平成26年9月定例県議会

平成26年9月定例県議会 一般質問 山本友子

【質問】

平和憲法を擁し、他国を侵略せず戦後69年間がたちましたが、今、戦後歴代総理さえ踏み出さなかった集団的自衛権の行使を閣議決定で容認し、さらにさまざまな関連法案を改悪しようとしております。街頭で集団的自衛権行使容認に反対する署名活動を行っておりますと、年配の方々が立ちどまって、戦争だけは嫌だと御自分の戦争体験を語りながら署名に協力してくださいます。  そんな中、オスプレイの本土各地への配備と訓練の予告がなされ、次年度予算の概算要求では過去最大の6,000億円を超える防衛予算が組まれようとしております。国を守るためと称して友好国に追随し、時に国民の命を犠牲にするのが国だとすれば、地方はいつでもそこに住む人々の命を守る政策を掲げてきました。そこで、県民の命と安全を守ることを最優先すべき知事に伺います。

1)知事に対する質問

109億円の概算要求を掲げているオスプレイは、当初から構造的に墜落の危険性が高いと指摘されてきた垂直離着陸輸送機です。そのオスプレイの定期整備拠点が木更津駐屯地に誘致されるとの報道がありますが、現在県は国からどのような情報を得ているのでしょうか。千葉県民の暮らしの安全を守るリーダーとしての知事は、国に対してどのような申し入れをするのでしょうか。

答弁 知事
 まず、県政方針についてお答えいたします。  オスプレイについての御質問でございますが、北関東防衛局からは、米軍オスプレイの整備に係る入札についていかなる対応が必要か検討中であり、現時点で決まっていることは何もないと聞いております。今後、具体的な話があれば国から県に対し説明していただくことになっています。

◆女性の管理職登用について。  国は女性の積極活用をうたっています。しかし、我が千葉県のこの議場の行政当局のひな壇を見ますと、女性管理職が一人もいません。優秀な女性人材は多いはずです。女性も男性も、将来管理職になるためには若いうちから管理職としての研修を積み、スキルを磨く機会が必要です。また、役職が人を育てるとも言われます。知事は、知事在任中に女性をこの執行部席に復活させる女性の積極的幹部登用についてどうお考えでしょうか。

答弁  知事
女性職員の幹部登用についての御質問でございますが、幹部職員の登用について、能力、実績等を勘案しながら、適材適所を基本に男女の区別なく行っているところでございます。女性職員についても、意欲と能力のある職員を組織の中枢ポストに配置するなど、今後も積極的な幹部登用に努めてまいります。

◆知事直属の政策アドバイザーについて。  現在は2人、1人は国政に対する情報収集、首都圏の連携等に関すること、もう1人はマニフェストの政策化、情報発信、それぞれ年額447万円と386万円が支給されています。しかし、これだけではよくわからず、実績、行動記録も公表されておりません。訪問先、目的、成果等もっと詳しく公表すべきと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 副知事
私からは、まず政策アドバイザーの訪問先の詳細を公開すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。  政策アドバイザーの出張は、アドバイザーが各担当課にアドバイスを行う際に必要となる国の状況や重要施策の動向などの情報を、これまでに培った豊富な人脈等を通じて得るために行われるものです。政策アドバイザーの出張に係る費用弁償については、本人から出張日、訪問機関、旅行手段及び旅行経路の報告を受け、条例に基づき適切に支給しており、これらの情報については、請求があった場合、公開をしているところです。なお、政策アドバイザーが出張により得たさまざまな情報は、関係課に対するアドバイスを通じ、県の施策の企画立案等に生かされています。

◆指定廃棄物最終処分場計画について。
環境省は、福島を除く関東5県でそれぞれ1カ所、放射性廃棄物の最終処分場をつくるように要請しています。千葉県では、4月に行われた第4回市町村長会議以降、全く情報が見えません。知事は早くつくってくれと国に要望するばかりで、最終処分場を県内につくることについては賛成しておられます。廃棄物を抱える自治体も、もしかして押しつけられることになるかもしれない自治体も、全く情報が見えず困惑しております。  そこで伺います。指定廃棄物の最終処分場を県内に1カ所つくることについての現在の国、県、市町村の状況はどうなっているのでしょうか。また、知事は、いつでも情報を公開し、知事自身がこの問題についても広く県民と話し合う姿勢を示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 知事
指定廃棄物の最終処分場に関する御質問でございますが、現在、国では最終処分場候補地の選定作業を鋭意進めていると聞いておりますが、県や市町村に対する候補地の提示などの具体的な見通しは明らかにはなっておりません。また、最終処分場の設置に当たっては、まずは国において選定の経過などを含めた検討結果や処分場の安全性などについて丁寧に説明していただきたいと考えております。

2防災対策と避難計画

◆異常気象、ゲリラ豪雨、迫りくる巨大地震の恐怖、防災への関心はますます高まっています。土砂災害、震災に対する対策は他会派からも出ておりましたので、ここでは地域の防災訓練に参加したときの疑問点を幾つか伺います。
①小・中学校やその生徒たちは防災訓練に参加しておりました。しかし、そこに県立学校が参加する共同訓練はありませんでした。  そこでお伺いをいたします。県立高校が避難所に指定されている場合、市町村との連携を図り、地域との合同防災訓練を実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 教育長
県立高校が地域との合同防災訓練を実施すべきとの御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、防災教育調査により明らかとなった課題に適切に対応するため、モデル校を指定し、地域との合同防災訓練を初め、防災教育のあり方について研究を進めております。さ

②地域防災リーダーが地域防災で有意義な役割を果たしております。県では、地域防災リーダーとなる人材をどのように養成しているのでしょうか。

答弁 副知事
 私からは防災訓練の関係などについてお答えいたします。  まず、地域防災リーダーとなる人材の育成についての御質問でございます。地域防災リーダーは、地域の防災活動や災害時の支援活動において中心的な役割を担っており、その育成は重要であると考えております。県では、地域防災リーダーとしての役割を担う災害対策コーディネーターの養成に平成15年度から取り組んでおり、また、東日本大震災を契機に平成23年度からは市町村においても養成する取り組みが広まっております。その結果、震災前と比べ2倍以上の増加となる700名を超える方々が活動しております。今後とも、より多くの災害対策コーディネーターを養成するため、市町村と連携し、養成講座の開催地域や開催回数をふやすなど積極的に取り組んでまいります。

③番、大規模震災時における救護所に関する実際的な訓練はどのように行われているのでしょうか。また、市町村における救護所訓練に県としてどうかかわっていくおつもりでしょうか。

答弁  知事
防災訓練と医薬品備蓄についてお答えいたします。 大規模震災時における救護所に関する訓練についての御質問でございます。県では、地元市町村や医師会などの関係団体と連携して、毎年実施している九都県市合同防災訓練の中で救護所の設置運用訓練を実施しております。この訓練では、地元の市職員、医師、看護師、医療ボランティアや他地域からの応援スタッフなどが救護所へ傷病者の受け入れ、重症度による選別、初期治療など実際の被害を想定した実践的な訓練を行っております。また、地元の関係団体や自主防災組織などと合同で独自訓練を実施している市町もあり、県では今後、未実施の市町村への働きかけとあわせて、こうした訓練が効果的に行われるよう助言や情報提供などの支援を行ってまいります

④関連して、薬剤についても伺います。県の災害用備蓄医薬品の保管状況はどうなっているでしょうか。また、救護所への搬送訓練は実際に行われているのでしょうか、お伺いをいたします。

答弁 知事
災害用備蓄医薬品の保管状況はどうか。また、救護所への搬送訓練は行われているのかとの御質問でございます。県の災害用備蓄医薬品は、災害時に救護所や医療機関で使用される医薬品1万1,000人分を県内の保健所等に分散備蓄しております。その保管に当たっては、担当者を定め、保管温度や使用期限の確認に加え、災害発生時にも容易に搬出できるよう管理しております。また、救護所への搬送訓練は計画的に実施することとしており、本年度は市原市等において、保健所、市役所、薬剤師会と連携して実施をしております。

3千葉県における医療・福祉体制の見直し  超高齢社会到来に備えて、2025年までに地域包括医療ケア制度への移行が厚労省から既に示されています。現在は病院で最期を迎える人の割合は80%を超えておりますが、今後はできるだけ住みなれた家で最期を迎えられるような体制をつくっていかなければなりません。国は75%を在宅でという方針を既に示しております。そのため、病院、施設、その他の医療・介護資源の再配分など大きな医療改革が迫られています。今年度、千葉県病院局の体制が大きく変わりました。人心を一新して新しい政策を打ち出すためかと思っておりましたが、まだ新しい方向は一向に見えておりません。

①そこでお伺いをいたします。県立病院で医師養成を目指すことについて。  近年、医師を育てることの重要性に気づいた全国の有力病院や地域の病院が、大学の医局と連携し、病院独自に医師を育てる動きが活発になり、病院は研修生を積極的に受け入れています。全国各地で総合診療医の研修を大学に依存せず自前で行っている、あるいは行おうとしている市立や県立の病院もあります。千葉県には、がんセンターなどの専門に特化した病院や地域拠点としての佐原、循環器病センターなど6つの県立病院があり、医師養成の拠点になり得ます。県立病院でも政策として地域医療を担える医師養成を目指し、研修医を積極的に受け入れているのでしょうか。その実績はどうでしょうか、お伺いします。

