1. 公共施設における農薬や殺虫剤等の使用について
・化学物質過敏症とは
化学物質過敏症はH21年に健康保険適用病名として登録されたばかりで、世間にもようやく認知されてきた疾患である。化学物質の大量曝露、または微量でも反復曝露の後に発症するとされており、成人を対象に行った調査では全国で約70万人との推計がされています。
いったん発症するとごく微量の化学物質でも発作が引き起こされ、通常の生活を送ることもできないことも多くあります。
・化学物質の氾濫
現在世の中には5万種以上もの化学物質が流通しているとされている。化学物質は私たちの生活を便利で豊かにしている一方で、実は身体に及ぼす影響や安全性について検証されているものは圧倒的に少ないという現状があります。
例えば洗剤、消臭剤、燃料、塗料など私たちの周りは実にさまざまな化学物質に囲まれているが、今回私は特に乳幼児からお年寄りまで不特定多数の市民が訪れる市の公共施設で使用されている農薬や殺虫剤等の使用について、何点か質問します。
(1) 保育所や学校施設における取組みについて
保育所や学校施設における実態は
成長過程にある子どもの体は、肝臓や腎臓などの有害物質の分解や排出を行う器官や、血液脳関門・脳神経などの発達が未成熟であるため、大人に比べて化学物質に対する感受性は著しく高いとされている。従って、子どもが日中の大半を過ごす場である、保育所や幼稚園・小中学校の環境に対しては、特に配慮が必要であることは言うまでもありません。
そこで最初に、各々の施設の庭の樹木への農薬散布、また室内の害虫等の駆除に使用される殺虫剤等の使用の実態について、ご答弁ください。
(答弁 教育総務部)
小中学校及び幼稚園では、樹木に発生した害虫駆除のため、造園業者に委託し、有機リン系薬剤であるスミチオン乳剤及びディプテレックス乳剤を、1000倍に希釈して散布しております。
散布に当たりましては、農薬使用に関する国の通知に基づき、定期的な散布はせず、害虫の発生状況に応じながら実施しているところであり、本年度の実績といたしましては、1回実施した施設が39箇所、2回が11箇所、3回が2箇所となっております。
さらに、受託業者に対して、農薬取締法に基づいて登録された農薬を、ラベルに記載されている使用方法を守って使用すること、最小限の区域における散布に留めること等を指示しております。
また、近隣住民に対しましては、学校周辺の状況に応じ、文書等により周知するとともに、児童生徒に対しましても、散布後の樹木に近づかないよう指導し、安全確保を図っているところであります。
なお、学校施設の校舎内への薬剤散布につきましては、実施しておりません。
(答弁 子育て支援部)
一点目に、園庭の樹木の殺虫につきましては、主に青虫や毛虫の駆除を目的に、ディプテレックスという薬剤を1000倍に希釈して使用しております。
使用頻度は、定期的な散布ではなく、保育所におきまして、害虫の発生を目視により確認した後、駆除が必要と思われる状況の場合のみ、実施するものとしております。
実績としましては、H23年度では、2回実施した保育所が2か所、1回実施した保育所が11か所、実施しなかった保育所が4か所となっております。
周知に関してですが、保護者に対しましては、掲示板や園だよりを使い、周辺の住民に対しましては、直接訪問するなどして、必要な周知を行なっております。
また、管理体制につきましては、国の指導に基づき、散布の対象範囲を最小限度に留めたり、天候や実施の時間帯、風向き、ノズルの向きなどを注意するとともに、使用方法及び使用上の注意事項の厳守を、受託業者に指示しております。
具体的な例といたしましては、実施の時間帯は、児童が昼寝をしている時間や土曜日の夕方とするとともに、散布の際には窓を閉めたり、付近に遊具がある時は、散布終了後水で流したりするなどの安全対策を講じております。
2点目に、園舎内の害虫駆除についてですが、保育室などでは、ピレスロイド系水性乳剤のスミスリン等を5倍程度に希釈し、ゴキブリなどの害虫が発生することが予想される箇所を重点的に、散布しております。
調理室、便所等では、ゴキブリに対し、有機リン系乳剤のスミチオンMC等を30倍程度に希釈し、1uあたり50mlを床に散布しており、ねずみにはクマリン系殺鼠剤(さっそざい)の固形や粉末のものを使用しております。
また、これらの殺虫消毒は、夏と冬の年2回、原則として日曜日等に実施することとしております。
実施にあたりましては、安全性の観点から、薬剤を必要以上に使用しない、殺鼠剤使用にあたっては児童の手に触れることがないようにするなど、受託業者に指示をしております。
なお、害虫駆除実施後は、使用した薬剤名や使用量などについて報告を受けております。
今後も害虫駆除にあたりましては、入所児童や周辺への安全性に十分配慮し、実施してまいりたいと考えております。
・有機リン系薬剤を使用していることについて
フェニトロチオンMEP(スミチオン)やトリクロルホンDEP(ディプテレックス)といった有機リン系の化学物質、あのオウムが使用したサリンも有機リン系であるが、これは化学物質過敏症やシックハウス症候群の三大原因物質のうちの一つとされています。
