いちはら市民ネットワーク
 いちはら市民ネットワークは政治をする市民団体です

市議会レポート【代表質問】うわぶ玲子

1. 市長の政治姿勢について

(1)所信表明について

1回目の質問
開会日において所信表明が述べられました。2期8年という公約で市長を務められたわけですが、12月議会で「まだ道半ば」ということで3 期目への挑戦を表明されたわけです。
今回の所信表明でも冒頭で8年間の取り組みに触れられていますが、ではその結果をどうとらえていらっしゃるのでしょうか。市長が目指してこられた、すべての市民が、心から「住んでよかった」「住み続けたい」と思えるようなまちに近づいてきたのか…ということでの評価をお聞かせください。
また、歳入不足や扶助費の増加による財政の厳しさは、多少の差があるとはいえ今後も恒常的に続くと思われます。昨年、ベストセラーになった「デフレの正体」という新書があります。
それによりますと今の日本の「デフレ」は団塊世代の高齢化による。つまり今までの消費層が高齢になって物を買わなくなった。経済を動かしているのは景気の波ではなくて人口の波、現役世代の数の増減である。・・・とあります。
私はこれを読んでなるほどと思いました。今回の所信表明の前半に述べられた本市の状況分析を見ましても、その傾向がはっきり読み取れます。
ではどうすればよいのか、著者の藻谷浩介さんは「若者に所得移転をして消費の拡大を・女性の就労や経営参加を当たり前に」など生産年齢人口を増やし消費の拡大をはかる対策や、さらに高齢化社会での最大の問題「安心安全の確保」は生活保護の充実でと提言しています。
本の紹介が多くなりましたが、つまりこの時代、そして本市を取りまく環境をどうとらえ、それに対してどのような考え方で、どのような対策を打っていこうとされているのか、改めてお聞かせ下さい。

(1回目の答弁要旨)
これまで改定市原市総合計画に基づき、地域福祉や子育て支援などの各種施策に取り組んできた。実感として着実に理想とするまちの姿が形になってきている。高齢化、人口減少など市原市も大きな流れの中にある。そのなかでいかに元気なふるさとを実現していくのか求められている。今こそ協働して何をしなければいけないのかという局面にきている。雇用が確保され生きがいを持って働き、所費し、生活していけるまちづくりを進めていかなければならない。
この変化を素直に受け入れて、どうそれを乗り切って、より良いものにしていくのかという事を、今進めていかなければならない。元気な市原づくりの原動力となる企業誘致や産業基盤の強化をはじめとした地域経済の活性化に力を注いでいく。また何よりも人と人とのつながり、信頼関係の「絆」を大切にしていかなければならない。様々な施策において、「絆」づくりを視点とした取り組みを、今後とも、進めていきたい。


2回目の質問
所信表明で言われているように「無縁社会と呼ばれる状況を変えていく」というのが、私も今一番重要なことだと思います。「絆」や支えあい、助け合う温かい心といった人々の気持ちがもちろん大事ですが、行政の施策がその方向をきちんと向くことだと思います。ともすると新自由主義的な考えがあらわれがちですが、市長のお考えはいかがでしょうか。

(2回目の答弁要旨)
将来が下降線をたどっているならばその状況を私たちひとり一人が意識して、それを受け入れて、何をしなければいけないのかという事を、若い人たちにも理解していただき、自らの力で頑張っていくという思いをもってもらいたい。そういう教育を進めていきたい。それが本質的な考え方です。



(2)平成23年度予算について

1回目の質問
一般会計の予算規模が853億5千万円と2年ぶりのプラス予算、また予算規模が850億円を超えるのは平成8年以来、15年ぶりとのことです。子ども手当の要因も大きいのですが、厳しい財政状況の中でこのような積極的な予算を組んだ理由をまずお聞かせ下さい。
次に「戦略的視点による予算編成」ということで「子育て支援・責任ある教育」「地域環境づくり」「地域経済の活性化」があげられています。その名の通り市長の「戦略」を掲げた政策と理解します。この事業に取り組むことで「住んでみよう」「住み続けたい」まちづくりに、どうつながっていくのかお聞かせ下さい。

