令和2年度 第2回市原市議会定例会 代表質問:森山かおる

代表質問:森山かおる

1.新型コロナウィルス感染症について

1)新型コロナウィルス感染症等対策本部会議等と広報のあり方について

中国武漢で発生した新型コロナウィルス感染症は、瞬く間に世界中に広がりました。

4月7日国内の感染拡大により千葉県を含む7都府県に緊急事態宣言が発出され、同月16日には対象地域は全国に拡大。千葉県における緊急事態宣言は5月25日にようやく解除になりましたが、市民生活や経済に大きな打撃を与えたことは言うまでもありません。

このような中、市においては2月13日に第1回新型コロナウィルス感染症対策会議を開催し、その後、新型コロナウィルス感染症対策本部、4月8日には特措法に基づく新型インフルエンザ等対策本部へ移行し、5月末までに10回の会議を重ねています。

感染拡大を抑制し市民の生命を守る、市民生活及び市民経済への影響をできる限り抑えることを基本方針として、様々な検討が行われてきたことと思いますが、市民はその内容や過程を知ることができません。

そこで伺います。市民が新型コロナに不安を抱いている中、その軽減につなげるためにも、各会議でどのような課題があって話し合っているのかを公表することが必要だと思いますが、どのように対応されたのでしょうか。

(保健福祉部長 答弁)

新型コロナウイルス感染症対策本部会議について、お答えいたします。

本市における新型コロナウイルス感染症への対策を検討する対策本部会議等につきましては、2月13日から5月26日までの間に、計10回の会議を開催し、感染者の発生状況や国・県・近隣市の動向等の情報の共有を行うとともに、必要な対策を決定してまいりました。

また、対策本部会議等で決定した対策につきましては、情報配信メールやホームページ、広報紙等を活用し、市民の皆様、事業者の皆様へお知らせしてきたところです。

ご指摘いただきました、会議の記録の公表につきましては、現在、開催ごとに、決定した事項のみを簡素にまとめ、ホームページに掲載しているところです。

対策の実施に係る記録や公表の取扱いにつきましては、国、千葉県、本市のそれぞれの新型インフルエンザ等対策行動計画において、同様の定めをしておりますことから、今後、国・県の公表内容を参考として、必要な見直しを図り、過去の分を含めてホームページで公表してまいります。

市民からは「制度の説明や結果だけでなく、市の考え方を示してほしい」という声を伺っています。市の方向性を示すことが市民の不安を取り除く一歩となることから、是非、公表をお願いします。

行動計画には、市民への情報提供のため、市ホームページ、広報いちはらやマスメディア等の複数の媒体を用いて、理解しやすい内容で、できる限り迅速に情報提供を行うとされています。これについては積極的に発信してもらっていると感じています。

特に5月15日発行の「広報いちはら」では、国県市からバラバラに発信されてきた支援制度が一覧表にまとめられ、とても見やすいと好評でした。市民にとって最も信頼できる情報源は、市の広報に他ありません。しかし支援制度は次々増える中、断片的に公表される最新情報を網羅するのは至難の業です。

支援制度一覧表の改定版を出すなど、市民に分かりやすく知らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(保健福祉部長 答弁)

広報について、お答えいたします。

5月25日の緊急事態宣言の解除を受け、現在、「新しい生活様式」を実践し、感染拡大の防止に取り組みながら、社会経済の活動レベルを段階的に引き上げていくことが求められております。

本市におきましても、長期にわたる外出自粛要請や休業により、市民生活や地域経済は大きな影響を受けており、引き続き、市民の皆様や事業者の皆様へ、情報提供や必要な支援を行っていく必要があると考えております。

この支援等の情報につきましては、より分かりやすく市民の皆様に伝わることが大変重要でありますことから、ご提案いただきました支援制度一覧の改訂版の発行の検討を含め、最新の情報が確実に伝わるよう、引き続き、情報発信を工夫してまいります。

