平成20年度 第3回市原市議会定例会 9月11日(木)

市議会レポート【代表質問】うわぶ玲子

1. 市長の政治姿勢について

(1)分権型社会における信頼される自治体職員のあり方について

少々、大げさな題をつけましたが、地方分権が進み、個々の自治体の力量が試される時代にあって、職員に期待され求められる役割も、また変化してきているものとおもわれます。その観点から質問をさせていただきます。
分権型社会とは単に国から地方に権限、財源が委譲された状態をもって良しとするのでなく、最も重要なのはそこで暮らす市民がどれだけ主体性をもつ社会になっているか、つまり「市民社会」がつくられているかということになります。
では「市民社会」はどうしたらつくれるのか・・・ということになりますが、もちろん上からの指示や指令でつくれるものではなく、あくまで自発的な意志の積み重ね・・・つまり市民・自らの意志でつくりあげていくものです。
これらの具体的な事例は「まちづくり」を進める上で、地域に住む人たちの意志というか「やる気」が何よりも必要ということからも、実感させられることと思います。
また、今は全ての行政計画・事業においてもあたりまえなことですが、市民は単なる参加にとどまるのでなく、主役となり事業を進める主体として位置づけられていると認識いたします。
また、このことは「協働」という言葉にあらわされているように、一方で行政職員のあり方・関わり方もこれまでとは意識改革も含めて、大きな変化が求められているわけです。
本市においても市長の所信表明で市民と行政との「パートナーシップ」ということが大きく掲げられているわけですが、そのパートナーシップを成立し、計画を進めていくためには、主体性を持った市民と、プロとして信頼にこたえる行政職員の存在が非常に大きいわけです。 
そこで重要になってくるのは職員の人事配置・人事異動ということではないでしょうか。具体的にあげるとすれば、市民との協働が特に重視される、まち
づくり、商業振興、障がい者福祉、文化政策、農業振興などの個別分野においても、長くても数年、あるいは2,3年で人事異動がされているということです。
住民やNPOの皆さんからも年度当初になると、「職員の○○さんが来て気持ちも通じ合って、せっかくうまく進んでいたのに移動でいなくなってしまってがっかり。また始めからやり直しの気分だ。」という言葉が聞かれることが、度々あります。いくつかの分野や地域で良い関係が作られてきていますが、それだけに移動になった時の市民の落胆も大きいわけです。
もちろん、一つの職場に長くいることの弊害も必ずあるわけですし、現在の人事制度では職員自身の昇進にも影響があるのかもしれません。
しかしながら、前段で述べてきましたように「市民社会」「協働」がベースになった分権型社会においての行政・職員のあり方を考えた場合、少なくとも前段で挙げた分野においては短期間での人事異動を廃止し、行政の継続性・職員の継続性を確保し、パートナーである市民との信頼関係を強固にしていくことが必要ではないでしょうか。
現在はどのようなお考えの下に人事配置が行われているのかも含めて市長のお考えをお聞かせください。

(答弁)
職員の育成は「市原市人材育成基本方針」を策定し取り組んでいる。感性と情熱、また行政のプロとして市民の目線で課題をしっかり感じ取り、考え、最期まであきらめないで、使命感を持つことが大事。人事異動については毎年度「人事異動方針」を策定し二つの狙いをもって実施している。
一つは組織の活性化と適材適所の人事配置の推進。もうひとつは職務経験の多様化を図る。

