令和3年第3回市原市議会定例会 質疑応答 代表質問 森山かおる

代表質問 森山かおる

1.立地適正化計画における居住誘導区域内への人口誘導について

*進まない立地適正化計画
 人口減少・少子高齢社会の進展により公共施設の維持更新費用の増大が懸念される中、厳しい財政状況下における持続可能な都市経営が求められるようになりました。そこでコンパクトプラスネットワークを基軸にしたまちづくりを促進するために、本市では2018年3月に立地適正化計画が策定されました。この計画では鉄道駅を中心とした都市機能誘導区域と、その周辺の居住誘導区域が市街化区域内に定められています。都市機能誘導区域については拠点形成構想として取組みが進められていますが、その一方で居住誘導区域についての取組みにはあまり積極性が感じられません。
計画では2035年の目標指標、居住誘導区域内人口密度52.0人/haを維持するために、居住誘導区域外から区域内へ約1万人以上の誘導を図る必要があるとしています。
そこで伺います。立地適正化計画が策定されてからの3年間で、居住誘導区域内の人口動向をどのように評価しているか、お聞かせ願います。

都市戦略部長
 立地適正化計画における居住誘導区域内への人口誘導について、お答えいたします。
 始めに、市原市立地適正化計画では、「将来的な人口集積が想定されており交通利便性が高い、または社会基盤が整っている区域」を居住誘導区域として設定しております。
 また、指標といたしまして、居住誘導区域内の人口密度を設定し、計画策定時点における1ヘクタール当たり52人の人口密度を維持することを目標として掲げております。この指標では、仮に何も施策を講じなかった場合には計画時点から概ね20年後となる2035年において、1ヘクタール当たり48.95人に低下すると見込んでおり、目標値である52人を維持した場合と比較して、人口比で約1万人の差が生じ、単純計算で推計値よりも年間500人の人口増加を図ることが必要と推計しております。
 次に、市全体の人口動向では、住民基本台帳によりますと、立地適正化計画がスタートした平成30年から令和2年までの3年間で約3,900人が減少しており、そのうち約3,500人は死亡者数が出生者数を上回る自然減、約400人は転出者数が転入者数を上回る社会減によるものであります。
 次に、居住誘導区域内の人口につきましては、五井駅周辺やちはら台、うるいど南などでは増加傾向、その他の地域では概ね横ばいの傾向となっており、全体では令和元年に約500人の増、令和2年は横ばいとなっております。この要因といたしましては、各居住誘導区域を含む地区単位の人口動向などから推察いたしますと、自然増減では、ちはら台を除き、市全体と同様に死亡者数が出生者数を上回る状況となっております。
 社会増減では、一部で転出超過の傾向が見られるものの、南部地域など他地区からの移動が多く、五井駅周辺やちはら台など交通・商業・雇用等の都市機能が集積し利便性の高い住宅地において人口増加の傾向にあることから、一定人口誘導が図られているものと捉えております。
 なお、令和元年から2年にかけては、台風等の自然災害や新型コロナウイルス感染症などの要因による影響も想定されることから、引き続き指標の動向を注視してまいります。

*区域外と区域内で奪い合い?
 昨年度から市街化調整区域の規制緩和や居住誘導区域外への定住・移住促進に繋がる事業が次々に打ち出されています。R2~3年度実行計画の重点取組み事業ではお試し居住推進事業、里山ワーク推進事業、加茂学園グローバル化推進事業など合計約4,300万円。加えて今議会では里山ワーク推進事業は1,470万円の増額補正が予定されております。
一方で居住誘導区域内にある良好な都市基盤が整備された既存団地では年々空き家が増え続け、住民は地域の衰退や環境の悪化を感じているも係わらず、居住誘導のための事業は見当たりません。市全体を俯瞰してみると、このバランスの違いについて首をかしげざるを得ません。当局ではどのように捉えておられるのか、お聞かせ願います。