市の広報は「伝える」から「伝わる」に転換してきました。市民が知りたがっている情報にアンテナを立てて、発信していただきたいと思います。広報は検索のしやすさも重要なポイントとして取り組んでいただくようお願いします。

2)財政対策について

①市税への影響

千葉県に緊急事態宣言が発出されてから、不要不急の外出や経済活動の自粛が求められてきました。5月25日にようやく解除されましたが、経済活動が回復するまでの道のりはまだ遠いと思います。

このような中、市社協には3月末から減収による相談が増え始め、4月以降は解雇の相談へと変化し、緊急小口貸付金の申請は5月29日現在で424件と伺っています。ちなみにリーマンショックの時は約500件でした。

生活相談サポートセンターの相談件数も、この2カ月間で前年度1年分の件数を上回る勢いです。

そこで新型コロナウィルス感染症による市税への影響について伺います。

今年度の予算審査時においては、税収の影響は限定的なものとのお考えでしたが、当時の想定より深刻な状況になっているのではないでしょうか。

現時点で把握されている減収や休業・解雇等の相談状況などから推測して、今後の市税への影響について、どのように見込んでおられるのでしょうか。リーマンショック時と比較して状況を伺います。

(財政部長 答弁)

今後の市税への影響について、お答えをいたします。

市税のうち、主なものといたしまして、個人市民税につきましては、前年の1月から12月までの1年間の所得等に対する課税でありまして、また、法人市民税につきましては、各事業者の直近1年間の決算に対する課税となります。

また、固定資産税につきましては、土地・家屋・償却資産に対する課税であり、景気の影響を受けにくい税となってございます。

これらのことから、本年度の市税につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はさほど無く、納税猶予の増加といった懸念はございますけれども、現時点におきましては、当初予算額は概ね確保できるものと見込んでおります。

しかしながら、リーマンショックの際には、翌年度以降、法人市民税が特に大きく落ち込みました。

現在、法人市民税は、当時から税率の引き下げなどでリーマンショックの時に比べ税額は半額程度にまで減少し、市税全体に占める割合も減少しているものではございますが、令和3年度以降の減収は、これは避けられないものと考えております。

特に、本市の基幹産業であり税収の要であります石油化学関連の企業については、世界を市場に事業を展開し、原油価格あるいは為替相場の変動が税収に直接反映されることから、今回の新型コロナウイルス感染症による世界経済の停滞の状況を踏まえますと、本市税収は、これまでにない極めて不透明な状況にあるものと捉えております。

②財源の確保策について

リーマンショックの翌年H21年度決算では市税が27億5千万円減少、2年間で59.4億円の減収が生じました。片や扶助費は2年間で9.3億円の増額です。

当時の財政への影響は相当なものであったと思いますが、今はこれに加えて公共資産マネジメントの費用も重くのしかかり、長期財政計画は相当な見直しが必要になることは想像に難くありません。

千葉県財務事業所の県内法人企業景気予測調査では2004年の調査開始以来、最大の下げ幅を記録、リーマンショック後に次ぐワースト2位の低水準との発表をしました。更に経済活動が徐々に再開しているがコロナが収まったわけではなく、今が底かどうかの判断は難しいとの事です。そうなると更に深刻になる来年度以降に備えて今から慎重に手を打たなければなりません。

今年度の予算審査時では、事業の執行留保などの措置は考えていないとのことでしたが、状況は大きく変化しています。4月末に市民ネットワークが提出した緊急要望書に対して急を要さない事業の先送りも含めて財源の確保策を講じていくとのご回答でした。

そこでお伺いいたします。

更に厳しくなる来年度以降を見通して、事業の先送り、加えて凍結といった大胆な見直しも必要だと考えます。その際、優先順位を客観的に判断できるための基準を設けることも考えられますが、どのように行っていくのでしょうか、見解を伺いいたします。

(財政部長 答弁)