神経や免疫、内分泌に障害をもたらし、特に小児への影響は未来に重大な問題を引き起こす可能性があるとの結論がH17年に厚生労働省研究班において報告されている。EU諸国では、ほとんどの有機リン系の農薬は使用禁止となっています。
また、厚労省がH20年に発出した「建築物における維持管理マニュアル」によれば、「薬剤を使用する場合は、事前に利用者の了解を得て実施し、処理前後少なくとも3日間はその旨の啓示を行う。また、日常的に乳幼児がいる区域については、薬剤による処理を避ける」とされています。
さらに、千葉県教育委員会はH21年に「学校におけるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアル」を作成しており、その中で「教職員への意識啓発、樹木の害虫等が発生していない場合は散布せず、発生してもトラップや枝の剪定などの物理的駆除を優先して行い、原則として農薬等を使用しない」「やむを得ず散布する場合は、使用薬剤・使用方法・使用日時を十分検討する」と指導している。
そこで、これら報告や指導を踏まえあらためてご見解をお聞かせください。
(答弁 教育総務部)
学校施設における農薬の使用につきましては、児童生徒等への健康影響が生じないよう、千葉県教育委員会が定めた「学校におけるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアル」にも則り、先ほどお答えいたしましたように、最小限かつ適正な薬剤の使用を行っているところであります。
さらに、教職員への意識啓発につきましても、当該マニュアルを小中学校及び幼稚園に配布し、化学物質過敏症等に対する理解、共通認識化に努めております。
今後も、安全性の確保に配慮し、適正に薬剤を使用するとともに、教職員の理解等が深まるよう、情報提供や研修会の充実強化に努めてまいります。
(答弁 子育て支援部)
議員ご指摘にもありましたが、薬剤等の使用には、リスクがあることは承知しております。
しかしながら、薬剤等を使用せずに手作業などで対応することは、現段階では困難な状況でございます。
したがいまして、これらの使用は最小限にしているところであり、先程申し上げましたとおり、保護者などへの周知や、使用方法の厳守などの安全対策への配慮を怠らないようにしております。
今後も、国のマニュアル等を参考に、児童への安全性を十分に配慮し、実施してまいりたいと考えております。
県内では、我孫子市や柏市、八千代市など、学校や保育所の樹木には農薬よりも安全なセルコートアグリや生物農薬を使用している自治体もあります。
頭が痛い、鼻血が出やすい、集中力がない、キレやすいなど子供によくみられる状態も、化学物質に原因がある場合があるとも言われています。子どもが日常過ごす場所では特に、化学物質にそれこそもっと過敏になって抱いて、職員への啓発もぜひお願いします。
(2)その他公共施設等における取り組みについて
・公園の農薬散布の実態
公園も子供たちがよく利用する場所であるが、樹木への農薬散布の実態をお聞かせください。
(都市整備部)
都市公園の樹木には、チャドクガやアメリカシロヒトリといった害虫が生息しており、こうした病害虫に対する防除に際しましては、環境省の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」に従い病害虫の発生しにくい環境づくりに取り組むよう指定管理者に指導しているところでございます。
毛虫等の大量発生の場合、やむを得ず薬剤散布する場合には、ディプテレックス乳剤、トレボン乳剤、およびサプロール乳剤といった薬剤を使用しております。その場合、薬剤の使用頻度でございますが、パトロールや住民の皆様からの通報により、病害虫の発生が確認された場合、原則として枝の選定による防除を行いますが、それが困難な場合には、必要最低限の薬剤防除を実施しているところでございます。
・市役所庁舎の農薬・殺虫剤散布の実態
では、次に市役所の庁舎については実態はどうでしょうか。
(答弁 総務部)
本庁舎では、建物内と建物外の庭園における害虫駆除を実施しております。
建物内は、庁舎管理委託業務の中で年2回、閉庁日に定期散布を行なっております。
使用する薬品はジクロルボスとフェニトロチオンであります。
また、建物外における散布につきましては、委託業務の仕様の中で、使用薬品を指定した上で、年3回、定期散布を行なっております。
使用薬品はフェニトロチオンとトリクロルホンであります。
建物内外とも散布の実施に当たっては、国の指導に基づき、現場での有機リン系薬剤同士の混用は行わないよう指示するとともに、実施後には作業報告書を提出させております。
・公園について「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」を踏まえた対応を
公園については、H22年に環境省から「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」が正式に発出されました。これは、H15年とH19年の2度にわたって農水省・環境省が発出した「住宅地等における農薬使用について」という通知を具現化したものですが、ここでは、次のようなことを求めています。
