平成27年度 第4回市原市議会定例会 

個別質問 森山かおる

1.広報紙について

広報紙のあり方について質問させていただきます。 市原市では、現在の改訂市原市総合計画の目標年次が平成27年となっていることから、平成29年の実施に向けた新たな羅針盤となる新総合計画の策定に取り 組んでいるところです。人口減少、少子高齢化、石油関連産業の需要減少により市税収入が減少する一方で、社会保障関連費や老朽化した公共資産の維持管理費 は増大し、非常に厳しい財政状況を突きつけられています。
そこで、全ての市民が目指すべき将来の方向性を共有し、役割を果たしながら力を発揮していくことが必要となり、例年開催されている中高生会議や市内11カ 所で行われていた市長と町会長で語ろう未来創生ミーティングに加え、今年度は無作為抽出による104名の市民を集めたいちはら未来会議を開催するなど、新 総合計画の策定を市民参加のもとで進めておられます。先月、2回目の開催となったいちはら未来会議では、ワークショップ形式でグループごとに将来の市原を 話し合い、進行役を務める職員と市民が一体となる姿を見させていただきました。どのグループも和気あいあいとした雰囲気で、参加した市民にとっては行政を 身近に感じられたことと思いますが、新総合計画策定に当たり、このような取り組みや市原市の現状を全ての市民に伝える必要があると思います。それを担うの が、私は広報紙ではないかと思います。市民意識調査によると、情報共有化の推進施策に対して、市の情報を必要なだけ入手できていると思う人の割合が、平成 16年では27.2%、昨年は25%の実績値となっております。そして、今年度の挑戦値は35%となっております。それに向けてどのような取り組みをされ てきたのか、お聞かせください。これを初回の質問といたします。

(答弁) 中川茂治企画部長 

  広報紙のあり方についてお答えいたします。  
  本市が抱える人口減少や少子高齢化などの課題解決に向け、新総合計画及び総合戦略の策定方針において、市民とともに総合力を発揮して取り組むこととしてお ります。そのため、広く市民に本市の情報をわかりやすく伝えることが、今後ますます重要になってくるものと考えております。これまで本市の情報発信の中核 となる広報いちはらにつきましては、手にとって見ていただけるよう、文字の大きさやカラーページ枠の拡大、図やイラストの多用など工夫を凝らしてまいりま した。
  また、市ホームページやi広報紙などデジタル媒体を活用し、いつでもどこでも広報いちはらの閲覧や市政情報の入手が可能となるよう対応しております。その ほか、新聞やテレビ、ラジオなど、多種多様な情報メディアを通して、できるだけ多くの皆様に本市の魅力や情報を発信できるよう、情報ツールを広げておりま す。
し かしながら、御指摘のとおり、改訂市原市総合計画で設定いたしました市の情報を必要なだけ入手できていると思う人の割合の目標値には達していないのが現状 でございます。今後も市民の皆様がまちづくりに参加したいと思っていただけるような視点を持って、広報いちはらのあり方を検討してまいります。

い ろいろさまざまなデジタル媒体ということにも取り組んでおられるというようなお話を伺いましたけれども、若い方はこういうことにたけていらっしゃるかと思 うんですけれども、高齢の方は、こういうデジタル媒体を使うことはなかなか難しい方もいらっしゃいますし、それは、こちらからその情報を求めに行くという ことで、市から来るというものではないというところでは、私はやはり広報いちはらは市から届くものであってほしいなと思います。新聞折り込み、公共施設、 スーパーなどに置かれているとのことですけれども、新聞をとっていない家庭も最近では非常にふえてまいりましたし、置くだけでは関心を持たない人が手にと ることは少なく、全世帯に届けられていないということが私は非常に気になります。
広報いちはらの発行部数は10万6,700部と伺っておりますが、市原の全世帯数は12万世帯なんです。これは最初から全世帯に届かないような発行部数に なっているということはちょっと私は非常にショックでした。発行部数10万6,700部のうち、10万1,150部は新聞折り込みで、そして残り 5,550部あるわけですが、これをスーパーや公共施設などに置いて、全てが行き渡ったとしても、1万3,300世帯は最初から届かないという、そういう ことが前提になっているんです。町会の回覧にも行政のお知らせなどは入っておりますけれども、町会に加入していない世帯が多いことや、そもそも町会が存在 しないところもあるということは把握されているはずだと思います。冒頭でも申しましたように、新総合計画を市民とともに考えていく重要な時期でもあり、市 民の声を聞くためには、まず市民に情報を届けることが必要ではないかと思います。
そこでお伺いします。ちょっと嫌らしい言い方かもしれませんけれども、納税通知書は全世帯に送られてくるんですけれども、この行政の情報である広報いちは らは、残念ながら1年に一度も各世帯には届けられておりません。このような配布のあり方についてどうお考えなのか、お聞かせください。

