平成30年 第3回市原市議会定例会

代表質問 小沢みか

1.若年女性人口推計を踏まえた基本計画の方向性について
・最新の人口推計から 子どもの減少深刻
今年(2018)3月に国立社会保障・人口問題研究所が将来推計人口を公表しました。2015年の国勢調査を基にした、2015年から2045年まで30年間の将来人口の推計値です。0~15歳の子どもの人数に着目すると、2015年を基準に15年後には24%減少、30年後には41%減少と厳しい数値は相変わらずですが、千葉県全体ではそれぞれ16%、26%ですから、市原市の子どもの減少の深刻さは際立っています。
総合計画の人口フレームで示されているように、若者、特に女性の転出超過が市原市の特徴です。それがこの結果につながっていることは疑う余地もありません。

・若年女性の減少率 近隣10市の比較より
そこで、20 ~ 39歳女性の30年間の人口について、最新の推計値とその5年前の推計値を、京葉 8市と木更津市・袖ヶ浦市を加えた計10市で比較したグラフを作成しました。
2015年から2045 年まで30年間の減少率(赤)は、市原市がダントツです(市原市42 %、市原市以外の9市平均17 % )。しかしそれよりも注目して頂きたいのは、他市は全て5年前の推計(2010年からの30年間)(青)よりも大きく改善している中で、市原市だけが悪化しているという点です。
勿論これら推計は現総合計画がスタートする前のトレンドですが、現計画の策定時に参考にしていたデータより、実際はもっと深刻な状況ということです。
この結果はもちろん偶然ではありません。この周辺自治体との明らかな違いはなぜなのか、何が市原市の変革を阻んでいるのか、さらに危機感を持って再度分析し共有することが必要だと思います。ご見解をお聞かせ願います。

答弁(企画部長)
2018年3月に国立社会保障・人口問題研究所が公表しました「日本の地域別将来推計人口」は、2015年の国勢調査を基に推計がされているものであり、この調査における本市の人口は、274,656人で、前回5年前の国勢調査と比較しますと、5,760人の減少となっております。

特に20歳代、30歳代の女性の減少傾向が顕著となっており、このような状況が将来推計に反映されたものと捉えております。

この原因といたしましては、市原市人口ビジョンの策定にあたり、2015年9月に実施いたしました「市原市総合戦略策定に関するアンケート調査」によると、20歳代、30歳代の女性の主な転出理由として、「自分を含む家族の仕事の都合」「結婚・離婚のため」、次いで「より良い住宅を求めて」「親や子ども、その他親族との同居・近居・別居のため」となっております。

また、総務省の住民基本台帳人口移動報告による主な転出先といたしましては、「千葉市」「袖ヶ浦市」「木更津市」となっております。

一方、千葉市、船橋市、市川市、木更津市、袖ヶ浦市など推計値が上昇している自治体においては、女性の主要な働き場所とされる商業施設の開発や鉄道、アクアラインなどの交通利便性の向上と相まって、住宅開発も進んだことから、この間人口は大幅に増加しており、こうした状況が推計値の上昇に表れているものと推察しております。

こうしたことから、本市におきましては、女性の働く場所の確保やそこへのアクセス、また、住み替えが必要となったときに本市を選択してもらえる住環境といった面が課題と受け止めております。

今回示された将来推計人口は、2015年の国勢調査に基づくものであることから、その後に策定いたしました「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や総合計画の施策の効果は反映されておりません。

しかしながら、定住人口が依然として減少している状況を踏まえ、「変革方針2018」において、一層の人口減少対策を進めることとしたところであり、改めて人口の動向や、移住定住に係るニーズについて詳細な把握、分析を進めてまいります。