(1回目の答弁要旨)
日本全体が社会構造全体にかかる大きな変革期にあり、本市も大きな影響を受けている。しかし「元気なふるさと いちはら」の実現は全ての市民のねがいである。そこで厳しい財政状況だが、一事業でより多方面へ効果が及ぶ事業の厳選、新実施計画「勇輝いちはら」採択事業への重点的な対応を図る予算を編成した。また戦略的視点の3事業を実施することで、市民ひとり一人が「絆」を実感できる地域力を再生して、誰もがこのまちに、ほんとうに「住んでみよう」、「住み続けたい」と思えるような魅力あるまちの実現が可能になると考えている。


2回目の質問
これらを実行するには何と言っても財源の問題で、「歳入確保」が重要です。収納対策の強化ということで21年に債権回収対策本部も設置されました。これまでどのような対策がとられたのか、また今後の見通しについてお聞かせください。

(2回目の答弁要旨)
債権回収対策本部では設置以来、市税など29債権を対象に、法的・専門的処理の実施、情報の共有化、組織間の連携強化を図りながら、滞納処分の徹底や、実効性のある未集金対策に取り組んできた。21年度決算では滞納繰越分の徴収率が12.02%から14.11%へ向上した。22年度も対策を実施して進行管理や実績検証を行っている。


3回目の質問
所管課の未収金対策の徹底ということですが、人員配置なども行われるのでしょうか。

(3回目の答弁要旨)
高額悪質事案については、財政部に移管されているものもあるが、国民健康保険料、保育料、学校給食などはそれぞれの部門で回収を行っている。




2. 指定管理者制度について

1回目の質問
平成18年度に指定管理者制度に移行した公の施設の大半が、来年度にはこの制度として2期目を迎えるわけです。すでに指定管理者の選定も済んでいるわけですが、1期目を終えての指定管理者制度の総括というか、振り返りをするという意味でいくつかお聞きいたします。
まずは指定管理者制度についての全体的な評価についてお聞かせください。また、指定管理者制度の目的は「経費削減」「市民サービスの向上」の二つがあげられているわけですが、この目的はどの程度達成されたのでしょうか。
また、次期には制度の目的を向上させるために、具体的にどのような取り組みをされるのかお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
制度導入の全体的な評価は人員の配置や管理経費の削減等に民間のノウハウが活用されている。行政改革の観点からも一定の評価ができるレベルに達している。しかし、まだ今後も継続した調査研究が必要である。
経費削減は1 億4000万円前後の節減、市民サービスの向上は接客マナーの向上や自主事業の充実で満足度が向上。目的達成のため現在はPDCA のマネジメントサイクルを実施している。
またモニタリングを行い、その結果を公表することとしている。


2回目の質問
「経費削減」ということはもう限界にきているのではと思います。その面があまり求められると人件費にしわ寄せがいき、市民サービスの低下につながりかねません。「市民サービスの向上」を高めるということでは施設利用者の満足度調査などを定期的に行い評価する「モニタリング」を制度化していくことが大事です。「経費削減」についての考えと「モニタリング制度」についての取り組みについてお聞かせ下さい。

(2回目の答弁要旨)
モニタリングについては平成19年に方針をまとめ、第2 期目の指定管理者制度の中でやっていこうと考えている。


3回目の質問
審査の透明性について。選定委員に公募委員をいれる。選定結果の公表(ウエブサイトの利用など)

3回目の答弁要旨
外部の人を活用するというのは重要。現在は内部の職員の選考委員会でやっていて、審査会でチェックを入れてもらっている。公表等についてもWeb サイトで当然やっていかなければならない。





