平成21年度 第2回市原市議会定例会 代表質問 岡村由美子
市議会レポート【代表質問】岡村由美子
1. 市長の市政運営について
(1)経済不況の影響について
「景気は底を打った」と政府は6月17日、最新の月例経済報告で宣言しています。しかしながら、「百年に一度」といわれる経済不況の影響が、実際の市民生活にあらわれてくるのは「これから」である・・と、今回の調査を通じて感じています。
危機から再生へ向けて、今、実効性のある施策をいかに展開していくのかが、今後の本市の行方を大きく左右していくのではないかと思います。
本市の状況については、3月議会で「今回の世界的不況の本市への影響についてどう分析しているか」との他会派からの質問に対し、「総じて言えば、人を切ったり、経営的な行き詰まりはない。大きな影響はいまのところでていない」という答弁でした。
市は1月下旬に臨海部企業等150社に電話による市独自の雇用状況の調査を行っており、その結果を受けての分析です。
さらに今後の見通しについては、「短期での回復は相当困難性を伴うと分析している。引き続き市内経済状況の把握に努め、迅速で効果的な対応をひとつひとつ積み重ねていきたい」と答弁しておられます。
さらに3ヶ月が経ち、刻々と状況がかわるなかで、現在の本市の状況をどのように把握しておられるのかおきかせください。
アメリカのサブプライムローンに端を発した経済的不況の波は、少なからずひとりひとりの市民生活へ大きな影響を与えていることは事実である。
本当に底を打って景気がよくなったかと実感を持つにはいま少し時間がかかると考えている。
本市でも1月から3月に臨海部企業はじめ、生産活動に減産局面が見られたが、4月以降は改善の動きが見え始めていると聞いている。
今しばらく世界的な不況下においてさまざまな経済対策の効果が現れるのを私たちは待ち望んでいかなければならないが、企業や政府の対策を単に待つのではなく、私たち一人ひとりがどんな生き方ができるのか真剣に考えるいいチャンスであると私は感じている。
直接歩いて、肌で感じた感触について伺いたいのですが?
中小企業コーディネーターの報告によると売り上げや受注が大幅に減少し、非常に厳しい状況が続いているものの、5月からは徐々に受注が戻ってきており、従業員の雇用については維持に向けて鋭意努力していると聞いている。
この状況に対してはどのような見解をお持ちでしょうか?
臨海企業等で契約期間終了後の雇い止め等の影響が出てきているのではないでしょうか?
ワークプラザの利用者は、3月以降増加しているが、その原因としては昨年秋以降の金融危機や景気の急激な落ち込みに伴う、解雇や雇い止めなどによる求職者の増加に加え、今年1月にワークプラザ内にマザーズコーナーを設置したことによる影響がある。
市としては引き続き、国、県と連携しつつ、ワークプラザ充実など、失業者に対する支援の促進に努めていく。
20~30歳代の若い方が多く、これまでは自己都合でやめる方がほとんどだったのが、会社都合でやめなければならない方が増えた、また、求人も昨年の秋から3分の2に減っているなどで、厳しい現状がうかがえます。
これに対し、具体的にどのような対策をはかられますか?
マザーズコーナー活用により、働きながら子育てしている方々に対する情報提供や保育所との連携により子どもを預けやすくなるような情報提供を行っていく。
ワークプラザと連携し、市で介護の仕事と結び付けていくような講座を企画してはどうでしょうか?
