市民ネット会派から提出した「新型コロナウィルス感染症への対策に関する緊急要望書」について、市から回答を頂きましたので、お知らせいたします。
※青字が市からの回答

1)医療機関に対する支援策について
いま市内の医療機関では、マスクやサージカルガウン等の不足が深刻な状況にある。
例えば大阪府が急きょ合羽を調達したように、市が医師会や各医療機関と連携を密にし、必要に応じて市民や事業者に提供を呼び掛けるなど、積極的に関わること。
また、今後感染が拡大するにつれて、発熱の患者を診察できない地域の診療所が増え、特定の病院に患者が集中することで医療崩壊につながる恐れがある。発熱者外来の設置については、市医師会の要望を充分に聞き、設置場所や資金面など必要な支援を迅速に行うこと。更に市民への感染予防の知識や受診の配慮などの啓発を徹底すること。

医療現場における医療物資の不足が問題となっておりますが、市原市においても物資の調達に努めております。購入したマスクやご寄附をいただいたマスク・防護服については、医療施設や各福祉施設に配布しております。
本市といたしましては、今後も、マスクや防護服(代替品となる雨合羽など)などの提供を、市民や事業者等に広報紙やSNSを活用し、継続して広く協力をお願いしてまいります。
本市においても感染拡大の状況によっては、医療崩壊に繋がることも懸念されることから、感染症に係る医療体制について保健所や市医師会と連携してまいります。また、市民の皆様には、引き続き感染症予防などの情報の周知・啓発に努めてまいります。

2)放課後児童クラブへの支援について
放課後児童クラブは、休校に伴い、通常の放課後のみの預かりから、早朝からの預かりに変更を強いられている。受託団体は、感染のリスクを抱えながら、指導員のシフト変更や増員の調整、マスクや消毒液などの備品調達に苦慮しながら運営している。
受託団体の状況の把握に努め、指導員の確保、備品の支給、委託費の上乗せ等、必要に応じて十分な支援を行うこと。

受託団体との連絡を密にし、現場への人的物的な支援、開設時間の変更に係る委託契約の内容の見直し等について、対応してまいります。

3)高齢者や障がい者への在宅支援について
国は、社会福祉施設等(入所施設・居住系サービスを除く)における感染拡大防止のための留意点として、必要となる代替サービスの確保・調整等、利用者支援の観点で必要な対応に努めることを市にも求めている。従って、福祉施設等における休業及び利用自粛の長期化に伴い、介護する家族が疲弊することのないよう、在宅支援についての情報を提供し、申請に対して支給量を速やかに決定すること。
また、ケアマネージャーや相談支援事業所に対して、在宅支援に対するプランを利用者に提案するよう積極的に周知すること。

国は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出された後の障害福祉サービス等事業所の対応について、利用者や家族の状況を踏まえ、可能な場合には通所を控えていただくことによりサービスの提供を縮小するなど、感染拡大防止の対応を図ったうえでサービスの継続を要請しております。
また、支援が必要な方への代替サービスについて「利用者の居宅等において健康管理や相談支援等のできる限りの支援の提供を行った場合には、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして、報酬の対象とすることが可能」とし、制度面からの対応を図っております。
このことから、本市としては、障害福祉サービス提供事業所に代替サービスを周知するとともに、必要な助言を行うなど障害福祉サービスが継続できるように努めているところです。

4) DV・児童虐待について
長引く在宅生活がDVや児童虐待を誘発する危険性が高まっており、すでにDVの相談件数は増加傾向にある。一方、児童虐待は休校により学校からの通報がなくなったことで表面化しにくくなっていると考えられる。
現在、すでに把握している相談案件への対応を強化し、県や市のホットライン等をHPのトップページに載せるなど、周知徹底を図ること。
児童虐待については、教員が積極的に状況把握に努めるよう働きかけるとともに、学校と子ども家庭総合支援室の連携を強化すること。また、今後さらに増加傾向が見られた場合には、速やかに人員体制の強化を図ること。

子ども家庭総合支援室では、外出自粛や休業要請等に伴う経済や生活への不安や、学校の休校等が長期化する状況の中、児童虐待を未然に防ぐため、子育てに関する悩みや困りごとを抱える家庭が気軽に相談できるよう、広報紙やウェブサイトを通じた相談窓口の周知に努めております。
また、既に把握している支援対象児童等につきましては、状況の変化の把握を行うとともに、適切な支援につなげるため、令和2年4月27日付けで厚生労働省が出した「『子どもの見守り強化アクションプラン』の実施について」の内容を踏まえつつ、児童相談所や学校などとの連携を一層密にし、要保護児童対策地域協議会を最大限活用しながら、支援対象児童等の見守りを行ってまいります。
人員体制の強化については、新型コロナウイルスによる影響を注視しながら、必要に応じて検討してまいります。

5)子育て世帯への支援について
長期間の休校で給食がなくなったことによって、子どもによっては十分な食事が摂れず、栄養が偏る恐れがある。希望する家庭に、給食センターや飲食店等による弁当を提供するなど、仕事の創出も兼ねた支援を行うこと。
また、昼食費が家計を圧迫している世帯もある。市は、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭に対する緊急支援給付金制度を設けたが、その支援を受けられない世帯への新たな支援策も講ずること。