3. 男女共同参画について

(1)取り組み目標の成果について
1回目の質問
今年初めのテレビ報道番組で「復活するか日本経済・鍵は女性の力」というのがありました。うん、なるほど!と思える部分が多くありました。女性の感性、感覚を商品開発や事業経営のさまざまな分野に取り入れ活かすことが、企業にとっても欠かせないわけであり、それだけでなく女性が管理職やトップの地位について活躍する場面も増えてきているようです。
しかしながら世界的な位置からみると、日本の女性の社会的地位はまだまだ低い状況にあり、男女共同参画の推進が必要です。
そのためには、具体的な取り組みを確実に実践することが必要ですが、市原市での取り組み目標について、いろいろな分野での目標がかかげられているわけですが、成果を上げているもの、あまり上がっていないもの、課題も含めてお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
プランでは8つの基本目標を掲げ、また145の計画事業を掲げている。平成27年度を目標年次に挑戦指標を定め、定期的に点検している。19年に策定して以降、全般的には著しい改善がなされたとは言い難い。理由としては短期間で意識が変わっていくのは難しい面がある。
一方審議会委員数など、効果が現れやすい指標もあることから、これらを推進し、相乗効果を図っていく。


要望
少なくとも市役所内でできるところは是非積極的に進めていただきたい。若い人たちの中ではイケメンなどの言葉があるように、実態として進んでいるともいえる。しかし社会的なところではなかなか進んでいない。
ある町では地域での男女共同(平等)がどうなのか、10数回の懇談会を開いて話し合い、具体的な問題を出し合った。その席ではみんなが発言し盛り上がったということだ。つまり足元を見つめて自分たちで課題や目標を設定して、できるところからやってみようという試み。参考になりそうだが。


(2)男女混合名簿について
1回目の質問
具体的なことになりますが、平成21年度の小中学校における男女混合名簿の実施状況は、小学校では45校全部が混合名簿になっていますが、中学校では8校が混合名簿、13校が男女別名簿と明らかに後退しています。なぜこうなるのか理由をお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
中学校では体育の指導が男女別であること、特別活動の郊外学習や身体測定など生徒の発達段階を考慮すると、実用性や効率をふまえ、男女別の名簿を使用している。今後、男女平等教育の推進に向けて、名簿の適切な活用について指導していく。

2回目の意見
条例の基本理念にも「あらゆる教育の分野において、男女の本質的平等を基本とした教育が行われること」とあります。たかが名簿と言えない意味をもつのではないでしょうか。


4. 協働によるまちづくりについて

近年、多くの自治体において「協働」の取り組みが加速しています。少子高齢社会の本格化や地方分権の流れのなかで、もはや行政の行う公共サービスだけでは問題を解決することができないからです。市原市でも同様に、あらゆる分野で協働への取り組みが実態として進んでいます。「協働」は「まちづくり」を進めるうえでの、中心的な柱といえるでしょう。しかし「協働」をめぐっては誤解からくる問題も生じています。
行政のやるべきことを住民に肩代わりさせていないか、あるいは住民のやろうとしていることに管理・統制をしていないか、住民も行政に依存したままになっていないかなど、まだまだ試行錯誤の部分が多くあることと思います。
平成18年に出された「市原市協働によるまちづくりルールへの提言書」に沿って具体的な取り組みを進めていくことが大事です。まだ取り組みがされていない項目を中心にいくつかの質問をいたします。

(1)市民活動を支える資金提供の仕組みづくりについて
1回目の質問
資金の確保は継続した活動を行っていくためには欠かせない要素です。提言書でも市民、企業、行政など多様な主体が参画し、資金提供の仕組みをつくっていくこと・・・と述べられています。この提言については実現されていないわけですがその後どのような検討がされているのか、お聞かせください。
また先般、内閣府から「新しい公共支援事業の実施に関するガイドライン(案)」というのが示されました。この中でも「NPO 等の新しい公共の担い手を、企業による社会的取り組みと連携し、資金提供や活動基盤の面から一体的に支援する」とあります。市原市としてもこれらの支援事業に積極的に取り組んではと思いますが、具体的なお考えがありましたらお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
資金提供の仕組みづくりはどういう方法がよいのか、多方面からの検討を継続して行っている。システムは資金提供で終わるのでなく、出し手と受け手双方の価値が高まる、資金が循環するシステムあることが重要。それには行政主体でなく、市民活動団体や民間の中から資金を集める活動を行うリーダーの存在が必要。市民と企業、行政の協働で創りあげていきたい。
新しい公共支援事業では県が行う新しい公共担い手人材育成事業の中で、ファンドレイザーと呼ばれるNPO 等の資金調達担当者育成講座などがあるので、参加を県に伝えてある。