雇用・能力開発機構千葉センターとの共催で就職支援個別相談をしているのでそういうことも検討していきたいと考えている。
雇用する側、雇用される側、多方面からアプローチして、まずは実態の把握をし、具体的な対策につなげていただきたいと思います。
(2)中小企業への支援について
市と商工会議所が1月に市内企業に行った景気動向調査の資料をみると、売上面では全企業大手中小ともすべて悪化し、近年では最悪の結果になったとあります。
この調査の中の中小製造業者の声として「融資を申し込んでも銀行借り入れがあると断られたことがあった。地元で一生懸命取り組んでいるので会社をよく見てほしい」また、先日、市内商工業者に話をうかがったところ「民間、公務員とも給料がさがって物が売れない」「物が売れないので、倉庫業ばかりが儲かっている」などのお話がありました。
共通しているのは「今後さらに地域や中小企業は冷え込んでいくことが予測される。深刻な状況である」という声ですが、これについてのお考えをおきかせください。
中小企業融資の観点から把握している、地域経済の状況については、5月末までに経営安定化資金、いわゆるセーフティネット保証にかかわる融資額が約1,9億円と昨年同時期に比べておよそ2、4倍となっている。
不況の影響を受け、売り上げ減少を招いている中小企業者が増えていると認識している。
また、窓口にこられる中小企業者の相談数の増加や金融機関の担当者のヒアリングなどから、市内の状況は依然として厳しいものと認識している。
しかしながら、今回の世界不況の影響は長期にわたると予測されます。
市内製造業者の話では、雇用調整金や資金融資でいまはなんとかつないでいるが、いつまでつなげるのか、この不況がどこまで続くか、切羽詰った方が多い現状です。
長丁場を覚悟して、雇用を確保したり、ひろげたりする中小企業への支援が必要と思いますが、お考えをお聞かせください。
長引く不況のもとでの中小企業の支援については、雇用確保のための中小企業の活性化が必要と考えている。
市では昨年から中小企業サポート事業を実施しているが、事業を通して、企業の皆様の意見を伺いつつ、大学などとの連携促進や、公的支援施策の効果的活用など活性化につながる事業の構築に努め、雇用確保につなげていきたいと考えている。
リーマンショックが起こる以前にスタートした事業で、技術開発が主な目的ですが、さらに深刻な状況になったいま、不況を乗り切っていくことを明確に意識した支援にすべきです。
実際に100社以上を足で歩いて実態を得た貴重なデータが出ています。
データを生かして、事業者間の連携によるあたらしい事業づくりに、サポート事業の力点を移していくべきではないでしょうか?
ご見解をお聞かせください。
サポート事業の力点を移していくということについては、市原商工会議所では今年度より、地域の中小企業化活性化を目的とし、経産省の委託事業として「地域力連携拠点」を実施している。
市としては、中小企業の情報や支援のノウハウの共有など、本事業のコーディネーターと市の中小企業コーディネーターの連携を進めることで継続的、恒常的に支援促進に努めていく。
たとえば、中小製造業者の中で介護の用具を簡単でよいものをつくっているところがあります。
商品としてそれを安く提供し、普及するしくみをつくるなど、工業と商業を連携させる、あるいは工業と福祉を連携させて、あたらしい事業をつくり出すためのしかけはつくれないでしょうか?
地域経済活性化の手法としての農商工連携は大変重要と考えている。
福祉関係との連携や障害者雇用については関係機関と協議、調整していきたいと考えている。
ぜひ検討してください。
今回私は経済不況の本市への影響について、あちこちから意見を聞きましたが、感じたのはやはり、一番さきに、そして深刻に不況の影響があらわれてくるのは、弱い部分や小さいところで、ほんとうに厳しさが増しているということです。
ダメージを受けているのは下請けのそのまた下請けの労働者、そして、零細企業です。
長丁場を覚悟して、腰をすえて中小企業をたすける支援にとりくんでいただきたいと思います。
この問題に対して、再度、市長の決意なり、お考えをお聞かせください。
百年に一度といわれる不況が世界同時に進んでいる状況の中で、市にできることがなにかあるのではないかと、庁内一丸となって検討し、予算確保と補正をしている。
今後、必要に応じてできる限りのことをしていく。しかしながら予算には限りがある、工夫やがまんもお互いに必要だ。
引き続き、企業や関係団体と意見交換をして十分に調整していく。
2. 都市交流拠点の形成について
(1)情報の公開と意識の共有について
「都市交流拠点整備推進協議会」についてお伺いします。
ホームページによりますと、この会議は平成16年に1回目が開かれ、委員構成は土地区画整理組合、ヨーカドー、カインズのパートナー企業、市原商工会議所、いちはらTMO、学識経験者、市原市、会長は企画部長、事務局は市となっています。
平成17年度策定の「都市交流拠点整備基本計画」には「この協議会が、継続的・発展的に全体調整や事業の推進やサポート・助言を行うことがのぞましい」とありますが、この会議の現在の位置づけについてあらためておきかせください?