(答弁) 中川茂治企画部長 

   広報いちはらやお知らせの配布のあり方ということでお答えいたします。  
本 市の情報発信の中核となる広報いちはらの配布方法につきましては、まとまった数を同日中に一斉に配布することができて、費用も安価である、こういう点がご ざいまして、新聞折り込みを主要な方法としております。それに加えまして、ただいまの話にもございましたように、新聞を購読されていない方には、市は、公 民館等、市内62カ所で広報いちはらを置き、通勤や買い物などの際にお気軽にお持ちいただけるよう対応を図っております。また、障がいをお持ちで外出が難 しく、新聞も購読されていない方には、御希望により郵送も行っております。加えて、広報いちはらを補完するものとして、ホームページやi広報紙などのデジ タルメディアを活用しております。そのほかに、各部門が発信するイベントや事業のお知らせにつきましては、ポスターであるとか町会回覧等によるチラシ配布 で対応しているところでございます。今後も配布方法について、費用対効果を勘案し、さまざまな方法を組み合わせ、1人でも多くの市民に本市の情報が届けら れるよう努めてまいります。  
  な お、世帯数と部数の関係でございますが、世帯数は住民基本台帳に登録された世帯ということで、例えば、国勢調査等を行う中では戸数とは違っておりまして、 具体的に一例を申し上げますと、市原市に住民登録をされている方で、市外に仕事等の都合で住まわれている方、逆に、市原市のほうにお住まいですけれども、 住民登録は市外にある方、そういった方もございますので、そういったことを勘案して現在の発行部数等を設定しております。

た くさんお聞かせいただきましたけれども、今のこの発行部数は、世帯数と戸数の違いで、それに合わせて発行されているということなんですけれども、ちょっと 私が調べた中では、実際には戸数のほうが世帯数よりもふえるというところもありますので、その辺はしっかり戸数のほうを把握していただきたいなと思いま す。  私は、まず税金を納める市民に行政の情報を届けるのは義務だというふうにも思っていますし、それにしても、住民登録をしている全世帯だけでなく、市原に 住んでいる方、この全戸にやはり配布してほしいという思いを強く持っております。それは、ごみ出しのことだとか防災のことだとか、市の取り組みは、住民登 録に関係なく、やはり住んでいる人たちに理解をしてもらわなければいけないというふうに考えております。

現在の広報いちはらは、タイムリー な情報を提供するために、一月に2回発行されていますが、タイムリーな情報は、言いかえれば、すぐ必要なくなる情報とも言えます。しかも、タブロイド判な ので保存には向きません。新総合計画の策定に当たって、厳しい財政状況や今後の取り組みを市民に伝え、理解を求めていくには、今まで以上に多くの情報を提 供していくことが必要だと思われます。そのためには、保存しやすく、繰り返し読める冊子にして、月1回の発行にすれば、全戸に届けることができるものと考 えます。  これは、私が夏に帰省したときに持ち帰った大阪府河内長野市の広報紙です。近畿市町村広報紙コンクールで優良賞を3年連続受賞しているだけあって、非常 に魅力ある紙面になっております。河内長野市は、4万7,350世帯に対し4万8,500部の広報紙を作成し、配送業者が全戸に届けております。全戸配布 なので、配布数は世帯数を少し上回るということでした。そして法人にも配布されております。この配送業者と高齢者等の見守り活動の協定を結び、家屋の異変 に気づいたときは市に連絡が入るようになっております。また、4月にスタートした生活困窮者自立支援事業のチラシや社協だよりも広報紙に挟んで届けられて いました。月に1回の発行で、A4サイズ、40ページのボリュームがあり、1冊当たりの作成費は25円、そして年間配送委託料は600万円となっておりま す。

一方、広報いちはらは、月2回の発行で、一月当たりの作成費は約15.6円、新聞折り込み委託料は1,860万円と伺っております。市 原市の世帯数、戸数は、河内長野市の約2.5倍になりますので、換算すれば、配送業者を使って全戸に配布することは、私は金額的には可能ではないかと思っ ております。作成費は高くつきますが、十分な紙面でこれから市原の情報を届けられるというメリットがあります。広報いちはらのこのような発行の仕方につい て、紙面のリニューアル、そして全戸配布を含めた御見解をお聞かせください。