2回目の質問
企業とも連携してという仕組みづくりは、市原らしい取り組みとして大変期待できるものです。「資金」の問題は例えば「地域福祉の推進」などでも大きな課題となっているわけで、市民生活部の一担当部署だけの問題ではなく、全体的な大きな課題であるが今後の進め方をどう考えているのか。

(2回目の答弁要旨)
庁内では協働推進員を設けているのでその会議を通じて、共通認識を図っていく。

3回目の質問
先日、私も市川市の1%支援制度を聞きに行ってきました。継続的であることや市民参加がはかられているなど学ぶところもかなりあり、今後の展開が注目されますが、このような制度を取り入れるというお考えはおありになるでしょうか。

(3回目の答弁要旨)
先日、私も市川市の1%支援制度を聞きに行ってきました。継続的であることや市民参加がはかられているなど学ぶところもかなりあり、今後の展開が注目されますが、このような制度を取り入れるというお考えはおありになるでしょうか。

(2)協働事業の評価と公開について
1回目の質問
協働の事業はさまざまな分野で実態として進んでいるわけですが、やはりその状況を市民に分かりやすく示し、事業評価を行い、また事業の公募や選考結果、取り組みの過程についても公開していく仕組みが必要です。その仕組みづくりはどのように検討されているのかお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
具体的な評価・公開方法は今後策定していく。その第1 段階として各課が市民活動団体と行っているすべての事業について、事業内容等を整理している。今後はその事業内容をまとめて、分類を行い、協働事業の基礎資料を作成していきたい。第二段階で公開し、その次に評価し、その結果を公開するシステムを市民と共に考えていきたい。

2回目の意見
取り組みがもっと早くされているべき課題。全体での共有化が必要では。



5. セーフティーネットのある社会づくりについて

貧困の問題が社会のさまざまな場面で表面化してきています。失業や病気での困窮。家を失ってホームレスとなった人々の増加。児童虐待、後を絶たない自殺者も貧困が大きな原因となっています。うっかり足を滑らせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。今の日本は、「すべり台社会」になっているのではと湯浅誠さんも述べていますが、誰しもがそうなるかもしれない危険を抱えているといっていいでしょう。 すべり落ちるのを救い受け止めるのがセーフティーネットなわけですが、いわゆる社会保障の仕組みがほころんできています。セーフティーネットは三層構造を持っていて、雇用のネット、社会保険のネット、公的扶助のネットといわれています。社会保障の再構築は国レベルの最優先の課題になっていますが、残念ながらまだまだ具体的な検討にも入っていない状況です。 しかしながら人々の暮らしの状況はひっ迫してきており、現場である自治体では、扶助費の増加や窓口への相談者・申請者の増加となって表れています。セーフティーネットづくりは自治体にとっても喫緊の課題であることからいくつか質問いたします。

(1)市民活動を支える資金提供の仕組みづくりについて
1回目の質問
資料によりますと保護世帯・保護人数の増加がやはり著しく、平成17年時には2022世帯、2786人だったのが23年1月時で2815世帯、3652人と3割から4割近い増加となっています。
まずは、これらの増加の原因をどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。また保護世帯の状況分析についてもお聞かせください。
また、自立支援プログラムとして就労支援に取り組んでいるわけですが、この成果はどう評価されているでしょうか。また、今後の自立支援プログラムについても併せてお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
23年1月現在、被保護者世帯のうち、高齢者世帯が1367世帯で、全被保護者世帯の48.8%と約半分を占めている。高齢化の進行で無年金の人が長引く不況のもとで働くことができないまま、生活保護に至っている。また、傷病者世帯、障害者世帯も合わせると全体の約9割に達している。自立できる要因が少ないことから受給期間が長期化する原因になっている。
就労支援については就労を開始した人が14名、保護廃止が5世帯。23年度は就労支援員を2名とする。