都市戦略部長

 居住誘導区域内外における移住・定住施策について、お答えいたします。
 始めに、市全体の人口移動における特徴といたしまして、南部地域では進学や就職に伴う生活利便性などから北部地域への市内移動が多く、北部地域では結婚や出産を機として市外へ転出する事例が多いと捉えております。
 市では、こうした実態を踏まえ、それぞれの地域特性に応じた移住・定住施策を「まち・ひと・しごと」の側面から横断的に展開していくことが重要であると考えております。
 南部地域においては、コロナ禍に伴う首都圏からの地方回帰の動向を捉え、市外からの人口流入を促進するため、自然環境や空き家などの地域資源を活用し、個人向けの移住促進と、企業オフィスの誘致など働く場の創出の両面から取り組んでいるところであります。
 北部地域においては、南部地域からの移動に加え、臨海部企業への就職に伴う若者世代の転入、利便性の高い住宅地への転入が見られる一方、結婚や1人目の出産を契機として、子育て世代などの若い世代がマイホームを市外へ求めて転出する事例が多く、こうした若者のニーズを捉えた定住促進の施策を展開していくことが必要であると考えております。
 市では、住みよいまちの創出に向けて、JR3駅周辺などの拠点を中心に、道路ネットワークなどの都市基盤の整備や公共交通網の再編、公共施設の活用促進、リノベーションまちづくりによる空き店舗の活用などに、地域の皆様と連携して取り組んでいるところであり、あわせて公共施設の再編による子育て支援機能の強化、企業社宅の立地支援などを進めております。
 今後は、これらの取組を踏まえつつ、若者や子育て世代をターゲットとして居住誘導区域に誘導する施策の強化に向けて、部門横断での検討を進め、北部・南部それぞれの特性を捉えた施策の連携による人口27万人の維持に取り組んでまいります。

*戦略が見えない
 南部にオフィスを誘致して移住定住を促すのであれば、20年30年先を見据えて移住者が運転免許返納後も住み続けられるような環境を整備する覚悟が必要です。
現状では人口27万人維持に執着するが余り、コンパクトシティがおざなりになっているようにしか思えません。
立地適正化計画にある2035年の居住誘導区域内人口密度52.0人/haを維持していくために、今後どのような手順を踏んでいくのか、お聞かせ願います。

都市戦略部長

 居住誘導区域内の人口密度の維持に係る取組について、お答えいたします。
 これまでの実績では、五井駅周辺やちはら台など、都市機能が集積し利便性の高い地域で人口が増加傾向にあることから、人口密度の維持には、さらなる都市機能の集積・利便性の向上による「拠点」を形成し、周辺エリアに好影響を与える魅力あるまちづくりに取り組む必要があるものと捉えております。
 そのためには、地域の強みや資源を活かし、地域ならではの魅力を創出できるよう、拠点ごとに明確なビジョンを掲げた上で、集積すべき都市機能を具体化することが重要であると考えております。
 令和3年3月に策定いたしました「市原市拠点まちづくりビジョン」では、JR五井駅周辺、八幡宿駅周辺及び姉ケ崎駅周辺の各拠点について、地域の皆様との対話を重ねながら、例えば五井駅周辺では「文化と教育を核に、多様な人が集う中心拠点」のように、それぞれの特性を活かしたまちづくりのビジョンをお示しいたしました。
 今後は、地域・事業者・行政がビジョンを共有し、各々が主体性を持って強みを発揮することにより、ビジョンの具現化に結び付けられるよう、連携体制の構築を図りながら、公民連携による社会実験の実施など、段階的に取組を進めてまいります。
 あわせて、市では、拠点に立地する五井会館等の利活用、市原スポレクパークの機能向上など、公共施設の再編やあり方を検討し、今後、拠点別の整備計画として取りまとめてまいります。
 こうした取組を通じ、拠点や周辺一帯について居住地として魅力を高めるとともに、定住促進につながる各種施策を総合的に展開することで、誰もが住みたい・住み続けたいと思えるまちづくりを進め、居住誘導区域における人口密度の維持に取り組んでまいります。

2.環境問題について

 1)残土及び再生土等の埋め立て等に係る対策について
   これまで市民ネットワークは幾度も市の残土条例の上乗せ改正について要望してきたが、私的財産権の侵害、住民同意のデメリット、警察のバックアップがなくなるなどの理由から市の動きは及び腰で、市民の不信感は募っております。
そこに、7月に静岡県熱海市の大規模な土石流災害が発生し人的被害もでました。形質変更された盛り土の危険性が注目されたことで、これまで以上に市民は不安に陥っています。その声を受けて質問させていただきます。
  ① 熱海市の土石流災害を受けての市内の盛り土の状況把握について
    熱海市の土石流を受けて国交省は全国の盛り土の安全性調査に乗り出しました。宅地造成以外のものや大規模盛り土造成地の条件に満たない小規模な宅地の盛り土(面積3,000㎡未満)も抽出する方針だが、その手法は2000年頃までのデジタルマップと2008年以降のものを比較し、標高差が5メートル以上ある場所を抽出するものです。
しかし、これでは2000年頃以前に造られた盛り土や最新のデータにも反映されていない盛り土は抜け落ちる恐れがあります。また2008年以降のものは国土の7割をカバーするにとどまり、残る3割は対象外になると報道されております。
そこでまず伺います。熱海市の土石流災害直後に把握されている盛り土について、総点検を行ったのか。
その結果についてもお聞かせ願います。