答弁 知事
千葉県における医療・福祉体制の見直しについてお答えをいたします。県立病院でも地域医療を担える医師養成を目指し、研修医を積極的に受け入れているのかとの御質問でございます。平成16年度から医師免許取得後2年間のいわゆる初期臨床研修を、平成18年度から特定分野に専門的な知識、技術を有する医師を育成するいわゆる後期研修を実施し、これまでに初期臨床研修医126名、後期研修医96名を採用しており、研修医を積極的に受け入れているところでございます。なお、初期臨床研修では地域医療が必修となっており、また、後期研修においても内科や小児科、家庭医の専門医を養成するなど、さまざまな分野の医師を養成しているところでございます。

答弁
地域医療総合診療についての御質問でございますが、地域医療の研修につきましては、循環器病センターや佐原病院で実施をしております。また、透析ですとか腎臓の専門医については、県立病院の有する資源を活用して募集を行っていくということで、現在循環器病センターで募集をしているところでございます。

②医師確保で重要な要件の1つが、医師の過密な勤務スケジュールを解消することです。日勤、夜勤の後、そのまま日勤で手術という話を聞くと、医者も患者もともに大丈夫なんだろうかと不安にすらなります。事前にお聞きしたときには、民間病院の医師の勤務が過密かどうかはわからないというお話でした。  そこでお伺いをします。県立病院に限って伺いますが、医師の勤務状況は過密になっていないのでしょうか。

答弁 知事
千葉県における医療・福祉体制の中の千葉県の県立病院における医師の勤務状況についての御質問ですが、病院局の服務規程により、医師も原則、事務職員と同様の時間帯に7時間45分の勤務時間が割り振られています。なお、緊急時には時間外勤務によって対応する場合があります。また、休日や夜間における患者に対応するために、各病院では平均して1人当たり月に二、三回の宿日直勤務を行っているところです。

③看護師養成・確保政策について。次年度から、入院治療中から在宅復帰を促進し、退院したらすぐに自宅や地域で暮らし続けられるように支援する地域包括ケア病棟を各地に整備していく方針が国からも示されました。支援のためには、医師、看護師、保健師、ケアマネなどの医療・福祉資源が不可欠であり、とりわけ専門性の高いスキルを持った看護師の養成が急務となっております。担当課に事前にお伺いしたときには、在宅を支えることになる特定看護師については、国が今後全て制度設計することになっているので、先走って養成などは行わないとのことでした。では、県が現在行っている看護師養成、看護師確保の政策はどのようなものなのか、お答えください。

答弁 知事
県が現在行っている看護師養成、看護師確保の政策についての御質問でございますが、県では、厳しい看護師不足を解消するため、看護師養成施設の新設等への補助による養成体制の強化、看護学生への修学資金の貸与による県内就業の促進、病院内保育所の運営費への補助による離職の防止、ナースセンター事業による再就業の支援など、さまざまな施策を実施しているところでございます。また、看護学生への修学資金については、県内就業のさらなる促進を図るため、貸付枠を50名拡充することとし、9月補正予算案に計上したところでございます。少子高齢化が急速に進む本県では、看護師確保は重要な課題と認識しており、今後も看護師の養成、確保に積極的に取り組んでまいります。

④健康福祉部と病院局との連携について。2025年までに地域を包括する医療システムを築き上げる医療改革が急がれております。10年はあっという間です。今は地域医療ビジョンを策定中だとは思いますが、現在の検討スケジュールはどうなっているのでしょうか。また、こうした大きな構想の検討には健康福祉部と病院局との協議の場が不可欠だと思いますが、お考えをお聞かせください。

答弁 知事
地域医療ビジョンの策定に向けた今後の検討スケジュールに関する御質問でございます。本年6月の医療法の改正により、都道府県では地域に応じた医療機能の分化と連携を推進するための地域医療ビジョンを平成27年度以降に策定することとされております。その内容は、地域の医療需要の将来推計や、病床機能報告制度により得られる情報などを活用し、将来の医療需要、医療提供体制や、これを実現するための施策などでございます。具体的には、地域医療ビジョン策定に向けたガイドラインが本年度末までに国から示される予定でございます。これを踏まえて策定してまいります。

⑤健康福祉部と病院局との協議の場に関する御質問でございますが、本県の医療提供体制の構築に当たっては、これまでも地域医療の抱える課題を解決するため、地域医療再生計画などの策定に際し、病院局と連携して取り組んできたところでございます。地域医療ビジョンの策定に当たっても、特にがん医療、救急医療、小児医療など、県立病院の担う診療分野について病院局とも協議をし、県の医療行政の推進のため、引き続き連携を図ってまいります。  ⑤県立病院への民間人材の登用について。  県立病院の事務局長、事務局も、今後は病院経営を切り盛りするだけではなく、医療政策を推進する立場になります。これまでに事務局長を民間企業から、または医療現場に詳しい人を登用した実績はおありでしょうか。また今後、さらに外部から人材を求める考えはおありでしょうか。その際、病院長の意見というのは反映されるのでしょうか、お答えください。

答弁  副知事
病院事務局長・事務局の民間からの人材の登用についての御質問ですが、病院局では、庁内での育成が困難な医療事務の専門的な知識、経験を有する人材を登用するため、平成18年度以降、社会人採用選考考査を実施して、今年度までに民間から11人の医療事務経験者を採用し、事務局長等に配置をしてきたところです。今後も、県立病院のさらなる経営改善等を目指し、病院の運営の経験が豊富な人材を病院長の意見も踏まえながら採用してまいります。

⑥中核地域支援センターの役割強化について。  地域福祉の観点から1点伺います。現在は困ったときの中核頼みとなっています。福祉サービスを必要とする家庭でも問題は単一ではなく、障害、年金、その他さまざまな事情が絡み合ったニーズに中核地域支援センターが応えています。そのため、ますます中核地域支援センターは多忙をきわめています。今後さらなる人員の拡充が求められております。  お伺いをいたします。各中核地域支援センターにあと1人分の予算を増額できないでしょうか。

答弁 副知事
各中核地域生活支援センターに対して予算を増額できないかとの御質問です。中核地域生活支援センターは、24時間365日体制で福祉の総合相談等に対応し、地域において重要な役割を果たしていると認識をしています。一方、住民に身近な福祉に関する総合相談は、本来市町村が対応することが望ましいことから、この機能を担っていただけるよう市町村と意見交換をしてまいりました。こうした中、平成25年12月に生活困窮者自立支援法が制定され、来年度から県及び市において、生活困窮者を対象とした総合相談窓口の設置が義務づけられたところです。県としては、こうした制度の動向を踏まえ、来年度の中核センター事業について検討してまいります。

4千葉県の精神医療のあり方について。
今回の質問のきっかけは、事務所に寄せられた1人の青年に関するお話でした。仮に名前をY君といたします。Y君は勉学とスポーツに打ち込む大学生でしたが、精神的ストレスがきっかけでひきこもり状態となりました。その後、一旦は体調もよくなりましたが、再び無理をしてついに自主退学、抑鬱状態が続いたために近くの精神病院へ、抗鬱剤パキシルを処方されました。薬を飲み始めて2カ月目に暴力を振るう事件を起こしてしまいました。我に返ったY君は、みずから警察に出頭したそうです。パキシルは時に衝動性を高進することもあり、とりわけ若者に投与する場合は要注意とされる薬だとのことです。相談した病院の医師は、幻聴も幻覚もないが、無関係の人を殴ったりしたのだから統合失調症でしょうねと診断して、3日分の抗精神病薬リスパダールを処方しました。薬を飲み始めて1日目で首がうなだれ、いっときの意識障害、3日目、散歩中にけいれん、呼吸困難になり、救急車でかかりつけの病院へ運ばれました。その後、薬はますますふえて症状は悪化、首の筋肉が硬直し、斜頸と言われる症状を呈し大学病院へ、ここでも統合失調症の診断はそのまま、そして電気けいれん療法を6回受け、病態はさらに悪化、その後、別の病院へ転院しました。転院先の病院の医師は、統合失調症ではなく発達障害ではないかと診断。発達障害の場合、少量の薬でも過敏に反応し、重い副反応が出るケースが多いとのことです。症状はさらに悪化し、その上、入院先の院内での虐待が加わって、Y君は死亡しました。御家族の無念は察するに余りあります。初めの診断、投薬のミス、統合失調症の診断の妥当性、多剤併用治療が適切だったかどうか、転院先での虐待など、幾つも問題が重なっています。お話を聞き、そして関連する資料を読ませていただき、日本の精神医療の課題の一部が見えてきたように思えました。そこで今回は、全てこの場で質問することはできませんが、3点だけお伺いをいたします。

①精神医療現場における多剤併用療法の見直しについて。  抗精神病薬の投与薬の数の国際比較によれば、アメリカを初め多くの西欧諸国では1種類だけの単剤使用が80%を超えております。3種類以上の薬を処方されるのはほとんどゼロまたは1桁です。一方、日本では、単剤のみ、つまり薬を1種類だけ、そういう人は15%から27%、3種類以上処方されている人の場合は50%を大きく超えております。とりあえず薬を出しておきましょうかと風邪薬でも処方するように気軽に外来診療で薬が出されます。患者もそのほうが安心するという事情があるのかもしれません。効き目がなければ薬剤の種類がふえ、あげく多剤併用の副反応を抑えるための、そんな薬までが追加される始末です。家族が薬の多さに疑問を持っても、素人が勝手にその薬を減らすことにもためらいがあり、また薬を減らすと、そのための別の苦しみやリスクが生じることもあって、一旦薬を飲み始めたら一生飲み続けなければならないという現実があります。薬を減らそうという精神医学界の動きもあるそうですが、千葉県の精神医療の協議会等では、患者の多剤併用回避に向けて、どんな議論がなされているのでしょうか。