同協議会は平成17年に設立した。役割は都市交流拠点の整備及びまちづくりの方策に関する事項、交流拠点及び賑わいに関する事項のほか、事業の確実な推進や都市交流拠点の整備に関して、必要と思われる事項について、関係者間での協議、調整を図るものとして設置した。
基本的なスタンスは持っているが、こういう経済情勢の中で、当初予定したとおりに動かないところもあるので、当初考えていたようにすべてが一丸となってというところでは、若干、経済情勢で動かされているところがある。
これが最新の会議で、会議録が10ヶ月前のものです。なぜ協議会がひらかれていないのでしょうか。
現在は市をはじめとして、土地区画整理組合やパートナー企業が各々の事業に着手しているので、協議会を開催する機会が減っているが、今後も必要となる事項が生じたら、適宜開催していきたいと考えている。
昨年の8月以降、工事も進展し、公園の計画にも変更がありました。
また、イトーヨーカドーの出店がすくなくとも1年2ヶ月遅れるという話もきいています。
めまぐるしく状況が変わる時期だからこそ、定期的に協議会を開催し、情報と意識の共有をはかるべきではないのでしょうか?
市は公園用地として38億円を出しています。また市原市の「顔」となるべき場所です。
時代がめまぐるしく動いているからこそ、協議会という公の場で議論すべきです。
開催の計画はあるのでしょうか?
必要に応じて、と考えている。
ただ、こういった経済情勢の中で、若干不透明なところもあるので、それらの情報を集めた中で、適宜開催していきたいと考えている。
(要望)
本協議会と「調査特別委員会」は関係者間が意見交換しうる公の会議の2本柱です。
「助言やサポートをしていく」という本来の目的を果たすべきと考えます。まずは定期的に開いてください。
(2)市民への説明責任について
この地区の都市計画は「市民との協働」をかかげた事業であったはずですが、いつの間にか、公園だけしか市が口出しできなくなってきています。
市民は、ヨーカドーの縮小や出店の遅れについても新聞等から情報を知るだけ、というのは、情報公開に逆行しています。
テナントがはりつかない、ヨーカドーの規模の縮小などいたしかたないかもしれませんが、その状況を何も説明しようとしないことに、市民は不安と不信を抱いているのではないでしょうか。
どこまでが説明責任であるのかということについては、大変難しいところであると思う。
市としては、ホームページで情報公開を暫時しているし、必要な情報はできるだけ市民に公開していこうというスタンスで、仕事をしている。
先ほどの質問のなかにあったパートナー企業の規模の縮小についても確定的ではない。こういう中で不確定な情報を流していくことは、控えたいと思っている。きちんと整理できた情報について、積極的に公開していくというスタンスでいきたいと考えている。
概要書は提出されていない。
つまり、アリオ市原に対しては先の見通しが立たないというのが現状ではないかと思います。当局の認識はいかがでしょうか?