環境部長
 熱海市の土石流災害を受けての市内の盛り土の状況把握につきまして、お答えいたします。
 市では、残土や再生土の埋立て区域につきまして、定期的にパトロールを実施し、施工状況を確認しているところでございますが、本年7月に発生した熱海市の土石流災害を受け、県とも連携し、それぞれの役割分担の下、直ちに点検を実施したところでございます。
 具体的には、市におきましては、市の残土条例に基づき許可を取得し、稼働している現場等につきまして、法面にクラックがないか等について、点検を行ったところでございます。
 また、県におきましては、市内で県の残土条例に基づき許可を取得し稼働している現場、及び「再生土の埋め立て等に係る行政指導指針」等に基づき届出を受けた現場について、市と同様に法面にクラックがないか等について、点検を行ったところでございます。
 その結果といたしまして、いずれの現場においても、直ちに土砂等の崩落が懸念されるような状況には無いことを確認しております。
 今後につきましても、定期的にパトロールを実施し、施工状況等を確認してまいります。

国や県の調査で抜け落ちる盛り土について、市はどのように把握して安全性を検証するのか、お聞かせ願います。

環境部長
 国では、熱海市で発生した土石流災害を踏まえ、近年形成された盛土について、災害危険性等に関する総点検を全国的に実施することとし、先月下旬に、本市へも千葉県を通じて依頼があったところでございます。
 点検を行う重点箇所といたしましては、概ね2000年以降に形成された盛土のうち、「土砂災害警戒区域の上流域や区域内」、「山地災害危険地区の集水区域や地区内」、「大規模盛土造成地」とされ、森林法や都市計画法、農地法、残土条例等の土地利用の規制の権限を有する者が、対象となるものを抽出し、現地調査で目視により点検・確認を行い、その結果を国に報告するというものであります。
 これを受け、現在、各法令を所管している各部局において、点検を行う一覧表を作成しているところであり、国の示すスケジュールに基づき、今後、現地調査等を実施し、点検・確認をしていく予定としております。
 このように、今回の総点検は全国的なものであり、本市における点検箇所数も多数になると見込んでおりますことから、2000年以前の盛土など今回の調査対象にはなっていないものにつきましては、今回の点検に一定の区切りがついた段階で、検討してまいります。

状況を一番良く知っているのは地域住民。広く市民から情報を集め、それに基づいて検証していただきたいと思います。

 埋め立て等の区域規制について
  *「崩れる」が前提!
   ここでは2つの観点から伺います。まずリスク回避の観点から。
熱海市の土石流災害が起きてから、盛り土や建設残土が関係したとみられる過去の崩落や地滑りの被害について報道されています。
阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災などの地震、また東広島市、大阪府能登町、西日本豪雨で京都市などが大雨により、盛り土の地滑りや残土の崩落で死者もでました。
昨今の異常気象による台風の大型化やゲリラ豪雨などから、自然の山でさえ土砂崩れを起こしている状況を鑑みれば、自然災害は人知を超えるものと認識し、今後は崩れることを前提として考えなければならないのではないでしょうか。
残土や再生土等の埋め立て件数が多い市原市にとって、市民の安心・安全を最優先に考えるならば、近くに住宅がある所や傾斜地の埋め立てについては区域規制を設けるといった対策が必要だと考えますが、ご見解を伺います。

環境部長
 埋立て等の区域規制について、お答えいたします。
 残土及び再生土の埋立てにつきましては、条例により、土壌の汚染及び災害の発生を未然に防止するため、土壌の安全基準や、土砂等の崩落等を防止するための構造基準を定めているところであり、これに基づき許可を行い、埋立て開始後は、定期的に土壌や水質の検査を職員立会いの下実施し、施工状況を確認しております。
 また、法令に反する埋め立て行為をさせないことが肝要でありますことから、定期パトロールにより許可基準に適合した埋め立てが行われるよう、監視・指導を行っております。
 このように、安全基準や構造基準を埋立て事業者に遵守させ、厳格に運用することが、市民生活の安全や生活環境の保持に資するものであると考えております。
 なお、今回の熱海での土砂災害を受け、全国都道府県議会議長会の定例総会では、国民の生命や財産を守るために、国において規制の強化を含めた法制度の整備を求めることが決議されるなど、国への法整備を求める様々な動きがありますことから、今後まとめられる、盛土の総点検の結果を踏まえた対応も含め、国の動向を注視してまいります。