財源の確保策について、お答えをいたします。

新型コロナウイルス感染症により、本市の財政も様々な影響を受けておりますが、目指す都市像の実現に向けて、真に必要な事業を着実に実施していくこと、このためには、歳出抑制に加え、財源の確保は極めて重要と考えてございます。

まず、財源の確保に当たりましては、国や県の補助金など特定財源の確保はもちろんのこと、広告料や寄附金などを含め、あらゆる歳入の獲得に積極的に取り組むほか、財政調整基金を始めとする各基金の活用も図ってまいります。

また、財政運営に当たりましては、国の財政措置を含めました、地方財政計画の動向にも十分注視してまいります。

こうした中で、ご質問の、事業の先送りや凍結でありますけれども、これは時期を捉えた真に効果的な事業の創設とも合わせ、本市が推進するビルド・アンド・スクラップの取組であると考えております。

そこで、計画・予算・改革が一体的に連動したトータルシステムの中で、施策評価などにより事業効果を判断し、事業を選択することで、事業の見直しを含むビルド・アンド・スクラップを推進してまいります。

今年度は、市のまちづくりの飛躍に向けて極めて重要な年とされており、これまで以上に人口減少対策に力点を置き、まちのイメージを変えていく事業が目白押しです。これらの取組みが市の魅力や活性化につながるという期待はあるものの、この一、二年はコロナ禍の弱者救済を最優先課題として取り組んでいただきたいと思います。そのような市の姿勢こそ、恩恵を受ける、受けないに関わらず、ここに住んでいて良かったと実感できる市の魅力につながるものと思っています。

次に、財源の確保策として、思い切った事業の見直しも考えていただきたいと思います。そこで具体的に事業をあげて伺います。

市民ネットワークはこれまで、庁舎の整備方針について幾度も議会で申し上げてまいりました。

財源確保が不明確であったこと、現有施設の活用検討がされなかったこと、また庁舎強靭化対策委員会からも意見があったICTの活用、リスク分散の面から、市民にとって庁舎より近い地域の公共施設の機能強化などを求めてまいりました。

今まさに新型コロナで明らかになったのもICTの活用による非対面サービスの必要性、集中より分散というリスク回避であります。

今後求められるのは、ニューノーマル(コロナ前とは違う日常の概念)という視点であり、これにより行政サービスのあり方や施設整備についても今までの常識を変えて考えていかなければなりません。

そこで、庁舎の建替えについては、多額な費用を要する事業だけに財政に与える影響が大きいことから、財源確保の面からも一旦凍結し、ニューノーマルの視点も踏まえて再検討すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

(財政部長 答弁)

財源確保のうち、今、おっしゃられました庁舎の件について、お答えいたします。

 庁舎強靭化対策事業は、庁舎の老朽化の進行や、第2庁舎が抱える耐震性能不足の課題に対し、安心・安全な市民サービスの継続性を確保するため、抜本的な対策を図ろうとするものでございます。

この取組にあたりましては、幅広い視点から比較検証を行い、今年3月に決定いたしました「庁舎等の将来的な整備方針」において、可能な限り早期に、既存庁舎を建替える方向性をお示ししたところでございます。

一方、このたびの新型コロナウイルス感染症による社会経済情勢や市民の行動様式の変容を受け、市民サービスや職員の働き方についても、新たなニーズに柔軟に対応できる環境を整えていく必要があるものと認識しております。

これらのことから、今後進めてまいります「庁舎等整備基本計画」の策定の取組におきまして、新たな社会変化を見据えた中で、庁舎等整備の質と量の最適化はもとより、効果的な整備手法や財源確保策等を検討してまいります。

