いちはら市民ネットワーク
 いちはら市民ネットワークは政治をする市民団体です

いちはら市民ネット通信


順調にスタートしたかに見えた事業ですが、ここにきて世界的な金融危機がもとで、イトーヨーカドーの進出に赤信号がともりました。  市原市は「都市交流拠点づくり」の拠点と位置づけ、50ヘクタールの一体的なまちづくりをめざしてきましたが、ヨーカドーの進出が危ぶまれる中、区画整理組合(地権者)との「まちづくりへの合意」もあやふやであることが判明しました。

イトーヨーカドー未だ出店計画は示されず

私たち(市民ネット)はこの計画には賛成できない、として、この間、議会で毎回質問に取り上げてきました。
経済不況で店舗に入るテナントが全く集まらないという最悪の状況のなか、ヨーカドーの出店がどうなるのか、また出店しても規模の縮小は避けられないし、時期もいつになるかわからないという事態になってしまったのです。
こんな事態は誰も予想できなかったことで、仕方がない一面もありますが、問題は「都市交流拠点づくり」という計画そのものが関係者間でどれ
だけ、合意されていたのかということです。

きれいごとはやめて本音の話し合いを

「50ヘクタールの一体的なまちづくり」としてすばらしい絵も描かれていましたが、地権者の方からは「市が勝手に描いたもの」と言う声も聞かれます。議会で説明してきた「地区計画」「ガイドライン」「エリアマネジメント」といったキーワードが、実はきれいごとに過ぎなかったということなのでしょうか。ヨーカドー進出が暗礁に乗り上げたことから現状が明らかになったわけですが、組合・事業者・市が本音を出し合って話しあい、真の交流と賑わいの場づくりをめざしてほしいと強く思います。

医師不足による病院や診療科の縮小、閉鎖は、市民生活に深刻な影響を及ぼしています。市原市でも南部地域を中心に同様の問題がおきています。
行政や議会には住民から署名や陳情が出されますが、解決につながりません。そんなジレンマを抱える地域が多いなか、全く逆転の発想で、お医者さんとともに「地域医療を育てる」活動をしているのが、東金市の「NPO法人地域医療を育てる会」です。
10月10日、南総公民館に理事長の藤本晴枝さんをお招きしてお話を聞きました。

お医者さんとともに地域医療を育てる


藤本さんの話を聞いて参加者との意見交換
藤本さんは東金病院が医師不足に陥った時『行政や病院を責めたり文句を言っていても何も解決しない。』と考えました。藤本氏は医療現場の実情や行政の取り組み、問題解決のために市民は何をしたらよいのかなどを書いた情報誌を発行しました。その数は月に2万枚、区長さんの協力で町会ごとに個別回覧もされています。
その他、画期的なことは東金病院に赴任した新人医師に対するレジデント研修です。講師は地域の住民たち。この研修で、市民の「医師育成サポーター」が、お医者さんから病気の説明など受けるのですが、その際、参加者は患者と接する際の医師の対応などの評価までするので、若い医師のコミュニケーション力が育成されます。市民は担当以外の医師と接して医師に親しみを感じるようになり、医師は患者の本音を聞くことで、地域住民に親しみを感じるようになったということです。
医療問題を地域で解決することは、単に医師不足の解決だけでなく「地域づくり」につながることを、藤本さんたちの活動から学びました。 
(うわぶ)

前ページへ   次ページへ

いちはら市民ネットワーク通信(No59〜No97)
Copyright(C)Ichihara Shimin-Network,All rights reserved.無断転載禁止