*自然環境マップは生かされたのか?
 では次に、自然保護の観点からお聞きします。
H23.6月本会議で、市民ネットワークが条例改正について質問した際「自然環境マップ作成事業の結果を踏まえまして、いわゆる「残土条例」及び「市民の環境を守る基本条例」、「緑の保全及び推進に関する条例」、これを連携させながら自然の回復に取り組む」との答弁。
同年9月本会議では、「自然環境マップ作成事業の成果を生かし、必要な条例改正を検討いたしますと以前から申し上げていますとおり、検討に際しては、自然回復の視点から、新たな制度や残土規制の概念も検討したい」と。
その2年後には、「先進市の事例から、希少な野生生物等の保護区を設けるなどの方法もある。このような例も参考にしながら、本市の自然環境の実情を踏まえ、これまでの樹林保全地区や野生動植物保護地区の制度等の対象の範囲や規制について検証し、必要な対応を検討していく」との答弁がありました。
自然環境マップが作成されてから10年が経過しましたが、これらの答弁にあったマップの成果を生かした保護区域については、どのような検討をされてきたのか。また残土条例の改正に至らなかった理由についても、ご説明願います。

環境部長

 お答えいたします。
 自然環境マップは、本市の現状の自然環境を把握し、その活用を図ることにより、市民の皆様等に本市の自然への関心を高め、未来へ引き継ぐ貴重な資源として保全・活用していくことの大切さを理解していただくために作成したものであります。
 これにより判明した貴重な生物等が生息する区域につきましては、地権者の皆様にご理解、ご協力をいただきながら、保全等の取組を進めているところであり、今年度は新たにカタクリなどが生息する市津地区の区域を「野生動植物保護地区」に指定したところであります。
 一方、市の残土条例を改正し、埋立て行為を制限することにつきましては、地権者は土地を活用する権利を有する中で、財産権の尊重の観点から難しい状況にございます。
 自然環境の保全につきましては、地権者の皆様等の協力無しに、市だけで取り組めるものではないことから、今後も、地権者の皆様へご理解、ご協力をいただくための取組を推進するとともに、環境学習等により市民の皆様に自然環境の保全への理解や認識を深めていただけるよう、取り組んでまいります。

③ 住民に寄り添った対応について
*環境を守る基本条例に則り、速やかな対応を
  市原市民の環境を守る基本条例には、このように書いてあります。
大気、水、土地および動植物等の大自然は、祖先から承け継いだ貴重でかけがえのない共有財であり、われらには、これを、われらの子孫に伝え残さねばならない責務が課せられている。ゆえに、この環境を積極的に保全し、また、より良く創造していかねばならないことを決意し、その実現のため次の基本原則を宣言し、この条例を制定する。

Ⅰ すべて市民は、良好な環境を享受し、健康で安全かつ快適な生活を営む権利を有する。Ⅱ 市、事業者、市民は、それぞれの責務を自覚し、良好な環境の保全と創造に最大の努力を払い、自ら良好な環境を侵すような行為をしてはならない。

良好な環境の定義は、市民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要不可欠な環境をいう。
大変素晴らしい内容だと思いつつも、現状との差に憤りを感じる市民もいます。
そこで実際に困っている地域を例に挙げて伺います。
石川地先では、過去の豪雨時に埋め立て区域内から土砂及び土留めの丸太が流出し、近隣の団地内の調整池に流れ込み調整池の機能は低下しました。その影響でR元年度の台風・大雨では調整池前の道路が冠水し、近隣家屋は床下浸水、車も冠水し多くの被害が発生しました。土砂が流出した斜面はブルーシートで覆われており、住民にとって土砂崩れの懸念が払拭できない状況。そこにもってきて、約2年前から持ち上がった再生土の埋め立て計画では、持ち込まれる再生土には高濃度の水素イオンが検出されており、井戸水を利用している近隣住民の健康が脅かされる懸念もあります。
今後、住民の不安に対してどう対応していくのか、お聞かせ願います。

