民間事業者にも主体的な取り組みを促し、木材全体の需要を拡大することをねらいにしています。この法律ができたことでほんとうに木材利用が進むのか、まだまだ不確定なところですが法律が出来たことは評価したいと思います。
市原市でも市内産木材の利用を進めるということで「ふるさとハウス」の建設を行うなど取り組んでいるわけですが、これまでの成果をどう評価するのか、また公共建築物での利用は千草コミュ二ティセンターで実施されていますが、その後は目立ったものはないようです。どのような評価と法律の施行も含めて今後の取り組みへの考え方をお聞かせください。

1回目の答弁要旨
平成19年4月に設置した。オープン以来7000名以上の人々が立ち寄った。
住宅認定補助金制度があるが、この利用はこれまで9件である。今後ともPR方法の工夫などで利用を図っていきたい。


2回目の質問
「ふるさとハウス」の建物は、とても木造の良さをアピールするということにはなっていませんが、今回、それはさておき、市内産木材を使っていくという政策が途中でかなり下火になってしまったという感じがします。
公共建築物に限っても取り組みが進まない理由は何なのか、率直なところをお聞かせください。
市内産木材を上手く利用するには費用をはじめとして、加工の問題やデザイン、その他いくつかの検討カ所があると思いますが、それについてはどのように検討されてきたのか、今後はどうなのかもお聞かせください。

2回目の答弁要旨
平成21年度の主な利用は学童保育分室の構造材や造作材への使用をしている。
今後は「公共建築物・・・・利用促進の法律」の運用についての県の内容を踏まえて進めたい。


3回目の質問
「市原ふるさと木の家普及促進事業」は家の新築時に最高50万円の補助が出ます。県内でも確か数市での制度で評価はしますが、あまり活用されていないわけです。例えばリフォーム時への拡充などが考えられないでしょうか。(もちろん金額も低くして)本気に市内産木材の活用を考えるならばそれぐらいしないと進まないのではないか。公共建築物では学校への木材使用も使い方の研究も含めてもっと検討したらどうか。

3回目の答弁要旨
内装材や木材施設においては当然、使っていく方向。今後は検討会のような組織を立ち上げて、町内横断的に取り組んでいく必要があると考えている。


4回目の質問
「市原ふるさと木の家普及促進事業」の対象を、住宅の新築時だけでなく、リフォーム時にも拡充する考えはないか。

4回目の答弁要旨
今後研究していきたいが、どのようなことが効果があるか、総合的に検討したうえで判断していきたい。



6、地産地消の推進について

議員立法による地産地消推進の条例が昨年10月に施行されてから1年余りが経ちました。条例の前文にもありますように、地産地消の推進というのは生産と消費という経済活動にとどまらず、地域の文化や伝統を見直し失った地域資源を取り戻す、地域が本当に自立するための運動です。ですから経済的な数値は少ないとしても、大きな意味を持っているわけです。このような観点から具体的な地産地消の取り組み事業についてお聞きします。

(1)あずの里いちはらの充実について
1回目の質問
「あずの里いちはら」ができてから8年になります。市内中西部地区の担い手農家の育成と、農家と都市住民との交流を目的にして開設されました。
現在、全国各地には農産物直売所が数多くつくられ、人気の直売所が話題になることもしばしばです。農産物直売所の共通の課題はやはり、農産物生産者の後継者不足と販売物の確保であるといわれています。
本市の場合にも同様のことがいえるわけですが、地産地消を具体的に進める中核拠点であり、市民が直に地産地消の恩恵を受けることができる場でもあります。8年経過して目的がどう達成されたのか、また課題についてはどのように認識し、今後どのように対応されていくのかお聞かせください。

1回目の答弁要旨
設置目的の達成ということでは、農産物直売所の会員数は、56名から106名(12月1日現在)に増えて一定の成果があった。また、生産者が主体となってイベントを開催することで、都市住民との交流の場を提供している。しかし、午後の時間帯の品薄状況には改善策が必要なことや、販売方法にも消費者の立場に立った工夫を凝らす必要がある。今後は連絡協議会の中で、課題解決策について検討をしていく。


2回目の質問
消費者としての正直な感想ですが、やはり農産物があまりに少なすぎます。
日によっては種類だけでなく全体の量も少なく、がっかりしてしまいます。
農産物を出荷する生産者の人数はどうなのか、また種類はどうなのか、地元生産物を主体にしているので種類も少なくなってしまうとお聞きしましたが、魅力ある直売所とするために対策が必要と思いますが、見解をお聞かせください。現在の地元産を柱にしながらも「地産地消」の範囲を少し広げての仕入れを考えるとか、あるいは市民農園の栽培物のコーナーを設けるとか、消費者からみて魅力ある場所にしていくことも必要なのではと思うが見解は。

2回目の答弁要旨
品薄感については地産地消を主眼としているので多少はやむを得ないが、消費者の需要に見合った生産体制が確立しているか、各協議会と検討していきたい。


(2)学校給食での地産地消の推進について
1回目の質問
学校給食へ市内産農産物を導入し地産地消を進めることは、子どもたちの食の安全面と、給食を通じてさまざまな学び(真の食育)の場をつくることに繋がります。
全国各地の教育現場で特徴ある取り組みが見られますが、本市での地産地消の給食の推進と食育についての基本的な考え方、また特徴的な取り組みをお聞かせください。
農産物の種類、量の確保というのが出来ていないし難しい、というのが今の現状です。やはり契約栽培など計画的な生産体制をつくらなければ拡大はできないと思います。次期、実施計画に利用促進とありますがどのようにお考えですか。

1回目の答弁要旨
地産地消を推進していくことは効果のある食育に繋がっていくことから重要である。食育についての具体的な取り組みは小学校3年生を対象とする食に関する指導の授業や、調理現場職員による学校での交流給食会、児童の調理場訪問、保護者等の給食試食会を実施している。また10月1日前後には市民の日の特別献立を提供している。


2回目の質問
学校給食をとおして地産地消を進めるということが一番具体的で、目に見えた形です。是非、地産地消推進の核として学校給食を位置付けて取り組んでほしいが見解は。また、センター方式(自校方式でない)のためできないということが言われるので、現在進めているスポット方式を最大限に利用し、導入する品目を増やせないのか。

2回目の答弁要旨
稲作中心のため、野菜中心のスポットも難しい面があるが、生産や出荷の状況を把握し、時期的に取り入れ可能なものを考えて、前向きに取り組んでいきたい。契約栽培についても実施の可能性について各協議会と連絡調整をして検討していきたい。

 
 


  

トップページ
Copyright(C)Ichihara Shimin-Network,All rights reserved.無断転載禁止