このまま方針は変えず、今後ニューノーマルの視点で取り組むという事でしたが、集約していくことの危険性がコロナで明らかになっております。

その意味では、八幡宿駅西口公共施設再配置基本計画も同じです。6施設を集約することで感染リスクは高まります。今までの常識や価値観を超えて、今、計画の見直しをしても遅くはないと思っています。先日、二田口議員からも、こうしたことが二重投資にならないか、既存施設の活用も十分図って考えていただきたいという旨の発言もございました。こうした意見が議会の中で複数の会派から上がっていることも踏まえて、今後、充分な検討をされるようお願いします。

3)障がい児・者の福祉サービスのあり方について

①利用者への影響について

3月29日、県内の障がい者支援施設で感染クラスターが発生しました。これにより障害児者が利用する福祉施設においては、感染経路を遮断するため、入所者と通所・短期入所者の接触を防ぐようスペースを分けた支援の徹底、感染拡大防止の観点からサービス提供の縮小を求められました。

これまでインフルエンザ等の感染症予防に努め、ここ数年施設内での発症者がゼロという所もありますが、その施設でさえ利用制限に踏み切らざるを得なかった程、影響は大きいのです。

利用者は施設からの要請による利用自粛、通所利用日の制限、短期入所は不可という状況から、在宅生活を余儀なくされたケースもあります。

そこでお伺いいたします。施設利用ができなかった人はどれくらいいるのでしょうか。また、施設利用ができない場合、代替えサービス(在宅支援)の確保・調整等の対応に努めることが市には求められていますが、利用状況についても併せてお伺いいたします。

(保健福祉部長 答弁)

利用者への影響について、お答えいたします。

市では、障がいに関する総合的・専門的な相談窓口として、障がい者支援課に「基幹相談支援センター」を、また、市内3か所にサテライト相談支援センターを設置し、障がい児・者やその家族が気軽に相談できる体制を整備しております。

この相談支援センターに寄せられた相談のうち、「新型コロナウイルスの影響により、障がい福祉サービスの利用ができず困っている」というご相談は、これまで1件でありました。

また、感染拡大防止対策のため、施設や事業所が休業やサービスの提供を縮小した場合に、施設等の職員が障がい児・者の自宅への訪問や電話等により、健康管理や相談支援等のできる限りの支援を行う「代替サービス」につきましては、利用者の意向を確認したうえで、市と事業者が協議し、必要な支援が提供されるよう調整を図っております。

この利用状況につきましては、6月19日時点で、各事業所から提出されている届出の4月分で申し上げますと、延べ333名が利用されている状況でございます。

国は簡単に代替えサービスの確保というが、根本的に介護現場の状況を理解していないように思えます。在宅支援として家庭に訪問すると言っても、施設レベルの感染防止対策を行っている家庭は殆どありません。感染経路の遮断を厳しく求められている施設にとって、職員を在宅支援に派遣すれば、その職員は施設に入る事もできず、休業でもしない限りやれるものではありません。しかもヘルパーを派遣する居宅介護事業所は慢性的な人材不足で対応しきれません。そのために代替えサービスの提案は非常に困難だったはずです。

しかも利用者は代替えサービスについて知らされておらず、自ら申し出る人は殆どいなかったのではないでしょうか。支援してほしくても「今は我慢の時期、自分さえ頑張れば」と思っている家族が多いのが現状です。

緊急事態宣言が解除されても尚、感染拡大予防の観点から、密を防ぐこと、入所者と通所・短期入所者とのスペースを分けた支援の徹底が求められ、利用制限の全面解除に踏み切れない施設もあります。長期化する利用制限によって家族が疲弊している状況を、市はどのように把握されているのでしょうか。

(保健福祉部長 答弁)

状況の把握について、お答えいたします。

 緊急事態宣言の解除後も、福祉施設等におきましては、引き続き、感染症対策を徹底することが強く求められております。

この感染症対策として、施設等におけるサービス利用が制限される場合には、利用者とご家族の方への負担が増すこととなります。

このような状況の把握につきましては、市では、医療的ケアが必要な方へのエタノール消毒液などの感染防止物品の配付と新型コロナウイルス感染症による影響を把握することを目的に、直接、ご自宅を訪問するとともに、主な相談支援事業所やサービス提供事業所に、電話による調査を実施し、利用者とサービス提供者の双方からご意見を伺ってまいりました。