パートナー企業一社は計画通り進められるが、もう一社についてはこういう経済情勢の中で、全国的展開の中でどのようにやっていくか、基本に立ち返った中で検討していると伺っている。
そのなかで、具体的にどうなるこうなるということはまったく市のほうには来ていないので、いましばらく猶予をたまわりたい。
私たちは今度の出店について、まちづくりについて、当初から市の顔作りとして都市計画にかかわってきた行政にも大いに責任があると考えています。
出店が予想を超えて大きく遅れるなどの事態に対し、一定の備えや協議も必要ではないかと思いますし、タテマエを捨ててのざっくばらんな協議が必要と思います。
(3)総合公園について
今議会で公園整備の青写真が示されましたが、今回の減額分で当初計画から、どこがどう変更されたのか、改めてお聞かせください。
公園整備の方針そのものに変化はないのかもお聞かせください。
厳しい経済状況から、事業費を圧縮した。当初計画からの大きな変更としてはスカイウオークの整備を見送り、公園センターなどの見直しをはかっている。
公園整備については基本的な機能を損なうことがないように努めていきたい。
(要望)
これは市が直接かかわる計画部分です。情報は早くしっかり市民に知らせていくべきです。以下は議案質疑でいたします。
3. 生活保護について
生活保護支援の人手不足が叫ばれています。5月8日の朝日新聞には
「窓口殺到、手いっぱい、困窮家庭回りきれず」というみだしで
「高齢化に世界不況が重なり、貧困層がひろがっている。
その支援の最前線に立つ福祉事務所のケースワーカーが不足し、ケースワーカーひとりひとりが過重労働にあえいでいる。
生活保護支給の遅れや援助の不足などの弊害もあらわれている。最後の安全網の現場で何がおきているのか?」という記事がありました。
生活支援課に早速聞いてみたところ、4月の生活保護の相談が約180件で前年の4月の約100件に比べて約1,8倍に増えているとのことです。
(1)本市の現状について
年があけてからの相談件数と、保護を受けている人数についてうかがいます。昨年と比較してどうでしょうか?
1月から5月までの5ヶ月間における相談件数は853件、被保護人員が累計で15、890人となっている。
相談件数は1.61倍、被保護実人数は1.06倍と増加している。
(2)ケースワーカ等の支援の体制について
申請相談が増えることの生活保護支援への影響についてですが、ケースワーカーは、生活保護申請の窓口で面接対応や生活保護が必要なのかどうかを調査することから、受給後の家庭訪問や就労指導まで、保護費支給に関する業務の全般を担当しています。
窓口の申請相談が増えることによっての影響はどのようなものがありますか?
申請相談の増加は被保護世帯の増加につながり、結果としてケースワーカーの事務量が増加しているので、すくなからず生活保護支援への影響は生じている。
こうしたことから、適正な保護の実施体制を維持するため、平成20年度からレセプト点検業務のための嘱託職員の配置、さらに就労支援業務を民間委託している。
また、ケースワーカーの配置の状況についても伺います。
社会福祉法では、生活保護世帯80に対して、ケースワーカーひとりという標準数を定めています。朝日新聞が行った調査によりますと、ケースワーカー一人当たりの保護世帯数が100以上となった自治体が増えている・・・とあります。
本市の状況はどうでしょうか?
ケースワーカーの配置の最終決定権は自治体にあります。
本市もケースワーカーの増員がさらに必要と思いますが、人員削減の流れの中で多くの自治体が増員の難しさを悩んでいるようです。
職員の増員や、嘱託や日々雇用、あるいは委託という形で対応している他の自治体があるようですが、本市の増員についてのお考えをお聞かせください。
4月1日現在、ケースワーカーを25名配置している。1名あたり平均97世帯を担当している。
社会福祉法に規定される標準数からすると、5名の減員となっている。
こうした状況を踏まえ正職員のみならず、日々雇用や嘱託職員、業務の一部委託化含めて関係部と協議していく。
「意見」
生活保護費自体は国から4分の3が出ますが、ケースワーカーの不足に対しては自治体で対処しなくてはなりません。
人員削減の流れの中、確保することは大変なことと思います。しかし、ケースワーカー不足すると、利用者への十分な支援ができません。
議会でもよく取り上げられますが、自立支援を十分行うことで、生活保護の受給件数が減ることにもつながると思います。
また、一方でケースワーカーなど支援に当たる方々の長期にわたる過労やストレスもみのがせません。
からだもそうですが、メンタルヘルスを心配いたします。嘱託・非正規職員の活用や委託を含め、早急にしっかり増員をはかるべきと考えます。
(3)相談急増の背景と市の方針について
「多くの自治体が雇用情勢悪化による申請急増に対応しきれない」と報道されていますが、雇用との関係はどうでしょうか?
昨年秋に始まった米国発の金融危機の影響で国内の経済状況が悪化し、「派遣切り」や「雇い止め」等による非正規労働者の失職が大きな要因のひとつであると考えている。
住居を失った人の支援が増えているというが?
母子家庭についてはいかがでしょうか?
