平成21年度 第4回市原市議会定例会 議案質疑 岡村由美子
市議会レポート【議案質疑】岡村由美子
議案第85号「市原市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定ついて」議案質疑をいたします。
(以下の意見を付けてこの議案には賛成しました。)
人事院勧告による国家公務員の給与改定に準じて今回4条例の改正が示されました。
1.不況を背景に民間の給与が下がっています。経済状況が低迷している中で、市財政も大幅な歳入不足となり、その不足分のいくばくかを、市職員の給与カットで乗り切るべきであるとする考えは、確かに一般市民感情からしてみれば、妥当なものかもしれません。総務省発表の10月の完全失業率は5.1%。政府は国家経済がデフレに突入したことを宣言。失業も長期化しています。非正規雇用の若者がますます増え続けるなど、厳しい状況が続く民間の窮状に比べれば、公務員はむやみに首切りがない安泰な職場であり、その給与水準は、もはや、民間に比して決して安くない、と一般市民は感じております。
そんな中で示された今回の改正案であり、それに対し異論を挟むことにためらいもあるのですが、敢えて今回の賃金カットが、民間企業で働く人たちにとってもマイナスに働いてしまうのではないか、と懸念し、何点か、お伺いします。
地方公務員の給与は生計費や国・他の地方公共団体の職員ならびに民間企業従業員の給与等と均衡を考慮して定めるとともに、社会一般の情勢に適応するよういわゆる情勢適用の原則を講じることとされている。
このような基本的考え方をもとに質問にお答えする。
給与改定の背景は人事院では4月に従業員50人以上の企業2,700社を調査対象に夏季一時金の特別調査を実施し、6月期末手当の0,2か月分の削減という臨時人勧が行われた。さらに1,100社を対象とした調査結果を受け、8月は人事院勧告がなされ、今回の措置が盛り込まれた。いわゆる情勢適用の原則には十分配慮された。
歳出削減の額は2億9400万円。
昨今の景気の動向から将来に向かって明るい兆しも報道されている。負の連鎖については考えなくてよいと考えている。
6月の減給の折に、市内商工業者に話を聞いたところ、「世界不況で市内の商工業者はかなり冷え込んでいる、公務員の減給は地域経済に大きな影響を与える、買い控えや購買力の低下を招き、ますます消費が落ち込むのではないか」と心配されておられましたが、公務員の給与引き下げの地域経済に対する影響についてのお考えも合わせておきかせください。
消費に影響がないとはいえない。その前提となる家計への収入時点での措置が今回の措置であることから、市民の皆様のご理解が得られると考えている。
安易な賃金カットは、働く職員の、暮らしを切り詰めさせ、活力・意欲をもろに減退させることにも繋がりかねません。(このくらい簡単で良い)
今回は、本給とボーナスがカットされています。ボーナスは成果、業績によって支払われるものという考え方がありますが、実際にはボーナスと月給賃金を合わせた年収で生活設計しています。0・35ヶ月は決して小さい額ではありません。
給与引き下げによる職員の生活への影響について、どのように考えておられるのかお聞かせください。市職員の士気の低下が、住民サービスへの影響につながってはならないと考えますが、その影響をどのようにお考えかお聞かせください。
影響なしとはいえないが、地方公務員の情勢適応の原則に基づいているので職員への理解を求めていきたい。
この措置は家計への収入の部分として情勢適用の原則をもって削減したものである。地域経済の影響がないとはいえないが、各当事者のあいだでの話題であると考える。
今回の措置は先行して実施するものではない。1,100社の企業の動向を把握したなかで行ったものである。本市が先行して実施するものではなく、それに適応した措置であることを理解いただきたい。
(最後に)
冒頭でも申し上げましたが、労使交渉の結果もあり、また、市民感情等考えますと、今回の改定に関しては致し方ない面もあり、反対をするものではありません。
しかし、このままこの官民の賃金切り下げの負の連鎖が続いていくことに、私は、大いに疑問を感じています。どこかで歯止めをかけるべきです。歳入不足を、「国の指示だから」ということで、安易に賃金カットで補う前に、賃金が、簡単に時の経済状況に左右されるだけでいいのか、職員の労働者としての権利について、今一度、議論が必要ではないかと思います。職員が将来への展望を持って職務を遂行できる環境を整えるためにも、安易な給与カットは行うべきでないとの考えをお伝えし、私の質疑を終わります。