今般の児童扶養手当受給者への緊急支援は、特に収入の減少により対象家庭のお子さんがさらなる貧困に陥いることを少しでも防ごうとする観点から実施した緊急性の高い支援です。
今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束状況を見極めながら、児童扶養手当受給者以外の子育て世代の方々の生活を支えられるように今後も支援策を検討してまいります。

6) 市社会福祉協議会との連携について
社会福祉協議会による生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付については、すでに相談者が急増している。経済活動の停滞の長期化によっては更に増加が見込まれることから、市社協の状況を常に把握することにより、困窮者への支援が円滑に行われるよう努めること。

市原市社会福祉協議会では、収入の減少や失業等から、日常生活の維持が困難な世帯に対し、「緊急小口資金特例貸付」および「総合支援資金特例貸付」を行っております。
今般のコロナウイルス感染症の影響により、相談や申請件数が急増していることから、本市としては相談や申請状況を把握することで、貸付事務が円滑に進むよう配慮してまいります。
また、民生委員・児童委員は、感染防止対策を講じた中で、地域住民からの相談に応じ、支援活動を行っており、同会は市原市民生委員児童委員協議会の事務局を務めていることから、今後も同会と連携し、生活困窮者の支援が円滑に行えるよう努めてまいります。

7)学習支援について
5月6日までの休校が更に長期化した場合に備え、分散登校による授業に加え、同時双方向型のオンライン指導を組み合わせるなど、保護者の希望に配慮した多様なメニューを用意すること。
また、学習内容については、すでに学校間で取り組みの格差が出ているとの保護者からの不安の声があることから、十分に配慮すること。

本市では、これまで各学校において、児童生徒に対し、プリントや教科書・副教材等を使った課題を課したりウェブサイトに学習動画サイトや学習コンテンツを紹介する等の取組を行ってまいりました。
また、4月からは、課題を配付し回収し添削するなど、教員と家庭との双方向のやり取りが可能となっております。
さらに、教育センター及び各小中学校ウェブサイト上に、「まなびのへや」を開設し、児童生徒が、教科書に沿って学習が進められるよう、学習教材の提供や内容の充実に努めているところです。
「まなびのへや」は、これまで提供してきた千葉県教育委員会作成のオンライン学習サイトや家庭学習サイト「eライブラリアドバンス」等のほか、学年別・教科別に教材等を一覧にしたデジタルコンテンツ等の関連サイトへのリンクをまとめたポータルサイトで、児童生徒がオンライン学習を行う際に効率よく、わかりやすく取り組めるようになっております。
また、通信環境のない家庭の児童生徒に対し、優先順位等をつけてタブレット端末やモバイルルーター等の貸与をしてまいります。

8)不足する物資の確保について
在宅で医療ケアを行う方などが必要なマスクや消毒液、妊婦や乳児が必要とする晒(さらし)やガーゼなど、必要な物資が必要な方に優先的に行き渡らず「早い者勝ち」になっている。流通任せにするのではなく、市が自ら調達し、平等に分かち合えるよう配給制などを検討すること。

本市では、継続的にマスクや消毒液の調達に努めております。妊婦の方々には妊娠届出書の提出時にマスクの配布を開始しました。また、在宅ケア児にはマスクの配布を行っており、今後消毒液の配布も予定しているところです。今後も、物資の不足状況を把握するとともに、必要な方々に供給できるよう調達に努めてまいります。

9)財源の確保策について
新型コロナウイルス対策に係る財源を確保するために、急を要さない事業については凍結し、緊急性の高い事業者支援や個人の生活支援に振り向けること。

市内経済や市民生活の早期回復に向け、事業者支援や生活支援等の実施はもちろん、市民の安心・安全の確保など、本市のまちづくりに向けた各種施策が支障なく執行できるよう、財政運営にあたっては、国庫補助金等の特定財源の確保や財政調整基金の活用、さらには急を要さない事業の先送りを含め、あらゆる財源の確保策を講じてまいります。

10)市民の不安感を軽減することについて
事態は日々変化しておりGWも控えていることから、コールセンターの開設日時の拡大を早急に検討すること。
また、新型コロナウイルス対策に係る市の取り組みについては、HPやSNS、広報号外などあらゆる手段を通じて市民への周知をさらに積極的に図ること。
なお、市民からは「制度の説明だけではなく、もっと市の考え方を私たちに示してほしい」との要望が多く寄せられていることを申し添える。

本市では、新型コロナウイルス感染症に関する市民の不安や問い合わせに対応するため、4月10日からコールセンターを開設しております。今後、状況に応じて対応職員の増員や対応時間について検討してまいります。
感染症に関する市の取り組みなどについては、市のウェブサイトや広報紙、情報配信メール、市公式SNS、ヤフー防災速報アプリにより、重層的に発信しております。
また、市民の不安を軽減するため、市長自らのメッセージを市のウェブサイトや広報紙だけでなく、動画や防災無線により配信しているところです。
感染症を取り巻く状況は日々変化していることから、引き続き市民や事業者の皆様などに対し、速やかに最新の情報を提供してまいります。

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