2回目の質問
先日釧路市の福祉事務所の方からお話を聞く機会がありました。釧路市は全国でも一番、生活保護を受けている人が多い市です。その釧路で取り組まれている自立支援プログラムは普通の生活保護政策の常識とは全く違ったもので聞いていてまさに目から鱗の気分でした。
自立支援というと生活保護の廃止を目的にしがちですが、釧路市のプログラムは自立的な生活・・・つまり社会生活で人とのかかわりとか、朝しっかり起きて、時間も居場所もあってというような生活上の「溜め」をつくることをしていきます。それをしながら就労にも結び付けていくという道筋をとっているわけです。
特徴はそのプログラムに地域のNPOや介護施設など多くの団体が関わってボランティア活動の受け皿になっています。
まだまだ試行錯誤の連続といった状況のようですが、生活保護の本来的な姿ではないでしょうか。是非、これらの考え方を学び、取り組みを考えたらと思いますが見解をお聞かせ下さい。

(2回目の答弁要旨)
釧路市の事例を調査・研究していく。

(2)第二のセーフティーネットへの取り組みの現状と課題について
1回目の質問
仕事を失ったために住宅等で困っている人への貸し付けや、就職支援を行う、第二のセーフティーネットといわれる仕組みが2009年の10月に開始されました。仕組みが複雑でなかなかわかりにくいのですが、「総合支援資金貸付」「臨時特例つなぎ資金貸付」というのを、社会福祉協議会が委託を受けて行っています。
この制度を利用した方は21年度は120件、今年度はすでにその倍と増えており、これまで社会福祉協議会が扱っていた生活福祉資金を大きく上回っています。私がうかがった時も窓口には次々と申請や相談の方が見えていました。
問題はこの制度は貸付ですので6 か月後から返却が始まるのですが、仕事が決まる人がほとんどいないために、返却ができないという状況が起きてきていることです。これは国の制度ですが、多分このままでは7割が焦げ付くのではと、先日のテレビ報道でも取り上げていました。
国の制度であり県社協が審査にあたりますが、市の社協も対応に追われており、今のままではこの制度の本来の目的である、就労に繋げるような結果にはなっていません。これらの状況をどのように捉えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
22年度は1月までに総合支援資金が303件、住宅手当は227件。総合支援資金の貸し付けに対して全国社協は、対象要件や貸付基準の明確化など、制度の見直しを要望した。住宅手当の利用者には期間中に就労ができるよう対応を図っていく。

2回目の質問
これも生活保護と同じような問題を抱えています。ただ、お金を貸し付けるだけではだめだということ。また、いまのように生活保護に行くまでのつなぎ資金化しているのもおかしい。
就労に結びつける手立てがもう少し考えられないのか。(「自立支援」は自治事務として自治体の責務となっている。)

(2回目の答弁要旨)
市は住宅手当を担当している。総合支援資金は住居のない人が住居を確保するために必要。両制度は密接な関係にあることから、社会福祉協議会と連携強化を図っていく。



6. 地域福祉の推進について

(1)次期地域福祉計画について
1回目の質問
このたび次期市原市地域福祉計画の素案が示されました。第1期計画は地域ごとに多くの住民参加のもとに策定されたことは、今までにないこととして評価するものです。
その結果、小域福祉ネットワークの設置が進み、福祉活動の実践も増えてきました。1期目の計画では地域の課題を発見し、自分たちの出来ることから活動を開始したわけですが、2期目は「実行推進型」と計画にもあるように、各地域で実践活動が本格化するのを期待するところです。
そこでいくつかお聞きします。
地域福祉計画の存在を知っている人は22.8%とまだまだ少ないわけです。まず知ってもらうことが必要ですが、どのようにして認知度を上げていくのか、お聞かせください。
また「実行推進」を実現させていくには何がポイントになるのかお聞かせください。
また「拠点の確保」は前から質問でも取り上げてきましたが、今回の計画にも今、試行的に実施している「拠点整備モデル事業」について調査・検討をするとあります。今回の計画で拠点整備についてどのようなところまで結論を出すのでしょうか。お考えをお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
認知度を上げるには市民に身近な場所で、地域福祉の具体的な成果を実感してもらうのが効果的。そこで次期計画では全域で地域福祉ネットワークを立ち上げる。また「地域福祉ガイドブック」を作成する。次期計画は「実行推進型」としているが、そのために「主体の拡大」「手段の拡充」という方向性を決めた。
拠点整備についてはモデル事業が25年度で終了するので、事業結果を検証し各地域のニーズ把握や財源確保を踏まえて、取り組みにつなげていく。