(2)子どもを主体にした子ども支援策について

日ごろから市長は「市原の子どもは市原で育てる」という方針を掲げ「子育て一番の街」をめざしていらっしゃいます。
「子どもを大事にする」・また・「大事にしたい」という市長のお気持ちは、真摯に伝わってまいりますし、共感するところです。
全ての子ども達が将来にわたって健やかに成長して欲しいと誰しもが願いますが、子ども達を取り巻く環境は必ずしも良い方向に向かっているとは言えず、複雑な要素がいくつもからまり、大人社会を反映した形で問題を抱えているのが現実です。
さて、本市でも平成17年3月から平成26年度までの10年間を計画期間として、市原市次世代育成支援行動計画が作られました。21年度までを前期計画期間、22年度からを後期計画期間とし、来年度は後期計画を策定すると伺っております。
この行動計画には市長が「はじめに」の文章で述べられているように、総合的な観点からの子育て支援策が盛り込まれています。一つひとつはまだまだ十分とはいえませんが、今後のいっそうの推進が望まれるところです。
市長も述べられているように子どもは社会の宝です。そしてまた、子どもは子どもとしての一人の人格を持った人間でもあります。そうした視点で改めて考えたとき、子育て支援という政策もはたして子どもを真ん中においているのだろうか、「子どもの人権」ということが柱に据えられているのだろうかということが言えてくるのではないでしょうか。
「子どもを可愛がる」ということと「子どもを虐待する」ということが、子どもを所有物として捉える危険性があるという意味で、実は同じ側面を持っているともいえるからです。
さて、千葉県の次世代育成支援行動計画は「子どもが主体」という視点が貫かれていますが、次ぎはその実現ということで、子ども条例の制定や子ども人権オンブズの配置などに向けての動きがあると聞いております。
また、全国ではいちはやく、川崎市が「子どもの権利に関する条例」や「人権オンブズパーソン条例」を制定、その他、かなりの自治体で取り組みを始めています。
本市においても後期の次世代育成支援行動計画においては「子どもの人権条例」「子どもの人権オンブズ」について検討し、一歩進めた子ども支援策に取り組んではと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

(答弁)
「子どもの人権条例」や「子どもの人権オンブズパーソン制度」については後期の次世代育成支援行動計画策定の中で検討していく。

2. 都市交流拠点づくりについて

この問題については毎回とりあげてきておりますが、工事の進展や議会における調査特別委員会での回を重ねる議論のなかで、いくつかの課題もまた絞られてきたのかというように感じております。
まずは、8月22日に急遽、特別委員会が開かれたわけですがこの席上、イトーヨーカドーおよびカインズの両事業者から、当初の出店予定規模を縮小する予定という意向が示されました。
資材高騰のためプロポーザルどおりの整備を行うと建設費が値上がり、商品価格へ転嫁せざるをえなく、それは避けたいことや、またテナントへの応募状況も厳しい中で賃貸料を上げるわけにはいかないことから、縮小せざるを得ないという説明でした。
これは新しく大変重要な問題として浮上してきたのですが、予想外のことではなく、この間の世界的な鋼材などの資材高騰が影響しないわけはないとも言えるわけです。
しかし、やむをえない事情だからと理解してしまっていいのか、何のためのプロポーザルだったのか、事業者側に対してその責任を迫る必要があるわけです。
そこでいくつか質問いたします。

1. 執行部としても当然、このことは知らされていたと思うのですが、どのように受け止めどのような対応をしてきたのですか。また、もし縮小されるとしたらどのような具体的な影響があるとお考えですか。また、このことは4者の合同会議ではどのように話され受け止められたのでしょうか。お聞かせください。
また、今回はヨーカドー、カインズの2社関連の施設の縮小でしたが、その他の施設も当然同じ理由で影響は受けると思いますが、縮小やグレードの低下などはないのでしょうか。お聞かせください。
2. 次に、今回「まちづくりガイドライン(案)」も示されました。これは段階的に進めるまちづくりを「ガイドライン」でコントロールするとあるように、非常に大事なものになるわけです。しかしこれは任意の約束・ルールであり、その実効性をどのように担保していくのかが、これまた大変重要になるわけです。
また、この地区には地区計画が策定されました。この地区計画も法的なものとはいえ拘束力では絶対的ではありません。
地区計画およびガイドラインの実効性をどのように担保していくのか、当局のお考えをお聞かせください。
また、エリア・マネジメントの役割がますます重要になってくるわけですが、その設立の進捗状況をお聞かせください。
3. 次に、この整備計画の中で賑わいの中心・シンボル空間として「プロムナード」を位置づけているわけですが、今ひとつ、その利用や賑わいづくりをどうしていくのか、イメージ作りも含めて果たして可能なのかということが実感できません。オープンカフェ、ワゴンセール、ミニイベントなども挙げられていますが、36メートル幅もの広い空間をどう使っていくのか、賑わい作りの具体的なイメージをお聞かせください。
4. 次に総合公園の維持管理費についてですが、草刈など一般的な維持費として2000万から3000万とのことですが、本当にそれで維持ができるのか、水の浄化のための地下水の汲み上げ費用も考慮されているのかなど、お聞かせください。
(答弁)
進出企業の施設規模縮小については、現時点では組合に対しても、市に対しても具体的な内容は提示されていない。地区計画やガイドラインの実効性については、この地域の約束事として運用していきたい。今後、法に基づく地区計画に位置づけたり、届出書などの申請手続きを行う際に、適切な指導や助言をする。エリアマネジメントは将来にわたっても大変重要な要素である。先ずは商業施設のオープンを一つの区切りとして、そこまでにやらなければならないこと、その後も継続して取り組んでいかなければならないことを整理する。
プロムナードの賑わい作りについては、幅広い空間なので大きな可能性を秘めている。市民祭りや、定期的なイベント、店先での小さな催しなどが、毎日繰り広げていられるよう、エリアマネジメントの運用とも連携するので、今後とも研究していく。
総合公園の維持管理費は一般的なものは約2,500万円、このほか水の浄化、地下水のくみ上げ等の費用が約500万円、その他、管理棟、照明施設、スケートパーク等の維持管理費用が発生する。