・女性にもっとスポットを当てよ

以前当局から「工業都市のイメージが強すぎる」とのご答弁があって、それは全く的を射ていると思いますが、このままで本当にそのイメージが払しょくされるのでしょうか。

基本計画(p12)では、若年層の転出超過対策として計19施策が掲げられていますが、特に女性に関係が深い又は関心が高い施策を敢えて探すと「子育て支援の充実」と「教育の推進」の2施策のみ。全体的にターゲット層が曖昧で、他市との差別化や女性へのアピールポイントも見当たりません。少なくとも市民にはそう映っています。

総合計画の人口フレームでは、転出超過の削減分の7割を女性とする必要がある(p11)としているが、その重要な視点が、施策として各部門に落とし込まれる段階でなぜか薄まってしまう。そのことを端的に表しているのが、評価指標です。実行計画の1415指標のうち「女性」という言葉が出てくるのは男女共同参画部門にわずかに見られるだけです。このままで本当に大丈夫なのか。

何か新たな施策が必要という以前に、まず庁内全体の意識の問題が根底にあるのではないか。市長のご見解をお聞かせ願います。

答弁(市長)
私は、人口減少と少子高齢化が急激に進む時代のなかで、あらゆる分野における若者や特に女性の活躍は、将来にわたって活力あるまちづくりの推進に欠かせない重要な「鍵」であると捉えております。
このことから、2016年3月に「市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、「若者・女性の希望を叶える支援の推進」を柱の一つに据えるとともに、市原市総合計画においては重点施策として、起業・創業の後押しなどによる「若者の雇用機会の創出」や、特に女性のキャリア形成や再就職サポートを進める「女性の活躍推進」、さらには「子育てネウボラを中心とした切れ目のない支援」など、積極的な施策展開を進めてきたところであります。
このような中、総合計画の進捗度合いを表す指標において関連する「子育てと仕事を両立することができたひとの割合」や「市原市で子育てをし続けたいと思うひとの割合」は目標に対し計画を上回る状況となり、取組の成果が現れてきているものと思っております。

しかしながら、定住人口27万人の維持に向けては、現在の人口動向が、総合計画の目標として掲げる展望値推計を下回る状況の中、個々の施策の効果は見られるものの、若者世代や女性の転出超過は続いており、より一層の取り組みが必要との思いを強くしたところであります。
このことから、「変革方針2018」では、さらなる人口減少対策の強化のため、政策間連携に積極的に取り組むとともに、働き方改革や女性活躍社会の実現などの施策展開を進めることを、今後変革を進めるべきポイントの一つに掲げたところです。

この先、さらに効果的な人口対策を進めていく上では、シティプロモーションや移住定住等の各種施策の展開にあたり、若い女性や子育て中の若い世代など対象をより明確にし、また市北部の市街地と南部の自然など、生活環境や地域特性の違いを踏まえる必要があるものと考えております。

こうした中で、人口減少対策として、特に女性の転出抑制の重要性を、職員に改めて強く認識するよう求め、女性に関する指標の設定を含め、施策の効果を確かめるとともに、女性へのプロモーションも強化しながら、この課題克服に特段の意を用いて取り組んでまいります。

庁内の意識が変われば自ずと、例えば、起業・創業の促進の指標が、単なる創業数ではなく、女性の起業数や女性に好まれる業種の創業数という具合に変わる。ゴルフ場の利用者数も、女性の人数が指標になってもいいのではないでしょうか。

そんな庁内の変革の波を、市長のかじ取りでぜひ起こしていただきたい。

2.人の活躍と地域主体のまちづくりについて

現在、実行計画の重点項目でもあるこの理念の具現化に向け「市民公益活動支援と協働推進体制」や「まちづくりサポート制度」が始まろうといています。しかしその前提にある担い手の育成、つまり社会教育の強化と、社会教育から公益活動につなげる行政側の意識と仕組みがまだ追い付いていないということをここで課題に挙げたいと思います。

私は、そのカギを握っているのが地域密着型施設である公民館やコミュニティセンター、或いは支所であり、これら施設のあり方を現代社会のニーズに応えるべく再構築する必要があると思っています。