2回目の質問
知ってもらうと同時に参加者のすそ野が広がっていくことが大事です。将来的には自然な形で市民が自主的に参加してくる、参加できるような形になればと思います。小域ネットワークもあまりガチガチの組織にならないように、いろいろなグループも存在している形がを考えたいが。

(2回目の答弁要旨)
小域福祉ネットワークを進めるのは地域住民、福祉事業者、社会福祉協議会、市、いろんな団体、そして組織として柔軟な対応をしていただきたい。


(2)社会福祉協議会の役割と体制について
1回目の質問
社会福祉協議会はこれまでも地域福祉計画推進のための要として、位置付けられてきました。
今回、地区社協化の体制強化などを目的に「地域福祉推進事業補助金」の創設がされましたが、地域福祉を本格的に実践していくための裏付けとしても必要なことと思います。
地域における福祉の課題はほんとうに多様化、複雑化してきていて、介護保険制度など今の制度だけでは福祉の網からこぼれおちる人が多くでます。また行政だけでは柔軟な対応ができません。地域のさまざまな市民力を合わせていくことが求められています。地域に入り込んでそこに「横ぐし」をさし、コーディネーターとして力を発揮していくことが、社会福祉協議会に期待されるわけです。
なかなか大変なことですが、では現在の社会福祉協議会がどのように変わっていくことなのか、また行政として「地域福祉推進事業」には補助金を出すほかにどのような関わりを持つのかお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
社会福祉協議会の本部機能を強化するとともに、市内4つのエリアに専門職員を配置し、体制整備を図る。今後、社協の職員は地域福祉のコーディネーターとして専門性が求められるので「コミュニティ・ソーシャルワーカー養成研修」を全職員に受講させる。市は事業効果を把握するため、進行管理を行うほか社協と相互の役割や専門性を活かした連携を図って進めたい。

2回目の質問
CSW(コミュ二ティソーシャルワーカー)の存在が大きいと思う。地域に入り込んでコーディネーターとしてグループや人と人を繋げたり、活動の相談に乗ったりと重要な役割だ。言い方が悪いかもしれないが、社会福祉協議会に補助金を出したから責任を預けたということにならないように、人材提供、情報交換など支援が必要と思うが見解は。

(2回目の答弁要旨)
今まで以上に連携を強めていきたい。CSW の育成は全職員に受けさせるよう進めていく。

3回目の質問
「事業評価」ということで、成果を1年ごとに評価し公表することが必要と思うがどうか。

(3回目の答弁要旨)
十分やっていきたい。



7. 残土処分場問題への対応について

1回目の質問
市原市は残念ながら、残土処分場の設置数では千葉県のみならず全国でも上位に入る地域となって、今日までいたっています。理由は首都圏に近く残土の運搬に便利なこと、まだ谷津田や山間の谷など広い土地が残されていること、また、農業の衰退で耕作放棄地が増えていることがこの状況に拍車をかけています。
残土処分場を全くつくらせないということは無理ですが、やはり少しでも数を少なくすること、また違反行為はさせないことなど、市原の貴重な自然を守るうえでも、まだまだしなければならない対策があると思います。
私どもはこれまで「残土条例の改正」や「県条例の適用除外」などを提言してきましたが、進展のあるお答えはいただけませんでした。理由の一つとして県条例の適用にも「立ち入り権」があるので同じような対応ができるとの見解を示されていますが、やはり今の条例では制度疲弊というか、何らかの見直しも含めた対策が必要と考えます。今後の残土処分場問題をどのように考えていらっしゃるのか、見解をお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
周辺住民の同意という考え方を盛り込んだ新条例を、木更津市が施行し、また富津市も施行するということだが、本市では私的財産権の侵害の恐れがあることから、こうした規制は考えていない。現行条例では「崩れない、汚染しない、人に迷惑をかけない」との方針で条例の運用を図ってきた。今後はこのことに加えて「自然の回復」を積極的に図るという考え方を取り入れていきたい。