・フェニトロチオンMEP(スミチオン)など5農薬に対する散布時の立ち入り制限範囲と時間を設けること
・委託する場合の留意点として、仕様書や契約書に当マニュアルの留意点を盛り込むこと
・人や環境への負荷を低減する観点から、生物農薬やフェロモン剤の適用を確認し、これらを優先的に利用すること
樹木の害虫駆除に関しては指定管理者の再委託で行っているということでありますが、当局にはこの管理マニュアルの趣旨を踏まえ、今後も枝切りなどの物理的防除の優先や散布する場合の周知の更なる徹底など、適切な対応を行うようしっかりと監視してください。
・庁舎について
一方、市役所庁舎については、庁舎内で定期的に有機リン系の混合剤が噴霧または煙霧されており、ICSC(国際化学物質安全性カード)において「作業環境管理を厳密にし、妊娠中の女性や青少年・小児への暴露を避ける」と記されている化学物質も含まれています。
また、厚労省所管の「建築物衛生法」において順守が義務付けられている「建築物環境衛生維持管理要領」の中では、6ヶ月ごとのネズミ・昆虫等の生息調査と、その結果に基づいた処置をしなさい、と示されています。
つまり漫然と定期的に殺虫剤を使用することに歯止めがかけられているわけですが、これらを踏まえて、改めて市庁舎における農薬・殺虫剤散布について、当局のご見解をお聞かせください。
(答弁 総務部)
本庁舎におきましては、年間を通して、あちらこちらからゴキブリなど多くの害虫を見たとの目撃情報が寄せられているところであります。
また、試みに「ゴキブリホイホイ」をところどころに置いてありまして、数は記録しておりませんがそれなりの捕獲実績もあるようです。
このことから、相当の蓋然性をもってごきぶり等が生息しているものと推測されます。したがって、生息調査を行うまでもなく、薬剤散布はやむを得ない対応であるとして、実施をしてまいりました。
病害虫への対応につきましては、建築物環境衛生維持管理要領に基づきまして、室内を衛生的に管理するなどの予防的対策を実施した上で、できる限り薬剤を使用することなく、防除作業を行うべきであることは、言うまでもないものと考えております。
今後におきましては、薬剤の使用について、人の健康に対するリスクや環境への負荷の低減に配慮しながら、適正な使用に努めてまいりたいと考えております。
・IPM(総合的有害生物管理)について
国は、先に示したマニュアル等の中で、いずれもIPM(総合的有害生物管理)という考え方を具体的に提示しています。
これは、リスクの少ない駆除方法に加え、周知徹底、害虫等の生息調査を行う、害虫ゼロを求めず標準的な目標水準を定める、効果の判定、記録管理など、様々な防除対策を組み合わせて行うことで、薬剤偏重による環境への悪影響を軽減するというものです。
市庁舎は、市民のみならず、妊娠中の女性も含めた職員も大勢勤務している場所でもある。ぜひIPMに基づいた対策をお願いします。
(3)庁内の一元管理体制について
この他にも、スポーツ施設、公民館など様々な公共施設があるが、私が伺ったところでは、事前調査のない薬剤の使用やIPM総合防除についての職員の理解、指定管理者当への指導、記録簿の管理などについて、実態はバラバラでした。
先進事例
先進的な取り組みをおこなっている岐阜市では、H21年に策定した「岐阜市有施設における農薬、殺虫剤等の薬剤使用に関する基本方針」に基づき、市職員、教職員、施設管理者、関連団体などへの講習会、また、市民へも、なぜ薬剤を使用して害虫駆除を実施したのか、またその反対に、なぜ害虫駆除に薬剤を使用しないのか、ということを理解していただくための情報提供を行っています。
また、県内では、柏市・千葉市・佐倉市でも、同様に農薬や殺虫剤使用に関する指針を策定しています。
市原市でも、国や県の指針を順守し、職員や市民への啓発をするための一元的な管理体制が必要と思われますが、当局のご見解をお聞かせください。
(答弁 環境部)
農薬の使用でございますけれども、各施設管理者が答弁しましたとおり、国からの通知やマニュアル等に沿って、各施設管理者の責任において、適正に使用しているものと考えております。
また、一般的に適正な使用方法であっても、隣接住民から散布の仕方などにより、迷惑を被っているとの苦情が寄せられておりますので、この12月15日号の広報いちはらで、「住宅地での農薬散布のルール」と題して、農薬の飛散防止と低減の啓発を行う予定です。
今後とも、関係部署と連携を図り、農薬の適正な使用の徹底を啓発してまいりたいと考えております。
H22年2月には化学物質過敏症に対する労災認定がなされました。もし利用者に重大な健康被害などが出た場合には、市の管理体制の不備を問われる可能性もあり、化学物質の慎重な使用が求められる時代になったともいえます。
縦割りではない全庁的な管理体制を整備するよう要望します。
2. 市民とのパートナーシップについて
・協働は住民自治に不可欠
今議会では、いわゆる地方分権一括法に対応する条例案が数多く提出された。分権改革が勢いを増していることに加え、厳しい財政の中で多様化する市民のニーズに的確に応えていくためにも、自治体行政と市民とのパートナーシップによる自治の強化がますます求められています。