3. 福祉行政について

(1)障害者自立支援協議会および第2期障がい福祉計画について

障害者自立支援法の施行により障害者を取り巻く環境が大きく変化をしております。この法律は応益負担の導入などいくつかの問題を抱えてはいますが、一方、障がい種別によらないサービスの一元化、施設から地域生活への移行、就労支援の強化など「地域の中で、その人らしく、いきいきと暮らせるまち」というノーマライゼーションの社会づくりの理念の上でも、実現させるべき課題を多く提起しております。
市原市においても19年に5カ年計画の「改訂・障がい者基本計画」そしてその中に含まれる3ヵ年の第1期障がい福祉計画が策定されました。
この計画書の中には今後の計画の推進体制が盛り込まれましたが「地域自立支援協議会・障がい者基本計画推進会議」が重要な役割を担っています。
「自立支援協議会」は昨年発足しましたが、本格的な会議は今年度から始まり7月、8月の会議を傍聴させていただきましたが、テーマ、議論とも内容の濃い会議になっています。
自立支援協議会とは障がい者の方たちが、今よりも暮らしやすくなるためにはどんなことが必要なのか。そのために解決しなければならない問題をさまざまな分野から話し合い、解決していく機関というように考えます。またこの会議で第二期障がい福祉計画のサービス内容も決まっていくわけです。
8月の会議でサービス支援・就労支援・相談支援の3つの専門部会の立ち上げが決まりました。また、更に開かれた柔軟な組織として(仮称)ネットワーク・ミーティングも提案されました。そこで質問ですが、

1. とにかく会議を形骸化させないことが大事と思います。メンバーは多忙な方達も多く含まれており、短期間の中で内容のある討議が求められると思いますが、どのようなことに配慮して進めていくのかお聞かせください。
2. 当事者や家族の意見を具体化するためにも専門的なアドバイスをする人材が会議の中でも必要(特に就労)と思います。現在のメンバーに加えて確保することが必要と思いますがご見解をお聞かせください。
3. 東松山市では障がい者に対する福祉サービスをただ手厚くするだけでは「地域で安心して暮らす」ための解決は難しいということで、「障がいのある人の問題は、みんなの問題」として、自立支援協議会の構成メンバーも学校・自治会など幅広く参加しています。
専門性は確保しながら、できるだけ広い範囲で共有していくことも大事と考えますが、それについてのお考えをお聞かせください。
4. 次に、今回、第1期障がい福祉計画の実績報告もされたわけですが、実績として特に達成できていないものは何か、その理由と第二期障がい福祉計画にどのように活かしていくのか今後の見通しについてもお聞かせください。
(答弁)
部会開催前に代表者に集まってもらって事前協議を行うなどして効率的な運営に努めていく。協議会の委員は保健・医療・福祉や就労支援など専門的な関係機関から専任している。また、必要に応じてアドバイザーから意見を聞く。7月にアンケート調査を実施し、広く意見を聞くとともに、柔軟に議論ができる場の体制作りを進めていく。