・公民館やコミュニティセンターのあり方について

(特に公民館)マニュアルの縛りの弊害

先日、ある福祉活動団体の方の相談がきっかけで、「外出が困難な高齢者のためのコミュニケーション支援講座を開こうとしたが、公民館ではそれができない」という事例に接しました。

確かに、当局が定めたマニュアルに従えば、サークルの内輪の趣味やお稽古事のための利用はOKだが、広く住民に開かれた研修会等は、公共性や公益性が高い活動でもNG。コミュニティセンターの基準も、多少緩いとはいえ基本的には公民館に準じています。

本来、社会教育法や条例で禁じているのは、営利目的や特定の宗教・政党への支援です。ところがこの事例のように、法令順守の意識が高じるあまりに拡大解釈された市のマニュアルが、現場で住民の自治活動やその意欲を阻んでいるという実態があります。これは如何なものか。

もっと言えば、特に社会教育施設は経済活動になじまないとされてきましたが、新しい地域活動の在り方を考えれば、企業のCSR活動や、コミュニティビジネスなどの地域の中での経済の循環に柔軟に対応することも、今後は求められるのではないでしょうか。

これらの点についてどう整理されているのかお聞かせください。

そして、今後両施設を、住民の学びあいにとどまらず、自治意識の向上から協働による実践に結びつけるサポート施設としての役割が十分に発揮できるよう、マニュアル等を見直す必要があると思いますが、この点についても合わせてご答弁ください。

答弁(生涯学習部長)
両施設におきましては、もっぱら営利を目的に利用することはできず、ご質問にありました、コミュニティビジネスでの利用につきましては、難しいものと考えております。
また、公民館においては、社会教育法に基づき、特定の営利事務に公民館の名称を利用させ、その他営利事業を援助することは行ってはならないとしており、そのおそれがあるものとして、不特定多数を募集する研修での利用を制限しているものでございます。

しかしながら、公共性の高い活動等での利用につきましては、法の趣旨や施設の設置目的に即した利用がなされるよう、その目的等を確認しながら判断してまいります。

近隣自治体7市中6市は不特定多数対象の講習会の開催を許可しています。

市原市も今後多様な主体との協働を一層推進するのであれば、例えば「営利性と公益性と共益性(互助)をどう線引きするのか」「営利性と社会貢献性のバランスをどう考えるか」といったような「公共的・公益的な活動」の考え方を改めて整理し、市民に示す必要があるのではないでしょうか。


・(特にコミセン)社会教育施設としてのマンパワーや専門性の強化について

それは別としても、先ほどの事例のような問題は、本来であれば一律に禁じるのではなく、現場が内容をチェックし判断すればいいはずです。公共性を担保しつつ市民のニーズにきめ細かく応えるために、当然求められる作業です。現在それができないのは、現場のマンパワー不足や社会教育に関するスキルの向上が課題にあるのではないかと思う。

私は、これら課題解決のためには、社会教育指導員や社会教育主事など職員の配置をさらに充実させることで、社会教育の拠点施設としての専門性を強化することも必要だと思いますが、ご当局の見解をお伺いします。

答弁(生涯学習部長)
両施設は、市民の身近な学習や地域の活動、交流の場として重要な役割を担うものであります。
そのなかで、公民館では、社会教育法に基づく施設として、社会教育の専門的な指導者として社会教育主事や教員等の資格を有する者などを社会教育指導員として配置するとともに、教育委員会に社会教育主事を置くことで、各公民館の主催事業への指導や助言、公民館の巡回などを行っております。

一方、コミュニティセンターは、設置目的等が異なることから、社会教育に関する連携体制を構築していない現状にあります。
しかしながら、両施設は類似する施設でありますので、お互いに異なる機能をそれぞれ強化することにつきまして、公共施設全般の課題として捉え、関係部局と連携して調査・研究してまいります。