・市原市協働施策の歩み
佐久間市長は「市民と行政が協働して新しいふるさとづくりを進める」との強い思いのもとに、多くの市民の参画により改定市原市総合計画を策定されました。
以来、「市民公益活動促進に関する基本指針」が策定され、「協働によるまちづくりルール策定会議」での議論を経て「協働によるまちづくりルールへの提言書」が示されました。また、提言書の作成に携わった市民を中心に「協働のいちはら・まちづくり会議」が設立され、市民活動センターに相談窓口が開かれました。
一方、行政側はH19年に市内各課に協働推進委員を配置。また、「協働のいちはら・まちづくり会議」とパートナーシップ協定を締結し、パートナーシップの原則、双方の役割分担や責務などを明確にした。H20年には協働に関する窓口を市民生活部に一元化しています。
このように、様々な協働の枠組み作りを市民とともに築き上げてきた市原市の取り組みは、他自治体から行政視察が訪れるほどとうかがっています。大変評価したいと思います。
・先細りの市民活動支援
協働の枠組みは作られても、実際にその中で活発に市民団体の公益活動が見いだされ、様々な支援や協働事業が行われ、きめ細かく質の高い公共サービスにつながっていかなければ意味がありません。
総合計画策改定の取り組み以来8年余りが経過し、協働という言葉が一般化した今、市民側の意識は確実に高まっていることは誰しも認めるところですが、その一方で行政側はどうなのでしょうか。
総合計画で提案された計25の「市民まちづくり事業」の達成率は36%と挑戦値の100%には程遠く、先細りの状況にある。8年前の思いは果たしてどこまで実を結んでいるのか、今一度立ちかえり、見つめなおす必要があるのではと感じています。
(1) 市民活動団体等との協働・連携の推進について
市民活動支援補助事業について
市原市市民活動支援補助事業は、H16年からの県事業を引き継ぐ形でH18年より始まり、毎年150万円の予算が市民活動支援に使われており、ちなみに今年度は8団体が選ばれている。しかし、H16年からの採択団体のリストを見ると、同じ団体が3回、4回と補助を受けているケースが目立ちます。
私はこのこと自体を非難するつもりはないが、補助する以上、行政側は、新たな市民公益活動団体の掘り起し、補助期間中の会計実務や運営スキル向上への技術的支援、各事業内容の見極め、補助終了後次なる協働事業へのステップアップなど、それぞれの段階で適切な対応を図っているのか、ということに関しては疑問が残ります。
なぜならかつて補助を受け、今も大変素晴らしい公益活動を行っている市民団体のなかにも、今後の事業展開や行政との関係性、資金面などの課題を抱えているという声を少なからず伺っているからです。
市民活動補助事業をさらなる協働事業への推進につなげる取り組みについて、当局のご見解をお聞かせください。
(答弁 市民生活部)
市民活動支援補助事業は、地域の課題解決に自ら取り組む市民活動団体が提案する事業に対し、市が補助を行うことで、市民活動団体の組織基盤の確立や運営基盤の強化を目的に実施しているものです。
補助の条件としましては、現在は、補助期間を最長4年間とし、10万円コース、30万円コースをそれぞれ2回まで受けられることとしています。
こ のような中で、これまでは各コースのすべてを受ける団体がいくつかありましたが、応募条件の緩和や補助対象期間を拡大するなど改正を加えるとともに、市広報や市民活動センターの行事等での周知活動、丁寧な個別相談を行うなど、特定の団体に偏らないよう裾野を広げる取り組みを行うことにより、今では、新規の応募・採択団体がみられるなど、着実な掘り起こしや拡大が図られつつあるものと考えております。
また、採択後は、団体への会計事務や運営方法を主題にした会議を開催するなど、組織、運営基盤の強化の支援に努める工夫も絶えず行っているところであります。
さらに、例えば採択団体であり、歯の健康を通じた市民活動を行っている「歯っぴい8020応援隊」が、保健センターの「おでかけくん」や高齢者支援課の「もの忘れ予防教室」など、補助採択団体と各部門との協働事業が展開されており、補助事業を契機に次なるステップアップが図られている事例も生じつつあると考えております。
したがいまして、市民活動支援補助事業は、これまでも協働事業の推進に一定の成果は果たしてきているものと考えておりますが、今後も市民活動団体の一層の裾野拡大に向けて、より実効性を高めるための工夫を重ねてまいります。
市民活動を掘り起し、見守りや適切な支援を行い、新しい協働事業へ発展させ、そして市民サービスの向上、市民満足度のUPへと、上昇スパイラルを描ける事例がどんどん現れるよう、ぜひ積極的に取り組んでください。
・協働推進委員について
全庁各課にわたり計100名配置されている協働推進委員についてお聞かせください。
協働推進委員は、職員への意識改革や市民が直接担当課へ相談に訪れたときの窓口を担うとされ、新たな協働事業の掘り起しにも大きな役割を果たすと思われますが、活動状況を伺ったところ、活動はおろか庁内周知も不十分という状況のようで、非常に残念です。
