平成23年度 第4回市原市議会定例会 12月7日(水)

【代表質問】 岡村 由美子

1. 総合計画について

(1) 策定について

質問
民主党政権が樹立されて2年余り、先の通常国会で、2次にわたる地域主権改革関連の一括法が成立しました。
これにより、地域主権改革は新たな局面を迎えています。地方へ権限が委譲され、地域の権限が強くなる分、責任も重くなります。地方の覚悟が問われる時代です。今回私はその中のひとつ、総合計画をとりあげて、質問します。市町村が基本構想を策定する義務が撤廃され、自治体の最上位の計画である総合計画の策定に法的な根拠がなくなった状態にあります。本市において、今後、総合計画の策定についてどう考えておられるか、まずは見解を伺います。

答弁
重要性について変わりはないと考えている。

(2) 策定における市民参画について

質問
本市は平成16~17年にかけて市民参画で、現計画をつくりあげており、その点はまさに全国に先駆けていたといえます。
市民参画についてあらためてその成果をどう検証しているのか、こんごについてどのように考えておられるか、お聞かせください。

答弁
総合計画策定に市民参画は欠かせないと考えている。

(3) 条例化について

質問
今回の法改正で、基本構想は議決事件の義務がなくなりました。
議決事件の対象として条例に追加するなど、総合計画策定について行動を起こしている地方議会が増加し、条例で総合計画の法的根拠を担保しようという議会が増えています。
条例化についてのお考えをお聞かせください。

答弁
策定手続きは自治体ごとの自主性にゆだねられている。他市の例も参考にしつつ、対応していく。

(4) 市長マニフェストと総合計画との連動について

質問
市長マニフェストと総合計画を連動させることについての見解を伺います。

答弁
状況に応じ、選択しながら、市長マニフェストと総合計画の統合、具現化につとめている。

(5) 市庁舎建て替えと総合計画について

質問
市庁舎建設については9月議会で早速検討委員会や専門部会が立ち上がったとの答弁がなされています。
しかしながら、私は市庁舎建設は総合計画にしっかりくみこんで、市民参加で実現していくべき大規模事業と思っております。
今後の自治法抜本改正のなかでも、大規模な公の施設に際し、住民投票が予定されているという話も聞いております。
時間をかけて構想を練り、次の総合計画にのせるくらいでちょうどよいのではないでしょうか?お考えを伺います。

答弁
市庁舎建て替えについては可能な限り早急に、一定の方向性を示す必要がある。

2. 広域な市原市のまちづくりについて

(1) 上総いちはら国府祭りについて

質問
10月29日、30日は第一回上総いちはら国府祭りがひらかれました。祭り直後に何人か方に感想を聞いてみましたら、日頃「顔がない」「埋没している」といわれる市原市だが、上総国府という売り出し方はとてもよかった、遠くから人を集めるのに値する祭りであった・・・と好評でした。
これだけの規模の祭りを仕掛けていくのは大変であったと思いますが、まずは大成功だったのではないでしょうか。準備の過程での成功のポイントや苦労話などもありましたらお聞かせください。

答弁
5,000人を超す参加者の着替え場所の確保、駐車場や移動手段警備計画に日数を要した。

(2) 玄関口としての五井駅について

質問
① 祭りのときの五井駅について
五井駅がさびしかった、もっと駅でのPRをすべきではないかと声がありました。たとえば祭りの幟を立て、中央会場までずらりと並べたり、案内をおおがかりにしたらどうかなど具体的な提案もありましたが、この点についてどう思われますか?