・公民館とコミュニティセンターの所管の一元化について

(これまでのご答弁を聞いていても)、両施設の機能を共に充実させようとしたとき、公民館とコミュニティセンターの所管の縦割りの弊害を感じます。

総合計画に掲げる「地域活動の拠点づくりを進めます」という施策のなかに、公民館は位置づけられていません(p55)。反対に「学びの環境を支援します」のなかに、コミュニティセンターは位置づけられていません(P57)。理由は単純で、国の制度に則った補助制度や設置目的に沿ったらこうなるのでしょうけれども、市の政策レベルや職員の意識までもがいつまでも国の縦割りの発想に引きずられる必要はありません。

コミュニティセンターも社会教育施設として位置づけます。公民館も地域活動支援を強化する。その結果、目指す目的が一緒ならば所管を一元化した方が市の政策が通りやすいのではないでしょうか。

もちろん市民にとっても所管部署が別である意味は何もありません。ご見解をお伺いします。

答弁(市民生活部長)
公民館とコミュニティセンターは、ともに「地域社会のニーズに応える学習・文化・コミュニティ振興の場」として、多様な学習機会や交流の場として、多くの市民の方々に御利用頂いている、類似施設でございます。

施設の使用料の設定につきましても、施設間で調整をするなど、類似施設としての統一的な運用を図っているところでございます。

このような、類似した施設ではございますが、公民館は社会教育法に基づく施設であり、コミュニティセンターと根拠法令や施設の設置目的が異なることから、管理運営上の取り扱いに一部相違する部分もございます。

したがいまして、所管の統一につきましては、それぞれの施設の役割や、あり方について、他市の事例などを調査するとともに、公共施設再配置基本方針に基づく、公共施設の見直しの取り組み状況を勘案しながら、関係部局と連携して、研究して、取り組んでまいります。

市長も既存の常識の捕らわれない市政運営を旗印に掲げられています。ぜひ前向きに検討いただきたい。

・指定管理者制度の弊害

もう1点、以前私は、公民館の管理運営について、複数の運営委員会の方から、コスト削減ありきの行政への不信感や運営の継続性に不安を訴える声を受けて、指定管理者制度に疑問を投げかける質問をしました。

直営からのコストの削減は、人件費の削減に依存しています。運営委員は手弁当。職員の労働条件が不安定で専門性が保てないため、サービス後退につながりかねません。

地縁団体に社会教育の専門性を求めるのは限界があるから、公共性を担保するために行政のマニュアルに従っているのが実態ではないしょうか。これでは指定管理者制度の意味がありません。

両施設の専門性を高め機能の強化を図るうえで、このまま指定管理者制度を継続するのが果たしてベターな選択なのか。当局のご見解を伺います。

答弁(生涯学習部)
両施設は、市民にとって身近な学習と交流の場であることから、地域の実情や住民ニーズなどを身近に把握している、地域住民で構成する団体を指定管理者としております。

このことによりまして、地域に根差した事業展開や運営が図られて、公民館の利用者数や主催事業への参加者数が増加するなど、着実に成果があがっているものと考えております。

今後も、施設の設置目的の実現に向け、より専門性を高め、多様化する市民ニーズに、効果的かつ効率的に対応すべく、取り組んでまいります。

地域に根差した事業展開は、地縁団体との連携強化や運営委託でも十分可能です。同制度が導入されて15年ですが、全国では未だ90%以上の公民館が直営という事実は、何を意味しているのか。
施設のあり方に対する責任があいまいな現在の状況では、地域主体のまちづくりにブレーキがかかると思います。様々な提案をさせていただきましたが、ぜひ改革されるよう要望します。

・支所におけるまちづくり支援機能の強化について

地域担当制度について(⇔業務分担制度)

2年前の本会議で、私は支所に「地域担当職員」を配置するよう要望しました。支所を各種届出の窓口事務にとどまらず、地域課題の把握や情報提供、行政との連絡調整などを担うことで、支所に地域活動のワンストップ窓口機能を持たせるというものです。その時のご答弁では、職員の業務量の増加や能力の格差などを懸念しておられましたが、私は、それらは結局行政側の理由で、住民にとってのメリットの方が遥かに勝ると感じました。