傷病世帯・高齢者世帯・障害者世帯等、いずれも増加傾向を示している。
『母子世帯に関して』は資料がない。
冷え込んだ社会状況をくっきりあらわしています。自治体としてきちんと向き合い、対処すべきであると考えます。
ほかの部署との連携や情報の交換や連携が必要と思いますが、どのようになされているのでしょうか?
社会保障制度におけるセーフティネットとしての役割を担うため、庁内外の連携強化を図ることが重要であると認識している。
具体的対策としては、精神障害者等の支援のため、精神保健福祉連絡会議へ参加し、医療、保健所、警察、福祉行政の連携をはかっている。
中核地域福祉ネットワーク会議にも参加し、分野横断的な支援のあり方を協議している。
「意見」
生活保護は最後のセーフティネットです。
高齢者支援や、障害者支援、母子家庭への支援といった、生活保護に至る前の福祉施策全体の厚みをつけていくことが必要です。
生活保護に関しては市民からもさまざまなご意見をいただきます。
安易にたすけを求めているのではないかとのご意見も耳にいたします。
しかし、新自由主義、グローバリズムの流れの中で、二極化がすすみ、今回の世界不況がさらに追い討ちをかけて貧困層が広がっていることは事実です。
非正規雇用が3人にひとりとなり、年収200万円以下の給与所得者が2006年には1000万人を超えました。
若い人の中にも仕事を失って、ひとごとではないと不安を抱いている方にお会いいたします。
ましてや高齢になって仕事を失い、次の仕事がない、年金もない・・・などの方が事務所に相談にお見えになります。
先日市川市のホームレス支援をしている「ガンバの会」代表の副田一郎さんに話をうかがいましたが、貧困には「経済的な貧困」と地域や家族のつながりが切れることによって起こる「関係性の貧困」の2つがあるということです。
地縁や血縁がうすくなって、生活に困っても昔のようにまわりに助けてくれる方がいない現代社会の状況です。
本市も人口の7割が他市から移り住んだ方々になっており、地縁、血縁が薄い方がすくなからずおられるように思います。
身近な自治体の支援が今一番必要とされていると思います。
4. 子育て支援について
(1)認可外保育所の助成について
今年初めて2400万円の予算がつきました。大変評価しています。
しかしながら、実際の運用に当たって、認可外施設や利用者からたくさんの声がとどいていますので、その声をもとにお伺いします。
3歳未満のお子さんに対し、2400万円ざっと100人への補助です。
まずは対象の要件についてですが、
一日4時間、週4日、月60時間以上の利用者が対象ということです。
しかし、パートで働くお母さんは、一日5時間、週3日で月60時間、あるいは1日8時間週2日で月60時間などの、年内賃金が非課税の範囲、つまり103万円以下に収まるように働いている方が多い、また、雇用の側のニーズとしても一日4時間以下で働いてくれというところは少ないという現状があります。
対象の要件を月60時間以上のみにするなど、柔軟にしてほしいのですが、お考えをお聞かせください。
今回は保育所の待機児童対策の一環として認可保育所の入所用件を満たしながら入所できない保護者の経済的負担を軽減することを目的としているので、入所用件との整合性をはかっていきたいと考えている。
つまり、4月から9月までの利用に対して10月に支給されるということになっていますが、とくに若い子育て世帯はお金がなく半年間の支給を待つのがむずかしいのです。
せめて千葉市などのように3ヶ月に一度の支給にしてほしいのですが、いかがでしょうか?
年4回の支給の方向で検討していく。
人件費を削らざるを得ない保育所がでてきていますが、利用する子どもたちへのしわ寄せを心配いたします。
施設への助成に対してはどのようにお考えでしょうか?
待機児童の受け皿を果たしている機能、保育環境に一層の向上を図る必要性等勘案し、検討していく。
まずは施設職員の健康診断や細菌検査などからの助成をお願いできないでしょうか?