答弁
我々も反省している。幟り旗は来年以降実施していく。

質問
② 玄関口としての五井駅について
五井駅についてはたとえば改札を出た時の案内がない、
西口に「『更級日記』旅立ちのまちへようこそ」の看板があるが、それに対する説明が一切ない、
ここを訪ねてみようという気にさせられるような地図がない、
小湊鉄道への案内が実に地味である
市原市の玄関口の五井駅がはたしていまのままでよいのか、この点についてのお考えをお聞きします。

答弁
現在検討作業を進めている。JRも五井駅のレイアウトを大幅に改修する計画と聞いている。同社とも協議を行い、向上を図っていく。

(3) イベントの展開とふるさとへの意識について

質問
平成23年度に北部の五井で上総いちはら国府祭りが始まり、25年度には南いちはらでアートフェスティバルが開かれる・・・大きなイベントの仕掛けを通じて、内外に市原を大いに発信していくとともに、私はこの二つのイベントには大きな意味合いがあると感じております。広域の市原市はいままで、各地域ごとに分断されがちでした。合併合併で大きくなった歴史もあり、いまひとつ市としての一体感に乏しい、ふるさと意識が散漫になりがちであるといった弱さがありました。しかし、このふたつの北と南の大きなイベントを通じて一体感を醸成させていくまたとないチャンスとも思えます。
もちろん市長や執行部の方々はこのような狙いもあって、今回の仕掛けづくりをしておられると思いますが、イベントの展開とふるさとの意識づくりについてお考えをお聞かせください。

答弁
北部の国府祭り、南部のアートフェスティバルでふるさと意識、郷土愛を盛り上げていく。

質問
市民の7割が外から移住してきた市原市です。市民に向けてアピールしていく、市民をまきこんで一体的なふるさと意識を醸成させていくことが、これは実はいちばんの難関。腰を据えて取り組む必要があります。
本市は美術・工芸など市民の活動がさかんだが、市民をまきこむ一つの方法として、既存の文化団体などのアートフェスティバルへの参画についてはどう考えるか?

答弁
多くの市民の方々にアートフェスティバルの参加をよびかけ、文化団体とも協議をしていく。

3. 美術・工芸など文化団体等の今後の展示の場について

質問
11月のはじめサンプラザの2階プラザホールで、文化祭が催され、美術展や工芸展があいついでひらかれました。
私も訪ねてみましたが、絵画、書、工芸などなど質の高い作品がならんでおりました。また、日頃懸命に制作した作品を出展されている方々の、その晴れやかな表情に胸打たれる思いでした。サンプラザ市原は来年7月より改修にはいります。プラザホールのある2階は支所と、消費生活センターになります。
このプラザホールはとくに文化団体や、個人の展示の場として利用されています。改修後に展示の場はどうなるのか、不安の声があちこちから市民ネットに寄せられています。
展示の場についてはどのようにお考えでしょうか?

答弁
サンプラザ7階、11階の多目的室及び9階の学習フロアを工夫して利用いただけると考えている。

質問
たとえば、パネル、レール、照明など、利用者の声を聴き使い勝手をよくしてほしい
また、「今後展示場がどうなるのか」という文化団体の不安に責任を持って市として応えてていく必要があると思いますが、どうでしょうか?

答弁
担当部署に整備の要望を伝えていく。既存施設の活用についても、文化団体等に情報提供していく。

4. 辰巳台地区保健福祉センター建設について

質問
11月20日に辰巳台地区保健福祉センター建設促進委員会がひらかれました。12月5日には委員会のメンバーが市長室に訪れ、要望書を手渡し、私も同席させていただきました。
辰巳台地区保健福祉センターについては、一昨年の市長と町会長のまちづくり懇談会では南部保健福祉センターの整備に目途がついたあとになる、また、菊間保健福祉センターの補完施設として位置づけられると説明されています。南部保健福祉センターについては昨年基本設計を終え、今年は実施設計に着手するときいております。用地取得にいささか手間取っているものの、ほぼ予定通りに進んでいるようです。
辰巳台の保健福祉センターについては一歩踏み出す時期に来ていると思いますが、どのようにお考えなのか、お聞かせください。

答弁
来年後期の南部保健福祉センター着工の進捗状況を踏まえ、地元住民と協議していく。

質問
来年度後半には辰巳台に協議会を設立するのか今一度確認します。また、南部の保健福祉センターでは協議会で地元の意見をとりいれていったと聞きますが、同じように意見をとりいれていってくださるのでしょうか?

答弁
一定のめどがついてからと考えている。南部と同じ手法で地域住民の意見を伺っていく。

質問
ぜひ地域福祉の拠点となるような保健福祉センターにしていただきたく思いますが、いかがでしょうか?