改めて、同制度の導入について当局のご見解を伺います。

答弁(市民生活部)
少子高齢化の進む人口減少社会において、ライフスタイルの多様化などから、防犯、防災、環境美化や地域福祉などの地域課題は、ますます複雑で困難化することが懸念されております。

議員からご提案いただいている「地域担当者  制度」につきましては、職員が地域とともに汗をかき、「顔が見える関係」が築くこと、職員が地域とのパイプ役となり、地域課題の共有や迅速な対応を行うこと、などが期待できる手段の一つと考えております。

一方で、制度導入の課題として、職員は補助金や公共事業など地域の利害にかかわることもあり、 職務との兼ね合いで公平性や信頼性に疑義が生じかねないことなども懸念されるところであります。

現状といたしましては、支所長を中心に地域の 各種団体の会議への出席や、町会などからのご意見やご要望を各担当課につなげるほか、平成28年度からは、地域課題への対応のために町会長連合会が、設置した「部会」に参加し、関係部局とのパイプ役を果たすなど、「地域担当者制度」の役割の一部を担っております。

このことから、現在の取組に対する町会長連合会等からのご意見、今年10月に設置予定の「(仮称)市民活動相談コーナー」における様々な団体からの ご意見や運用状況を見極めながら、引き続き、制度 導入に関する研究をしてまいりたいと考えております。

50年近く同制度を続けている習志野市は、当時職員から「黒船の来航を告げる半鐘だ」との声も上がったそうですが、いまや当たり前に定着している。職員の意識を行政主導から市民本位へと変え、また住民の意識を「物申す」型から「考え」「行動する」型へと発展させるためのシステムだそうです。これはまさしく、市長が目指すまちの姿に通じるのではないでしょうか。

現在、この後質問する公共施設のマネジメントが進められていますが、支所、公民館、コミュニティセンターといった地域拠点施設の機能をどう位置づけ繋げるかという視点は戦略上とても重要で、市全体のマネジメントにも大きく影響する問題だと思います。

3.公共施設のマネジメントについて

(1)モデルケース事業にみる再配置の考え方について(p121)

・学校規模適正化との関係は

公共施設の再配置の手法を検討するためのモデルケース事業が、八幡宿駅周辺を対象にスタートした。手始めに、公民館利用者や青少年育成支援団体との地域懇談会が開かれています。

検討の段階から地域住民との協働作業で進める市原市初の事業で、再配置のリーディングケースとして、大いに期待をしつつ注目しているところです。

対象施設は、八幡宿駅西口1㎞圏内の公民館や認定子ども園など計7施設。一方、東口にある築49年の八幡中や築35年の八幡東中は、学校規模適正化の中で統廃合案が示され、今後教育委員会が地元との協議を行う予定となっています。

線路1本隔てて教育委員会と資産経営部、別の部署が地元に入り、互いの動きに触れずに説明します。懇談会の参加者の指摘から、私も改めてこの違和感に気付いた次第です。

先行する自治体では、学校施設の活用や多機能化の事例が報告されています。単なる床面積の縮減ではありません、世代間交流などの新たな価値の創造は、公共資産マネジメントにおける最も重要な視点の一つだったはずです。

そこでモデルケース事業においても、施設サービス圏域を踏まえ、駅周辺のエリア全体を対象とし、様々な可能性を市民とともに検討することが必要ではないでしょうか。今後どのように学校施設との調整を図っていくのか。ご見解をお聞かせ願います。

答弁(資産経営部長)
この度のモデルケースの取組は、具体的な公共施設の再配置をテーマとして、市民、利用者等と連携し、既存施設の機能や市民ニーズの検証等を行い、再配置のあり方の検討や住民との合意形成を図ることを目的に本年4月から開始をいたしました。