(答弁) 中川茂治企画部長

 広報いちはらの紙面リニューアルと全戸配布ということでお答えいたします。  
現 在、本市の広報紙は、タブロイド判というサイズを使って発行しておりますが、日本広報協会が調査したところによりますと、全国の約9割がA4判サイズと なっております。タブロイド判は1面の情報量が多いなどの利点がございます。A4判は、ページ数がふえることでページごとにさまざまな構成ができるように なり、保存もしやすくなるなどの利点がございます。
このことから、広報いちはらの紙面リニューアルにつきましては、現在、本市の全事務事業の見直しという、そういう観点からいろいろ検討を進めておりますが、A4判化や発行回数のあり方も視野に入れ、調査、検討を進めているところでございます。
また、配布方法につきましては、新聞折り込みを中心としてまいりますが、近年、新聞購読者が減少していることから、全戸配布に結びつくような新たな方法に ついて、他自治体の事例などを調査してまいります。このように、広報戦略の一環として市民の誰もが広報いちはらを読んでいただけるよう、費用対効果に十分 留意しながら、市民目線での工夫を検討してまいりたいと考えております。

全戸配布に向けて、ぜひと も取り組んでいただくようお願い申し上げます。  広報とは、もともとはアメリカで生まれたパブリックリレーションズで、PRです。日本語に直訳すると社会の人々との関係で、言いかえれば、市民と行政の 信頼関係を築くものと言えます。例えば、パブリックコメントを募っても、行政がどのように受けとめて、どう反映されたのか、またどう取り組もうとしている のか、そういうことを伝えなければ市民参加とは言えません。市民と情報のキャッチボールができるような、そういう広報にしていただきたいと思います。
市民調査アンケートによりますと、税金が有効に使われていると思う人の割合は、昨年度、25%でした。この満足度の低い数値が示しているのは、単に税金の 使われ方を問題にしているのではなく、行き渡らない情報も要因の一つではないかと思います。どのように使ったのかを丁寧にお知らせし、全世帯に届けること で、納得する方もふえるのではないでしょうか。税金を納める市民に行政が情報を届けるのは、義務でもあります。そして、市原市に住む方、全ての方に情報を やはり届けていただきたいと思います。市民に理解を求める大切な時期ですので、情報を全ての人に伝えられる、そんな広報紙のあり方をぜひ御検討ください。 お願いいたします。

2.観光振興について
(1)おもてなしの心にについて
次に、観光振興についてお伺いします。  市原市観光振興ビジョンでは、「誇りと愛着のもてる 地域が潤う 観光まちづくり」を基本理念とし、おもてなしの向上、観光資源の磨き上げ、新たな観光 資源の発掘、広域的な観光振興、プロモーションの強化という5つの戦略を上げ、さまざまなプランに取り組んでおられます。市原市の観光客数は、平成15年 度の418万人をピークに年々減り、平成23年は東日本大震災の影響により310万人まで落ち込みました。アート×ミックスが開催された昨年度に343万 人の観光客数となり、震災前のレベルにやっと回復したところです。いわば、これからが正念場であり、観光まちづくりを進めていく上で、まず取り組まなけれ ばならないのが五井駅だと私は思っております。駅の改札口を出ると、正面の壁に東口と西口の案内板があるものの、待ち合わせをする人がいると、立っておら れて、それで看板は見えません。しかも、この案内板には市原が誇る国分寺跡や国分尼寺跡の表記がありません。平成25年に設置された五井駅周辺案内図の上 に掲げた案内にも表記されておりません。地図を見て探さなければわからない状況です。これだけの文化財がありながら、観光客を迎え入れる準備が整っていな いように私には思います。

五井駅には、JRと小湊鉄道が入っております。これは本来、鉄道会社が取り組むべきことを承知の上で、行政の協力 をぜひ考えていただきたいのですが、改札口に、小湊鉄道はSuica、PASMOは利用できませんと大きな張り紙があり、どこで切符を買えばいいのか、よ くわかりません。切符を買わずに、駅員に声をかけて改札を通っていいということがわかるのは、小さな張り紙を見つけてからでした。初めて利用する人にとっ ては、とてもわかりにくいです。
また、東口の通路にも西口のほうにも、とにかくいろいろなポスター、チラシが張られておりますが、これも、観光客にとっては欲しい情報が見つけられないと いうような、わかりにくいものになっているように思います。 五井駅は市原市の玄関でもあり、ここにおり立った方を迷うことなく案内することが最初のおもてなしになります。市原市の玄関にふさわしいおもてなしの心が 見える五井駅について、御見解を伺います。