協働推進委員の今後の取り組みについて、ご所見をお聞かせください。
(答弁 市民生活部)
協働推進員は、市民と行政の協働についての理解を全庁的に深め、市民との協働によるまちづくりを推進するため設置されているものであります。
平成19年1月から支所や消防署等を含む市長部局、教育委員会等の各課に設置し、毎年4月に各課において選任を行っているもので、現在は100名ほどの職員があたっているところです。
協働推進員の大きな役割ですが、協働推進員となることで、協働というものを意識し、施策や事業の具体的な展開の際、協働について自ら考えていく姿勢を持つとともに、研修などを通じ深まった協働に関する理解を、組織や他の職員に伝えていくことにより、ひいては全庁的な広がりと持続性をつくり、市全体の協働を推進することにあると考えています。
このような役割のもと、各部門で多種多様な課題に対し、協働を念頭に工夫しながら取り組むことで、市民と市の協働は、着実に推進してきたものと考えております。
しかしながら、協働推進員が、協働事業の相談や提案を受けて、これまで以上に積極的に対応できるレベルまで育てていくことも、市民との協働によるまちづくりに向けては、引き続き必要なことであると考えております。
したがいまして、今後の取り組みといたしましては、協働推進員への自己研鑽をサポートするような研修会の開催や更なる情報提供に努めるなど、協働推進員の活動を支援し、市民との協働の推進のために十分に活かすことができるよう進めてまいります。
「協働のいちはら・まちづくり会議」とはもっとしっかりと連携体制をとってください。
協働はその担当課だけが行うものではなく、役所の全職場、全職員の仕事そのものにかかわる基本的な事柄である。協働推進委員を中心に職員一人一人が市民との協働の窓口となるよう積極的な取り組みを要望します。
・ぶれずに推進
近年の財政難のあおりを受け、当初3000万円であった市民活動センターの委託費も、今年度は2600万円へと例外なく縮小の一途をたどっています。
しかし、協働によるまちづくりは総合計画においても基本戦略に掲げられているものであり、このような時代だからこそぶれることなく積極的に充実させていってください。
さらに、地縁活動団体としての町会や自治会と市民活動団体とのマッチングなど、当局行政にはより一層のコーディネート力を期待します。
(2)市民ニーズの反映について
・真のパートナーシップ
市民との対等なパートナーシップを築くためには、市民活動団体との協働の取り組みだけでは、逆に市民は「下請け」をさせられているのではという不満にもつながりかねません。政策形成時における協働の取り組みとセットになって初めて、パートナーシップを築いているといえます。次はこの観点からの質問をします。
・審議会委員について
第5次の市原市新行政改革大綱では、「市民ニーズの反映」が重点項目として掲げられており、その中で「審議会等の適正化の推進」は最低限必要な課題として示されています。
現在、庁内には71の審議会等が組織されていますが、H10年に示された「委員選任等の指針」によると、女性委員の登用の推進、再任は10年を超えない、兼任は4機関を超えない、そして、可能な限り公募に努める、とされています。
しかし、女性委員の割合は指針が出た翌年のH11年は18.4%で今年度は21.9%と伸び悩んでおり、来年度の目標値30%にまったく届く気配がありません。公募の割合も現在5%でやはり来年度の目標値10%にはほど遠い状況です。
これら課題解決にむけてどう取り組んでいかれるのか、お答えください。
(答弁 総務部)
審議会につきましては、市政に対する市民意見の反映や、専門知識の導入などを目的に設置するもので、行政施策の決定などの意思決定に際し、重要な役割を担うものでございます。
このため、委員の選考にあたりましては、設置目的に照らしながら、公正かつ有益な審議を行うべく、できる限り幅広い分野から適切な委員を選任することとしております。
ご質問の女性委員につきましては、積極的な登用を図るとともに、公募委員につきましても、可能な限り登用という方針で努めているところであります。
しかしながら、審議事項に深く関わる関係機関等の選出母体に女性が少ないことや、専門分野の学識経験者で委員を構成しなければならず公募委員を登用する機会が少ないことなどにより、目標数値の達成が厳しい状況にございます。
市といたしましては、男女共同参画社会づくりを進めていく上で、さらには、より一層開かれた行政運営を進めていく上でも、引き続き多くの審議会において女性委員や公募委員の登用が進むよう、委員の改選時など、機会をとらえ、一層の働きかけを進めてまいりたいと考えております。
・クオータ制の推進
女性の参画という点でもう一つ例を挙げると、10月に行われた「市長と町会長のまちづくり懇談会」、何か所か回らせていただきましたが、こちらはさらに女性が少なく、おそらく3%以下。必然的に議題が道路や土地開発関連、防災・防犯に偏ってしまうのはこの場では致し方ないとしても、どこかで福祉・教育・子育て・環境などの地域生活に密着したニーズや女性ならでは感覚を反映させる機会をもっと意識的に確保することが必要だと痛感しました。