(2)地域福祉計画の推進について

少子高齢化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化、法改正、そして福祉の経費増に対するさまざまな意見など福祉をとりまく社会環境の変化のなかで、お互い様で支えあう「地域福祉」の構築がほんとうに重要となっていることを痛感いたします。
本市においても18年3月に地域福祉計画が策定され、社会福祉協議会を事務局として小域福祉ネットワークづくりを中心に取り組みが進められています。
小域福祉ネットワークの立ち上げや活動への取り組みも10ヶ所あまりになったと伺っております。地域の特性や課題を考えながら、まずできることから始めようと取り組みを開始されている地域が多いのですが、大事なことは住民の自主性に基づいている活動ということでしょう。
そして「住民参加・住民主体」による地域福祉を進めるための基盤強化・環境整備を進めることが今、強く、行政に求められていると考えます。
そこで必要になってくるのは①「活動拠点・場所」②「人材・コミュ二ティソーシャルワーカー」③「資金」の確保ではないでしょうか。
これらについては今までも何回か質問に取り上げてきましたが、地域での活動を身近に見るにつけ、強く感じております。
もちろん、これら全てを行政が整えて提供するべきということではないのですが、確保の手段も含めて考えていくことが必要ではないでしょうか。

1. まずはこの3つの要素について現状認識も含めてどのようにお考えでしょうか。また環境整備という面では具体的な検討がなされたのか、お聞かせください。
2. 「地域福祉計画推進」という項目は、今年初めて予算化されたと思いますが、170万円にとどまっています。基盤強化・環境整備ということからも、拡充するべきではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
(答弁)
厚生労働省から公表された「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」にも市町村の役割として公的福祉サービスの提供と地域福祉活動の基盤整備が掲げられていることから、「拠点」「人材」「資金」の重要性は認識している。
予算措置については当面、今年度の予算の活用状況を見ていきたい。

(3)保育所待機児童の解消について

子どもに関連した事件がおきるたび、子どもの「育ち」をめぐっていろいろ議論が取りざたされます。往々にして言われることは家庭のしつけや教育がどうなっているのか、やっぱり母親が家庭で見るべきなど、「家庭や母親」が全ての解決策であるかのような議論に戻ってしまうことは、残念なことです。
夫も妻も共に仕事も子育ても分担する「ワークライフ・バランス」が確立した社会づくりこそ、子どもの「育ち」にとっても、また子どものみならず親たちにとっても成長、発達できる目指すべき社会といえるのではないでしょうか。しかしながら現実はなかなかそうはいかず、むしろ逆行さえしているような今日の社会です。けれども核家族化の進行や女性も仕事を持つことがあたりまえという状況は確実に進んでいます。
前置きが長くなりましたが、そのようなことから「子育て支援」の政策として「保育所」の完備は絶対的に必要なものです。しかし「保育」を必要とする児童数に対して対応が間に合わず、常に待機児童が存在するという事態が続いています。
本市においても待機児童の解消策に努力はされてきましたが、年度末には常に200数十名という数になってしまう状況が続いてきました。
今回、五井周辺地域、市津ちはら台周辺地域の2ヶ所で民間保育所の建設ということで保育所運営者の募集がありました。
定員は各150名以上で、入所児童の4割以上は3歳児未満とするとあります。
そこで質問ですが