環境部長
 市民の不安に対する対応について、お答えいたします。
 埋立て等に使用する再生土は、県の条例等により水素イオン濃度について、基準に適合することが定められております。
 また、周辺環境に影響が生じないよう、埋立て区域から流出する水についても、それに含まれる水素イオン濃度等の基準が定められております。
 このように、環境影響の防止措置として、それぞれ基準が定められているところであり、それに適合しない埋立てはできないこととなります。
 また、事業開始以降も3か月ごとに、職員立会いの下、地質や水質の検査などを実施し、施工状況や周辺環境への影響の有無を確認しております。
 今後も、事業者に法令等を遵守した施工をさせることで、周辺環境の保全を図り、地域住民の皆様の不安を解消してまいります。

環境を守る基本条例に則って、このような場所を規制措置の対象にするといったことも考えられるのではないか。市民を守る立場で考えてほしい。

*地域住民に寄り添って、とりまとめの部署を
 残土や再生土等の埋め立てについては所管する部署が環境部・土木部・経済部の3部署にまたがることもあります。埋め立て計画が持ち上がる度に、生活環境が脅かされることを懸念する地域住民が情報を手に入れようとしても「ここでは分からない」と言われ、たらい回しにされています。これでは行政への不信感が募るばかり。
市では転入手続きなどでワンストップ窓口を進めていますが、こうした案件についても、相談があれば率先して3部揃えて話し合いの場をもつ、あるいはとりまとめの部署を決めるなど、市民に寄り添った対応を考えていただきたいが、如何でしょうか。

環境部長
 残土、再生土による埋立て等にあたっては、事業者からの事業計画書の提出に際して、関係部署が計画内容について理解を深め、法令に基づく必要な手続きや配慮すべき事項などを協議するため、環境部では「市原市土砂等及び再生土による埋立て等許可連絡会議」を設置しております。
 また、埋立て事業にあたって、主な手続きを要する法令を所管する環境部、土木部、経済部においては、手続きに関する進捗状況や市民の皆様からのお問い合わせ状況などについて、随時、情報共有を図るとともに、現場確認等についても連携して対応しております。
 埋立て事業に関する市民からのお問合せにつきましては、環境部の窓口に寄せられておりますので、こうした会議等を活用し、手続き状況を把握した上で、対応を図っているところであり、詳細な内容の説明を要する場合には、担当部署をご案内しております。
 今後も各事業の内容を把握した上で、関係部とも連携し、市民に寄り添った対応を図ってまいります。

④ 国や県等への働きかけ等と今後の取組について
*国への要望の成果は?
  H30年12月本議会で質問した際、市長はこうお答えになりました。
「再生土については、発生から処分までを市域、県域を超えて一元的に把握する仕組みを
構築することが必要であるとの考えから、私は千葉県環境衛生促進協議会の会長として、
再生土等の埋め立て等の法制化による規制の検討について、直接国に赴き継続して要望を
している」と。あれから約3年経ちますが、その要望の成果について改めて市長にお伺いし
ます。

市長
 再生土の埋立て等につきましては、本市大桶地先に代表される不適正な施工方法による崩落の発生や、他市における粗悪な再生土の使用による周辺環境への影響等の事例が生じていたことから、私は、これまで、近隣自治体とともに県へ、また、千葉県環境衛生促進協議会の会長として、再生土等の処理について、国に継続して要望してきております。
 その結果といたしまして、県におきましては、平成31年4月に「千葉県再生土の埋立て等の適正化に関する条例」が施行され、崩落等の防止及び環境影響の防止の観点から、基準が設けられるとともに、一定規模以上の埋立て等に対して届出が義務付けされたところであります。
 国におきましては、「建設リサイクル推進計画 2020」で、工事現場等からの建設発生土について、発生元から最終の搬出先までの移動実態を把握できるシステムの導入を位置づけ、建設発生土の不適切な取扱の抑制等につながる取組を開始したところであります。
 また、事業者で組織される「公益社団法人 全国産業資源循環連合会」では、国の職員も参加した中で、建設汚泥再生品等の品質規格や製造・保管・品質管理等の基準案について検討され、報告書として取りまとめられるなど、これまでの要望に対し、一定の成果があったのではないかと受け止めております。
 今後も、国における品質基準等の設定など、再生土等の適正利用に向けた取組について、必要に応じて、要望してまいります。

