意見書について賛成討論 7/6(金)閉会日 山本友子
市民ネット・社民・無所属の山本友子です。発議案4件について賛成の立場から討論します。
まず、発議案20号「大飯原発3・4号再稼働決定の撤回を求める意見書」および発議案19号「大飯原発再稼働に反対する意見書」についてです。
当初は、政府と関電は「夏場の電力がピーク時で15%不足する」ことを口実に、計画停電をほのめかし、中小事業者や自治体に圧力をかけていました。押し切られた大阪橋本市長や関西広域連合が「夏場だけに限定させてくれ」と主張すれば、総理は、「夏場だけの稼働では国民を守れない。原発は重要な電源である」と断定しました。
昨年12月に政府は福島第一原発の「事故収束」を宣言しましたが、未だ収束していないことは、誰の目にも明らかです。また、原子力安全保安院は、2月に「大飯原発3・4号機の一次評価を妥当とする」審査結果を原子力安全委員会に提出しましたが、その委員長である、あの斑目委員長でさえ、「一時評価だけでは、安全かどうか判断できない」と発言し波紋を広げました。
3・11の事故の後、脱原発へと国策を切り替えたドイツ・緑の党の クラウディア・ロート党首は「事故の検証、処理もできていない日本が、再稼働するなんて、ありえない、理解できない」とTBSテレビのインタビューでコメントしています。
総理は、「自らの責任において再起動を決断した」と連発しますが、総理ひとりの命を投げ出してもらったところで、私たちすべての国民や子供たちの命に替えることはできません。
大飯の地元である福井県は、戦後まもなくの1948年に巨大地震に見舞われ、街は壊滅的な被害を受けました。
わが千葉県でも明日来るかもしれない地震津波に備えて、今、地域防災計画の見直しを急ピッチで進めています。地震国日本で地震は、いつでも、どこでも起こる可能性があります。
また、「再稼働容認」は、ふる里を追われ、健康不安や、前途に対する不安を抱えつつ暮らしている福島の方々の心の傷口に、塩をすり込むような仕打ちです。
先週の金曜日の首相官邸前では、20万人とも言われる人たちが「再稼働反対」を口々に語り、そのうねりは地鳴りのように、官邸を包囲していました。政府は、この「国民の声」にこそ、耳を傾けるべきです。よって、大飯原発再稼働の中止を強く求め、2本の意見書に賛成します。
関連して、発議案1号「都知事に抗議し、その撤回と謝罪を求める決議」です。
知事は、この間、原発再稼働については、あくまで「国」が決定すべきであり、自治体が判断すべきことではない、と主張してきました。また、そんな姿勢であるからこそ、石原慎太郎東京都知事の「千葉の鋸山に原発を作ったらいい」という発言に対しても、なんら、抗議をするでもなく、議会質問に対しても曖昧答弁を繰り返すのみでした。620万県民を代表する千葉県知事として、東京都知事に対峙していただきたい、強く求めます。
よって県議会の総意として、「森田知事が、石原知事に対して、先の発言に対して抗議し石原知事が千葉県民に謝罪するよう求める」決議を出すことが肝要です。よって、この決議案に賛同します。
また、発議案第25号は、「こども・被災者支援法」に補足を望むものです。同支援法は被災者の立場に立ち、国会議員・市民が力を合わせ、党派を超え練り上げられた、画期的な法律です。放射線の影響を受けやすい子どもや妊婦に特別の配慮があり、冷遇されてきた自主避難者への支援なども盛り込まれていることなど、高く評価します。
しかし、チェルノブイリの現地では、事故後26年を経てなお深刻な状況であること、発症までに長い期間がかかるケースがあることを考慮し、さらに3点の要望を追加するものです。
①支援対象地域を決める際の「一定の基準」を、政府が定める際に省令など見えにくいところで決めるのでなく、禍根を残さぬように「国会の議論」を経て決めること。
②対象を、「事故当時子供であったもの、および妊婦」に限定しているが、一定の基準以上の放射線が計測される地域に居住したことのある「成人」にまで拡大すること。
③また13条の除外規定は、現実的に「被爆と疾病との因果関係の立証が難しい」ことを考慮し、事故当時どこにいたかを明記した「被爆者手帳」や「健康管理手帳」により、その後の通院、医療行為の無償化、社会保障などを法的に保証できるよう明記することを求めます。
健康被害が今後どのように現れてくるかわからないからこそ、被曝した人たちの安心につながる法の補完を強く求めるものです。
以上4発議案に賛同いただけますよう、よろしくお願いいたします。