1. 現在の事業者の応募状況はどうなのか、またこの2保育所が出来ることで待機児童はどの程度減るのでしょうか。待機児童の9割近くが0,1,2歳児ですが、この対策はどうなのでしょうか。お聞かせください。
2. また待機児童の受け皿として認可外保育所があります。地域にあってそれぞれ特色を出しながら、子育ての助っ人としても保護者の方から頼りにされながら頑張っていらっしゃいます。この認可外保育所への補助が計画に盛られながら実施が見送られてきました。一刻もはやく実施すべきですが、その時期も含めてお考えをお聞かせください。
3. その他待機児童解消策として進めるものがありましたら、お聞かせください。
(答弁)
8月11日に説明会を実施し14の事業者に資料を配布し、9月22日が提出期限である。2つの民間保育所が開設されれば概ね待機児童は吸収できる見込みだが、一部で発生も想定。今回の公募では入所児童の4割を3歳児未満にした。認可外保育所への補助は早期構築に向けて取り組む。その他、保育ママの拡充や企業内託児施設の整備促進に取り組む。

(4)発達支援センターについて

子ども達の療育の場として発達支援センターが発足して3年が経ちました。
子どもの発達に問題があるといわれてもどこに相談したらよいのか、途方にくれて涙を流していたお母さん達の声をいくつも聞きました。
マザーズホームに加えて、言葉の教室、療育相談室を設置し「発達支援センター」として療育の場ができたことは、大げさでなく佐久間市政のヒット政策として大いに評価させていただきます。
乳幼児健診などで発達に心配があるといわれたお子さんをともなって、保護者の方が療育相談室を訪れるケースが多いのですが、いただいた資料を見ますと、療育相談室設置の成果が顕著に現われているのがよくわかります。
資料の年齢別相談件数によれば、2歳児の相談が相談室が始まった平成17年には4件だったのが19年には36件と大幅に伸び、逆に5歳児の相談件数は35件から11件と減っています。療育はとにかく早期発見・早期療育・早期介入が大事といわれていますが、2歳児の相談が多くなったということは検診での発見後、直ぐに相談室を訪れ早期に療育につながる道筋が出来たということでしょう。
また、その他の成果として保健センターからの紹介に加えて、幼稚園・保育所からの紹介も大幅に伸びています。これは発達支援センターから訪問療育が行われ始めたことや、情報の共有など連携ができてきたということでしょう。
その他の特徴として自閉症傾向で相談されるお子さんの数と割合が大変多くなっています。特別支援教育の開始の影響もあるのかもしれませんが、対応を図りながらさまざまな課題にあたっていかなければということです。
以上、発達支援センター設置の成果について述べてきたのですが、言い換えるならば求められる「療育」の基本というか土台づくりができ、今後は内容を更に充実させていくという段階に来たと思うのです。
「療育とは、医療、訓練、教育の統合であり、教育、心理、社会福祉、保育など多くの専門職の有機的連携のもとに、あらたな体系を創造していく努力の継続が必要である」と専門家が述べられています。
 私もこれまでのマザーズホームの状況や「発達支援センター」設立までの経過に多少かかわりを持ってきたことから、その重要性を実感しております。
人材の確保、療育の場など社会資源の確保と充実、保護者も含めて子育て全般への援助、成人期までの一貫した見通しをもった療育の確保などなど、今後の課題は多くあります。
また市原市の「発達支援センター」が「療育」のあるべき方向に歩み出せたのも「療育相談室」に優秀な人材を得ることができたことです。
これまでの成果を活かしながら更に「療育の場」として充実させていくには、何が必要なのか、現場からの声をきっちり受け止め最大の努力をしていただきたいと思いますが、「発達支援センター」の現状をどのように捉え、今後、どのような方向性、そして充実を図っていこうとしているのか。具体的なお考えをお聞かせください。

(答弁)
相談者に対して今、必要な支援と、関係機関への紹介や連絡調整を行っていく。また必要な支援につなげていくためのコーディネート機能の強化を知ることで、療育の拠点施設としての役割を果たしていきたい。