多様な市民の声を公平に反映させるという観点から、まずは審議会、そしてあらゆる場においてクオータ制(男女比率の偏りを是正する割当制)を積極的に推進することを強く要望します。
・「パブコメ制度の確立」
新行革大綱「市民ニーズの反映」の項目の中に、「パブリックコメント制度の確立」が示されています。この制度は、平成11年、政府の「国民意見提出手続き制度」の制定に伴う各省庁での導入を皮切りに、地方自治体においても続々と取り入れられています。
パブリックコメントを自治運営の柱である市民参画の原則に基づいた制度と明確に位置づけ、条例や要綱・要領を定めてその手段・範囲・期間などを規定している自治体は大変多くあります。
市原市では、条例など制度の確立に向けてどのように取り組んでいるかお聞かせください。
3. 市役所本庁舎耐震対策について
5項目の耐震対策が示されました
8月30日の議案説明会の場で初めて、いわゆる4つの選択肢が示されましたが、その後、災害に強い市原のまちづくりに関する調査特別委員会からの意見等を踏まえて、11月19日の当委員会において「庁舎の利用者の安全や防災拠点機能を確保する耐震対策は早急に実施する」「庁舎のあるべき姿については当面耐震対策と切り離して取り組む」という方針が示されました。この点は異論のないところです。
防災棟の建設について
しかし、ここからが問題でありますが、このとき新たに5項目の「耐震対策の考え方」が発表されました。そのうち、1番目から4番目は緊急対応策であるということを念頭に、この5項目のうち2番目に示された防災棟の建設についてお聞きします。
防災棟に移転する部門は、私が特別委員会で確認したところでは、災害対策本部に加え、具体的には例えば住民情報の把握、ライフラインの補修のための各種データの保全と使用、また、罹災証明の発行事務、仮設住宅、義援金の事務などであるということです。
先週の代表質問の中で、これらのうちのどんな機能が移るのかという質問に対し、当局からは、「これらの案の中から基本計画を立てる中で考えていく」というご答弁がありました。
私はこれには非常に疑問を持ちました。何を入れるかは決まっていません。でも、入れ物だけは早急に作りたい。順番が逆ではないでしょうか?
なぜ初めに棟の建設ありきなのか、そのほかの防災拠点の確保策は考慮されなかったのか、お答えください。
(答弁 企画部)
防災拠点は、発災時の災害対策本部の役割のみならず、被災後の市民生活の復旧・復興に向け、一時的に膨大な事務を遂行していく人員の配置と事務スペースを必要とします。
さらに、こうした事務を行うために不可欠な情報を集約するコンピューター・ネットワークのサーバーや災害通信に必要な機器など、防災拠点機能を支える設備の配置も必要不可欠であります。
このようなことから、既存の現庁舎や消防局庁舎等、他の施設の活用については、防災拠点の確保は困難と考えまして、防災棟を増築する方法をお示ししたものであります。
なお、防災拠点の位置については、4つの選択肢をお示しする前段においても、検証を行っておりまして、土地の安全性や都市構造、津波・液状化・コンビナート災害の可能性の面からみると、現在地が最適であるというふうに考えております
例えば、これまでの議会でも、災害対策本部についてではありますが議会棟の活用という提案もありました。これら既存の建物の有効活用は考えられないのでしょうか。復旧復興作業関連部門は、どこまでが緊急という範疇に入るのか。庁舎の在り方が決まるまでは分散配置で対応できないのでしょうか。
防災拠点の確保イコール防災棟の確保ではないはず。当局には今一度冷静な対応を願うものです。
防災棟の建築がもたらす影響
もう一つ、防災棟の建築による影響について、不明確な点を指摘します。
防災棟は庁舎のあり方が決定し完成するまでのいわば仮設、プレハブなのか。この質問についても、先週の代表質問でご答弁がありました。「総合計画審議会を経た後で、具体的に考えていく」というものです。
しかし、防災棟は、その保有する機能の性格上、震度6強以上の大震災時にも耐震レベル3をクリアする耐震性能を備えた建物でなければ意味がありません。そうなると、仮設などではなく、将来に残す堅牢な建物となる可能性が非常に高いと思われます。
ということは、現庁舎の敷地内に庁舎機能の一部を担う防災棟を建築することで、今後庁舎のあるべき姿についての意思決定が大きく左右されることになるのではないでしょうか。この点についてのご説明をください。
(企画部)
防災棟についての具体的な内容につきましては、この市役所本庁舎の耐震対策の方向性が確定した後に、計画をしていきたいというふうに考えております。
災害に強い市原のまちづくりに関する調査特別委員会のご提言を踏まえて、緊急性を要する耐震対策と庁舎のあるべき姿について、切り離して取り組むことということをあらためて明示したものでありますけれども、防災棟については、市民の生命と財産を守るという機能の確保を第一に、緊急対策として実施するものと考えております。
今後の庁舎のあり方の検討においては、位置など、様々な要素をあらためて検討を進めてまいりたいと考えております。