今後も、サービス利用に深く関わっている相談支援事業所等との連携を強化し、状況把握に努めてまいります。

環境の変化に対応しにくい障がい児者にとっては、生活パターンが崩れることで自傷行為やパニックが増え、家族の負担も大きいのではないでしょうか。親が高齢の場合は共倒れになり兼ねません。

これは実際の話し、親より体が大きい成人した子どもを起こして着替えさせる、朝食を準備して食べさせる、1時間後には水分補給、オムツ交換、その度に車椅子に乗せたり降ろし、そのうち昼食の時間がきての繰り返しです。1日中子どもの世話に追われ、老夫婦二人がかりで入浴させていたが、もう体力は限界だとのこと。福祉サービスは障がい児者とその家族にとって、まさにライフラインなのです。アンケートをとるなどして、状況を把握し今後の対策につなげていただくようお願いします。

②今後の対策について

家族の疲弊状況を一番良く分かっているのは施設職員です。それだけ介護現場は重労働だからではないでしょうか。

一人でも多くの利用者を一日でも早く受け入れたいと思いつつも、ひとたび感染者がでればクラスター発生が起こる可能性もあり、利用制限を緩めていく為のロードマップ作りに苦悩しています。

そもそも介護現場では、排泄のケア、食事介助、パニックや自傷行為を止めるためには抱きしめることもあり、フィジカルディスタンスをとることは不可能です。「密」を防げといわれたら介護は成り立ちません。

また、感染防止のためにマスク、消毒液、手袋、ゴーグル、ガウン等の確保をするよう施設は求められていますが(4月1日県から)この当時は医療機関でさえこれらの物品確保が困難な状況でした。しかもガウンは未だに市場では手配できません。これを施設に自前で用意しろというのも無理な話しです。介護現場は取りこぼされているとしか言いようがありません。思い余った県内237の社会福祉法人は今月1日に、職員のPCR検査の優先、物資の支給、感染者が出た場合の人的支援などを盛り込んだ要望書を県に提出しました。

福祉施設の所管は県ですが、利用者は市原市民です。

第2波、第3波に備えて、また今後新たな感染症が猛威を振るうことも想定して、今回の検証から学んだ課題をどう先につなげていくのかを市としても考えていただきたいと思っています。

そこで、お伺いします。

利用制限に至った主な理由は「密」を防ぐこと、そして入所者と通所者及び短期入所者のスペースを分けることにありました。

その改善策を考えるために施設事業所を集め各々の活用できる機能(ハコモノ・人材)を使って、いかにして利用者を受け入れられるかを現場レベルで話し合う場を持ってはどうでしょうか。その際、公共施設を使うことも視野に入れ、人材を集約して対応することも考えられます。

このように、今後利用制限を長期化させないために、市がイニシアチブをとって検討していただきたいが、いかがでしょうか。

(保健福祉部長 答弁)

今後の対策について、お答えいたします。

市では、今回の新型コロナウイルス感染症対策の一つとして、在宅の障がい児・者のご家族が、新型コロナウイルスに感染し入院等をされ、障がい児・者が取り残され、さらには濃厚接触が疑われる状況を想定し、ご家族が入院等された場合においても、障がい児・者が安心して生活できる支援体制の整備を進めております。

この事業の実施にあたりましては、濃厚接触等の状況を十分に理解していただけるサービス提供者の確保が必要となりますことから、現在、本事業の趣旨をご理解いただいた福祉事業所と協議を進めております。

今回、ご提案いただきました、感染症の影響によりサービスを提供する施設等の利用ができない場合に、公共施設等において、利用者を受け入れる事業等につきましては、今後、場所の確保、サービス提供者の確保等を含め、事業者の皆様からご意見を伺い、検討してまいります。

