平成21年度 第1回市原市議会定例会 反対討論 桑田尚子
市議会レポート【市原市の定額給付金事業に対する反対討論】桑田尚子
議案第37号 平成20年度市原市一般会計補正予算(第4号)について、市民ネットワークを代表して反対の立場から討論を行ないます。
本案は、国の補正予算の成立に伴い、定額給付金給付事業費、社会福祉総務費、児童福祉総務費、人件費の調整で、歳入歳出予算の総額にそれぞれ46億9千5百82万3千円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ897億1千9百20万7千円とするもので、歳入としては、国庫支出金を計上するものです。
このうちの定額給付金給付事業に対し、市民ネットワークは平成20年第4回定例会において、この思いつき、バラ撒き給付金の廃止を求めて「定額給付金の廃止を求める意見書」を提出しています。
定額給付金事業については、その名目が当初の生活支援対策というものから、いつの間にか一回限りの景気刺激策へと変わりました。この定額給付金については、報道各社が今月上旬に行なった世論調査に対して国民の約7割以上が「評価せず」と答えています。支給された場合の使い道については、生活費(50.8%)や、貯蓄(27.2%)となっており、合計すると80%近くが堅実な使い方になっており、国が予想している娯楽費や高価な商品の消費に回らない計算です。このことは、3年後の増税に備えているのだと思います。
このように、国民としては誰もが一律にもらえる給付金は拒んでいませんが、この施策自体、苦境に直面する日本経済を救う切り札とは考えていません。事実、内閣府の国会答弁(09年1月7日参議院本会議)によりますと、実質GDP、国内総生産押し上げ効果は、モデル計算で0.1%、仮に定額給付金の4割が消費に回ったとしても0.15%というのが実態です。
2兆円もの国家資金を使うのなら、緊急性の高い雇用対策や社会保障のなどに回すべきです。
市原市では約42億円がばら蒔かれ、事務経費が約2億円です。更に、今回示された補正予算第4号には「子育て応援特別手当」が、第2子以降に対し平成20年度3月末時点で、
満3歳から5歳の子どもだけに支給されます。この手当てとして、一人3万6千円、市全体では1億7千117万3千円が国庫補助されます。この事業も1回限りのバラマキに過ぎず、政策目的がはっきりしていません。
又、定額給付金の給付方法については、地方自治法改正後、機関委任事務でなく自治事務へと変わっているはずなのですが、機関委任事務制度そのものです。実施が事実上強制されるようなこの手法は地方分権の流れを否定しているとしか思えず、政府の上位下達の体質がそのままであることも問題です。
拠って、市民ネットワークは、政策目的がはっきりしないままのバラマキ税金の使い方に根本的な問題があることと、又、地方自治の流れに逆行した「手続き上」の問題があることの2点から、この議案に反対いたします。