4. 養老川水質汚染問題について

妙香地区に昭和40年代に埋め立てられた廃棄物がもとでの養老川水質汚染及び土壌・地下水汚染問題が発覚したのが平成10年です。
原因究明と対策について千葉県と市原市によって検討が重ねられ、平成15年に本格的に汚染防止対策に着手されました。
現在、汚染水回収のための井戸が5本、汚染ガス回収のための井戸が24本設置され「周辺への汚染の拡大防止」ということを最重点にして、汚染物質回収の対策が行われています。また、汚染が広がっていないかを監視するための周辺環境調査も市原市によって行われています。
また県・市主催の住民説明会が平成12年より行われており、この8月11日に第8回の説明会があり、私も出させていただきました。
この席上で、地元住民の方から「とにかく汚染物質が埋まっているという妙香地区の汚名を早く返上したい。」という切実な声があがりました。
平成10年の発覚から既に10年経ちました。毎年開かれる住民説明会の参加者も減少してきているなか、いったいいつになったらこの問題に片がつくのかという気持ちになるのも最もです。
汚染の性質上、浄化対策が長引くことは理解できますが、少しでも問題解決を早めるための対策が検討されるべきではないでしょうか。
お聞きしますと汚染水の回収量は、結局は貯蔵タンクからどれだけ処理施設に運びだすか、その運搬量にかかっているとお聞きしました。
現在は10トン車で年間72回運び出しているとのことですが、この量をどれだけ増やせるかも含めて、浄化対策をスピードアップさせるには結局、予算をどれだけ増やせるのかということになってくると思います。
対策の諸費用は20年度予算で2000万円ということで、県と市が折半しています。また、回収された汚染水は臨海部の水処理施設を持つ企業5社の協力というかたちで、費用も企業持ちで処理されています。
そこで質問ですが、対策のスピードアップのためにも予算増が必要と思います。また、将来的にも廃棄物の撤去には必ず多額な経費が発生することか予想されますので、現状の予算アップと将来を見込んでの何らかの対策が必要です。
ついては予算増の財源は税金をあてるだけでなく、廃棄物を投棄をしたと予測される企業にも協力をしていただくことが必要と考えます。法的責任はないとしても、道義的責任はあるわけですので、更なる協力が得られるよな働きかけをすべきと思いますが、お考えをお聞かせください。

(答弁)
市長が県環境部長に対し、積極的な取り組みをするよう申し入れた。住民の安心安全を考えると出来るだけ早い時期に解決しなければならない。臨海部の企業にも今後も更なる協力を要請していく。また環境再生基金の活用が図られるよう権威要望していく。

5. 「あずの里いちはら」について

市内中西部地区の担い手農家の育成と、農家と都市住民との交流促進を目的にした道の駅「あずの里いちはら」がオープンしてから、6年が経とうとしています。
さまざまな問題をクリアしながらオープンに漕ぎ着けた、農家の方や行政のご苦労も多々あったと記憶しております。
オープン以来、ほぼ順調に伸びているとのことで19年度のレジ通過者数は249,730人、売上高は2億6,240万円ということでした。
私も楽しみにしながら利用させていただいていますが、6年という期間が経ち何となくマンネリ化を感じるのですが、気のせいでしょうか。
他市においても「地産地消」の流れの中で「農産物直売所」に力を入れて新しい直売所が開設されています。
お隣の袖ヶ浦市では19年10月に「ゆりの里」がオープンしました。「JAきみつ」が指定管理者になっています。私も7月の平日に行って見ましたが、農産物、パン・菓子類の加工品も多く並び、なかなか賑わっていました。
売上高も今年度に入って順調に伸びているとのことで、このところの一月の平均レジ通過者28,000人・売上高5,000万円弱ということを聞いております。
もちろん単純に「あずの里」と比較してはいけないのですが、やはり刺激を受けてしまうというのが正直な気持ちです。
「あずの里」のいくつか気になるところを上げさせていただきますと、「アグリ市原」と標示された「市場の農産物」の割合が日によってかなり多くなるように思えます。
農産物の絶対量が少ないときや、品数としてそろえなければならない事情もあると思いますが、やはり「農産物直売所」の看板を掲げているわけですから、生産者名の入った品物を期待するわけです。そこで質問ですが

1. 中西部地区を中心に地元農家の生産物を入れる努力はされていると思いますが、とにかく農産物の絶対量がどうなのか、種類、量共に増やす必要があると感じるのですが、現状と政策について見解をお聞かせください。
2. 農林業振興計画にも「機能充実を目的とした加工施設や体験圃場、レストラン施設の整備をする。」とあります。「ふるさとハウス」も含めて今後の展開についてお聞かせください。
(答弁)
現在の「あずの里」の会員は41名。今後も市内各直売所間の連携を図っていく。また、施設の設置場所(田園交流ゾーン)を活かした地域振興のための機能充実を考えていく。ふるさとハウスは長期的な展望も含め効果的な施設運営を考えていく。