2回目の質問
条例をきちんと守らせるにはとにかく行政も現場にできるだけ足を運んでの監視体制が大事です。そして違反に対しては断固として厳しく対峙し是正させることです。現場主義を貫き、条例を用いて厳しい対応を図るだけでも残土処分場の抑制になります。人員体制も含めてこの点はどうなのか。

(2回目の答弁要旨)
監視体制は現在もう既に厳しい対応を図っている。(過去の事例ではかなり失敗作もあったが。)自然の回復については22年度予算で自然環境マップの作成をしているが、その中で自然環境の把握に努めている。その中で残すべき自然、回復すべき自然を把握できるようにしたい。
今ある条例との連動を図った中で残土の取り組みを考えていきたい。


3回目の質問
そのことはいつごろできるのか。

(3回目の答弁要旨)
自然環境マップの作成事業の中で、環境の状況について把握している最中。



8. 小中一貫校、一貫教育について

1回目の質問
加茂地区での小中学校の小規模化が進み、学校規模の適正化について検討がされた結果、加茂地区小中一貫教育開校に関する基本計画が策定されました。そして加茂中学校内に統合した小学校を併設した、小中一貫教育校が25年4月に開校することになり準備が進められています。
この取り組みは小規模化というマイナス要因が元にはなっていますが、小中学校義務教育の9年間のスパンでの「一貫教育」という新しい教育システムに取り組むことで、プラスの面が多く期待されるものです。
本市で初の小中一貫校ということで是非誇れるものにと思いますが、アピールできる特徴をお聞かせください。
また、加茂地区という自然に恵まれた環境を教育の場で活かすことで、そのことが学校の特徴になるような取り組みを期待しますが、具体的な計画がありましたらお聞かせください。
次に、今回は施設一体型の小中一貫教育を始めるわけですが、今後の「小中一貫教育」について市内全校への波及ということも含めて、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。

(1回目の答弁要旨)
加茂地区での小中学校の小規模化が進み、学校規模の適正化について検討がされた結果、加茂地区小中一貫教育開校に関する基本計画が策定されました。そして加茂中学校内に統合した小学校を併設した、小中一貫教育校が25年4月に開校することになり準備が進められています。
この取り組みは小規模化というマイナス要因が元にはなっていますが、小中学校義務教育の9年間のスパンでの「一貫教育」という新しい教育システムに取り組むことで、プラスの面が多く期待されるものです。
本市で初の小中一貫校ということで是非誇れるものにと思いますが、アピールできる特徴をお聞かせください。
また、加茂地区という自然に恵まれた環境を教育の場で活かすことで、そのことが学校の特徴になるような取り組みを期待しますが、具体的な計画がありましたらお聞かせください。
次に、今回は施設一体型の小中一貫教育を始めるわけですが、今後の「小中一貫教育」について市内全校への波及ということも含めて、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。


2回目の質問
ハード面にお金をかけないということは理解はいたしますが、やはりこれまでとは違う取り組みは欲しい。私は「ランチルーム」に着目しました。教室でそのまま食事というスタイルから、食事はやはり食堂で…清潔、食事の意味からもランチルームは是非欲しい設備です。ただ残念なのは3階にだということと、3クラスしか入れない広さということです。1階にしてもう少し広く、また地産地消の木材を使うなどできないのでしょうか。

(2回目の答弁要旨)
スペース確保には3階しかなかった。地元からもスペース確保の要請があったが、敷地についての限りもありできなかった。

3回目の質問
小中一貫教育というのは全市的な課題であり、モデル校としての実験でもあることを意識し、他への検討課題にしていただきたい。

(3回目の答弁要旨)
併設型は加茂を中心に。カリキュラムは全部の学校でやっていきたい。





トップページ
Copyright(C)Ichihara Shimin-Network,All rights reserved.無断転載禁止