答弁 副知事
精神医療のあり方についてお答えをいたします。  千葉県の精神医療の協議会等において、患者の多剤併用回避に向けてどのような議論がなされているのかとの御質問ですが、平成24年5月に開催された精神保健福祉法に基づく知事の諮問機関である千葉県地方精神保健福祉審議会において、保健医療計画の現状把握のための指標の1つとして抗精神病薬の単剤率を説明したことがあるものの、そのことについての議論はありませんでした。

②薬に対して過敏な反応を示す発達障害児・者に対する向精神薬の薬剤投与は特に問題が生じやすいと言われております。未成年に対する多剤併用の実態の把握はされているのでしょうか。

答弁 副知事
未成年者に対する向精神薬の多剤併用について実態を把握しているのかとの御質問です。未成年者に対する向精神薬の多剤併用については、国の調査研究事業等でも実態を把握しており、県としては、その情報収集をするとともに、今後、精神科病院等の関係者や家族会とも意見交換をしてまいります。

③精神障害の患者さんの長期入院解消に向けて。  平成24年度精神科病院における平均在院日数は、全国平均が292日、20年前の約半分に減りましたが、世界の常識は10日から30日入院が大半で、さらに患者の入院日数を減らそうとしております。しかし、千葉県の患者入院日数は324日、全国平均を30日も上回っています。長期入院を減らそうという国の方針も示されていますが、一向に改善されません。その理由をどう分析しておられるでしょうか、お伺いします。また、千葉県では、精神疾患患者の早期退院への意識づけ、入院日数を減らすために、国公立・民間病院を問わず、どんな取り組みが現在なされているのでしょうか。

答弁  副知事
精神科病院の長期入院の解消が進まない理由の分析と早期退院に向けた取り組みについての御質問です。千葉市を除く県内の精神科病院に1年以上長期入院をしている患者数は、平成24年6月末で7,218人であり、前年6月末と比較をして215人減少しています。これをさらに減少させるためには、本人の退院に向けた意欲の喚起や地域移行後の生活準備などの支援が必要と考えています。そのため、医療、福祉、行政関係者等で構成する地域移行支援協議会を障害保健福祉圏域ごとに開催し、退院促進の取り組みを進めているところです。また、本年4月から施行された改正精神保健福祉法により、病院管理者に義務づけられた退院後生活環境相談員の選任や医療保護入院者退院支援委員会の設置、開催の状況を確認し、指導をしてまいります。

④在宅サービスの体制が整えば退院が可能な人は入院患者の35%になるというデータがあります。実際はもっと多いのではないかと私は想像しております。しかし、退院を促しても地域移行の受け皿がないと家族負担がふえ、その結果、再入院などの新たな課題が生まれます。また、受け皿があっても病院側に退院を促す方針がないと退院促進は進まないとも言われます。  そこでお伺いをいたします。退院後の地域サービスの充実に向け、県は市町村と連携してどのような取り組みをしているのでしょうか。地域活動支援センター、グループホーム、ケアホーム、また日中の居場所などの受け皿は、ここ数年どのように推移しているのでしょうか。

答弁 副知事
退院後の地域サービスの充実や日中の居場所などの受け皿についての御質問です。県では、精神科病院の退院後に地域において適切なサービスが受けられ、地域生活が維持できるよう、保健所における個別のケース会議や地域精神保健福祉協議会等での具体的な支援の検討において、市町村、地域の援助事業者や医療機関等と連携を図っております。退院後の日中活動の場であります地域活動支援センター、生活訓練事業所及び就労継続支援事業所等は、平成25年度末533カ所で、3年前と比較し158カ所の増加となっています。また、退院後の住まいの場でありますグループホーム及びケアホームの数は、平成25年度末744カ所で、3年前と比較し264カ所の増加となっています。

5ワクチン行政について。  千葉県でも子宮頸がんワクチンの副反応による被害者が平成25年度、平成26年度合わせて26人います。子宮頸がんワクチンについては、これまでもたびたび取り上げ、これ以上被害者をふやさないため、積極勧奨をやめること、むしろ子宮がんの検診率を高めること等を私どもは主張してきました。今回は子宮頸がんワクチンではなく、その他のワクチンに対する対応について伺います。  国の疾病・障害認定審査会の感染症・予防接種審査分科会審査では、2013年度82件の被害の報告がなされています。うち32例は生後間もないゼロ歳児のワクチン接種が原因です。ワクチンの種類は、BCG、MR、MMR、DPT、日本脳炎、ポリオ、インフルエンザ、種痘です。因果関係が不確かであるとの理由で認定されなかった事例は、恐らく数十倍に上るのではないかと思います。同認定審査会の資料には、2011年から2014年までの4年間に、小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン接種後の死亡の38例の報告もありました。ワクチン接種は強制ではありませんが、集団の中にいると同調圧力のようなものを感じて、自分だけ接種しない、自分の子供だけ接種させないというのは勇気が要ります。  そこでお伺いをします。

①ワクチンには重篤な健康被害が発生することもある。主な副反応の事例を丁寧に説明し、その上で接種するかどうかは、あくまで個人の選択制であることをさらに徹底して周知すべきと思いますが、いかがでしょうか。

答弁  副知事
ワクチン行政についてお答えをいたします。  ワクチン接種の周知についての御質問ですが、定期予防接種については、平成6年の予防接種法の改正以降、法的義務から努力規定となり、接種を受けることの判断は本人や保護者によるものとなっています。予防接種の実施に当たっては、保護者等に対し接種時に医師から説明を行い、接種の同意を書面で確認した上で実施をしています。また、予防接種の副反応等の情報については、県のホームページ等でもお知らせをしているところですが、引き続き市町村や医師会等と連携し、保護者等への周知に努めてまいります。

②あるお子さんの保護者の方からお話を聞きました。今から8年前の2006年12月、DPTワクチンを接種、その8日後の夜中に急な高熱、けいれんを初めとする深刻な症状が出て救急搬送され、応急措置がとられました。しかし、重篤な障害が残り、5歳8カ月当時の診断書では、最重度知的障害、四肢のけい縮その他の症状があり、現在は全介助の状態となりました。2013年8月2日、保護者の方が申し出て、国の審査会、先ほどの感染症・予防接種審査分科会で、この少年が予防接種により被害を受けたのかどうかを審査しました。情報公開で入手した会議録によれば、審査分科会の判定は4で、ワクチンとの因果関係は否認となりました。審査委員の1人は、ワクチンとの因果関係が全くないかというと、全部否定するのも難しいかなと思うと言いつつ、結局、否認です。肝心なところは黒塗りになっていてよくわかりません。保護者の方は、この決定に対して不服審査法に基づき平成26年2月、県に対して改めて審査請求を行いました。5月には医師の意見書も追加提出しています。しかし、県の予防接種後健康被害救済事務のどこを見ても医療の専門家は関与しておらず、単に行政の手続に瑕疵がないかどうかを問うだけです。これでは保護者の訴えは徒労に終わるだけです。そこでお伺いをいたします。こうした予防接種による重大な訴えが発生した場合、形式的でなく被害者の声を受けとめ、予防接種との関連を速やかに審査する専門家のいる窓口を県の中にも設けるべきと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 副知事
ワクチン接種の被害に関する調査窓口の設置についての御質問ですが、定期予防接種に起因すると思われる健康被害が発生した場合は、予防接種法施行規則の規定に基づき、保護者等から接種の実施主体である市町村長に対し、健康被害に関する被害救済請求を行うことができます。請求を受けた市町村は、当該市町村が設置する予防接種健康被害調査委員会において、健康被害の状況や予防接種を実施した際の状況等を調査し、その結果を取りまとめ、県を通じ国に進達し、国の審査会において因果関係などの審査が行われます。県といたしましては、新たな調査機関等の設置は検討しておりませんが、予防接種の実施主体である市町村に対し、被害者の声を受けとめることや速やかな調査を実施するよう助言をしてまいります。

6障害のある子への医療・福祉サービス・教育について。
①第四次千葉県障害者計画のうち、医療・福祉サービスの進捗状況について伺います。  千葉県障害者計画には、障害特性を理解し、適切な診療を行うことのできる医師、医療関係スタッフが不足していると書いてあります。では、対応できる医師の数は現在どのくらいでしょうか。また、地域偏在の課題は解消されているのでしょうか。

答弁 副知事
障害のある子への医療・福祉サービス・教育に関して、小児リハビリテーションに対応できる経験を積んだ理学療法士、作業療法士がいて訪問看護をしているところは何カ所あるのかとの御質問ですが、昨年12月に小児の在宅医療に対応できる社会資源を把握するため、県において医療機関等に調査を実施したところ、小児の在宅医療に対応できる訪問看護ステーションは県内で66カ所あり、このうち30カ所には理学療法士または作業療法士が配置をされています。