私が11月19日の特別委員会の席上で「4つの案は白紙にするということか」と確認したところ、「耐震対策は4つの案とは別途のものである」というお答えを部長から頂きました。
しかし、その一方で、今回の議会などでは、新しく示された「5つの耐震対策の考え方」は案4のバリエーションであるというご説明も伺っています。この矛盾をどう解釈してよいのでしょうか。
緊急というからには、コストも機能も極力コンパクトにして、あるべき庁舎の姿の計画に影響を及ぼさないよう努めていただきたいと思います。
・パブリックコメントの扱いについて
10月1日から22日間にわたり募集された4つの案に対するパブリックコメントや町会長からの意見の結果は、案2への評価が62%とダントツに多いものです。しかし、今回市側から新たに示された5項目の「耐震対策の考え方」は、方向性も中身もこれら市民の意見と大きくかけ離れています。
市では、パブリックコメント等の市民の意見をどこまで検討されたのか、お聞かせください。
また、パブリックコメントの集計結果や庁内での検討過程、検討結果とその理由などが未だに公表されていません。いわば、コメントを取りっぱなしで後のフォローが全くない状態で、これは早急に公表していただきたいのですが、いかがでしょうか。
(答弁 企画部)
パブリック・コメントについての意見について、お答えいたします。
このたびの市役所本庁舎耐震対策については、これまで、9月議会をはじめ、10月1日号の広報紙やホームページ等を活用しながら、市民のみなさまにお知らせをし、パブリック・コメント等の活用により、広く市民のみなさまから、多くのご意見をいただいたところであります。
パブリック・コメントにおいていただいたご意見については、充分検討し、それに対する市の考え方につきましては、ホームページ上にて、適宜お示しする予定でございます。
ちなみに、明日が広報紙の発行がだされますけれども、その中で、そういう告知をする予定でございます。
5項目の考え方の情報公開・意見聴取
また、新たに5項目の「耐震対策の考え方」が特別委員会で示されてからすでに1か月近くが経とうとしています。先の議会質問で今後広報誌に掲載するというご答弁がありましたが、HPは全く更新されていません。
新しい5つの考え方については、今後どのような手段で市民に説明し、理解を得るおつもりなのでしょうか。または、意見聴取の予定はあるのでしょうか。お聞かせください。
(企画部)
先般、災害に強い市原のまちづくりに関する特別委員会においてお示しした市の基本的な考え方につきましては、これまでの経過と併せまして、明日12月15日号の広報紙やホームページ等を活用して、お知らせをする準備をしております。
また、関連する資料、いわゆる耐震診断の結果とか、そういうものも含めて、さきほど申し上げましたパブリック・コメントに対する見解等についても、ホームページによって、公表する予定でございます。
このような取り組みを積み重ねることによりまして、市民のみなさまのご理解を賜りたいというふうに考えております。
市民ネットが提出した質問状に対する回答について
本耐震対策事業は、予算も多額で市民生活に大きな影響を及ぼすことから、当案が8月30日に明らかにされて以来、市民の関心は非常に高いものとなっています。
市民ネットは市民の声を受け、9月25日に計40項目について質問状を提出させていただきましたが、それらのうち、例えば 庁内で行われた会議の議事録や検討文書、改修・建て替えなどそれぞれの算出根拠の資料、有識者検討会の議事録 などについては「誤解されることを回避し、意思決定の中立性を保護する」というよく理解できない理由で情報開示を拒否されました(このうち有識者検討会の議事録については、先週 山口議員の求めに応じて開示されるということで少し複雑な思いなのですが)。
しかし、情報を提供しないことによって、かえって誤解が誤解を生み、憶測を生み、市民を混乱に陥れているということは明らかです。
情報提供を怠る市の姿勢を問う
私は、いかなる施策立案の場においても市民との議論が不可欠とは考えていません。場合によっては、トップダウンも必要かもしれません。
しかし、トップダウンであればなおさら、その決定に至った根拠や思いを、直接市民に丁寧に説明することは、受託者たる市の責務ではないでしょうか。
10月に各地区で行われた町会懇談会においても、耐震対策については懇談の場ではなく行政連絡の中で事務的に3分間ほど説明したのみでした。のちに町会長から寄せられた意見は523町会のうちわずか18件でしたが、これは私が出席者に伺ったところ、決して関心がないわけではなく、「あれでは良くわからない」という投げやりやあきらめに似た心境が本音のところであったようです。
私は先ほど市民とのパートナーシップについて質問させていただきましたが、このようなことを今後も繰り返すことで、なお一層市民が市政に対し信頼を失い、期待しなくなり、無関心になることを大変危惧しています。
これで本当に協働によるまちづくりを推進することができるのか。今の状態で市民との対等なパートナーシップを築くといえるのでしょうか。
未来の市原のために