6. 地産地消の推進について

今年は「食」をめぐってさまざまな問題がおき、また「課題」も多く表面化してきた年でした。
身近なところでは「子ども達の食」をどうしたら整えて行けるか、家庭での食事や学校給食のありかた、そのための食育教育。日本全体の問題では食料自給率のアップと農業政策。地球規模の環境問題から地球温暖化の問題までと幅広く、「食」の問題への取り組みは、まさに「think global act local」という視点と実践が、切実に必要となってきたと感じます。
先般、議会で条例検討プロジェクトチームが発足し、私も一員として参加していますが、条例の取り組みテーマが「地産地消」になりました。そのこともあり、地産地消で有名な今治市への視察や、関係者のお話を聞く機会があり、改めて市原市における「地産地消」とは何かということを考えさせられています。
「市原市農林業振興計画」によりますと、地産地消の基本的な方向として「安全で新鮮な農林産物を求める市民ニーズに応えるため、産直体制を強化し、いつでもどこでも市内産農林産物を購入できる仕組みづくりを整備します。」とあります。
方向として最もなものであり、是非、達成していきたいと思いますが、現実を知れば知るほど大変なことだと思うわけです。
そこでいくつか質問をさせていただきます。

1. 農産物の「地産地消」ということで見ますと、市原市では圧倒的に生産される農産物の種類・量が不足しているのではないかという感じがします。水稲や梨、大根など一部は市外への出荷もされていますが、野菜類を中心として少ないという感じが否めないのですが、現状はどうなのでしょうか。いわゆる「地産地消」が整備できたというのは、どのような状態をイメージしたらよいのでしょうか。お聞かせください。
2. 農産物の生産そのものを高めるというのは容易ではないわけですが、農産物は誰がどこで作るのかということを考えた時、これまでの農家の後継者が農業を継いでいくということだけでは成り立たなくなっています。
新しい法律で企業の参入も認められたとうかがっております。また、例えばJAにおいても農地の集団管理を進めるなど、さまざまな方法で、農業振興を図っていくことを期待したいのですが、市原市内の動きも含めて、お考えをお聞かせください。
3. また、このたび国から耕作放棄地の調査をするようにという指示があり、現在、調査を実施しているとお聞きしました。A、B、Cにランクわけをして市原市としても今年度中にどういう方向に持っていくのかも決めて報告すると聞きましたが、今までの調査から分かったことをお聞かせください。またAランクについてはぜひ農地として活用すべきと考えますが、その方向性もお聞かせください。
(答弁)
地産地消とは農業者と消費者が「顔が見え、話ができる」関係で地域の農産物・食品を購入する機会を提供するとともに、地域の活性化を図ることである。市原市では地元農産物を購入する人の割合が平成19年度で、55%と十分ではない。今後は食育推進活動と連携して拡大していきたい。農業の担い手としては農業生産法人以外に、「特定法人貸付事業制度」が全国で実施され、県内ではイトーヨーカドーがJA富里市の協力で2ヘクタールの農場を借用し、今秋から農産物の販売を開始する。市内では未だ動きはないが、先進地の事例の調査や企業訪問などの働きかけを行っていきたい。
耕作放棄地の調査については今後、Aランクの土地については、営農再開を促したり景観作物や飼料の栽培、市民農園や体験農園への活用なども検討していきたい。