②訪問看護ステーションは各地にふえました。各ステーションに小児に対応できる看護師もいるとのことです。しかし、保護者からは疑問の声が寄せられています。  そこでお伺いしますが、現実に小児リハビリに対応できる経験を積んだPT、OTがいて、訪問看護をしているところは本当のところ何カ所あるのでしょうか、お伺いをいたします。

答弁 
 障害のある子への医療・福祉サービス・教育についてお答えいたします。  医師、医療機関の不足についての現状と対応及び医療資源の地域偏在の課題についての御質問でございますが、第四次千葉県障害者計画において、障害のある子供に対応できる医師、医療機関の不足が課題とされております。小児科、心療内科や精神科の医師は全国平均と比較して少ない状況にありますが、現在県では、障害のある子供の在宅医療にかかわる医師等を育成し、より多くの地域で障害のある子供が診療を受けられるよう、訪問診療医等によるケースカンファレンスや実践報告会を行っているところでございます。今後も関係者の意見を踏まえながら、障害特性に配慮した適切な診療が行われるよう取り組みを進めてまいります。

葉県千葉リハビリテーションセンターについて。
千葉県千葉リハビリテーションセンターは、設立当初より小児リハビリを行える重要な拠点です。しかし、県リハの図面で平成2年当時と現在の平面図を見比べると、小児リハビリのスペースが縮小しているようにも思えます。大人のリハビリに対応するフロアが拡充された分、どうも小児リハは割を食っているように思えてなりません。以下、3点お伺いをいたします。
①小児リハビリの訓練は、できれば週2回行うのが望ましいと以前に聞いたことがあります。また、四六時中そばで訓練等をできないスタッフにかわって、保護者が基礎知識を学び、訓練をしたりすることが望ましいとも言われています。現在、個人が療育訓練を受ける回数は何回くらいでしょうか。また、保護者の学びの機会はどのように確保されているのでしょうか。

答弁  副知事
千葉リハビリテーションセンターに関し、療育訓練の回数及び療育についての保護者の学びの機会についての御質問です。千葉リハビリテーションセンターでは、入所している児童に対し、日々の生活の中で療育訓練を行っています。また、外来や通所の利用者に対しては、年齢や症状に応じ、学齢期前は週に1回から月に1回、学齢期は3カ月に1回、療育訓練を実施しているところです。療育についての保護者の学びの機会としては、外来や通所に同伴する保護者に対し療育訓練の方法を指導しているほか、年に数回、理学療法士や看護師等による講義を行っています。また、乳幼児期の障害児と保護者に対し、8週間の入所による障害児の療育の指導も実施をしています。

②身体機能が損なわれたり低下した人にとって、日常生活に復帰するためには体に合った補装具が必要であり、その人に合わせて調整することも大切だとのことです。しかし、8年前も今もスペースは同じで、職員は1人のみ。  そこでお伺いしますが、拡充のお考えは果たしておありなのでしょうか、このままでいいとお考えなのでしょうか、お聞かせください。

答弁  副知事
補装具の製作体制に関する御質問です。千葉リハビリテーションセンターでは、補装具製作施設において、身体に障害のある方が日常生活を送る上で必要な義肢、装具等の製作や修理を行っています。補装具製作についてのニーズに対しては、必要に応じ外部業者への委託も活用し、支障のないように対応をしているところです。

③千葉リハビリテーションセンターは県立であります。そうである以上、県リハビリの技術を持った医師、看護師、医療スタッフを養成し、県内各地へ派遣できるようにすることも役割です。そこでお伺いします。現在行っている養成のためのプログラムはどのようなものでしょうか。

答弁 副知事
小児リハの技術を持った医師等の養成に関する御質問です。千葉リハビリテーションセンターでは、県内の民間リハビリ施設に対する技術的な助言等の支援を行う中核的センターとしての役割を担っています。小児のリハビリテーションに関しては、研修医や病院から看護師、理学療法士等の研修生を積極的に受け入れ指導を行っているほか、リハビリテーション技術に精通した医師や看護師等を養成機関等に派遣し、学生等に対する指導を行っているところです。

●特別支援学校における諸課題についてお伺いをいたします。
①袖ケ浦特別支援学校を見学してまいりました。校庭が余りに狭いと感じました。体温調整が難しいお子さんも多いので、体育祭も体育館内で行っているとのことですが、それでも外気浴等は必要なはずです。今後の校舎の建てかえ、増築、また校庭の拡張等の計画はどうなっているのか、お答えください。

答弁 教育長
袖ケ浦特別支援学校は、肢体不自由や病弱な児童・生徒のための学校であり、児童・生徒数の増加に対応するため、これまで校舎増築を2度にわたり実施し、これに合わせてグラウンドの整備を行ってまいりました。今後は過密化等の状況を見きわめながら、さらなる整備の必要性について検討してまいります。

②特別支援学校への送迎のスクールバスは各地を巡回しながら生徒を乗せていくので、銚子、安房、香取に在籍する生徒の中には、片道最大1時間55分かかる生徒もいるとのことです。1時間半以上乗車している生徒の登録人数は往路で46名、下校時は放課後デイサービス等へ行く子供たちもいますので23名となります。長い時間の乗車は子供にとってもきついはずです。送迎時間短縮に向けた対策はどうなっているのでしょうか。

答弁 教育長
各特別支援学校では、児童・生徒の障害の状況や居住地周辺道路の状況、運行時間等を踏まえ、毎年度スクールバスの運行ルートを見直しております。また、県教育委員会としても、利用者が多い学校や通学区域が広い学校があるため、乗車時間の短縮に向けて、毎年度各学校の状況を見きわめながら増車等を行っております。今後も児童・生徒の安全を第一に、スクールバスの乗車時間の短縮を図るよう引き続き努めてまいります。

③小・中学校との交流促進も課題です。先日伺った袖ケ浦特別支援学校では、誉田小・中学校や生浜高校などとの交流が行われているとのことです。恐らく他の学校でも特別支援学校近くの小・中学校との交流は行われていることと思います。しかし、人は住んでいる地域から切り離されては生きてはいけません。特別支援学校とその子が住んでいる居住地の小・中学校との交流も大切です。現状はどのように行われているのでしょうか。

答弁 教育長
 
学習指導要領では、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒が学校行事や学習活動をともにするなど、継続的に交流の機会を設けることが大切であるとされています。特別支援学校では、児童・生徒の居住地の小・中学校で一緒に学習を行うなど交流に積極的に取り組んでおり、平成25年度の実施人数は246名で、5年前に比べ97名増加したところであります。

袖ヶ浦福祉センターの今後について。  ことし8月、第三者検証委員会による最終報告が示されましたが、県自身の改善と方針の意思が見えません。建物の一部を改装するという補正予算が今議会に組まれていますが、あくまで当座の話です。必要なのは今後の抜本的な改革方針と決意です。  そこで伺います。
①県は今回の最終報告を受けて、具体的、長期的な改革プランをいつ示すのか。また、その中で職員研修の時間の確保や処遇の改善を具体的にどのように盛り込むのか。また、規模縮小に伴う入所者の今後の行き先の確保をどう示していくのか。

答弁 知事
第三者検証委員会の最終報告を受けた改革プランや行程表の提示に関する御質問でございますが、県としては、最終報告における提言を受けて、現在策定中の第五次県障害者計画において具体的な施策を検討するとともに、事業団における研修機会の確保及び職務内容に見合った就業規程や給与体系への見直しなどの取り組みが行われるよう指導してまいります。見直しの進捗については、今月設置した千葉県袖ヶ浦福祉センター見直し進捗管理委員会の評価を受けながら、集中見直し期間の周期である平成29年度末までに提言の内容を着実に実施してまいります。また、現在の利用者が障害特性に応じてより適切な支援を受けられるよう、民間事業者などと協議をしながら、移行の受け皿となる施設やグループホームなどにおける人材育成その他の必要な環境整備を進め、計画的に利用者の移行先を確保してまいります。

②家族は入所者が今後このままいられるのかどうかに不安を持っています。進捗状況を保護者に伝える説明会は今後どのくらいの頻度で行うのでしょうか。保護者には高齢の人もいて、分厚い資料はとても読み込めない。もう少しわかりやすい資料の配付、説明を求める声が上がっております。いかがでしょうか。検討されているでしょうか。

答弁 知事
センターの見直しの進捗状況を保護者に伝える説明会は今後どの程度の頻度で行うのか。また、保護者からはわかりやすい説明を求める声が上がっているが、どうかとの御質問でございますが、8月9日に開催した最終報告に係るセンターの保護者説明会においては、保護者の方から民間施設や地域への移行に不安を訴える声がある一方、必要なときに十分な情報提供があれば移行について検討してもよいといった御意見もいただいております。県といたしましては、今後センターの見直しの進捗状況に応じて、その都度わかりやすい説明を行い、保護者及び利用者の方が不安を抱かれることのないよう努めてまいります。

③障害者差別解消法に基づく施策について伺います。  内閣府は、平成25年に成立した障害者差別解消法に基づく障害者差別解消地域協議会を立ち上げる6カ所のモデル自治体として、岩手県、千葉県、浦安市、さいたま市、京都府、沖縄県に打診しています。京都府では既に障害女性の複合差別を禁止する条例が制定されました。  そこでお伺いします。モデル自治体の1つとして挙げられた千葉県の差別解消に向けた協議会発足の今後のスケジュールはどうなっているのでしょうか。また、協議会に障害当事者を加えるお考えはおありでしょうか。