健康診断の助成等については国の制度等の活用を前提としつつ、検討していく。
利用者には7月にはいってから周知を図るようにし、8月1日の広報いちはらで全市的周知を図っていく。
「要望」
待ちに待った認可外保育所の助成です。繰り返しになりますが、現場では大変評価しており、大変期待もしています。
ワークプラザにマザーズコーナーが今年1月に設置されました。
一日平均15人の利用があり、お子さん連れの0歳児から3歳児までのお母さんたちがとくに相談に見えるとのことですが、保育所を利用できないことが原因で仕事を断念したり、ためらわれる方が多いとのことです。
不況を反映し、夫の仕事が思わしくないと仕事を捜される方も少なくありません。
母子家庭も多く、働くのがあたりまえという若い世代の意識です。
働き方が多様になり、
公立の保育所で対処できないきめの細やかさを認可外保育所で担っているという側面もあります。
「利用者のニーズに沿った使いやすい制度」となるよう強く求めます。
(2)安心こども基金について
これは平成20年度国の第2次補正予算として、1000億円が計上されています。
都道府県に基金をつくり、子どもを安心して育てることのできるような体制整備をかかげています。
「新待機児童ゼロ作戦」による保育所の整備、子育て支援センター、学童保育、認定こども園等の新たな保育需要への対応など、たくさんのメニューが示されています。
この基金の活用についてうかがいます。
現在2園のあらたな認可保育園の設置をすすめています。
今回の設置に当たりこの基金を活用すると聞いていますがこの活用によるメリットについてお聞かせください。
本市の当初予算にくらべてどうでしょうか?
3200万円の市の財政負担の軽減が図れる。
たとえば認可外保育所助成のさらなる充実に対し、この浮いたお金の適用の可能性はいかがでしょうか?
担当部としては子育て支援に使いたいが、財政状況が厳しい中で、全庁的な調整がはかられると認識している。
今後研究したい。
支援センターは子育て中のお母さんたちに切望されています。
これを活用してもう1つ2つ設置していただきたいのですが、子育て支援センター設置に対するこの基金の活用についてのお考えをお聞かせください。
今回公募した民間事業者2施設に子育て支援センターを併設する。
これの活用についてはいかがでしょうか?
安心こども基金のなかでの認定こども園の整備対象は学校法人なり社会福祉法人が整備する。
市の方針が協議調整の段階なので今回は対応がはかれないが、引き続き庁内で検討を進めていく。
教育委員会で昨年7月にアンケートをしたときに認定こども園への移行を検討中の園が3園とのことでした。
認定こども園への移行を選択しない理由として、施設整備のための資金不足が大きいと聞きますが、この基金についての情報提供はなされたのでしょうか?
私立幼稚園の情報提供は関係部署と協議しつつ進めていく。私立幼稚園の実態、公立幼稚園のあり方など、現在進めている次世代育成支援行動計画の中で基本的に検討、位置づけをしていく。
この「安心こども基金」については、ばらまき型、保育の民間化を促進するなどの批判もありますが、本市でも不況を背景に待機児童がますます増加しています。
もっとも待機児童が少ない年度はじめの待機児童数が今年は114人で昨年4月の48人に比べ約2倍に増えています。
年度途中にはかなり増えると予測されます。
この「安心こども基金」は21年、22年の2年間の事業に適用されますので、時間が限られており、子育て支援のさらなる充実をはかるいい機会と考えます。
積極的に有効な活用をはかっていただきたいと思います。
いまいちどお考えをおきかせください。
待機児童の解消については、認可外保育所の助成、将来的な方向としての認定こども園、民間の誘導等さまざまな方策を用いながら、解消に努めていく。
国の補正予算の中で2500億円上積みされた安心こども基金の活用については、6月末日を期限として照会が県を通じてきている。
最大活用できるように、すすめていきたいと考えている。
(3)公立保育所について
実施計画では22年までの事業にあがっています。どのような予定ですか?