1事業所では無理なこともできるのではないでしょうか。とにかく現場の声を聞いて、市が一緒になって考えてほしいです。決してお金だけで解決できる問題ではなく、行政のハートによるところが大きいと感じています。

医療的ケア児者に配布された手指消毒液やマスク等は、職員が1件1件家庭に連絡し届けてくれたことに感謝する声が私にも届いています。また、保護者が新型コロナウィルスに感染し入院した場合、自宅に残された障がい児者をサポートする事業も設けていただき、保護者は心強く感じています。

社会的弱者に目を向け支える、そんな行政のハートに期待したいと思っておりますので、是非、よろしくお願いします。

4)生活保護への影響について

①申請数の状況について

リーマンショックが起きた2008年(H20 )9月の生活保護受給者は約158万人でしたが1年後には約175万人。その後も厳しい雇用情勢が続き200万人を突破しました。

当時は派遣労働者が中心でしたが、今回のコロナでは、より幅広い層に影響がでる恐れがあると推測されています。

まず、市原市における新規申請数について、前年度との比較はどうか、伺います。

(保健福祉部長 答弁)

生活保護の申請数の状況について、お答えいたします。

 5月下旬の報道によりますと、「特定警戒都道府県」に指定されていた13都道府県の主な自治体では、4月の生活保護の申請件数が、前年同月比2割から5割増加となっており、休業要請などに伴う暮らしへの深刻な影響が出始めているとの内容でありました。

本市における本年3月から5月までの3か月間の生活保護の申請数は、144件でありました。

また、昨年の同期間の申請数は125件であり、約15%の増加となっております。

いまのところ、市では大きな影響はでていないという事ですね。

しかし、4月の雇用統計では休業者が過去最高まで急増しました。公的支援や預貯金で今はしのげていても、今後申請が急増するとの予測もあります。

②要件緩和に関する周知について

そこで厚労省は4月7日付けの事務連絡で、一時的な収入の減により保護が必要となる場合の取扱いについて、生活保護の要件を緩和しています。

大きく2点。通勤用自動車の保有が認められること、自営に必要な店舗、機械器具等の資産の取扱いについても、通勤用自動車の取扱いと同様に保有が認められることです。

これらは緊急事態宣言解除後も適用されることになっています。

しかし、このような情報を知らず、車や店舗などの資産を処分しなければならないと思い込んでいる方が多いのではないでしょうか。ひとたび手放してしまったら、自立への道が困難になってしまうことも考えられます。

そこで、生活保護の要件緩和について、中小企業・個人事業主、生活困窮相者の相談窓口である商工会議所、市社協や生活相談サポートセンター等と連携し、相談者に予め周知していただきたいが、見解をお伺いします。

(保健福祉部長 答弁)

生活保護の要件緩和に関する周知について、お答えいたします。

ただいま議員からご紹介がありましたように、国は4月7日に、生活保護の要件の緩和を地方自治体に通知したところです。

 生活保護業務における相談は、随時、関係機関と連携しながら対応しているところであります。

 今回の要件緩和の情報につきましても、生活困窮者の相談窓口となっております、いちはら生活相談サポートセンターと共有を図り、相談者に説明を行っているところであります。

 生活保護の要件等につきましては、各相談機関や相談者にとって、大変重要な情報でありますことから、今後も、関係する様々な相談機関と情報の共有を図ってまいります。

是非、そこは強化していただきたいと思います。

日本では生活保護の受給要件を満たしているのに、実際に受給している人は2割程度との指摘もございます。ちなみにドイツ6.5割、フランス9.2割、イギリス9割、その差は歴然です。

日本人が生活保護に対して恥ずかしいとの意識が強いためです。

コロナを乗り越えるために、一時身を置けるセーフティーネットとして生活保護が認識されるよう、市でも取り組んでいただくようお願いします。