現在の計画が、本当に子ども・孫・さらにその子らに負担をかけない、悔恨を残さない、誇れるものになるのか。時の市長は誰だったのか、議員は、市の幹部は何をしていたのか、どんな検討をしたのか、などとのちに言われることは、絶対に避けなければなりません。
今後の耐震対策の進め方については、強く再考を促すものです。
4. 未来の市原のために
いち早く総合相談窓口開設
H24年4月より、青少年指導センターに子ども・若者総合相談窓口が開設された。これは、H21年7月に施行された子ども・若者育成支援推進法に基づいて、近年社会問題化している引きこもりやニートに主に対応するため、ワンストップの相談機関として設けられたものです。
同様の窓口の設置は千葉県が今年7月、千葉市は先月であり、市原市が法施行後県下でいち早く設置したことは評価したいと思います。
昨年6月にも議会質問
しかしながら、当窓口が設置されたのは、これまで非行問題を中心とした学童期や思春期の子どもへの支援の中核を担ってきた青少年指導センター内です。非行に加えさらに引きこもりやニートという複雑で対応の難しい社会問題にどの程度対応できるのかという危惧を抱いたことから、私は窓口開設前の昨年6月に議会で質問させていただきました。
そこで、実際に動き出してから8か月経った現在の状況を改めてお聞きします。
相談件数の減少
11月12日に開かれた青少年問題協議会において、当相談窓口についての報告がなされたが、資料や説明等によると、開設以来の新規相談179件のうち、引きこもりやニートに関するものは38件で約21%。開設したばかりの2か月間は、県内唯一ということもあって相談の半分を占めるほどでしたが、月を追うごとに新規・継続ともに大幅に減少しているとのことでした。
この原因として、市民への周知が不十分ということと、相談員の対応スキルの2点が上げられていましたが、この点についてさらに詳しい分析と具体的な対応策について、ご答弁ください。
(答弁 生涯学習部)
まず、相談件数の減少の分析のうち、市民への周知につきましては、開設当初である4月から5月は、広報いちはらや地域情報誌への掲載、ケーブルテレビ等への出演、町会回覧文書の配布などによる周知を行った結果、それまで他の機関に相談していた方が、新たに「子ども・若者総合相談窓口」に相談してきたことから、新規の相談件数が多かったものと考えておりますが、現在は期間が経過し落ち着いてきたものと考えております。
次に、相談員の対応スキルにつきましては、相談の内容が多岐にわたっていたり、また、複雑に絡んだ要素を持っていたために、相談者からの相談に的確に対応できない部分もあったことによるものと考えております。
次に、具体的な対応策についてお答えいたします。
まず、市民への周知につきましては、従来の周知の方法に加え、新たに詳細なパンフレットを作成し、広く配布するなど、継続的に実施してまいります。
また、対応スキルの向上につきましては、各種研修会に参加することなどにより、相談員及び職員相談スキルの向上を図り、総合的な視点から子ども・若者の支援に、的確に対応できるよう努めてまいります。
探しにくいHP
周知について一例申し上げると、市HPの総合相談窓口情報一つとっても、探すのが非常に困難です。教育委員会、生涯学習、青少年指導センターと追っていってやっとたどりつく。しかし、青少年指導センターに窓口があると知っている市民がどれくらいいるでしょうか。改善を要望します」。
紹介後のフォローアップ体制
相談員のスキルに関しては、外部機関へ紹介する際はこちらから先回りしてつなげておく、紹介後もフォローアップを行い、個別ケースのデータを蓄積するなど、顔の見える継続性のある関係をつなぐように努めることを要望します。
啓発の要望
また、先の青少年問題協議会では、市内のニートは1920人。そして、家から一歩も出ない深刻な引きこもりは175人という試算が示されました。相談のすべを知らず、世間から隠れるような暮らしに苦しむ若者やご家族がまだまだ大勢いらっしゃる。
窓口のさらなる周知とともに、ニートや引きこもりに関する市民の関心を高め、理解と協力を得られるよう、講演会の開催など啓発事業にも積極的に取り組んでください。
連携機関の設置
ところで、子ども・若者育成支援推進法第19条では、医療・福祉・雇用・教育など、地域の各分野の関係者が連携し、各々の支援が適切に組み合わされるよう、地域協議会の設置を掲げています。
ニートや引きこもりの原因は複雑多岐にわたるため、このような連携の場は支援の要ともいえますが、市の取り組み状況をお聞かせください。
(答弁 生涯学習部)
子ども・若者支援地域協議会につきましては、子ども・若者育成支援推進法第19条において、地方公共団体が設置に努めることとされております。
子ども・若者総合相談の運営は、様々な関係機関との連携が欠かせないことから、現在、庁内関係課及びハローワーク、保健所、千葉県中央児童相談所などの公的機関で構成する「子ども・若者総合相談窓口にかかる連絡会議」を設置しております。
今後、この協議会の充実を図り、さらなる連携に努めてまいります。
一つの機関では支援が困難なケースが多いと思われます。複合的な悩みに対し、それぞれの支援機関が広げた網を重ねることで隙間からこぼれる若者が救われる。ぜひとも連携の取り組みを進めていただきたい。