答弁
菊間保健福祉センターの補完施設として位置づけているが、地元のご意見を反映し、地域コミュニティが醸成される場になるよう、協議していきたい。

5. 市民活動の支援について

(1) 市民活動継続のための資金調達のしくみづくりについて

質問
本市においてもとくにこの10年間はたくさんの市民活動が生まれ、育っています。
団体発足の際は市からの補助を3年ないし、5年程度もらえる制度などありますが、補助が終わったあと継続していくことに四苦八苦している団体も多いようです。内閣府が打ち出した「新しい公共」の政策に市原市も手をあげて、千葉市、袖ケ浦市の近隣3市とともに平成23年、24年の2年間でとりくんでいると聞いております。
今年はサンプラザを主な会場にし、4回にわたってNPOのための連続講座をひらいて、そこで資金調達のしくみづくりに一歩踏み出すとのことです。
まずはこの講座の目的と内容についてお聞かせください。また、資金調達のしくみづくりという点ではどのようなことを行い、今後具体的にどのようにしていくのか、あわせてお聞かせください。

答弁
「民が民を支える仕組み構築モデル事業」で、今年度と来年度で、市民、企業等が日常的に市民活動団体に不可欠な資金・物品・人材等の資源を手当てすることで市民活動を支えるしくみをつくっていく。
参加した団体は30。情報冊子を発行する。
企業1500社へのアンケートをもとに、積極的な事業者と市民団体のマッチングを2月16日に「京葉こらぼ」と銘打ち、実施する。

質問
資金調達のしくみづくりとして、私は決算委員会でも申し上げましたが、今、公園愛護団体に対しては、広さと活動の内容に応じて、報奨金という形で支払われております。これを現在は現物支給というかたちの河川愛護団体、道路愛護団体、里山保全団体にもひろげ、同様に報奨金という制度にしてもらえないかと思っておりますがいかがでしょうか?

答弁
県や近隣市の情報を得ながら、どのような支援の拡大がはかれるか、研究していく。

質問
このような市民との協働事業は、おそらくは、限りなくゼロ予算に近い形で、市民のパワーを借りて安上がりでやっていきたいというのが行政側の本音ではないのでしょうか?
私は、このようなまちや山をきれいにする活動は市内を美しくするだけでなく、住民の絆づくりにもつながるし、教育、環境的観点からいっても、本当に一つの事業がいくつにもひろがっていく、一石投じれば五鳥くらいの波及効果があると思います。費用対効果という意味では少しの投資で何倍もの効果があると思う。
しかし、そのちょっとの投資を惜しむばかりに、市民活動が継続できない、広がらないということになってしまいかねません。やる気のある市民団体を思い切って支援していくことは、双方にとって利益があるのではないでしょうか?
実際、道路整備など業者に委託するのより、ずっと安くあがります。
河川や道路が公園とまったく同じ形の一平米いくらという形でなくてもよいと思いますが、ぜひ奉仕活動に対する報奨金という形でお金での支援を取り入れてほしいと思います。いまいちど、ご答弁をお願いします。

答弁
支援拡大を研究していく。

質問
市民活動を安上がりの労働力として考えるのでなく、投資として考えていく発想の転換を望みますが、考えをお聞きしたい。

答弁
市民の皆さんの思いを大切にしていきたい。予算については検討していく。

(2) 体制強化について

質問
市川市はじめ先進市ではNPO・ボランティア支援室を企画部等のもとに直接「課」として位置づけて体制の強化をはかっています。本市でも体制強化が必要と考えますが、いかがでしょうか?

答弁
まずは市民の力を強化していくこと、それにあわせて、組織体制を差苦心していくことが必要と考える。

質問
決算委員会で質問したところいまの3人体制では厳しいという答弁をいただいています。私は改訂総合計画はじめ本市のあらゆる計画の柱に掲げられている「市民の協働」をほんものにしていくためにいま、この部署の体制を強化することは喫緊の課題と考えます。これについて総務部の見解をお聞きします。

答弁
事業量に見合う組織の立ち上げについては検討中。24年度どのような形になるか、」協議の上判断していく。