答弁 副知事
障害者差別解消地域協議会に関して、今後の設立スケジュールと障害当事者をこの協議会に加える考えがあるかとの御質問です。障害者差別解消地域協議会モデル事業は、障害者差別解消法に基づき、地方公共団体が設置する地域協議会の運営が円滑に行われることを目的として、その効果を検討するため内閣府が実施するものです。県としても国に協力してこのモデル事業に取り組む予定ですが、現在、国や県内でこの事業に取り組んでいる浦安市と協議を行っているところであり、協議が調い次第、速やかに進めてまいりたいと考えております。また、この地域協議会の役割は、障害を理由とする差別を解消するための取り組みを実施することであり、障害のある人の参加が必要であると考えています。

7)エネルギー政策について。  ①千葉県では、太陽光発電に関しては、メガソーラーの件数は本年6月時点で503件、全国3位、10キロワット未満では2万7,465件、全国6位という普及状況です。福島原発事故後、全国自治体が努力目標を掲げて再生可能エネルギーへの転換を目指しています。これまで何度か基本計画を策定してほしいと要望してきましたが、改めて伺います。  千葉県でも再生可能エネルギーへの転換を目指し、年次目標値を定めたエネルギー基本計画を策定する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

答弁 知事
再生可能エネルギーへの転換に向けたエネルギー基本計画の策定に関する御質問でございますが、県では、平成24年3月に策定した新エネルギーの導入・既存エネルギーの高度利用に係る当面の推進方策に基づき、県民や事業者、市町村への財政的支援や情報提供等のさまざまな取り組みを行っており、これまで順調に推移しているものと認識しているところでございます。今後も、エネルギーの分散確保、環境負荷の低減及び地域経済の活性化の観点から、目標の導入も念頭に置きながら、再生可能エネルギーなどの導入促進を図ってまいります。

②太陽光発電ばかりが大きくクローズアップされておりますが、太陽光を電力にわざわざ変換せず、太陽熱のまま利用するほうがエネルギーロスが少ないと言われています。太陽熱利用機器の普及促進に向けた対策はどうなっているのでしょうか。

答弁 副知事
太陽熱利用の普及促進についての御質問ですが、太陽熱利用は給湯や冷暖房にその熱を直接利用できることから、エネルギーをより効果的に活用することができる手法であると認識をしています。このため県では、太陽熱利用のメリットや導入事例についてホームページで情報提供するとともに、九都県市と連携したセミナーの開催などを通じて普及啓発に努めているところです。

③南房総市で実証された間伐材利用の木質バイオマスは少しずつ普及し始めています。8月に南房総市に伺い、現地を案内していただいたところ、カーネーションの温室で暖房に重油を使うのでなく、一部重油ストーブと併用はしていましたが、主に間伐材利用のまきストーブを使って暖房を行っていました。森林組合が木を切り出し、行政が間伐材のストックヤードの場所を提供し、そこで十分に乾燥させ、農家が温室のストーブに利用するという仕組みがとてもおもしろいと感じました。毎年実証結果を検証し、農家が利用しやすいように行政も親身に相談に乗って、仕組みに改良を加えていました。この木質バイオマスの手法を全県的に進めるお考えはおありでしょうか。

答弁 副知事 木質バイオマスの普及を全県的に進める考えはあるのかとの御質問でございます。燃油高騰を背景に施設園芸農家からニーズが高まっている間伐材等の木質バイオマスをボイラーの燃料として利用する取り組みは、地域資源を生かした取り組みとして地域経済の活性化にも大きく貢献するものと考えております。こうした中で、南房総市等においては比較的安価なまきボイラーの導入を進めており、まきの安定した供給体制の確保や品質の確保といった課題に対処するため、乾燥貯蔵施設の設置や効率的な生産設備の導入に取り組んでいるところでございます。木質バイオマスの利用に当たっては、地域により森林の状況や生産体制が異なることから、県では必要な情報収集を行い、地域での実情に応じた普及に取り組んでまいります。

④市原市で実証実験、また農家が現場で採用しているソーラーシェアリング、営農型太陽光発電設備は、畑の上で農作物の生産性を損なわない形で太陽光発電を行うという手法です。私たちが視察したときにも他県からの視察の方が来ていました。農家にとって、農業を行いながら電力も売ることができるという新たな副業の可能性のある事業として注目されます。今後県として積極的に普及させていくお考えはおありでしょうか。

答弁 副知事
 営農型太陽光発電設備の普及に関する御質問です。営農型太陽光発電設備は、農地に支柱を立て、その上に太陽光パネルを設置することにより、営農を継続しながら太陽光発電ができるというもので、県内では平成25年度以降18カ所において設置を許可したところでございます。農地への設備の設置に当たっては、国の通知に基づき、収穫量が2割以上減少しないこと、農産物の品質に著しい劣化が生じないこと、農作業用の機械等の効率的な利用を阻害しないことなどの基準を満たすことが必要となります。県では、設備を設置した農地においては、設置しない農地に比べて生産性が低下する懸念があることから、優良農地に設置する場合は生産性の高い農業が展開されるよう、また周辺農地に影響を与えないよう、今後とも適切に対応してまいります。

8)環境問題について ●森林行政について。
①平成24年度の千葉県の森林率は30.7%、森林組合の組合員数は1万5,203人です。しかし、実際に山に入って林業に従事している人は80人ほど、しかもほとんどが森林組合に雇用されている作業員です。保安林指定地区もふえていません。また、かつて植林されたサンブスギは、溝腐れ病が蔓延し壊滅状態で、今や皆伐するしかないと事前にお聞きしました。こうした八方塞がりの状況を打破するために、県は千葉の森林・林業についてどのような振興方針をお持ちでしょうか。

答弁 副知事
千葉の森林・林業についてどのように振興していくのかとの御質問です。本県の森林は所有規模が小さいことから森林経営費用がかさむ傾向にあり、さらに木材価格の長期にわたる低迷など、森林・林業を取り巻く状況は厳しいものと認識しております。このような状況を踏まえ、県では、昨年度策定した千葉県農林水産業振興計画において、森林・林業再生による森林機能の維持増進と災害に強い森林づくりを推進していくこととしております。具体的には、集落内での話し合いによる小規模な森林をまとめて経営する集約化の推進、高性能林業機械の導入による生産コストの低減、住宅や公共建築物等への県産木材の利用促進などにより森林機能の維持増進を図るとともに、被災した海岸保安林の再生などに重点的に取り組んでまいります。

②残土処分場や山砂採取場などの新規申請は、大方は林地開発とセットで行われます。しかし、過去3年間の林地開発にかかわる違反件数は、23年は許可24件のうち違反が9件、24年は45件のうち違反が16件、25年は許可61件のうち違反20件と、許可も違反も件数がふえ続けています。違反の指摘を受けても改善は生ぬるく、勝手に残置森林を当初から皆伐していたり、後で形ばかり植えるだけだったり、そのまま放置していたりなど、やりたい放題のところが目立ちます。 そこでお伺いをいたします。林地開発許可後の現地調査等はどのように行い、違反している場合の対応はどうしているのか。また、完了検査では、植えた苗木がきちんと活着するところまで見届けているのかどうか、お伺いをいたします。

答弁 副知事
林地開発許可後の現地調査等についての御質問でございます。県では、森林法に基づく林地開発許可について、平成22年に千葉県林地開発条例を制定し、事業者から施行状況の報告を義務づけるなど、その適正な施行を確保するための手続を定めたところでございます。具体的には、開発期間中の定期的な報告に加え、防災施設の完了時や植栽予定地の造成状況についても報告を義務づけ、必要に応じて現地調査等を実施しているところでございます。この結果、許可内容に違反している場合には中止や是正措置を命ずるとともに、悪質な場合については刑事告発を行っているところでございます。また、開発行為の完了時には全体の実施状況について再度確認を行っており、植栽した苗木の活着状況が不十分な場合には植えかえを行うよう指導しております。

③林野庁に林業・木材産業構造改革事業という事業があります。県や町の強い勧めがあって、もう大分古い話にはなりますが、2001年11月に大多喜の木材加工業者が、本人ほか4名で大多喜町へ同事業補助金を得るため要望書を提出しました。お膳立てができていたかのようにとんとん拍子に話は進んで、翌年の2002年12月16日には事業実施の交付決定がされました。しかし、そもそもこの事業は、国産木材を使う林業振興を目的としていました。だから、申請した事業者は林業を主たる業務としていなければなりません。しかし、この業者は主に外材を扱う木材加工業者で、国内産の木材を扱ってさえいません。また、書類を見ると、1つの事業体が協同組合と一般企業の2つの顔を持っています。つまり、初めから申請に値しない事業で、将来の破綻は見えていました。しかし、1億5,200万円の補助金は国からおりました。なぜこんな事業を林野庁が認めたのか、なぜ農林水産部は申請要件も満たしていない業者にこんな話を持ちかけたのか、大多喜町もまたなぜ県の言いなりに公印を押したのか、なぜ組合要件も満たしていない事業協同組合を商工労働部は組合として認めたのか。当時融資の相談に行った商工中金では、この決算書では組合の体裁をなしていない、これで融資を行えば不正融資になってしまうと断ったそうです。つまり、わからないことだらけです。さまざまないきさつの後、この事業者の土地、建物はとうに競売にかけられ、今、県は、事業実態がなくなっているのだから組合の解散同意書に判こを押せと業者に迫っています。まずは納得のいく説明を伺いたい。また、大多喜町の木材加工業者に対して今後どう対応していくのかお伺いをいたします。