7. 下水道の接続率について

先般、市民の方から側溝に汚水がたまっていて臭い匂いがする。この地域は下水道が整備されているのに接続しない家があるために、生活廃水が流れ出てしまうのが原因ではないのか、何とかならないのかというお話がありました。
後日、側溝にたまった堆積物を取り除くなどの措置はしていただきましたが、生活廃水が住環境を悪くしていることは確かです。
せっかく下水道が整備されてもいくつかの理由で接続しない家屋が出てきてしまうわけですが、平成19年3月末の下水道全体の水洗化率は93.2%となっていますが、地域によっては50,60,70%台にとどまっているところも見受けられます。
新しく開発された団地などはもちろん100%ですが、やはり旧市街地など、既に住宅地ができているところに後から整備が行われる場合や、アパートなどが多く立地しているところなども低いと伺いました。
これらの地域に整備を促進するために「排水設備及び助成制度」というのがあります。下水道法で供用開始区域内では3年以内に水洗便所にすることが義務づけられ、また浄化槽の場合も公共下水道に接続しなければならないとしています。またそのための助成制度として利子補給や補助金制度が設けられています。
ちなみに補助金額は供用開始後1年以内の工事は5万円、3年以内は3万円となっています。
前段で上げた接続率の低い地域は3年という期間も経過している場合が多く、この補助対象にはならないと聞いています。しかし何らかのやりかたで更に接続率を上げていくことができないでしょうか。
接続することで市に入ってくる下水道使用料は、1戸当たり平均すると年間37,000円ということで、仮に100%の接続率になると現時点では約1億8,000万円の増収という計算になるようです。
100%は無理としても集中的に取り組んで接続率を上げる成果はあると考えます。何よりも市民の住環境の整備という面から補助金の運用も含めて考えていただきたいのですが、取り組みへのお考えをお聞かせください。

(答弁)
接続率の低い五所、白金、姉崎東部地区などを重点的に普及活動を行っている。具体的には町会長と連携しての地区への回覧板や戸別訪問の実施。

8. 全国学力調査について

小学校6年と中学3年を対象にした全国学力調査が19年、20年に実施され、20年の結果も8月末に各教育委員会に報告されたときいております。
また、千葉県教育委員会の指定を受けた教育学者ら11名からなり任意団体である千葉県検証改善委員会が、昨年の学力調査の分析結果の検討と学校改善支援プランをまとめ、6月に県教育委員会に報告・提案をいたしました。
その報告の中心となっているのは①社会経済的に恵まれない状況にいる、児童・生徒の学力を底上げするためにはどのような方策が有効であるか。②学習塾に通っておらず、学習を主にした学校教育に依存している児童・生徒の学力を保証するためにはどのような方策が有効であるか・・・というテーマになっています。
それを踏まえての学校改善支援プランとして具体的な方策を上げています。
① 社会的経済的に恵まれない地域に対して、行財政的な支援を行うこと。
② 塾に通っていない生徒が多いような学校に対して、教員の増員をすると共に、経験豊かな教員を厚く配置すること。
③ 各学校において、授業研究や放課後の学習サポートを積極的に実施すること。
の3項目です。
このように国や県の教育政策の根本からの見直しに迫るものでしたが、県教委の分析には残念ながらこの検証委員会の指摘や提言は全く反映されず、分析にとどまっているようです。
そこで質問ですが、

1. 市教育委員会としては県教育委員会の分析をどのように捉え、どのような対応をしていくのか。また検証改善委員会の分析に対してはどのように捉えているのかもお聞かせください。
2. 本市は子育て4か条も掲げ、子供たちの教育には特に力を入れているわけですが、学力アップへの対応としては小学校1,2年生の少人数学級、今年からは中学校1年生の少人数学級の実施、その他算数・数学のスキルアップドリルなどが行われています。
やはり少人数学級を進めていくことが必要とは多くの方の指摘なわけです。国は1回の学力調査に60億から70億円もかけるよりも、教員の増員を図り、少しでも少人数学級を実施すべきです。
ということで国に働きかけるとともに、本市独自でも少人数学級を更に進めるということはできないでしょうか。お考えをお聞かせください。
(答弁)
県教委の分析では「学校と地域・家庭が一体となって協力していく体制作りや学校図書館・読書活動の充実等が重要である」と示されており、本市が取り組んでいる重点施策や実施事業と共通している。また、改善委員会の指摘している「行財政的支援」「教員の増員」は国や県の対応を期待している。「授業研究や放課後の学習サポート」については学力向上に向けた今後の重要な課題であると受け止めている。少人数学級については今の事業を推進したい。