*市民ニーズに応えられているのか
 総合計画基本計画では、自然と共に生きるまちとして、自然を保全・活用し自然と共存するまちを造るとあります。また市民意識調査で環境について市民が一番求めているのは、生活環境の保全です。しかし、これらに関して目に見えるような施策はなく、市民ニーズに応えられているとは思えません。
この5月には県内初のSDGS未来都市に選定されましたが、経済・社会・環境の三側面で一番基本になるのが環境です。
総合計画の最終年度は2026年。誇りをもてる環境を未来に残し、新たな価値の創出による「自然と共生するまち」の実現に向けて、どのように施策を強化していくのか。市長の想いをお聞かせ願います。

市長
 残土・再生土による埋立てについては、これまでも、「不適正な処理はさせない」という強い思いをもって、事業者に条例等の遵守を指導、徹底させているところであり、今後も、県との強固な連携による指導や監視等の厳格な運用を図ることにより、市民の皆様の残土・再生土への不安の払しょくにつなげてまいります。
 また、地球温暖化を要因とする自然災害が近年多発し、市民生活に影響を及ぼす中で、脱炭素社会や資源循環型社会、自然と人とが共生し続ける社会の構築を図ることが必要であります。
 こうしたことから、再生可能エネルギーの利用やサーキュラーエコノミーの取組、市民・事業者のライフスタイル・ビジネススタイルの変革や里山等本市の有する豊かな自然環境の保全など、環境保全と経済活動のバランスを図り、地球温暖化の防止に資する取組をさらに強化してまいります。
 こうした取組により、総合計画で掲げた将来のいちはらの姿の実現を図ってまいります。

市民と行政の危機感に対する認識の違いを感じずにいられません。市民が危惧しているのは、県残土条例の適用除外として県内17市町の自治体が独自条例を制定したことにより、市原市に集中してきていること。そのような中で市内でも再生土の埋め立て現場から土砂崩れが起こり、市道が1年半も通行止めになりました。人的被害がなかったものの、これは熱海市の災害と同様に人災です。
このようなことが繰り返されないよう、国や県任せにせず、市民の安心・安全を守る決意で臨んでいただきたいと思います。

2)化学物質過敏症の方に配慮した農薬の空中散布について
 以前、市民ネットワークは、公共施設における殺虫剤等の使用についてお聞きしたことがありましたが、今回は農薬について取り上げさせていただきます。
化学物質過敏症は、農薬などの有害な化学物質の大量曝露や、微量でも繰り返し曝露された後に発症する疾患で、2009年厚労省で疾患登録された。発症すると様々なごく微量の化学物質に反応して心身に多様な症状が起ります。
2015年に発表された医学者の研究論文によると、成人の罹患率は7.5%、子どもはそれを上回る12.4%(新潟県上越市が行った調査結果)との報告がされており、市内には約2万人いると推測できます。
農薬は空中散布されると大気中に拡散され、遠方にも運ばれて汚染を起こす危険性を伴うことからEUでは原則的に全面禁止されています。また農薬は脳神経系を標的にした殺虫剤であり、ことに子どもの脳発達に悪影響を及ぼすものが多いため、取り扱いについては慎重さが求められます。
しかしながら、毎年7月に行われる水稲病害虫防除の農薬空中散布では、散布予定地、延期の日程や注意喚起などが明確に示されておりません。
そこで、化学物質過敏症の方に配慮した農薬の空中散布について、今後の対応をお聞かせ願います。

経済部長
 化学物質過敏症の方に配慮した農薬の空中散布について、お答えいたします。
 無人ヘリコプター等による農薬の空中散布は、本市の主要農産物である米の生産量と品質の安定化のために、市原市植物防疫協会が実施主体となり、市との連携のもと、毎年7月に実施しております。
 農薬の空中散布の周知につきましては、農林水産省のガイドラインの中では、実施地区の施設管理者ですとか、居住者に対して、散布日時等の情報を十分な時間的余裕をもって提供することとしており、市としましては、実施にあたって看板の設置ですとか、町会への回覧、小中学校、医療機関、広報いちはら、ホームページの掲載に加えて、事前に巡回車を回して周知に努めております。
 このような中で、化学物質過敏症の方への配慮としましては、更なる安心安全に向けての対応が必要だと考えておりますので、散布予定地につきまして、より分かり易い情報提供となるよう、例えば、実施地区の図面を市のホームページに掲載するなどについて、関係者間で協議を進めて、改善に取り組んでまいります。
 また、散布の延期につきましても、巡回などの徹底に加えまして、情報配信メールなど様々な手段を活用して、きめ細かな周知を図ってまいります。