答弁 副知事
 
大多喜町の木材加工業者に対して今度どう対応していくのかとの御質問でございます。事業者である協同組合は、平成14年度に国庫補助事業の採択を受けて木材加工施設の整備を行い、事業を開始したものの、事業運営の低迷により融資を受けた金融機関への返済が滞った結果、導入された施設は平成24年に金融機関からの競売の申し立てに基づいて処分されたところでございます。この結果、当該協同組合では事業活動の休止を余儀なくされたことから、県としては交付された国庫補助金等の取り扱いや今後の組合のあり方について、これまで組合関係者との協議を実施してきたところであり、今後も粘り強く話し合いを継続してまいります。 汚染土壌処分場計画、鋸南町の件について。

①鋸南町の汚染土壌処理施設計画は、そもそも業者の採石法違反を放置してきた行政の責任でもあります。35年間やりたい放題に掘り尽くし、深掘りした約47万立米の大穴をそのままにしています。これまでさんざん述べてまいりました。これまでも採石場からの汚濁水が海に流れ込み、漁師の人たちは、こうした実態を、これも地元の産業の1つだからということで我慢してきました。現地でお話を伺うと、今後、汚染土壌が運び込まれるという、この計画が進んでしまうと、風評被害も含めて養殖業も、そして漁業も成り立たなくなってしまうと痛切に訴えておられました。鋸南開発の事務局長であった前区長が、住民にも諮らず独断で確約書に区長の公印を押し、県はこの確約書を盾にとって町は了解したと判断、住民はその区長を交代させ、新しい区長はもちろん計画に反対の立場で、さきの確約書の破棄を申し出ています。そのことを知っていながら、県は前区長が判こを押した書類の正当性を主張し、業者は既に施設建設を始めました。県庁前で300人を超える町民が抗議行動を行っても知らぬ顔です。県にとって民意というのは一体何なのでしょうか。県民とは誰なのでしょうか。皆様にとっての県民、あの声は届いていないのでしょうか。

答弁 副知事
環境問題についてお答えをいたします。  まず、鋸南町における汚染土壌処理施設計画についての御質問ですが、現在、土壌汚染対策法に基づく汚染土壌処理業の許可申請に向けて施設の建設が行われているところです。同事業については、地元において反対の意見があることは承知をしておりますが、県としては、土壌汚染対策法の規定にのっとり適切に対応していきたいと考えています。なお、事業者に対しては、地元に対し丁寧に説明を行うよう指導をしてまいります。

②お伺いいたします。施設建設の現在の進捗状況はどうか。住民の反対の意思をどのように受けとめているのか。  環境問題の2点目です。土砂災害の指定危険箇所が課題となって、今議会でも取り上げられております。市原もこの箇所が大変多いということで、私どもも心配をしております。しかし、同じように南房総の地域に住む人間といたしましては、危険箇所の多さも気になりますが、かつての不法投棄や、ずさんな残土処分場で行われた、その場所での崩落や汚染物の漏出もまた大きな心配材料となっております。危険箇所のチェックはどのように行っているのでしょうか。また、現在危険だと思われているところはないのでしょうか、お答えください。

答弁  副知事
 廃棄物の不法投棄現場や残土処分場で土砂の崩落や汚染物の漏出が心配されるが、危険箇所は把握しているのか。また、現在危険と思われる箇所はないのかとの御質問です。県では、過去に不法投棄が行われた現場のうち生活環境への支障が懸念されるものについて、重点的な監視パトロールや定期的な水質調査等を実施し、状況の把握に努めており、現在のところ崩落や汚染物の漏出は確認をされていません。また、残土処分場については、県残土条例に基づき、土壌の汚染や災害の発生を防止するため必要な対応を図っています。今後とも法令に基づき地域の生活環境の保全に努めてまいります。

③浄化槽の法定検査の受検率向上について伺います。  浄化槽の設置後、第7条検査──使用開始後3カ月を経過してから5カ月の間に行う検査です──この受検率と、そして11条検査、これは年1回の定期検査を行うわけですが、ともに千葉県は全国ワーストワンです。ほとんど不動のワーストワン、たまにワーストワンからワースト2位、3位になることがあるんですが、またワーストワンに戻るという、こういうことを繰り返しております。受検率改善に向けてどんな取り組みを行っているのかお聞かせください。

答弁 副知事
 
浄化槽法の法定検査の受検率の改善に向けてどのような取り組みを行っているのかとの御質問です。県では、これまで未受検者への指導を行うとともに、法定検査の申し込みを補助金支出の要件とするなどの取り組みを進めてまいりました。また、検査制度の周知や受検者の利便性向上を図るため、県から関係団体に働きかけた結果、昨年度から新たに浄化槽の維持管理にあわせて法定検査も一括して契約できる仕組みが導入をされました。今後とも、未受検者への指導により一層取り組むとともに、関係団体とも連携しながら受検率の向上に努めてまいります。  以上で第1回の質問を終わります。

【質問】
多岐にわたる質問に皆様真摯に御答弁いただきまして、ありがとうございました。十分なところもあり、不十分なところもあり、再度質問をさせていただきます。
●まず、知事に対する質問です。今回このオスプレイのことですが、このオスプレイは国政に関することでもあり、知事はこれまでも、国のことに関することは国の専権事項ですから、我々は関知しないというような姿勢を一貫して貫いてこられましたが、今回も、たとえそれが危ないオスプレイであったとしても、例えば小笠原の父島からの救急搬送の経路、海上を通ってくるんだから、木更津港に入ってくると国が言っているわけだから問題ないというふうに考えていらっしゃるのか。また、知事御自身が、今日の防衛予算を拡充して、こうやって軍事費をどんどん乗せていく現政権の方針に、この方針に対しても同意をしていらっしゃるのかについて、知事の思いをお聞かせいただきたいと思います。

答弁 知事
オスプレイについての御質問でございますが、オスプレイの安全性については、政府は平成24年に発生した事故の検証を行い、同年9月に発表した文書の中で明らかにしております。

答弁 総合企画部長(鶴巻郁夫氏): 国の安全保障に関するお話がございました。防衛の問題につきましては国全体に関することでございますので、国政の場で議論するべきことと承知しております。

●それから、女性の管理職登用に関することですが、先ほど能力に応じて適材適所でというふうにおっしゃいました。人口の半分は女性です。そして、県庁の中にもたくさんの女性の職員がいます。日ごろヒアリング等をさせていただいても、とても優秀だというふうに感じております。こうした女性職員、男性に比べて能力がないというふうにお考えなんでしょうか。甚だ疑問でございます。そこで再度質問をさせていただきたいのは、知事、手始めにまず女性県議の会のメンバーと男女共同参画をテーマに一緒に懇談をすることについて御同意いただけませんでしょうか。まず1度率直に話し合いをしてみたいと思うのですが、いかがでございましょうか。この点についてお答えください。

答弁 総務部長
 
議員のほうから女性県議の会との懇談をしたらどうかというお話をいただきましたけども、これにつきましては御提案として受けとめさせていただきます。

●次、政策アドバイザーについてですが、2人の政策アドバイザー、1人は国に対する情報発信、国政に関する情報収集で、首都圏の連携に関すること、出張先は国の総務省、国土交通省など、こういうふうな記録が書かれているだけで、我々議員のほうは、今、政務調査費、視察や勉強に行く場合は訪問先、講師は誰だったのか、どんな勉強をしてきたのか、どうやってそれを今後県政に反映していくのかなど、詳しく報告の義務を負っております。一般職員の方も出張の場合は当然同様であろうと思います。  もう1人の方はマニフェストの政策化、政策の情報発信で、この人の場合は、いただいた資料によりますと、出張はなしというふうに報告されているんですね。ということは、庁内にいて業務をしていらっしゃることになるんだろうと思いますが、一体何をしていらっしゃるのか、やっぱりわかりません。どんな情報がこのお2人によって発信されたのか、我々は目にしておりませんので、再度もう少し詳しくお話をいただきたいと思います。

答弁 副知事
私から、まず政策アドバイザーの関係でありますけれども、政策アドバイザーからは、先ほども申しましたように、国のいろんな政策の検討状況とか方向とか、あるいは実際の状況とか、あるいはなかなか役人ではできにくいようないろんなPRですとか、そういったことにお力を発揮していただいておりまして、十分な役割を果たしていただいているものというふうに思っております。