(答弁) 清宮宏之経済部長 

   おもてなしの心が見える五井駅についてお答えいたします。  
五 井駅は、市内にあるJR3駅のうち、乗降客が最も多く、小湊鉄道や高速バスの始発駅でもあり、まさに市原市の玄関口であると認識しております。現在、駅の 改札口前にある案内表示は、お客様の要望を受けてJR東日本が壁に設置したものですが、御指摘にありましたように、前面に人が立つと見づらくなるという課 題があります。この課題については五井駅側も認識しておりまして、JR東日本でも、設置場所の改善に向け、検討しているところでございます。
案内表示につきましては、駅を利用する観光客に対してもおもてなしの一つになりますので、JR東日本や小湊鉄道を初め、関係機関と協議を進め、駅利用者にとってよりわかりやすく、インフォメーション内容も適切なものになるように取り組んでまいります。

こ れからアート×ミックスや里山トロッコ列車の運行で南市原に行く方もふえることですので、ぜひわかりやすく、気持ちのよい駅でおもてなしができるよう取り 組んでいただくようお願いいたします。さらに言えば、観光案内所の場所も私は考えていただきたいと思います。改札口を出た西口の上のほうに表記があるので すが、これも探さなければとてもわかりにくいです。観光案内所の案内がわかりにくいという状況になっております。やっと表記を見つけた方が、ずっと歩いて いってサンプラザに入ると、今度は1階におりなければいけない。情報を求めている人にこんなに足を運ばせては、おもてなしになりません。しかも、信じられ ないことに、週末の土日に閉まっていることさえあります。10月に行われた上総いちはら国府祭りには15万人もの来場者があり、五井駅を利用して来られた 方もたくさんいらっしゃいました。開催日の2日間は東口に向かう通路に特設案内所が設けられましたが、改札口から離れており、どちらに行けばいいのかわか らず、迷っている方も見受けられました。観光案内所が改札口を出てから目につくところにあれば、国府祭りやイベントの際に特設案内を設ける必要もありませ ん。
そこでお伺いいたします。観光案内所の利便性を高めるために、どう工夫し、取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

(答弁) 清宮宏之経済部長 

   観光案内所の利便性についてお答えいたします。  
   観光案内所は、本市の観光施設や宿泊施設の案内やイベントなどの情報提供、観光マップやパンフレット類の提供など、観光客の皆様をサポートする重要な施設 であります。また、観光案内所は、観光客にとって、地域を訪れた際の最初の窓口であり、情報の収集拠点であると同時に、利用者に第一印象を与える重要な施 設でもあります。  現在、五井駅西口の案内所は、観光客にとっての利便性や場所がわかりにくいなど課題を抱えておりますが、観光協会が経営改革を進めていく中で、この案内 所についても、利用者にとって利便性が高く、本市のPRにもつながる有効な方法について検討することとなっております。市といたしましても、観光客へのお もてなしと誘客につながるよう、観光案内所のよりよいあり方について、引き続き、観光協会と協議を行ってまいります。

ぜ ひ取り組んでいただくようお願いいたします。観光客の立場になって考えていただいて、先ほども申しましたけれども、里山トロッコ列車やアート×ミックス、 それから2020年には東京オリンピックが開催されますし、その年は更級日記の旅立ちの日からちょうど1,000年を迎える年でもございます。市原市の玄 関にふさわしいおもてなしの心が見える五井駅にしていただくよう、ぜひお願いいたします。

2)観光ボランティアの育成と協働のありかたについて

次 に、観光ボランティアの育成と協働のあり方についてお伺いします。  観光振興ビジョンでは、「市民や市民団体、企業、観光協会や観光事業者等と行政が、それぞれの役割の中で連携し、観光によるまちづくりを推進していく」 とされています。8月に市内の観光ボランティアガイドの育成を目的とした観光地域づくり・人材育成研修会が開催され、9団体、44名の参加者が、石川県観 光ボランティアガイドの活動について熱心に話を聞いておられました。今まで個々に活動してきた団体がこのように顔を合わせるのは初めてで、互いの活動状況 を知り、情報交換できる、よい機会になったと思います。そして、継続して、それぞれの活動を個々の点から線へ、そして線から面へとつないでいくことで、よ り活動が生かされると私は思っております。観光ボランティアを育成するためには、今後もこのように学び合い、情報交換できる場を定期的に開催する必要があ ると思うのですが、今後の取り組みについて御見解をお伺いします。