今年度上半期に仮設園舎の建設場所や新園舎建設後の機能等基本条件を決定していく。
校庭としては仮設園舎の建設、地質調査、基本・実施設計、新園舎の建設等あるので新園舎の竣工まで複数年を要すると考えている。
「要望」
五井保育所は基幹的な役割を持つと思うので、実施計画に沿ってしっかりすすめてください。
5. 精神障がい者への支援について
障害者自立支援法が2006年4月に施行されて、3年余りが経ちました。
精神障がい者はわが国においては長く医療のみの対象であり、強制入院による隔離政策がとられてきました。
自立支援法により福祉の制度の枠外に置かれてきた精神障がい者が知的・身体の障がい者とともに、共通の制度に乗り、かつ市町村を基本とするしくみに統一されました。
私は2年前の2007年の6月の個別質問でこの精神障がい者の支援についてとりあげております。
あらためて現場をまわり、話をうかがってまいりましたが、まだまだ課題は多いとはいえ、地域活動支援センター1型が初めての法定施設として19年の4月に開設し、精神障がいの福祉が市内でも着実に進んでいることを実感いたしました。
今後、さらに行政の取り組みが期待されます。
今後、精神障がい者への支援をどのように進めていかれるのか、自立支援法の見直しに基づいてこの3月に出された「第Ⅱ期市原市障がい者福祉計画」や、当事者の声等をもとに、以下、質問いたします。
(1)地域生活への移行について
国は今回の法の見直しで、社会的入院をされている精神障がい者のなかで退院可能な方が地域で暮らしていくことにかなり力を入れていくようです。
長く入院していた方が地域で暮らすためには、さらにがっちりとした地域の受け皿づくりが必須です。
この国の「地域移行」の方針に対し、市の具体の取り組みについてお伺いします。
まず地域活動センターⅠ型について
地域活動センターⅠ型「はばたき」は平成19年度から今の事業を委託されました。
以前は「統合失調症を発症しても本人やご家族がどこに相談していいかわからない」との悩みをよく聞いたが、「はばたき」ができたことで、発症したとき、またその後の折々に相談する場ができたということです。
地域の精神障がい者福祉の中心的な役割を果たし、質の高い、いい方向に向かっているなあとしみじみ感じました。
相談に来た方としっかり向き合い、病気や相談の背景にあるものを調整していく。
近年相談がさらに複雑になってきており、それに対応するには支援者のかなりの力が必要です。
計画には地域活動支援センターⅠ型をもう一箇所設置と示されていますが、これについてのお考えをお聞かせください。
社会資源としては市内にグループホーム、ケアホームが11箇所整備されている。
地域活動センターⅠ型の増設についてはまず利用者のニーズを適格にとらえることが必要と考えている。
今年度試行的に旧南部保健福祉相談室を活用し、10月以降2ヶ月にいっぺん程度の相談をしたいと考えている。
さらに増やすという考え方もありますが、今の答弁にあったように南部にサテライト式に設置したり、定期的に相談日を設けたりする、またはショートステイなど今ある同センターの質を上げるなど、まずはニーズ把握をし、当事者の声を聞いて支援が必要と思います。
いま一番求められているのは、気軽に利用できるショートステイです。
高齢者のショートステイはありますが、精神障がい者のためのショートステイは市内に今ひとつもありません。
退院してアパートで一人暮らしをされている方、ご自宅で家族と暮らしておられる方が、調子が悪くなったときに「病院に入院」ではなく、「まちなか」で短期入所ができるショートステイは、地域移行を進める上で、大いに役立つと思われますが、いかかでしょうか?
ショートステイについては定期的、継続的に受け入れる施設は今のところないので、あらたなサービス事業者の発掘やグループホームで利用できるように各事業者へ働きかけていく。
本市は広域なため、送迎バスなどの通うための足も大きな課題です。
これについてどう考えますか?
現在ショートステイのための送迎は法定サービスではないので、今後、国、県へ要望していく。
3年間で26人。
退院された方はグループホーム入所が20人、居宅は6人。職業についたかなどは把握していない。
「要望」
地域生活への移行はすすめるべきと考えます。
しかし、地域の支援体制がととのわないのに退院したのでは、当事者やご家族は、もっと苦しい思いをいたします。
当事者や地域活動支援センターなどの現場の声を聞いて、じっくり意見を交わしつつ、ニーズに沿った支援をさらに一歩ずつ進めてください。