次に、鋸南町のこと、そして今回の指定廃棄物のこと、先ほど質問させていただきましたが、私は、問題は根っこが同じであるというふうに感じております。知事は、こうした問題から、一貫して御自身が直接真摯に県民、市民と向き合って話をするということをしてこられませんでした。判断は担当課に任せて、そして担当課のお話によりますと、このことは、皆さんのお気持ちはしっかり知事に伝えますからというふうに担当課の方は言われるんですけども、本当に伝わったのかしらということが市民の方の率直な気持ちだと思います。御自身で地元住民と一切会おうとしてこられなかった。そういう意味では、この間、知事の政治姿勢は一貫しておられたと思うんですね。私たちは今回、指定廃棄物の最終処分場、では皆さんどう考えているのというふうによく聞かれます。そもそも、我が千葉県は発生元ではありません。間違いなく原発政策を推し進めてきた国と東電の責任であると思っております。発生元も東電のほうでございます。放射性廃棄物を移動させることは、いたずらに放射性廃棄物を拡散することであり、問題だと思っております。また、8,000ベクレル以下の放射性廃棄物も、安全性が担保されていない現在の管理型処分場で無制限に今後持ち込まれることは問題であると思っております。そもそも、これまで持ち込まれた放射性物質の総量がわかりません。8,000ベクレル以下だから幾らでもということで、ある場合にはフレコンバッグでそのまま持ち込まれ、ある場合はすき込まれてわけがわからなくなっております。県内各地の焼却場から出た焼却灰が県外へ持ち出されている実態もあります。その行き先はどこですかとお聞きしても、それは秘密ですと。行った先で問題になるから秘密ですということになっています。全ての問題を、脱原発の方針を我々はしっかりとまず決めた上で、性根を据えて一つ一つ丁寧に対応していかなければならないと考えております。その前提として、知事にはこの問題から逃げてほしくないんです。真っ向から取り組んでほしいと思っています。こうした思いを真摯に受けとめ、知事には知事自身の言葉で再度御答弁をいただきたいと思います。

もう1点、鋸南町の皆さん、知事から直接声を聞き、膝を交えて話し合いをしたいと再三言っておられます。せんだっても鋸南町の女性の方たちがこの県庁に来られました。そして、しつこく食い下がって、なぜ知事と会えないんですか、どうして私たちの前に出て説明してくださらないんですかと繰り返し述べておられました。こうした県民の気持ちにぜひ1度応えていただきたい。とにかく会ってお話をしてもらえませんでしょうか。再度御答弁をお願いいたします。

答弁 副知事
 
鋸南町の汚染土壌処理の施設の計画の関係ですけれども、地元の住民の皆様に反対のいろんな御意見があるということはもちろん承知をしておりますが、先ほども申しましたように、これは法律にのっとりまして適切に対処をしていきたいと、こういうふうに考えております。なお、事業者に対しては、地元に対して丁寧に説明を行うように引き続き指導をしてまいります。

●次に、医療・福祉体制のことについてお伺いをいたします。  県立病院で医師養成を目指すことについてですが、初期研修で地域医療という単位があるので受け入れるというふうにおっしゃっておられましたが、これは具体的にどこでどのようにして受け入れておられるのか、お聞かせください。

答弁 病院局長
地域医療総合診療についての御質問でございますが、地域医療の研修につきましては、循環器病センターや佐原病院で実施をしております。

もう1点ですが、地域包括ケアの推進に向けて、県立病院内で総合診療医の医師を育てるべきだというようなことが話の中で出ております。昨年12月にいただきました資料の中に、東金病院の中では内科家庭医、内分泌代謝及び透析の専門医を養成のための施設認定を受けていて、循環器病センターでその作業を引き継ぐことができるように、今後透析室の準備を進めているというようなことが書いてある資料があったんですね。循環器病センターでは現在、透析用のベッドを10床ふやしました。これは将来的に、ここで専門医養成のための施設認定を視野に入れてのことなのかどうかについてお聞かせをいただきたいと思います。

答弁 病院局長
 
透析ですとか腎臓の専門医については、県立病院の有する資源を活用して募集を行っていくということで、現在循環器病センターで募集をしているところでございます。

そして、既に先進的な自治体では総合診療医を養成するために走り出しております。危機感を抱いた自治体の中では、県立病院であるとか市立病院、民間を問わず、地域の実情を把握し、独自に方針を立てて走っております。視察に行ってまいりました広島のみつぎ総合病院、長野県の諏訪中央病院や佐久市の市立国保浅間総合病院、いずれも県の医療政策課と連携して走っておりました。それでも、あくまで千葉県は国のガイドラインが示されるまでその方向を待って、こうした医師養成、看護師養成についてはその後検討するというふうにお考えなのかどうかについて再度お答えをいただきたいと思います。多岐にわたって、答弁も一気になされましたので、再質問のほうも一気にさせていただきます。精神医療のあり方のところについてお伺いをさせていただきます。今回、Y君の事例をお話しさせていただきました。このY君の事例では、病院内の虐待、その結果死亡するという痛ましい事件があったわけですが、この事件、虐待の問題については、問題が余りに非常にセンシティブなこともあり、この場ではお話しはできないんですけれども、ほかに袖ヶ浦福祉センターの職員による虐待死亡事故という、こういう事故もあります。施設内、あるいは院内で行われている虐待の問題については、またいずれ時間があったら改めてこうした場で協議をさせていただきたいと思いますが、今回は再質問からは省かせていただきます。

以下は再質問です。よろしくお願いいたします。長期入院のことについてお伺いをいたします。先ほどの御答弁の中で、1年以上入院している人は7,218人、この方たちは入院全体の71%、そのうち20年以上入院している人は1,227人、全体の12%となっております。そして先ほどの答弁の中では、去年に比べて、ことしは若干人数が減っているというお話ではあったんですが、実は事前にお聞きしたときの話では、こうした人の減った人数の中には、その病院内で死亡した事例があったりとか、病院から特養に移られたケース等がある。こうしたケースがあるから人数が減ったのであって、実際に病院の中から積極的に外へ患者さんを出して、それで入院患者が減ったということではどうもなさそうな感じだったんですね。そこでお伺いいたします。高齢になって、そのまま病院で亡くなる人もあるという、こういう状況では余りに人生悲惨だというふうに感じます。退院後の受け皿さえあれば退院はもっと進むというふうな考えもありますけれど、実際は地域で受け皿を準備しても病院がなかなか退院をさせないから、いつまでも地域の受け皿が埋まらないという、そういうケースがあるというふうに聞いております。例えばグループホーム等に入りたいというケースの場合でも、家族からの要望のほうがほとんどだという話を聞いたこともあります。流山のあるクリニックでは、積極的に患者さんを退院させている事例があるということです。また、大きな病院でも、入院患者さんをどんどん地域で暮らせるようにと支援している病院も実際に千葉県内にもあります。こうした方向を踏まえて、ぜひ退院促進を県としても支援をしていただきたいと思うのですが、再度お考えをお聞かせください。

答弁 副知事
 
長期入院の関係であります。退院促進に向けて県の今後の取り組みはどうか、どのように考えるかというふうな御質問でありますけれども、この問題に関しましては、例えば御本人の意欲の喚起ですとか、あるいは移行後の生活準備の支援ですとか、グループホームの整備ですとか、いろんなことが必要になってまいります。県といたしましては、今後ともこういったことが促進されるように引き続き取り組みを続けてまいります。

●次に、ワクチンの件です。ワクチンの被害を受けて、そして再審査を求めていらっしゃる事例についてお話をいたしました。そのときに、ワクチン被害の再審査を求める資料の中に以下のような内容の意見書が別添で添えられておりました。書式等の形式的な審査に終わらず、県民である一家族の生涯にわたる困難に手を差し伸べてほしい。そのために、予防接種行政や被害者の居住地とも関係のない医師や弁護士、研究者等を参考人として、鑑定意見を求めた上で裁決に臨んでほしい。その人選には審査請求人の声を反映してほしい、そういうような意見書が添えられていたと思いますが、この意見書について当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。また、既に新潟県では県独自に再調査をいたしまして、国の審査結果を覆した事例もありました。高知県でも県民の声を重く受けとめて真摯な審査を行っております。新潟県や、そして高知県のこうした手法を学んで、千葉県でもぜひ専門家を交えた審査を今後行っていただきたいと思うのですが、お考えをお聞かせください。それから、小児リハの関係のところで少しお話をさせていただきます。母子入園の場合には、就学前に8週間にわたり一緒にさまざまな学びをする。そのときに親子7組が一緒に生活をするというように事前の資料でいただいておりました。しかし、それで果たして十分なんでしょうか。母子入園以外のケースの場合には、年1回保護者会をやって、あとは児童発達支援センターで対応していると。そこで保護者に対しては年四、五回の講義があると。これで本当に十分だとお考えなんでしょうか。本当に保護者が十分なスキルを身につけられるというふうにお考えなのでしょうか。病院と、そしてまた県リハのスタッフは手が足りず、月1回とか週1回とかしか対応ができないのだとすれば、その足りないところを保護者の方がやはり対応していかなきゃならないので、もっともっと保護者のスキルを上げるための支援が必要だと思うのですが、こうしたことを検討する方針がおありかどうかをぜひお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

答弁 健康福祉部長
 
私からは小児リハの指導体制、特に保護者に関しての理解促進のための体制が不十分ではないかというお話で御質問がまず1問ございます。今、千葉リハビリテーションセンターにおきましては、理学療法士や作業療法士の専門職を増員しまして、本年度からは保護者が参加しやすい土曜日においても小児に対するリハを開始するなどして体制を拡充してきております。今後も保護者の御意見を伺いながら、その体制拡充に向けて検討させてください。