(答弁) 清宮宏之経済部長 

観 光ボランティアの育成についてお答えいたします。  本市では、観光ボランティアガイドの育成と観光にかかわる市民ボランティアの情報提供の場として、ただいま議員からも御紹介いただきましたが、ことし8 月に市原市と公益社団法人日本観光振興協会の共催による研修会を実施いたしました。この研修会には、市原市観光協会を初め、観光ボランティアガイドに取り 組んでいる団体や、里山活動を行いながら観光客へのおもてなし活動をしている方々、さらには観光ボランティアを目指す市民大学観光コースの卒業生など、総 勢9団体、44名の方が参加いたしました。当日の研修会では、観光ボランティアのスキルアップを目指す講義のほか、各団体からは、日ごろの活動内容や地域 活動に対するそれぞれの思いを発表していただきました。参加された皆さんは、日ごろから地域活動にかかわり、それぞれがおもてなしの活動をしている方々で すが、ほかの団体の活動実態を知ることができ、今後の活動にも参考になったとの意見をいただいております。昨今の観光は、地域の里山、自然、歴史や文化、 地元の食やお土産、さらには地域住民との触れ合いから交流まで、観光ニーズは多岐にわたっておりますので、市民の皆様が主役になる観光ボランティアは、今 後の観光振興を進める上で重要な取り組みになると考えております。 今後、このような多様な観光ニーズに応えていくためにも、他市の先進事例も参考にしながら、本市の観光ボランティアの育成に向けた体制の整備に努めてまい ります。

いろいろなそういう観光ボランティアの方の掘り起こし、そして人材ということも、またぜひ 取り組んでいただきたいと思います。ある観光ボランティアガイドの方にお話を聞くと、「市原には歴史あるすばらしいものが幾つもあり、案内できる人もいる が、観光客とつなぐ人がいないため、観光資源である文化財も人材も埋もれてしまっている」と嘆いておられました。そのような人材の掘り起こしと、そしてそ れを観光に結びつけていただくようにお願いして、最後の質問に入らせていただきます。 自主的な活動である観光ボランティア、これをもっともっと生かしていくためには、私は行政の下支えというのが必要だと思っております。このボランティアガ イドさんたちは、みずから活動の宣伝をして、参加者を募ってガイドをされています。しかし、ボランティアといっても活動状況はさまざまで、申し込む人に とっては、本当に信頼できるものなのかわかりません。
例えば、千葉市では、ボランティアガイド育成講座を設け、受講後はワークショップを開き、観光マップの作成や観光コースの設定に至るまで、受講者が話し 合って決めております。そして、講座の出席状況や受講後の取り組み方を講師がチェックして判断し、公認ガイドとして認定しています。現在、60名の公認ガ イドの登録があり、案内をしておられ、それを束ねて観光客とつないでいるのが観光協会です。 市原ではこのようなガイド育成講座はありませんが、活動しているボランティアガイドには十分な力を持っている方もいらっしゃいますので、公認を出して、観 光協会が窓口になって観光客とつないでいただきたいと思います。この観光協会という公的機関の介在と市の公認ガイドであれば、観光客にとって非常に安心で きますし、ボランティアガイドにとっても活動を評価された喜びになり、モチベーションにもつながります。このように観光協会が窓口になり、ガイドに市の公 認を出してつなぐ仕組みづくりに取り組んでいただけないものでしょうか、御見解をお伺いします。

(答弁) 清宮宏之経済部長 

   国内の観光地には、観光ボランティアガイドが、観光施設の紹介だけでなく、御当地の歴史や文化、食やお土産など多彩な地域資源を紹介し、観光案内する姿が 多く見られます。このような観光案内によって観光客はより満足感を高め、旅先の温かい印象も強く残り、リピーターとなって再び当地を訪問することにもつな がってまいります。  このことから、観光客に満足いただけるインフォメーション能力を持ち、おもてなしのできるボランティアガイドの育成と観光客の要請を受けて派遣する体制 づくり、この両面が本市の観光振興においても必要になると考えております。
現在、観光協会では、観光振興を進めるための事業の企画、立案等の見直しをしておりますので、議員から御提案のありました千葉市など他市の先進事例も参考にしながら、今後、観光協会とともに観光ボランティアガイドの環境整備に取り組んでまいります。