その対象施設につきましては、このような取組の趣旨を踏まえて、立地適正化計画等のまちづくりや、施設の状況、他の事例へのモデル性、実現可能性などを総合的に考慮して、八幡宿駅西口の7施設を選定したものであります。

八幡中学校と八幡東中学校につきましては、八幡宿駅東口の市街化調整区域内にあることに加え、学校規模適正化の取組は、未来を担う生徒の教育環境を第一に考える必要があること、更には八幡宿駅東口での学校規模適正化の取組は、今後、地域と議論していく段階にあることを踏まえ、モデルケースの対象施設には含めておりません。

一方で公共施設再配置基本方針におきましては、施設の大規模改修や更新等の際には、周辺施設との機能集約等を含めた検討を行うこととしておりまして、この点からは、学校規模適正化の取組を踏まえて、これを公共施設の再配置にも反映させる必要があるものと認識をしております。

学校施設は、建物の大きさや敷地の規模などから機能集約等の受け皿として活用することも考えられることから、今後の学校規模適正化の動向を注視しつつモデルケースの取組状況を、学校関係者を含む地域の方々に、適宜、発信することにより、市民理解を深め、又市民意見を伺いながら、学校施設を公共施設再配置の中で活用する可能性についても検討してまいりたいと考えております。

昨年開かれた市原地区の懇談会では、学校は地域コミュニティの重要な施設と再確認され、活用を望む声も多く聞かれました。また、統廃合による学校施設の利活用は、すでに地元住民の一大関心事となっています。それら住民の声に対する説明責任も今後しっかり果たしていただきたい。

・広域対象施設をどう考えるのか

もう1点、別の視点から質問します。対象7施設には、支所など3つの地域対象施設の他、青少年指導センター、教育センターなど4つの広域対象施設が含まれています。

そもそもこれら広域対象施設の機能は、八幡地区でなければならない理由があるのか。市民との対話の前提として、そんな根本的な問いかけは必須だと思いますが、今後どのように進めていくのでしょうか。

答弁(資産経営部長)
今回のモデルケースでは、先行モデルとしまして、広域対象施設を含む、多様な施設を対象としておりますことから、施設の機能や位置などについて、ワークショップでの対話に基づく検討を基本としつつ、施設の利用者や地域へのアンケート・懇談会、又外部の有識者等で構成される市原市公共資産マネジメント審議会による審議、又パブリックコメントなど、多様な手法による意見聴取を予定しております。
また、ワークショップにおきましても、その参加者については、施設の利用関係団体等の意見を伺いながら、構成員の工夫を図りまして、広域対象施設等の性格や機能をしっかりと説明するなどして、様々な提案が得られるよう留意してまいりたいと考えております。

現状では、単に類似近隣施設の床面積の集約という側面ばかりが強調されている印象を受けます。将来を見据えて、どの場所にどんなサービス機能が必要なのか、というまちづくりの視点を強調した問いかけをぜひお願いしたい。
また、将来にわたって使い続けられる施設とは、できる限り多様な視点が反映された施設だと思う。このモデルケース事業を、多様な市民による合意形成の仕組みの構築にぜひ繋げていただきたいし、市民同士の対話により新しい住民自治が育まれることも、大いに期待しています。

(2)市全体の再配置の進め方について

モデルケース同様に、市全体においても施設配置のグランドデザインがわかりにくいという印象がある。というのも現在、第2庁舎、いちはら歴史館、南部の廃校施設、五井会館、農業センターなどの大規模施設で、各々具体的な動きがすでに始められているからです。

個々バラバラに動いているように見えますが、一体どんな未来予想図の下でこれら施設が先行しているのか。また今後、市全体としての最適化をどう図っていくのか、ご説明願います。