障害者差別解消法に基づく施策について重ねてお伺いをいたします。昨年の代表質問でも、私は女性に対する複合差別禁止について同趣旨の質問をさせていただきました。差別の実態をまず把握することが大切である。目が見えない、そして知的障害がある、耳が聞こえないなどのハンディに加えて、女性であるということ、そのため性的被害に遭いやすいという実態があります。こうしたことをしっかりと調査してほしいと。それは、私は2年前の代表質問で強く要望いたしました。そして、その後このことはどうなったんだろうと思っております。ただそのとき1回質問して、皆さんのほうは、やれやれ、議会質問が終わった、議会が終わったということで聞き流されたのか、その後しっかりと調査をされたのか。そうした実態調査をぜひ認識した上での今回の障害者差別解消地域協議会、この協議会が持たれることを心から願っておりますけれども、果たしてこの複合差別による実態ということを調査されたかどうかについてお聞かせをいただきたいと思います。

答弁 健康福祉部長
女性であることなどの複合差別、障害者差別の問題でございますけども、実態調査をしているかという御質問につきまして、実態調査は実施しておりません。しかしながら、平成24年10月からの虐待防止法施行後の通報体制を十分に整備いたしまして、虐待の防止に努めているところでございます。

エネルギー政策ですが、これについて答弁は要りませんけれども、私たちはエネルギー基本計画をつくってほしいと。これはいつも言っておりますけれども、基本計画をつくる。基本計画はないけれども、再生可能エネルギー、太陽光発電は順調に進んでいるというふうにおっしゃいますが、成り行きに任せて進んでいるということと、しっかりと計画目標をつくって、それを目指して政策として進めていくというのは話が違うはずなんですね。ですから、計画をつくってほしいというふうに再三お願いをしております。計画を今後もつくる気持ちがないのかどうか、もう一度お答えをいただきたいと思います。

答弁 環境生活部長
私からはエネルギー関係で再生可能エネルギーについてお答えをいたします。 再生可能エネルギー基本計画を策定するつもりはないのかというお尋ねでございますけれども、再生可能エネルギーの導入につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、平成24年3月に策定いたしました推進方策に基づき取り組んでいるところでございまして、今後も引き続きこの施策に基づき導入促進に取り組んでまいります。なお、目標の設定につきましては、これを念頭に置きながら事業の推進を図ってまいりたいと考えてございます。

もう1つは、関連してソーラーシェアリングのところです。先ほどのお話の中では、優良農地に設置する場合には、作物の収量が下がらないようにというようなところをちゃんと見ていきたいというお話だったんですが、そういうふうにネガティブな形で、問題がないかどうかをチェックするということをやっていくというような見解ではなくて、これは副業として農家にとっても朗報であるはずなんですね。ですから、農業生産と、そしてこのソーラーシェアリングの手法とを同時にやっていくように、積極推進する気持ちがあるかないかをお聞きしたわけです。前回ヒアリングの段階で実はこれをお聞きしたときには、我々がしようとしているのは農地の集積であって、決して副業の推進をしようとしているわけではないから、このことについては積極的に取り組むつもりはないというようなお言葉だったんですけど、本気でそんなことを考えていらっしゃるのかどうかについてもう一度お伺いをしたいと思います。

答弁 農林水産部長
 
営農型太陽光発電設備について積極的に普及する考えはないかとの御質問でございますが、先ほど答弁で申し上げましたとおり、営農型太陽光発電設備につきましては、一方で生産性の低下の懸念とか、あるいは周辺農地への影響等課題があるわけでございます。集落農業全体を成長産業として、また地場産業としてしっかりと成長させていくためには、ある面で秩序立った農地利用と秩序ある営農形態を進めていく必要があるというふうに考えておりまして、そういう面では、個々の事例に応じまして適切にこの発電設備の設置を指導してまいりたいと思っております。なお、この太陽光発電設備の設置を希望する農家に対しましては、先行して実施している事例の紹介ですとか、あるいは手続、あるいは許可条件について丁寧な説明をしているところでございます。

【質問】
自分でも何を質問したのかわからないほど多岐にわたる質問をいたしまして、皆様適切に答えていただき、ありがとうございます。再々質問をさせていただきます。  最後のところから参ります。提案として受けとめていきたい。提案として受けとめるということは、やるということなのか、やらないということなのか、単に検討して、はい、さようならということなのかどうかについて、前向きな検討なのでしょうか。やるおつもりがあるかどうかについて、よろしくお願いをいたしたいと思います。曖昧なことでは子供の使いになりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。

答弁 総務部長
女性県議の会との懇談会につきましては、御提案として受けとめさせていただきます。

それから、先ほどの農地のソーラーシェアリングの関係ですが、周辺農地への影響という話があったんですが、これは残土問題で周辺農地に影響のあるような変なものを入れるとかなんとかいう話じゃなくて、畑の上に支柱を立てまして、その上でソーラーシェアリングのパネルを載せていくというだけですから、周辺農地に対して、やっていない人のところに迷惑をかけるという話では全くないんですね。なぜそんなことを今持ち出されるのかがわかりません。農家全体の収入が上がるということも大切な農業政策の1つだと思うんですね。そういうことで農業が続けていけるようになる可能性もあることなので、こうした方法、可能性がある手法ならば、ぜひ前向きに検討していただきたいというふうにお願いをしているわけです。ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。それから、ワクチンの件ですが、ワクチンの問題、適切に法にのっとって、全国的なベースにのっとって、手法でやっているというお話なのですが、再審査、この審査に当たりましては、国のほうの審査の内容の中でも、ワクチンとの因果関係が全くないかというと、全部否定するのも難しいかなと思うと、そういうような見解が既に述べられているんですね。その審査結果を不服として、県民のお1人の方がもう一度申し出ているのだから、そのことをその関係者以外の方々で今度力を合わせて、別な見解からぜひ検討していただきたいというふうに申し述べているわけです。こういうことについて新潟県ではやっているというふうに先ほどお話をいたしました。そういう手法をぜひ千葉県でも取り入れていただきたい。真摯な思いを受けとめていただきたい。自分のお子さんだったら、自分の家族だったらという気持ちでぜひこうした訴えを聞いていただき、制度を改善していただきたいというふうに強く要望させていただきます。袖ヶ浦福祉センターの今後のことについてですけれども、実はこの問題は非常に古い話になります。平成16年、社会福祉事業団の運営方針や委託料が大幅に見直されて、そしてそのときに幾つもの施設の解体、スタッフの解雇などが行われました。この議会の中でもさんざん議論されました。お隣にいらっしゃいます丸山議員もさんざんお話をなさり、私も別な観点から話をするなど議論したことを強く覚えております。そして、その当時の資料を見ますと、地域移行を目指してから移行した人が──当時の資料です。その後の数字はわかりません──61人いました。多くはグループホームその他の施設に移っています。結果的にかなり重度の方々が今も施設に残ったことになっております。当時の説明では、今後はなかなか他の施設に移ることが難しくなるでしょうというお話でした。それなのに、果たして強度行動障害の方々にほかの施設に移ってもらうことが今後本当に可能なのだろうか、そこに保護者の方々が強い不安を持っていらっしゃるわけです。本当にそのことをやり遂げるのか、そして保護者に、そして入所者の方々に今後つらい思いをさせずにそのことがなし遂げられるのかどうかについて、よほどの覚悟がないと言えない話しですね。単に壁を取っ払ったからとか、壁の塗りかえをするとか、そういう話ではないのです。ですから、ぜひ、そういうびほう策ではなくて、具体的な安心を保護者の方に与えていただきたいと思いますので、もし再度御答弁をいただけたらよろしくお願いしたいと思います。

答弁 健康福祉部長
 
袖ヶ浦福祉センターの平成16年の地域移行の問題、今回の最終報告でも触れられておりますけれども、どういうふうな真剣度で対応するのかということでございますけれども、最終報告は真剣に受けとめて、29年度までの期間内で一生懸命やっていきたいと思います。なお、その際、保護者への丁寧な説明と十分な理解を得て進めていきたいと思っております。

時間がなくなってしまいました。先ほど複合差別についてお話をさせていただきました。前回もお話をいたしましたが、全国初の障害女性の複合差別禁止条例が京都でできたということについて、京都は複合差別に関する視点をこの条例の中に入れました。多くの障害女性が性的暴力を経験し、女だから働かなくても養ってもらえるだろう、無理して働かなくてもいいと言われた人も多く、経済的な自立を阻まれ、そしてそのため、家族から性的な暴力を受けながらも経済的な理由から黙って耐えているしかないという人もいる。障害であるがゆえの差別の上に女性差別が加わって、その多くが性的なものであるために訴えにくい。勇気を奮って訴えても否定や排除という2次被害を受け、さらに傷つくことが少なくないという、こういうお話について前回も訴えさせていただきました。ぜひ現状を調査していただきたい。そして、こうした訴えを持つ方々をこの協議会のメンバーに加えていただきたい。そして、本気でこの差別解消に向けて千葉県も取り組んでいただきたい。千葉県が障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例をつくっているということで、モデル県として今国から指定を受けているんだろうと思いますので、ぜひその思いを重く受けて、国の思いも受けとめていただいて対応をとっていただきたいというふうに強く要望させていただきます。  時間がもう秒読みになりました。森林行政について最後に1点だけ──33秒ございます──伺います。先ほど林地開発の件に関しまして、必要に応じて中止、是正、刑事告発等を行っているというふうにおっしゃいましたが、向こう3年間の中で、この中止、是正、刑事告発等を行っているケースは何件あったのでしょうか。そのことについて最後に1点伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

答弁 農林水産部長
 林地開発許可処分についての御質問でございますが、過去3年間におきましては、違反行為に対する指導は45件ございまして、このうち告発事例は1件でございます。