答弁(資産経営部長)
はじめに、どのような未来予想図で個々の公共施設の取組みが進められているのかについてお答えをいたします。

市では、平成28年の3月に「市原市公共資産マネジメント推進計画」、平成29年の3月に「市原市PPP/PFI導入ガイドライン」、そして、平成30年3月に「市原市公共施設再配置基本方針」及び「市原市公共資産活用基本方針」を策定し、公共資産マネジメントに関する基本的な考え方を順次整備してまいりました。

個々の公共施設の取組につきましては、本市の最上位計画である総合計画で目指す都市像「夢つなぎ ひときらめく 未来創造都市いちはら」の実現に向けまして、公共資産マネジメントに関する基本的な考え方を踏まえつつ、分野別計画との整合を図り、実行計画等に位置づけ、政策会議や市原市公共資産マネジメント推進本部会議を通じた全庁横断的な体制の下取り組んでいるところでございます。

次に、今後の公共施設の最適化についてお答えをします。

公共施設の再配置につきましては、公共施設再配置基本方針に基づき、30年以上の長期的な見通しを含めた個別の施設計画を策定し、今後の施設の維持管理・修繕、改修、更新に係る費用の精緻化や優先順位の検討を行うことで、公共施設に係る市全体の取組の調整を図ってまいりたいと考えております。

また、公共資産の活用につきましては、公共資産活用基本方針に基づき、現状において低未利用の資産を優先し、地域活性化等に資する活用を目指して取組を進めるとともに、今後の公共施設再配置等により廃止見込みの資産については、用途廃止前から計画的に活用検討を図ることで、可能な限り遊休化を抑止してまいりたいと考えております。

これらを的確に進めることで、総合計画で目指す都市像の実現に向けて、公共施設の整備や公共資産の利活用に係る市全体としての最適化に取り組んでまいります。

公共施設のマネジメントは、単に施設をプロットし直すというものではなく、まちの将来像を定め、全市的に俯瞰して必要なサービス機能を洗い出すことが前提にあると思っている。そんなトータルイメージを、早く示していただきたい。

(3)長期財政見通しへの反映について

公共施設の更新費用のシミュレーションは、再配置基本方針(p118)によれば、当初の試算年平均80億円から、取り組みにより年平均53億円まで削減されるとしています。

それでもこれだけの費用がはじき出されているにも関わらず、最新の長期財政収支見通しにおいては「時期や規模が未定なため」として見込んでいません。

公会計上、普通建設事業費は「投資的経費」ですが、改修・更新しなければ市民の安心安全・サービスが維持できない今日の社会では、実質的には経常的経費である。そのコスト枠が財政全体の中で「見える化」されないと、そのための財源確保をどうするかという課題になかなか本気で向き合うことができません。ついその場しのぎや流行りの施策に乗っかってしまうということが懸念されます。

そもそも公共資産マネジメントは、負担をのちの世代に先送りしないための取り組みだったはずです。できるだけ早期に反映させていただきたいのですが、そのためにどのような取り組みをされていくのかお聞かせ願います。

答弁(財政部長)
長期財政収支見通しにつきましては、財政基盤の堅持と財政需要の収支均衡に向けた取り組みとして、決算の状況や現状の税制度等を参考に、現時点において捕捉可能な制度変更や、実施が見込まれる事業などを適切に反映するように努めております。

また、公共施設の老朽化対策につきましては、維持修繕費が一定の割合で増加する見込みとする一方、策定済みの公共インフラ等の長寿命化計画を踏まえ、普通建設事業費にも一定額を計上しております。

しかしながら、大規模改修事業に係る事業費については、その積算の基礎となる公共施設の保全や修繕等の具体の取り組み時期や規模が未確定であるため、現段階では未計上としております。

今後の取り組みといたしましては、公共資産マネジメント推進本部会議を通じて、全庁横断的に策定を進める公共施設の個別施設計画の結果を捉えることが財政基盤の堅持からも重要になりますので、資産経営部との連携を深めながら、庁内関係部局における計画策定を推進し、長期財政収支見通しを策定してまいりたいと考えております。